Detective Conan
第1001話 ピアノソナタ月光殺人事件(後編)
浅井成実「以上のことからみて被害者の黒岩村長は死に至ってから数分しか経っていないものと思われます」
毛利小五郎「数分ですか」
浅井成実「ええ」
目暮警部「おそらく間違いないだろう」
目暮警部「月光の第二楽章を流していたこのカセットテープの頭には5分半ほどの空白しかないからな」
コナン「(何だろう…なんか引っかかってんだよな…第2の現場に残された暗号を見てから…なんか妙に…)」目暮警部「おそらく間違いないだろう」
目暮警部「月光の第二楽章を流していたこのカセットテープの頭には5分半ほどの空白しかないからな」
毛利小五郎「やはりこれも被害者が残したダイイングメッセージ」
コナン「違うよ」
毛利小五郎「ん?」
コナン「これだけのモノを自分の血で書く時間と体力があるならとっくに助けを呼んでるよ」
毛利小五郎「すっこんでろ!!」
コナン「えっ!!」
コナン・小五郎・目暮「うわああああっ!!」
毛利小五郎「大事な証拠を!」
毛利小五郎「…無事だったか」
コナン「これだけのモノを自分の血で書く時間と体力があるならとっくに助けを呼んでるよ」
毛利小五郎「すっこんでろ!!」
コナン「えっ!!」
コナン・小五郎・目暮「うわああああっ!!」
毛利小五郎「大事な証拠を!」
毛利小五郎「…無事だったか」
目暮警部「早速ですが、西本さんあなたが黒岩さんの遺体の第一発見者となるわけですが」
西本健「く…黒岩に呼び出されたんだ!6時半に放送室に来いって」
目暮警部「そういえば黒岩さん、夕方人と会う約束があると言ってたなぁ」
西本健「く…黒岩に呼び出されたんだ!6時半に放送室に来いって」
目暮警部「そういえば黒岩さん、夕方人と会う約束があると言ってたなぁ」
毛利小五郎「お前が呼び出して殺害したんじゃないのか?」
西本健「ち…違う!!」
毛利小五郎「じゃ、どんな用で呼び出されたんだよ?」
西本健「そ…それは…」
毛利蘭「何見てるのコナン君?」
コナン「現場に残ってた譜面だよ」
コナン「きっとこれ、犯人が残した暗号メッセージだと思うんだ」
コナン「このシャープやフラットに何か意味があるのかなぁ…」
毛利蘭「ピアノでいえば、黒い鍵盤だよね」
コナン「え?」
コナン「きっとこれ、犯人が残した暗号メッセージだと思うんだ」
コナン「このシャープやフラットに何か意味があるのかなぁ…」
毛利蘭「ピアノでいえば、黒い鍵盤だよね」
コナン「え?」
毛利蘭「ほら、半音上げたり下げたりする記号だから」
コナン「タネが分かれば簡単だよ、この暗号」
コナン「ピアノの鍵盤の左側から順にアルファベットをあてはめて、メッセージの文字に相当する音を譜面に書き記しただけなんだ。それを踏まえて川島さんが殺害された現場にあった譜面を読むと」
コナン「ピアノの鍵盤の左側から順にアルファベットをあてはめて、メッセージの文字に相当する音を譜面に書き記しただけなんだ。それを踏まえて川島さんが殺害された現場にあった譜面を読むと」
西本健「奴だ…やっぱり…やっぱり生きてたんだ!麻生圭二は生きてたんだああ!!」
警官「生きとりゃせんよ。焼け跡から見つかった遺体の歯形が一致したし、間違いないわい。なんもかんも焼けてしまって残ったのは耐火金庫に入った楽譜だけじゃったのぉ」
警官「生きとりゃせんよ。焼け跡から見つかった遺体の歯形が一致したし、間違いないわい。なんもかんも焼けてしまって残ったのは耐火金庫に入った楽譜だけじゃったのぉ」
警官「公民館の倉庫じゃが鍵は確か駐在所に…」
目暮警部「だったらさっさと取って来んか!」
警官「は…はい!」
警官「ああ、目撃者が言うにはな」
警官「前村長の亀山さんに川島さん、それに黒岩村長と西本さんの4人じゃ」
コナン「えっ?西本さん以外全員亡くなった人じゃない!?」
警官「あぁ…アイツは3年ほど前にこの島にやってきてつい先日村長の娘と婚約しおった」
コナン「へぇ~村長の秘書の平田さんって人は?」
警官「よく川島さんと公民館でこそこそ会っとったわ」
コナン「清水さんって人はどうなの?」
コナン「へぇ~村長の秘書の平田さんって人は?」
警官「よく川島さんと公民館でこそこそ会っとったわ」
コナン「清水さんって人はどうなの?」
警官「彼は立派な男じゃ。少々短気なのがたまにキズじゃがのぉ」
コナン「えっ!容疑者も帰しちまったのか!?」
毛利蘭「ええ…犯人の最後のメッセージが"怨念ここに晴らせり"ってなってたからこれ以上殺人は起きないだろうって」
コナン「(バカな!月光にはまだ第三楽章が残ってるのに…)」
コナン「僕、ちょっと公民館行ってみる!」
コナン「(バカな!月光にはまだ第三楽章が残ってるのに…)」
コナン「僕、ちょっと公民館行ってみる!」
毛利蘭「こ…コナン君…西本さんの足元…」
目暮警部「ああ…楽譜の暗号を考えたのは麻生氏だと書いてある。おそらく彼らはこの暗号で何かやってたんだろう」
毛利小五郎「なるほど、焼け残った楽譜に昔の秘密が書き残されていると考えた西本は、楽譜を隠滅するためにこの倉庫に侵入したものの、問題の楽譜が見つからず思いつめて自殺…」
目暮・小五郎「えっ?」
目暮警部「何ですか?それは」
黒岩令子「わからないけど周一が大事にしてるモノよ」
毛利蘭「どうしたのコナン君?」
鑑識「目暮警部、黒岩氏殺害現場の写真が焼きあがりました」
目暮警部「ご苦労。そこに並べておいてくれ」
鑑識「はい」
コナン「(ん?なんだ?)」
コナン「(この黒岩さんの首のところに光ってるの…)」
コナン「(黒岩さんを退かした後では消えてる)」
コナン「ねぇ、おじさん、袖に白い粉がついてるよ」
平田和明「うわ!うわっ!!」
コナン「うわ~外国のお金がいっぱいだ!」
コナン「(ん?なんだ?)」
コナン「(この黒岩さんの首のところに光ってるの…)」
コナン「(黒岩さんを退かした後では消えてる)」
コナン「ねぇ、おじさん、袖に白い粉がついてるよ」
平田和明「うわ!うわっ!!」
コナン「うわ~外国のお金がいっぱいだ!」
平田和明「おじさんは外国のコインが好きなんだ」
警官「はぁ…はぁ…やっと見つけたんじゃ!麻生さんが残した楽譜を」
コナン「ちょっと見せて」
コナン「わが むすこ セイジへ」
コナン「ねぇ、麻生さんが道づれにしたのって奥さんと娘さんだったんじゃ」
警官「はぁ…はぁ…やっと見つけたんじゃ!麻生さんが残した楽譜を」
コナン「ちょっと見せて」
コナン「わが むすこ セイジへ」
コナン「ねぇ、麻生さんが道づれにしたのって奥さんと娘さんだったんじゃ」
コナン「(セイジ)」
コナン「(!!まさか!!)」
コナン「(そうか!そうだったんだ!)」
コナン「(犯人が川島さんを溺死させてからわざわざピアノの部屋に運んだ理由…)」
コナン「(3つの殺害現場に流した曲の意味…)」
コナン「(そして血で書かれた暗号の謎)」
コナン「(間違いない。犯人はあの人だ)」
毛利小五郎「…ったく…なんなんだ!急に放送室なんかに駆け込みやがって」
コナン「(!!まさか!!)」
コナン「(そうか!そうだったんだ!)」
コナン「(犯人が川島さんを溺死させてからわざわざピアノの部屋に運んだ理由…)」
コナン「(3つの殺害現場に流した曲の意味…)」
コナン「(そして血で書かれた暗号の謎)」
コナン「(間違いない。犯人はあの人だ)」
毛利小五郎「…ったく…なんなんだ!急に放送室なんかに駆け込みやがって」
🔊小五郎(コナン)「分かりましたよ警部殿。この島で起きた事件のほとんどがね」
小五郎(コナン)「まず、今夜ピアノの部屋で村沢さんを殴り倒した人物」
小五郎(コナン)「それは平田さんです」
小五郎(コナン)「彼の左手のケガは窓を破って逃げた時に出来たもの」
小五郎(コナン)「平田さんはピアノの底にある隠し扉を利用して川島氏と取り引きしていたんですよ」
小五郎(コナン)「麻薬の」
小五郎(コナン)「まず、今夜ピアノの部屋で村沢さんを殴り倒した人物」
小五郎(コナン)「それは平田さんです」
小五郎(コナン)「彼の左手のケガは窓を破って逃げた時に出来たもの」
小五郎(コナン)「平田さんはピアノの底にある隠し扉を利用して川島氏と取り引きしていたんですよ」
小五郎(コナン)「麻薬の」
目暮警部「ま…麻薬!?」
小五郎(コナン)「村沢さんを殴って逃げたのは残っていた麻薬を回収しているところを見られてしまったからでしょう」
平田和明「ち…違う!!」
小五郎(コナン)「しかし平田さんは3つの事件とは無関係です。彼が犯人なら遺体をピアノの部屋に運んだりしませんよ。ピアノに残った麻薬が発見されかねませんからね。それから殴り倒されていた村沢さんですが、彼も犯人ではありません」
小五郎(コナン)「しかし平田さんは3つの事件とは無関係です。彼が犯人なら遺体をピアノの部屋に運んだりしませんよ。ピアノに残った麻薬が発見されかねませんからね。それから殴り倒されていた村沢さんですが、彼も犯人ではありません」
目暮警部「た…確かに」
小五郎(コナン)「では犯人は誰なのか。ここで注目するべきは第2の事件。黒岩さんが殺害されたのは、遺体発見の数分前ということでした」
小五郎(コナン)「しかし思い出してください。あの時、床に残された血の暗号の上にコナンが倒れたのに、暗号は消えませんでした」
小五郎(コナン)「常温で血液が乾くまでに15分から30分かかるというのに。あの時流れていた曲が入ったカセットテープの頭には5分半の空白しかなかったため、犯行は遺体発見の数分前と考えられていましたが、犯人は曲の入ってないテープの裏面から再生し、曲が流れ始めるのを30分以上遅らせたんですよ。オートリバース機能によってね」
小五郎(コナン)「常温で血液が乾くまでに15分から30分かかるというのに。あの時流れていた曲が入ったカセットテープの頭には5分半の空白しかなかったため、犯行は遺体発見の数分前と考えられていましたが、犯人は曲の入ってないテープの裏面から再生し、曲が流れ始めるのを30分以上遅らせたんですよ。オートリバース機能によってね」
目暮警部「オートリバース」
小五郎(コナン)「普通、表面の再生が終わったらテープを裏返して裏面の再生をしますが、オートリバース機能は再生ヘッドを反転させて裏面を再生する機能」
小五郎(コナン)「現場写真を見てください。黒岩さんの遺体の首元で光っているスイッチがありますが、遺体を退かした写真ではその光が消えています」
小五郎(コナン)「犯人が警察の目を盗んでオートリバースを解除した証拠ですよ」
小五郎(コナン)「普通、表面の再生が終わったらテープを裏返して裏面の再生をしますが、オートリバース機能は再生ヘッドを反転させて裏面を再生する機能」
小五郎(コナン)「現場写真を見てください。黒岩さんの遺体の首元で光っているスイッチがありますが、遺体を退かした写真ではその光が消えています」
小五郎(コナン)「第一の事件でテープの頭に空白を作り曲を流したのは第二の事件も同じように空白部分を利用して現場から逃走したと思わせるための伏線」
小五郎(コナン)「更に川島さんを溺死させたのは遺体と共に検死官を本土に戻らせ」
小五郎(コナン)「自分が第二の事件で検死役になってトリックを成立させるため」
小五郎(コナン)「成実先生が3つの事件を起こした動機は12年前にさかのぼります。12年前、ピアニストの麻生圭二さんが焼身自殺しました」
小五郎(コナン)「しかし実際は殺害されたんです。今回殺害された川島さん、黒岩さん、西本さん、2年前に亡くなった亀山さんの4人によってね」
小五郎(コナン)「彼らは麻生さんの海外公演を利用して麻薬を買い付け、ピアノの隠し扉を使って売りさばいていたんです。ところが麻生さんがもう協力はしないと言い出したため…」
小五郎(コナン)「このことは全て焼き跡から見つかった楽譜に書いてあります」
小五郎(コナン)「麻生さんが亡くなる直前に書いた彼の息子セイジに向けだ告白文にね」
目暮警部「息子?」
目暮警部「全ては父親の仇討ちだったのか…」
刑事「浅井成実がいません!」
コナン「(あそこだ!父親のピアノが寄贈されている)」
コナン「(月影島公民館!!)」
浅井成実「終わったよ…お父さん…何もかも」
コナン「まだ終わっちゃいないよ!ダメだよ死んじゃ…」
浅井成実「コナン君…」
コナン「お父さんが残したこの楽譜にも書いてあるじゃない…"セイジお前だけはまっとうにいきてくれ"ってね」
浅井成実「そんな告白文が残ってたなら俺がこんなことをする必要はなかったかもな」
コナン「(あそこだ!父親のピアノが寄贈されている)」
コナン「(月影島公民館!!)」
浅井成実「終わったよ…お父さん…何もかも」
コナン「まだ終わっちゃいないよ!ダメだよ死んじゃ…」
浅井成実「コナン君…」
コナン「お父さんが残したこの楽譜にも書いてあるじゃない…"セイジお前だけはまっとうにいきてくれ"ってね」
浅井成実「そんな告白文が残ってたなら俺がこんなことをする必要はなかったかもな」
コナン「え?」
浅井成実「俺は父があんなことをしたなんて信じられなかったんだ。母と妹を殺して自殺したなんてね。だから俺は医大を出た後、真相を探るためにこの島に来たんだ」
浅井成実「麻生圭二の息子だとバレないように女医師としてな。医師免許には名前の読み方は書いてないから誰も疑わなかったよ」
浅井成実「俺が父の死のいきさつを知ったのは、前村長の亀山にこの部屋に呼び出されたときだよ」
浅井成実「アイツは俺が麻生圭二の息子だと分かると急に怯えてペラペラしゃべり出したんだ。麻薬の事、暗号の事、そして父を殺した事…」
浅井成実「麻生圭二の息子だとバレないように女医師としてな。医師免許には名前の読み方は書いてないから誰も疑わなかったよ」
浅井成実「俺が父の死のいきさつを知ったのは、前村長の亀山にこの部屋に呼び出されたときだよ」
浅井成実「アイツは俺が麻生圭二の息子だと分かると急に怯えてペラペラしゃべり出したんだ。麻薬の事、暗号の事、そして父を殺した事…」
浅井成実「全てを話し終えると突然苦しみ出し心臓麻痺でポックリいっちまった」
浅井成実「その時だよ。今回の殺人を思いついたのは。奴の遺体のそばで葬送曲として父の好きだった月光を弾いているときにな」
浅井成実「ゴホッゴホッ」
コナン「暗号だよ」
コナン「弾いているんだ…あの人が…」
コナン「炎の中で…」
コナン「公民館は朝まで燃え続け全焼した」
コナン「村沢さんはピアニスト麻生圭二を慕い、たまにあのピアノを調律していたらしい」
コナン「殴られた日の夜も」
コナン「弾いているんだ…あの人が…」
コナン「炎の中で…」
コナン「村沢さんはピアニスト麻生圭二を慕い、たまにあのピアノを調律していたらしい」
コナン「殴られた日の夜も」
毛利蘭「でも…成実先生どうしてお父さんに予告状なんて出したんだろう…」
コナン「きっと止めて欲しかったんだよ」
コナン「自分が人殺しをしてしまうのを…」
毛利蘭「ねぇ、成実先生が弾いてた暗号ってなんだったの?」
コナン「きっと止めて欲しかったんだよ」
コナン「自分が人殺しをしてしまうのを…」
毛利蘭「ねぇ、成実先生が弾いてた暗号ってなんだったの?」