ヴァイオレット・エヴァーガーデン 第6話ネタバレ
第6話 どこかの星空の下で
"Somewhere, Under a Starry Sky"
カイル「おいリオン、見てみろよ。大陸中から来た女たちがこっちに向かってくるぜ」
カイル「ああ 自動手記人形な。客のためだけに美しい言葉を書き出してくれる美しい女たちだ」
リオン「フンッ 美しく飾るのは金持ちとの結婚を夢見る女がなる職業だからだと聞いたがな」
イベリス「どうしたの?」
ヴァイオレット「いえ、ありがとうございます」
ルクリア「大丈夫?ちょっと元気がないみたいだけど」
職員達「おお~」
ルベリエ「まあ それだけであれば写本課の人員だけで事足りたのですが、先月 当方に大変貴重な、けれど、非常に保存状態の悪い書物が大量に運び込まれました。中には 一度ページをめくれば崩れてしまうようなものまで含まれておりました」
カイル「あっ ああ… よろしく」
「エヴァーガーデンです」
リオン「あっ ああ…いえ 別に」
ヴァイオレット「失礼いたしました」
ヴァイオレット「はい」
リオン「暗き天より出でしその光の矢」
リオン「長き尾を引きて聖バルバロッサの首を刈りき」
リオン「故アリアドナ占星術師いわく 光の矢」
リオン「不吉の前触れなり その輝く光の過ぎしあと疫病 蔓延し」
リオン「王の崩御が国を揺るがす」
リオン「聖バルバロッサも また同じく光の矢に射ぬかれてその魂と躯を引き剥がされしか」
リオン「光の矢の出現は、アリアドナの言葉によらば過去にもあり」
リオン「なあ、何であれだけの代筆をこなして、そんなに元気なんだ?」
ヴァイオレット「代筆は移動に比べればさほど疲労することはありません。私たちドールは、いつでもどこでも、お客様のお望みであれば駆けつけるのが仕事です」
リオン「何でそんな大変な仕事をしてるんだよ」
ヴァイオレット「最初は任務だと思っておりました。ですが、いろいろなお客様のもとでその思いを紡ぐ」
リオン「そうだな」
ヴァイオレット「果たして...私はそのようなすばらしい仕事にふさわしいのでしょうか?」
ヴァイオレット「何が...おっしゃりたいのでしょうか?」
職員「リオンがパートナーでかわいそうだってことだよ」
「あいつ、鼻持ちならない性格だろ?」
リオン「それが俺だ...今思えば幸せないい家族だったと思う...だが...ある日父が帰ってこなくなった...シャヘルの文献収集を担当していた父は、大陸中を回って貴重な書物を集めていた。危険な場所へ行くことも少なくない仕事だったんだ...」
リオン「同じ旅人同士だ!」
リオン「ヴァイオレット・エヴァーガーデン!」
ヴァイオレット「はい」
リオン「くっ....うっ....」
リオン「そのときは」
リオン「また一緒に星を見てくれるか?なあ!ヴァイオレット・エヴァーガーデン!」
「あいつ、鼻持ちならない性格だろ?」
「シャヘルの寄付がなけりゃここで働くこともできない孤児だったんだ」
「君みたいにステキな女性あいつにはもったいない。だから仕事が終わったら僕たちの所へ」
ヴァイオレット「私も孤児です。それに、私は皆様がおっしゃるようなろくな生き方もしておりません」
「いや、君は違うよ。なあ?」
リオン「え? 怒ってない」
リオン「うっ...」
リオン「昼食の時間だぞ」
ヴァイオレット「習性です」
ヴァイオレット「食べているときと寝ているときというのは無防備です。敵への反応が遅れます」
リオン「軍人?」
ヴァイオレット「おかしいでしょうか?」
ヴァイオレット「ただの?」
リオン「ああ..ただの女だよ」
ヴァイオレット「初日の写本で触れてあった彗星ですね」
リオン「見たくないか?」
リオン「いい 遠慮するな...スープも飲んでろ」
リオン「バカを言え!俺は優しくなんてない!それに...女は苦手だ...冷たくしている」
リオン「覚えてるか?図書館でいろいろ言われたの」
ヴァイオレット「はい」
リオン「それが俺だ...今思えば幸せないい家族だったと思う...だが...ある日父が帰ってこなくなった...シャヘルの文献収集を担当していた父は、大陸中を回って貴重な書物を集めていた。危険な場所へ行くことも少なくない仕事だったんだ...」
リオン「イヤだ! 行かないで!お母さん! お母さん!」
ヴァイオレット「旦那様は お母様のことが...とても大切だったのですね...」
リオン「そっちはどうなんだ?」
ヴァイオレット「私には 血のつながった家族はおりません」
リオン「その人と離れて寂しくないのか?」
リオン「本気で言ってるのか?」
ヴァイオレット「私はウソはつけません」
ヴァイオレット「なります...」
ヴァイオレット「それが“寂しい”...?私は あの方と離れて...寂しいと感じていた...」
リオン「...悪い...困らせたな」
ヴァイオレット「いいえ、そうではありません」
リオン「えっ...」
ヴァイオレット「私にとってあの方の存在は、まるで世界そのもので...それがなくなるくらいなら、私が死んだほうがいいのです」
リオン「...いや...驚いた...」
ヴァイオレット「そうなのでしょうか?」
ヴァイオレット「旦那様、あの彗星、尾が長くなっている気がします」
リオン「ん?」
ヴァイオレット「はい。初めて間近に星を見ました」
職員「ありがとう!気をつけてな!」
イベリス「お世話になりましたー!」
カイル「また来いよ」
ヴァイオレット「旦那様 短い間でしたがお世話になりました」
リオン「ああ」
リオン「同じ旅人同士だ!」
ヴァイオレット「はい」
リオン「くっ....うっ....」
リオン「そのときは」
リオン「また一緒に星を見てくれるか?なあ!ヴァイオレット・エヴァーガーデン!」