ヴァイオレット・エヴァーガーデン 第7話ネタバレ
第7話
役者「説得の余地などない!愚行を働いた輩(やから)に対して手を下したまでだ」
役者「善人の皮をかぶった悪魔め!闇の底へと沈め!」
役者「手を下したお前も私と同類。咎人(とがびと)の業火に焼かれるがいい」
役者「ああ… 私は この罪を背負って生きるしかない!この先 一生!」
ヴァイオレット「赤い悪魔」でしたら今戯曲を読んでいます
ヴァイオレット「“ああ… 私は この罪を背負って生きるしかない。この先 一生”」
カトレア「ねえ」
クラウディア「ん?」
カトレア「例の少佐のことあの子に話した?」
クラウディア「いや」
カトレア「最近のあの子、時々何か考え込んでるみたいだから」
ヴァイオレット「自動手記人形サービスです」
オスカー「何だ? それは」
オスカー「しかし驚いた...まさかこんな子供が来るとはな」
オスカー「うっ...俺は飲まないと書けない」
ヴァイオレット「書くのは私です」
オスカー「じゃあ 執筆は明日からにしよう」
オスカー「ん? その手は?」
ヴァイオレット「戦争で失いました。ですが、作業には問題ありません」
オスカー「あ...」
ヴァイオレット「旦那様、執筆に差し支えない程度には片づけました」
オスカー「ないな...港の商店に売ってるから買ってきてくれ...それと夕食も...カルボナーラがいい」
店主「聞いたメニューの材料はそろえたよ」
ヴァイオレット「いえ、これを 一体どうやって調理すればよいのでしょう?」
店主「え? 殻を割って黄身だけ取り分けて」
ヴァイオレット「黄身?」
ヴァイオレット「料理に挑戦しております」
ヴァイオレット「私はあとでいただきます」
オスカー「棚にあった酒をどこにやった?」
ヴァイオレット「隠しました」
オスカー「あっ」
ヴァイオレット「どうやって消えるのですか?」
オスカー「舞台上ではためいてた赤い布を引っ込めると、消えたように見えるだろ?」
ヴァイオレット「なるほど 了解しました」
オスカー「なあ、どう思う?面白いか?」
ヴァイオレット「何というか…」
オスカー「何というか?」
ヴァイオレット「本当の話ではないのに、自分が体験しているようです。自分がこのオリーブという少女と同じように、喜んだり悲しんだり不安になったりするのはどうしてなのでしょうか?」
オスカー「それは、君が主人公と…オリーブと同じ気持ちになってくれてるってことだよ。オリーブに共感してくれてるんだ。君がそう感じてくれてホッとした。子供向けの芝居を書くのは初めてでね」
ヴァイオレット「このあとオリーブは火の谷を越えて無事に剣を手に入れ、怪物を倒すのですよね?」
オスカー「ああ、でも その代わりに精霊使いの力を失ってしまうんだ」
ヴァイオレット「そんな…では、どうやって故郷へ戻るのですか?船も壊れてしまいましたし…」
オスカー「いい天気だな....いや よすぎるか」
ヴァイオレット「旦那様」
ヴァイオレット「これは?」
オリビア「いつかきっと見せてあげるね」
ヴァイオレット「私には...それをくみ取る能力がなく...本当に申し訳ございません」
オスカー「俺は...もう何も書けない...だがこのままじゃダメだ...そう思ってあの子に…オリビアに聞かせてやった話を完成させようと思って...」
オリビア「わあっ」
オスカー「オリビア!」
オリビア「大丈夫。いつか きっと見せてあげるね」
オリビア「お父さん」
オスカー「そして...医者との不毛な押し問答を繰り返し...残された時間を過ごすため俺は...娘を連れて戻ることにした」
オスカー「久しぶりの娘の笑顔...」
オスカー「さっきはすまなかった」
ヴァイオレット「いえ、おつらいのは旦那様ですのに...私のほうが取り乱してしまい申し訳ありません」
オスカー「完成させるよ。オリーブの物語を」
オスカー「少女は帰ってきて父親と再会する。どんなにつらい冒険をしたとしても最後はハッピーエンドだ」
オスカー「主人公も観客も幸せになる。いや、してみせる」
オスカー「そして倒れる怪物。オリーブ“ついに怪物を倒したわ”」
ヴァイオレット「鳥でしたら、飛んで帰れますが…」
ヴァイオレット「傘では飛べません」
オスカー「飛べるんだ。風の聖霊がもう一度だけ現れて言う“オリーブ あなたの傘を広げて”」
ヴァイオレット「ステキな着想です」
ヴァイオレット「また行き詰まったのですか?」
オスカー「んっ…君、ちょっと向こうから歩いてきてくれないか?イメージをつかみたい」
オスカー「できたら、湖に浮かぶ木の葉の上をね」
ヴァイオレット「了解しました」
オスカー「いや、今のは…」
オリビア「私もこの湖を渡ってみたい」
オスカー「死なないでほしかったな」
オスカー「(奇跡をかなえてくれた彼女に俺は言った。“神様なんていないと思っていたけど、いるなら 君のことだろう”と)」
オスカー「ああ」
ヴァイオレット「もっと飛べると思っていたのですが…」
オスカー「(ヴァイオレット・エヴァーガーデン)」
ディートフリート「多くの命を奪った その手で、人を結ぶ手紙を書くのか?」
クラウディア「君は自分がしてきたことで、どんどん体に火がついて」
クラウディア「燃え上がっていることをまだ知らない」
ディートフリート「多くの命を奪った その手で、人を結ぶ手紙を書くのか?」
クラウディア「君は自分がしてきたことで、どんどん体に火がついて」
クラウディア「燃え上がっていることをまだ知らない」
ヴァイオレット「私は…」
ヴァイオレット「武器として人をあやめてきた私が...それでいいのですか?私は誰かの“いつかきっと”を奪ったのではないのですか?そしてその人たちにも愛する相手がいたのではないですか?」
ヴァイオレット「燃えていません」
ヴァイオレット「燃えています」
ヴァイオレット「燃えています!自分がしてきたことでどんどん体に火がついて燃え上がっています!」
ティファニー「あら?あなたヴァイオレット」
ヴァイオレット「奥様、いつぞやは大変 失礼をいたしました。奥様のお心を傷つけてしまい、誠に申し訳ございませんでした」
ティファニー「あら?あなたヴァイオレット」
ヴァイオレット「奥様、いつぞやは大変 失礼をいたしました。奥様のお心を傷つけてしまい、誠に申し訳ございませんでした」
ヴァイオレット「“亡くなった”?」
クラウディア「それは…」
ヴァイオレット「生きていらっしゃるのですよね?」
クラウディア「あっ...すまない...どうしても君に言えなかった」
クラウディア「インテンス最終決戦のあと、聖堂の下で君は1人倒れていた。恐らく 砲撃を食らう寸前、あいつは 君を突き飛ばしたんだ」
クラウディア「あいつは確認できなかったが...ガレキの下に認識票があった」
クラウディア「それで未帰還扱いになって…」
クラウディア「あっ...すまない...どうしても君に言えなかった」
クラウディア「あいつは確認できなかったが...ガレキの下に認識票があった」
クラウディア「それで未帰還扱いになって…」
ヴァイオレット「少佐はきっとご無事です」
クラウディア「ヴァイオレットちゃん」
ヴァイオレット「ご無事です!」
ヴァイオレット「分かりません… 分かりません...どうして… どうして私だけ…おかしいです!そばには少佐がいらしていたのに...そして 私に…」
クラウディア「ヴァイオレットちゃん...つらくても受け入れるんだ」