吉野順平「なっ!!...なんだこれ....」
刑事「俺も詳しくは知らねぇよ。でもお前も見たろ?あれは人の領分を外れてる」
虎杖「いや全然見えない」
七海建人「それは見ようとしないからです。私たちは普段当たり前のように呪いを視認しています」
七海建人「術式を行使すれば痕跡が残る。それが残穢(ざんえ)。だが残穢は呪霊に比べ薄い。目を凝らしてよーく見てください」
七海建人「術式を行使すれば痕跡が残る。それが残穢(ざんえ)。だが残穢は呪霊に比べ薄い。目を凝らしてよーく見てください」
虎杖「んっ~」
七海建人「追いますよ」
虎杖「おっす!気張って行こうぜ!」
七海建人「いえ!そこそこで済むならそこそこで...行きましょう」
虎杖「(なん~か噛み合わないなぁ...打ても響かず)」
七海建人「その言い方やめてください」
虎杖「あっ...はい。はじめまして」
五条悟「ああっ!!」
七海建人「上のやり口は嫌いですが私はあくまで規定側です。話が長くなりましたね」
七海建人「要するに、私もあなたを術師として認めていない」
七海建人「宿儺という爆弾を抱えていても己は有用であるとそう示すことに尽力してください」
七海建人「上のやり口は嫌いですが私はあくまで規定側です。話が長くなりましたね」
七海建人「要するに、私もあなたを術師として認めていない」
七海建人「宿儺という爆弾を抱えていても己は有用であるとそう示すことに尽力してください」
七海建人「いえ、私ではなく上に言ってください」
虎杖「ん?」
七海建人「ナメるナメないの話ではありません。私は大人で君は子供。私には君を自分より優先する義務があります」
虎杖「ガキ扱いならナメられた方が良かったよ」
七海建人「君はいくつか死線を超えてきた。でもそれで大人になったワケじゃない。枕元の抜け毛が増えていたり、お気に入りの総菜パンがコンビニから姿を消したり」
七海建人「そういう小さな絶望の積み重ねが」
七海建人「人を大人にするのです」
七海建人「君はいくつか死線を超えてきた。でもそれで大人になったワケじゃない。枕元の抜け毛が増えていたり、お気に入りの総菜パンがコンビニから姿を消したり」
七海建人「そういう小さな絶望の積み重ねが」
七海建人「人を大人にするのです」
七海建人「聞いてますか虎杖君?」
七海建人「またはばらすことで...」
七海建人「(その力が人間離れしているのか...初撃が少ない呪力なら並の術師の120%成立している。そこに流れ込んでくる本命の呪力。やられる方は想像以上にイヤでしょうね。伸びしろもある。100%の体術に100%の呪力を乗せられるようになれば...あの人が連れてきただけはあるわけだ)」
七海建人「それだけならはじめに気付けますよ。私達が戦った2人には、呪霊のように呪力がみなぎっていた」
家入硝子 「そればっかりは犯人に術式の事を聞くしかないな」
家入硝子「ただ脳幹のあたりにいじられた形跡がある。おそらく意識障害、錯乱状態を作り出すためだろ。脳までいじれるなら、呪力を使えるように人間を改造することも可能かもしれん。脳と呪力の関係はまだまだブラックボックスだからな。そうだ!虎杖は聞いているか?」
虎杖「あ!うっす」
家入硝子「こいつらの死因はざっくり言うと身体を改造させられたことによるショック死だ。君が殺したんじゃない」
虎杖「...はい...」
七海建人「相当なやり手です。これはそこそこでは済みそうにない。気張っていきましょう」
虎杖「おっ!!」
月曜日 午前 11:00
真人「特級仮想怨霊。そう呼ばれる呪霊がいる。呪霊は人間から漏出した呪力の集合体。実在しなくとも共通認識のある畏怖のイメージは」
吉野順平「共通認識のある畏怖のイメージ...有名な妖怪や怪談ってことですか?」
真人「そう!トイレの花子さんとか九尾の妖狐とかいろいろ」
真人「呪術師はそれらを特級仮想怨霊として登録し警戒してる」
真人「正体不明の強力な呪いもとりあえず仮想怨霊としてカテゴライズするあたり」
真人「それしか見えてないって感じだよね?でも人々が常に恐れているのは、そんなおとぎ話じゃないだろ?」
吉野順平「天災とか?」
真人「君との会話はストレスがなくて助かるよ」
真人「人間。俺は人が人を憎み」
真人「恐れた腹から産まれた呪いだよ」
月曜日 午後 6:25
七海建人「ここ最近の失踪者、変死者。窓による残穢の報告をまとめました。これである程度犯人のアジトが絞られます」
七海建人「いえ、まだまだある程度です。私は調査を続けますので虎杖君には別の仕事を。映画館にいた少年、吉野順平。彼は被害者と同じ高校の同級生だそうです」
伊地知潔高「まぁ虎杖君が生きてるって知ってるの私だけですから。必然的に」
伊地知潔高「ある程度ではなくもう分かっているんですよね?犯人の居場所」
七海建人「もちろん。犯人はその気になれば残穢なんて残さずに現場を立ち去れるはずです」
七海建人「私たちはまた誘い込まれています。単身乗り込むリスクと虎杖君を連れていくリスク。前者を選んだまでです。彼はまだ子供ですから」
伊地知潔高「虎杖君?」