『数分前』
トゥワイス「トガちゃん、十代ってのは恐ろしいよ。八斎會で測った時とデータが合わなくなってた。君が成長盛りの思春期だって事を忘れてた」
トゥワイス「君をつくる為に君をまた測る。君を増やして君に輸血させる」
トゥワイス「俺測るよ」
トゥワイス「いや、俺が測る」
トゥワイス「いや!俺だ!おまえはトガちゃんの注射器拾ってこい」
トゥワイス「元気な頃を増やしてやりてェが、俺たちはもうこの姿を測っちまった」
トゥワイス「可愛い顔がグチャグチャだ、治るかな」
トゥワイス「きっと荼毘が整形外科を紹介してくれるさ」
トゥワイス「生かす!絶対にだ!」
トランペット「若者言葉か何かでしょうか?意味はともかく、聡い判断であります。ただ、異能弱者にそれが敵うのでありましょうか、伊口秀一」
トランペット「デトラネット社謹製"セブンスクラウド"」
トランペット「皆さん、我々を脅かす敵に天誅を!!」
「うおおおおおおおお!!」
スピナー「少しでも死柄木の負担を減らすんだ、俺が!バフ掛けのお偉いさんが前線立つなよな!ロールも知らねー奴ァ即ブロックされちまうぜ!」
トランペット「若者言葉か何かでしょうか?意味はともかく、聡い判断であります。ただ、異能弱者にそれが敵うのでありましょうか、伊口秀一」
トランペット「デトラネット社謹製"セブンスクラウド"」
トランペット「皆さん、我々を脅かす敵に天誅を!!」
「うおおおおおおおお!!」
「捕えた!」
トランペット「皆さん最高指導者の下へ!奴らは我々の魂を犯さんとしている」
トランペット「皆さん最高指導者の下へ!奴らは我々の魂を犯さんとしている」
トランペット「私には、君が何かを為せる人間には見えません」
スピナー「んなもん俺が一番知っとるわ」
スピナー「でもよォ、わかるだろォ!?トガみてえに好きなもんもねえ、やりたい事もねェ…それでもあの時確かに、俺の心は燃えたんだ」
死柄木弔「壊そう!一旦全部!」
スピナー「んなもん俺が一番知っとるわ」
スピナー「でもよォ、わかるだろォ!?トガみてえに好きなもんもねえ、やりたい事もねェ…それでもあの時確かに、俺の心は燃えたんだ」
死柄木弔「壊そう!一旦全部!」
スピナー「あの時確かにこいつの見据える未来を見てみたい、そう思ったんだ」
スピナー「人に乗っかってなきゃ何にも出来ねェ小市民、それが俺だよ、悪いかよ!?」
スピナー「あ!?悪くねェよな!?だってあんたらも同じだろ!?」
スピナー「なァ、政治家さんよォ」
スピナー「人に乗っかってなきゃ何にも出来ねェ小市民、それが俺だよ、悪いかよ!?」
スピナー「あ!?悪くねェよな!?だってあんたらも同じだろ!?」
スピナー「なァ、政治家さんよォ」
義爛「生きてる…」
トゥワイス「死柄木ならやると思ったぜ」
死柄木弔「でっけぇな!なア!今どんな気持ちなんだ?いや、な?11万人だっけ?数に任せて高みの見物きめこんでたんだろ?」
死柄木弔「格下相手にわざわざリンチの場ァ設けてさァ、ここまで来るこたーないとタカくくってよォ」
死柄木弔「その挙句に落っことされた気分はさ」
死柄木弔「どうなんだって聞いてんだよ!!」
死柄木弔「でっけぇな!なア!今どんな気持ちなんだ?いや、な?11万人だっけ?数に任せて高みの見物きめこんでたんだろ?」
死柄木弔「格下相手にわざわざリンチの場ァ設けてさァ、ここまで来るこたーないとタカくくってよォ」
死柄木弔「その挙句に落っことされた気分はさ」
死柄木弔「どうなんだって聞いてんだよ!!」
リ・デストロ「今の気分?」
リ・デストロ「当然怒ってるよ、私は怒りを溜め込むタチでね」
リ・デストロ「おかげで額もこの通りさ。戦士たちをたくさん殺してここに来たね!?悪さをするのはこの掌か?」
『四ツ橋力也、解放コード"リ・デストロ"。異能"ストレス"。ストレスを溜めてパワーに変える。溜め込むほどに強靭・巨躯となっていく』
リ・デストロ「だが、異能は人格に直結するものだ。五指で触れあらゆる物を崩壊させる、君はどうだろう!?先程は聞きそびれてしまったね、死柄木君」
リ・デストロ「君は何を背負い何をつくる!?それすら虚ろの何も生まない破壊を貪るだけの人間なのか!?」
死柄木弔「(華ちゃんの手)」
死柄木弔「お母さんの手、おばあちゃん、おじいちゃん、お父さん。心というものはよく出来ている。怒りや悲しみといった負の感情は時と共に癒されていく」
死柄木弔「彼らを肌身離さず持ち続けなさい。その想いが風化してしまわぬように」
志村華「また怒られたの?」
死柄木弔「(華ちゃん…俺の姉ちゃん)」
死柄木弔「(そっか、そうだっけな…メソメソしてるといつも俺の手を引いてくれたっけ…華ちゃんだけだったんだ。ガキの無邪気な一言だけど)」
死柄木弔「(脳が回る、グルグルグルグル回る!思い出が湧き上がって甦る)」
死柄木弔「(心に沈む、正体不明の苛だちに、スッポリ抜けてた思い出が嵌っていく)」
死柄木弔「(感情が経験に伴って往く)」
死柄木弔「(脳が回る、グルグルグルグル回る!思い出が湧き上がって甦る)」
死柄木弔「(心に沈む、正体不明の苛だちに、スッポリ抜けてた思い出が嵌っていく)」
死柄木弔「(感情が経験に伴って往く)」
リ・デストロ「(五本の指でなければ発動しないと…誤情報を掴まされたか?…それとも…)」
死柄木弔「頭が…割れるっ」
リ・デストロ「(ふとしたキッカケに異能が飛躍することは、ある。外典が氷の温度に干渉できるようになったのも、たまたま私が火傷を負ってしまった時だった。この若者は今、覚醒の最中に…)」
リ・デストロ「(速い!予備動作も最小限、まるで猫のようなしなやかさ!これ程の身体能力であれば神野でヒーローの一人や二人触れたろうに。異能の件といい、鍛えたとでも?)」
リ・デストロ「(しかも、この動き、毎日命のやり取りを生き抜くような過酷な環境でなければ身につかぬハズ)」
リ・デストロ「私も、このストレスを鍛えてきた!だからわかる」
リ・デストロ「(格下と断ずるのは尚早だったな。そのダメージでも消えないところを見るに君は本物だろ?」
リ・デストロ「ストレスアウトプット!!」
リ・デストロ「祭りを終わらせる!」
リ・デストロ「負荷塊」
祖父「ホラ、転弧、おはぎ!好きだろ?」
祖母「泣かないの、もう、おばあちゃんまで悲しくなっちゃうよ」
死柄木弔「(優しかったおじいちゃん、おばあちゃん。だけど違う、違うんだよ…思い出した…全部…あの時…僕が言ってほしかったのは…)」
スケプティック「リ・デストロ、気をつけて下さい!そっちに向かっている!」
スケプティック「とんでもない奴が控えていた!」
スケプティック「リ・デストロ、こいつら隠してやがったんだ!」
ギガントマキア「うおおおおお!!」
スケプティック「リ・デストロ!リ・デストロ!聞こえていますか?」
リ・デストロ「(まさかな…ストレスを抽出し具現化させる。そいつを広域に放出する負荷塊。幼少より磨き上げてきた我が異能の極北。避けようとして避けられる類のものではない!)」
リ・デストロ「(触れたのだ!あの刹那に!防衛本能を押し退けて壊す為だけに!)」
死柄木弔「(感覚が研ぎ澄まされている。全てが昨日の事のように、克明に浮かび上がる)」
死柄木弔「俺が何をつくるって?」
死柄木弔「当たりだよ、おまえ」
死柄木弔「俺は本当にただ壊すだけだ」
リ・デストロ「ならば消えろ、想像無き世に未来無し!」
死柄木弔「未来なんか要らないんだ」
志村弧太朗「また英雄ごっこか?」
志村直「弧太朗さんやめて!乱暴はやめて!」
志村直「もう夕飯…それにアレルギーまたひどくなってるのに」志村弧太朗「ルールはルールだよ。自分から謝るまで入れるな」
祖母「最近厳しすぎじゃないの!?」
志村弧太朗「この歳で個性も出てない。わからせなければ不幸になるのは転弧自身です」
志村弧太朗「ヒーロー願望なんて不幸の原因にしかならない」
志村弧太朗「お義父さん、お義母さんも良いですね?」
死柄木弔「(父は実業家で若くして富を築き上げた)」
死柄木弔「(この二世帯住宅も父から義父母を招いて建てたそうだ)」
志村直「ホラ、もう掻かないの」
志村転弧「だって痒いんだもん」
志村直「何のアレルギーかわかんないのやだねぇ」
志村転弧「お家だと痒いよ」
志村直「ねえ転弧、ヒーローまだなりたい?」
志村直「ねえ転弧、ヒーローまだなりたい?」
志村転弧「うん、みっくんがね仲間外れだったんだ、ともちゃんも。僕みっくんとともちゃんに一緒に遊ぼって言ってね、ヒーローごっこしてね、ちょう楽しかったんだよ」
志村転弧「したらね、みっくんが"転ちゃんはオールマイト"って言ってくれたの。仲間外れなのに遊んでくれて優しいからって」
志村転弧「何でお父さんはダメって言うの!?僕のこと嫌いだから!?個性が出たら良いって言う!?」
志村直「嫌いなんじゃないよ。ただ知ってるの、ヒーローは大変だって事」
死柄木弔「(だからこそあなたたちから欲しかった)」
志村転弧「うん!(おばあちゃんはヒーローだったんだ!家族にヒーローがいたなんて!)」
志村転弧「(モンちゃん、僕はね、今どんな困難でも立ち向かえる気がするよ)」
死柄木弔「(この日はひどく蒸し暑かった)」
志村弧太朗「転弧!書斎に入ったな!?」
志村転弧「(モンちゃん、僕はね、今どんな困難でも立ち向かえる気がするよ)」
死柄木弔「(この日はひどく蒸し暑かった)」
志村弧太朗「転弧!書斎に入ったな!?」
死柄木弔「(雨上がりの湿気が、荒れた肌をチクチクさして)」
志村弧太朗「見たな!?」
志村弧太朗「あれはおばあちゃんじゃない!子どもを捨てた鬼畜だ」
志村弧太朗「いいか、ヒーローというのはな、他人をたすける為に家族を傷つけるんだ!!」
死柄木弔「(この家は父が建てた家)」
志村菜奈「突然のお別れになっちゃって本当にごめんね。お母さんはこれからすごく悪い奴と戦わなくちゃいけないんだ」
志村菜奈「悪い奴が弧太郎にいたずらするかもしれないから、お母さんは弧太郎から離れなくちゃいけないの」
志村菜奈「お母さんらしいこと何もしてあげられなくてごめんね」
志村菜奈「弧太郎はお母さんのこと嫌いになっちゃうかもしれないけど」
志村菜奈「お母さんは弧太郎のことがずっと大好きだよ」
志村菜奈「弧太郎大好き」
志村菜奈「これからどうか笑って暮らせるように幸せに」
志村菜奈「お母さんはずっとお空から弧太郎のこと見守ってるからね」
志村弧太朗「いっそ嫌ってくれたらよかったよ」
志村直「限界だよ」
志村弧太朗「やりすぎた…二人は?」
志村弧太朗「こんなハズじゃなかったんだけどな」
志村転弧「やだ…僕もうやだよ…モンちゃん…僕っやだもう…」
志村転弧「みんな…みんな…みんな…嫌いだ」
志村転弧「モンちゃん…?」
志村華「転弧、あのね、あのね、ごめんね、違うの」
志村華「ひみつって言って見せたの私なのに、ごめん」
志村華「どうしたのよ?」
志村華「うわああああああ!!」
志村転弧「(待って、行かないで、声が出ないの、華ちゃん!)」
志村転弧「やだ…僕もうやだよ…モンちゃん…僕っやだもう…」
志村転弧「みんな…みんな…みんな…嫌いだ」
志村転弧「モンちゃん…?」
志村華「転弧、あのね、あのね、ごめんね、違うの」
志村華「ひみつって言って見せたの私なのに、ごめん」
志村華「どうしたのよ?」
志村華「うわああああああ!!」
志村転弧「(待って、行かないで、声が出ないの、華ちゃん!)」
志村転弧「(謝りに来てくれたんでしょ?ねェ、なら今度は守ってよ、たすけてよ!)」
死柄木弔「(この時僕は、明確な殺意をもって)」