ヴァイオレット・エヴァーガーデン第5話ネタバレ⑴
第5話 人を結ぶ手紙を書くのか?
"You Write Letters That Bring People Together?
クラウディア「失礼します」
中将「一杯やるかね?」
クラウディア「いえ、今は」
中将「そうだ。ドロッセルとフリューゲル…敵対した勢力同士が幸せな婚姻を結ぶ」
中将「これは戦争が終わった事を周辺諸国に告げる明確な儀式なのだよ」
ヴァイオレット「お初にお目に掛かります。自動手記人形サービス、ヴァイオレット・エヴァーガーデンです」
シャルロッテ「わたくしはシャルロッテ・エーベルフレイヤ・ドロッセル…隣国フリューゲルの王子ダミアン・バルドゥール・フリューゲルと婚姻する予定です」
アルベルタ「公開恋文は如何に美しい文章で恋を綴るか、人々に二人の婚姻は素晴らしいものだと思わせられるのか」
シャルロッテ「代筆屋、すべてはお前の腕に掛かっています」
ヴァイオレット「心得ております。ご期待を裏切らない働きを致します」
シャルロッテ「なんだか人と話している気がしないわね。お前、本当に人形みたいだわ」
ヴァイオレット「恋愛はした事がありません。しかし…古今東西の文献にあたり、統計的に分析はしております」
ヴァイオレット「"愛"...と言う事について考えております。愛も、愛がない結婚も…現時点では充分な情報と理解が足りず、返答できません」
シャルロッテ「なんなのお前は!今までどんな風に生きてきたのよ!」
シャルロッテ「会話が上手く成り立たないじゃない!わたくしよりお前の今後の方が心配よ!」
シャルロッテ「それと!もう少し表情豊かに話せないの!?」
ヴァイオレット「少々お待ちください」
ヴァイオレット「書けました」
アルベルタ「ダミアン・バルドゥール・フリューゲル様」
アルベルタ「わたくしがその名前を言葉にするだけでも、こうして文字として表すだけでも」
アルベルタ「心が震えると言ったら貴方はどう思うのでしょうか?」
アルベルタ「姫?お隠れになってもどこにいるのかすぐに分かりますよ」
アルベルタ「姫!私が嫁ぎ先のお母様でしたら今のは減点ですね。姫は感情的になるとご自身の立場をお忘れになられる」
シャルロッテ「お前が!母上の腹からわたくしを取り上げて…お前が!わたくしを育てたのよ!」
シャルロッテ「手紙も…お前も…なにもかも…出て行って!出て行ってよ…!」
中将「そうか...まあ君はもう軍の人間ではなく、民間の会社経営者だからな。だいぶ繁盛してるそうじゃないか」
クラウディア「お陰様で」
中将「だが、それも再び戦争が始まったらどうなるかな?」
クラウディア「…北側と?」
中将「そうだ。ガルダリク帝国に率いられた北部同盟諸国の中には和平に納得できない勢力がいる」
中将「ドロッセルの公開恋文は知っているな?」
クラウディア「ドロッセルは…我々南部連合の一員でしたね」
中将「そうだ。ドロッセルとフリューゲル…敵対した勢力同士が幸せな婚姻を結ぶ」
中将「これは戦争が終わった事を周辺諸国に告げる明確な儀式なのだよ」
ヴァイオレット「社長、では行ってまいります」
兵士「こちらが王宮です」
兵士「では、良い手紙を」
アルベルタ「C.H.郵便社ヴァイオレット・エヴァーガーデン様…シャルロッテ・エーベルフレイヤ・ドロッセル王女殿下にご謁見でございます」
ヴァイオレット「お初にお目に掛かります。お客様がお望みならどこでも駆け付けます。自動手記人形サービス、ヴァイオレット・エヴァーガーデンです」
兵士「では、良い手紙を」
アルベルタ「C.H.郵便社ヴァイオレット・エヴァーガーデン様…シャルロッテ・エーベルフレイヤ・ドロッセル王女殿下にご謁見でございます」
ヴァイオレット「お初にお目に掛かります。お客様がお望みならどこでも駆け付けます。自動手記人形サービス、ヴァイオレット・エヴァーガーデンです」
シャルロッテ「…なに?代筆屋が来たの?」」
ヴァイオレット「お初にお目に掛かります。自動手記人形サービス、ヴァイオレット・エヴァーガーデンです」
シャルロッテ「わたくしはシャルロッテ・エーベルフレイヤ・ドロッセル…隣国フリューゲルの王子ダミアン・バルドゥール・フリューゲルと婚姻する予定です」
シャルロッテ「お前には公開恋文の代筆をして貰います」
アルベルタ「姫?格調高く仰っていてもそのお姿では台無しでございます」
アルベルタ「公開恋文は如何に美しい文章で恋を綴るか、人々に二人の婚姻は素晴らしいものだと思わせられるのか」
シャルロッテ「代筆屋、すべてはお前の腕に掛かっています」
ヴァイオレット「心得ております。ご期待を裏切らない働きを致します」
シャルロッテ「なんだか人と話している気がしないわね。お前、本当に人形みたいだわ」
シャルロッテ「ときに代筆屋、歳はいくつなの?」
ヴァイオレット「申し訳ございません。孤児なので自分の正しい年齢が分かりません。ですが…大体14歳ぐらいだろうと聞かされております」
アルベルタ「恋愛対象として見られるか、と姫様は聞いておられます」
ヴァイオレット「恋愛はした事がありません。しかし…古今東西の文献にあたり、統計的に分析はしております」
ヴァイオレット「それから判断すれば、歳の離れた夫婦や恋人はたくさんいます。世間的に言えば特に年齢の垣根はないのでは?」
シャルロッテ「十も年上でも?」
アルベルタ「ダミアン王子は24歳なのです」
ヴァイオレット「問題ないと思われます」
シャルロッテ「…愛がなくても?どうなの?」
ヴァイオレット「"愛"...と言う事について考えております。愛も、愛がない結婚も…現時点では充分な情報と理解が足りず、返答できません」
シャルロッテ「なんなのお前は!今までどんな風に生きてきたのよ!」
シャルロッテ「会話が上手く成り立たないじゃない!わたくしよりお前の今後の方が心配よ!」
シャルロッテ「それと!もう少し表情豊かに話せないの!?」
ヴァイオレット「少々お待ちください」
ヴァイオレット「書けました」
アルベルタ「ダミアン・バルドゥール・フリューゲル様」
アルベルタ「心が震えると言ったら貴方はどう思うのでしょうか?」
アルベルタ「わたくしはこの花の都からあらゆる事柄から貴方を結び付けて溜息を漏らす毎日なのです」
アルベルタ「例えば…それは夜空に浮かぶ月を見上げた時」
アルベルタ「わたくしは欠けた月をひらりと舞い落ちる花弁のようだと思います」
アルベルタ「そして次にこう考えるのです」
アルベルタ「貴方は同じものを見て、何を思うのかしら、と…」
アルベルタ「指定通り“月”と“花”が入っていますね」
アルベルタ「例えば…それは夜空に浮かぶ月を見上げた時」
アルベルタ「わたくしは欠けた月をひらりと舞い落ちる花弁のようだと思います」
アルベルタ「そして次にこう考えるのです」
アルベルタ「貴方は同じものを見て、何を思うのかしら、と…」
アルベルタ「指定通り“月”と“花”が入っていますね」
ダミアン王子のお手紙
伝令兵「白椿の城でその美しさを讃えられるシャルロッテ・エーベルフレイヤ・ドロッセル様」
伝令兵「私の恋の物語であり、情熱の対象である貴女について馳せる想いは溢れんばかりです」
伝令兵「私は早く私の貴女に…」
伝令兵「触れたいと思っています」
伝令兵「私の恋の物語であり、情熱の対象である貴女について馳せる想いは溢れんばかりです」
伝令兵「私は早く私の貴女に…」
伝令兵「触れたいと思っています」
伝令兵「失礼致します」
アルベルタ「姫のことは…お妃様のお腹の中にいる頃から存じております」
アルベルタ「姫?お隠れになってもどこにいるのかすぐに分かりますよ」
アルベルタ「姫!私が嫁ぎ先のお母様でしたら今のは減点ですね。姫は感情的になるとご自身の立場をお忘れになられる」
アルベルタ「フリューゲルに嫁がれればこのアルベルタは居ないのですよ」
シャルロッテ「どうしてそんなこと言うの…」
アルベルタ「私は宮廷女官です。私の身は王宮のものであってシャルロッテ様のものではないのです」
シャルロッテ「お前はわたくしのものよ!」
シャルロッテ「お前が!母上の腹からわたくしを取り上げて…お前が!わたくしを育てたのよ!」
シャルロッテ「少なくとも…わたくしはお前のものだわ!」
シャルロッテ「手紙も…お前も…なにもかも…出て行って!出て行ってよ…!」
シャルロッテ「そういうわけじゃないわ...ただ…わたくしが一度だけお会いしたダミアン様はあんな言葉を使う方ではないの」
シャルロッテ「ねえ…今だけドロッセルの王女をやめてもいいかしら?」
ヴァイオレット「…はい」
シャルロッテ「わたくしが10歳になる日…ドロッセルでは盛大な宴が開かれたの」
シャルロッテ「王族は10歳になればもう結婚の対象。会う相手、会う相手…すべてが見合いの相手。誕生日を祝われてる気がまったくしなかったわ」
シャルロッテ「わたくしの気持ちなんてどうでもいい…そう思われてるみたいだった」
ダミアン「よお」
ダミアン「誰も見付けてくれなかったのか?」
シャルロッテ「わたくしは…泣き止みたいの!そんなこと言わないで…」
ダミアン「宴で見た時、なんて小生意気な子供なんだと思った。こうして泣いていて安心したよ」
ダミアン「あんな誕生会最悪だ。俺ですら逃げ出して来たんだ、当の本人なら泣きたくもなるさ。じゃあな」
ダミアン「宴で見た時、なんて小生意気な子供なんだと思った。こうして泣いていて安心したよ」
ダミアン「あんな誕生会最悪だ。俺ですら逃げ出して来たんだ、当の本人なら泣きたくもなるさ。じゃあな」
シャルロッテ「その後、戦争が悪化してわたくしの結婚どころではなくなったの。ところが戦争が終わってすぐに縁談が持ち込まれて驚いたわ」
シャルロッテ「だからわたくし、この機会を逃してはならないと両国が繋がれば国益となり得る情報を調べ上げたわ」
シャルロッテ「父上や議会にもそれとなく根回しをして…」
シャルロッテ「そのせいかは分からないけど、ドロッセルはフリューゲルを選んだ」
シャルロッテ「わたくし、この婚姻が嬉しくて仕方ないの」
シャルロッテ「だけど…あの方はどうなのかしら...本当は心に決めた方がいらしたのではないのかしら?歳だって十も離れているわ…お話が合わないかもしれない...」
シャルロッテ「だって…わたくしなんて...ただの泣き虫な娘よ...アルベルタもいない異国で、もし嫌われてしまったら…」
シャルロッテ「あんな手紙の内容は全部ウソ…本心が見えないわ...わたくしは…あの方の本当の気持ちが知りたいの」
ヴァイオレット「本当の…気持ちが知りたい...」
ヴァイオレット「我々自動手記人形はお客様にとっての代筆のドール。役割以外の仕事は致しません。ですから…これからする事は私の出過ぎた行為です。弊社C.H.郵便社と無関係とご承知下さい」
シャルロッテ「何をする気なの?」
ヴァイオレット「貴女の涙を止めて差し上げたい」
ヴァイオレット「実は…あちらのドールが書く文書に少し覚えがあります」
伝令兵「シャルロッテ・エーベルフレイヤ・ドロッセル様!あの月の夜、白椿の庭での俺のことを覚えていますか?」
「あの手紙、手書きよ!」
「中身もあれだけで一体なんなの?」
「歴史上初の事態よ。どういうこと?」
シャルロッテ「ヴァイオレット!」
ヴァイオレット「相手方のドールと今後の手紙の協議をして参りました。次は…貴女が手紙を書いて下さい、貴女自身の言葉で」
シャルロッテ「ダミアン・バルドゥール・フリューゲル様…覚えています。貴女、わたくしの泣き顔を見て笑いましたね?わたくしとても腹が立ちました」
シャルロッテ「けれど…“貴女が泣いていい”と言ってくれた声を、その時の優しさを…いつまでも覚えています」
ダミアン「年相応の君が可愛くて笑ったんだ、悪気があったわけじゃないゴメンよ。俺は肩書は王子だけど、みんなが望むような性格じゃない。大人の男を期待しないでくれ。あの夜…一度しか会ってないけど、君はどんな子なの?」
「素敵…!」
「本気の恋文みたい…」
シャルロッテ「わたくしは…泣き虫で癇癪持ちです。きっと貴方を夢中にさせるような女性ではありません」
「そんなことないよー!」
「姫様を安心させてやれよ王子様ー!」
ダミアン「妹がいるから泣き虫な女の子は慣れているよ。でも俺も大層な人間じゃない。君を夢中にさせるような男じゃないさ」
「なに言ってんだよー!」
「男なら“俺に付いて来い”だろ…」
シャルロッテ「いいえ!わたくしはもう既に…貴方に夢中なのです!」
ダミアン「最初の手紙のせいかい?あれは腕の良いドールが書いてくれたんだ」
ダミアン「たった一度泣いているのを慰めただけだよ」
ダミアン「君を置いて狩りに出掛けたりすると思う。きっと君をガッカリさせると思うよ。君は大人になる過程で…もっと素敵な人に出会うと思う」
シャルロッテ「お言葉ですが!素敵な男性とはどのような方ですか?お顔?お金?」
シャルロッテ「それで良いんです!それが良いんです」
シャルロッテ「貴方が狩りに行くのなら、わたくしも行きます!ドロッセルの王女を舐めないで下さい!」
シャルロッテ「どんな殿方にも嫁げるように教育されています。遠乗りならわたくしの方が速いわ」
シャルロッテ「あんなこと書かなければ良かった!きっと可愛くない生意気な女と思われているに違いないわ…あー!こんなことならヴァイオレットにすべて任せておけばよかった…アルベルタも止めてくれれば良かったのにー!」
ヴァイオレット「シャルロッテ様…」
アルベルタ 「お返事です」
シャルロッテ「お返事はなんと?」
アルベルタ 「今宵、月下の庭園で待つ、と」
ダミアン「おう」
シャルロッテ「ダミアン様…?」
ダミアン「返事を持ってきた」
ダミアン「俺の未来の花嫁は賢くて、気が強くて、面白い人らしい。良い妃になる」
ダミアン「結婚してくれないか?」
シャルロッテ「…はい」
ヴァイオレット「恋が…実りました」
アルベルタ 「姫様、お支度の時間です、お目覚めになって下さい」
アルベルタ 「姫?」
シャルロッテ「ウフフッ アルベルタ」
アルベルタ 「さ!お支度を。シャルロッテ様」
シャルロッテ「ウフッ わたくしはここよアルベルタ。おはよ」
アルベルタ 「姫?大人をからかうものではありませんよ」
シャルロッテ「あら?わたくしだってもう立派な大人だわ」
アルベルタ 「さ!お支度を。シャルロッテ様」
アルベルタ「幸せにおなりなさい…シャルロッテ姫」
ヴァイオレット「感謝します」
カトレア「私、お肉食べたい」
ヴァイオレット「それが…借りの代償という事でしょうか?」
カトレア「その通り~」
ヴァイオレット「了解しました」
カトレア「ねえ…今日本当に良い日ね。そう思わない?」
ヴァイオレット「はい…」
ヴァイオレット「良い、結婚日和です」
ライデンシャフトリヒ ライデン港
ディートフリート「貴様…」
ヴァイオレット「ディートフリート・ブーゲンビリア海軍大佐…」