🏐HAIKYU!!
🖊原作者(Original Story) : 古舘春一 Furudate Haruichi
TVアニメ『ハイキュー!!』 第2期12話ネタバレ放送日(Airdate) : 2015年12月19日
第2期12話『試合開始!!』 Match Begins!!
KARASUNO HIGH
🔷西谷夕 Nishinoya Yu(L) CV. 岡本信彦
🔷田中龍之介 Tanaka Ryunosuke(WS) CV. 林勇
🔷澤村大地 Sawamura Daichi(WS) CV. 日野聡
🔷菅原孝支 Sugawara Koshi(S) CV. 入野自由
🔷東峰旭 Azumane Asahi(WS) CV.細谷佳正
OHGIMINAMI HIGH
扇南高校メンバー
🔷十和田良樹 Towada Yoshiki(WS) CV.西田雅一
🔷唐松拓巳 Takumi Karamatsu(WS) CV.石谷春貴
🔷田沢裕樹 Tazawa Yuki(WS) CV.金城大和
🔷森岳歩 Moritake Ayumu(MB) CV.橘潤二
🔷小安颯真 Oyasu Soma(MB)
🔷夏瀬伊吹 Natsuse Ibuki(S)
🔷横手駿 Yokote Shun(L)
🔷秋宮昇 Akimiya Noboru CV.菅沼久義
「あれだよ、ほら烏野」
「烏野?」
「この前のインターハイ予選、青葉城西とフルセットやって、ギリギリまで追い詰めたってとこ」
「おお!マジか!」
「北川第一のコート上の王様がいるんだと」
「千鳥山中の西谷もいるらしいよ」
「中学んときのベストリベロの!?」
「そう、でもさ、リベロ以外にもう一人、青城の及川のサーブ、まともにレシーブしてた奴いたよな?確か主将だ」
「でも、烏野ってあんまデカいってイメージないよな?」
「190近い奴が一人いたはず。インターハイ予選の時はあんま目立ってなかった気するけど」
「あとさ、レフト二人が怖ぇんだよな。パワースパイカーっていう感じで」
「そんでなんつってもマネが可愛い!」
「あとはやっぱあれだろ?ちっこいのにミドルブロッカーでむちゃくちゃな速攻を打ってくる……烏野の10番」
「っておい!なんかすげぇげっそりしてる!!」
谷地仁花「日向、大丈夫?」
日向翔陽「大丈夫大丈夫…来る途中で吐いたし…すっきりしたぁ…」
月島蛍「朝から大量にかつ丼とか、そりゃ酔うわ」
日向翔陽「勝負の日はカツ食うだろ!普通」
月島蛍「普通とは一体…」
影山飛雄「このボケェ!日向くそボケェ!」
澤村大地「影山の罵倒ボキャブラリーはボケだけだな」
影山飛雄「が、頑張って増やします!」
山口忠「日向のゲロを思い出したら、もらいげろしそう…」
月島蛍「えっ!?早くトイレいきなよ!」
東峰旭「俺も緊張と相まって…」
菅原孝支「集中してんなぁと思ったらゲロ我慢してたのかよ!」
西谷夕「翔陽!バスでゲロるの、2回目ってホントか!?」
田中龍之介「他人の股間にリバースせず、バスが止まるまで我慢するなんて!成長したな日向~アッハハハハ!」
「本当にあいつらが青城を追い詰めたチームなのか…?」
日向翔陽「ご、ごめんなさい!」
十和田良樹「どこ見てんだ!こらぁ!」
日向翔陽「ひぃー!すみませんすいません!」
日向翔陽「(お?この人…扇南?初戦で当たるチームだ!一回戦勝ってた)」
十和田良樹「あぁ?なんだ中学生か?」
日向翔陽「え?」
十和田良樹「怒鳴って悪かったな。兄貴の応援にでも来たのか?」
十和田良樹「あ、俺の弟もそれと同じTシャツがお気に入りでよ」
日向翔陽「お、おれは烏野高校1年日向翔陽です!」
日向翔陽「優勝して、全国へ行きます!!」
十和田良樹「あァ!?烏野?」
十和田良樹「簡単に全国とか言ってんじゃねーよ!」
日向翔陽「でも本当です!」
十和田良樹「うぜーなこの…」
日向翔陽「全部倒して、東京行きます」
十和田良樹「ふっ、万一ラッキーで勝ち進むことがあってもな、どいつもこいつも白鳥沢に潰されんだよ!せいぜいいい思い出づくりしようぜ」
小安颯真「坊主とかマジだせーし、マジ、マジでマジマジ」
谷地仁花「(春高バレー烏野高校の戦いの始まりだ!)」
烏養繋心「いいか、向こうは既に3年が抜けてるが、もともと2年が主力のチームだ。今回の一回戦もストレートで勝ち上ってきてる。気ぃ抜くな!特にレフトの1番に注意」
武田一鉄「インターハイ予選が終わってからここまで慣れないことに挑戦し始め噛み合わず」
武田一鉄「関東の強豪相手に練習試合、通算約70敗」
武田一鉄「でも、最初は失敗ばかりだった新しい武器は今、形になりつつあります」
武田一鉄「今までの悔しさに見合うだけの勝利を手にしてきてください」
高橋源五郎「おー!あんたも来たのか?烏養先生」
烏養一繋「おう」
高橋源五郎「かわいい孫のチームだもんな」
烏養一繋「そんなんじゃねーよ」
谷地仁花「烏養?孫?」
小笠原優「お姉ちゃん烏野の人でしょ?なんでここにいるの?」
谷地仁花「マネージャーは一人しかベンチに入れないんだよ。知らないの?」
星倫太郎「へー」
高橋源五郎「俺はこないだ久々に試合見たけどさ、すんげぇ1年コンビがいたぞ。烏野、今年は結構いけんじゃないか?」
烏養一繋「絶対勝てない勝負はねぇし、絶対勝てる勝負もねぇよ」
烏養一繋「ちょっとした調子の違い、緊張、焦り、どんな強豪校だって選手は人間なんだ。ほんのささいな乱れでいともあっさりと転ぶこともある。さて、今日の烏野はどうだろうな?」
月島蛍「(扇南は一回戦の時から少しでもレシーブが乱れたら、速攻は使ってこない。レフト)」
武田一鉄「なんというか…皆以前より動きに迷いがない気がしますね」
烏養繋心「合宿行って新しい技だけ練習してきたわけじゃないからなぁ。タイプの違う強豪とみっちり連戦してきたんだ」
烏養繋心「サーブの威力、スパイクの威力、攻撃の多彩さ、守備力」
烏養繋心「全てのハイレベルさに前よりずっと、慣れたんだよ!」
十和田良樹「(主将の声は白鳥沢の応援と張り合って、ガラガラになってた)」
秋宮昇「上がった!十和田!」
秋宮昇「おい、そんな暗い顔すんな。余計怖いわ」
秋宮昇「お前ら、ほんと問題児だったけど、でもお前らがいなかったら試合に出ることもできなかったよ。ありがとうな。お前らは元々がたいもセンスもいいんだし、頑張れよ」
扇南監督「が、頑張ろう!勝敗なんかより、君たちが頑張ることに意味があるんだ」
秋宮昇「おーい、こら!静かになるな!」
秋宮昇「アッキー君主将…!」
秋宮昇「なんでお前ら喧嘩はできるくせに、バレーになると弱腰になるんだよ?」
秋宮昇「ちょっと押されるとすぐ諦める。それを弱腰だって言うんだ」
秋宮昇「でも、一個だけいっとく!本気も、必死も、一生懸命も、格好悪くない!」
十和田良樹「ふふふふふ」
秋宮昇「これはお前らの勝負だから、どうしようとお前らの勝手だ」
秋宮昇「でも、一個だけいっとく!本気も、必死も、一生懸命も、格好悪くない!」
十和田良樹「ふふふふふ」
夏瀬伊吹「先輩、頭どうかしましたか?」
十和田良樹「先生!やっぱ、ネットをはさんで勝負しに来たからには、勝って次に進む以外の目的はねぇんだと思う」
十和田良樹「弱ぇこと悟ったふりして、かっこばっか気にすんのも、いいかげんみっともねぇよな!」
十和田良樹「よし、言うぜ!」
森岳歩「何を?」
森岳歩「何を?」
十和田良樹「烏野を倒す!一次予選突破!!打倒白鳥沢ー!!」
小安颯真「アッハハハハ!マジか!言い寄った!」
田沢裕樹「ビッグマウス上等!」
小安颯真「白鳥沢倒すってか?」
十和田良樹「本気で勝つぞ!お前ら!」
田中龍之介「受けて立ーーつ!!」
烏養一繋「今、烏野に復活の兆しがあるのは、熱心な顧問や新しい戦力の活躍が大きい。だが、その活躍も基盤がしっかりしているからこそだ」
高橋源五郎「基盤?」
烏養一繋「去年、ほんの短期間、烏野で練習を見たことがあったんだが」
烏養一繋「その頃の奴らには実力も根性もあった」
烏養一繋「だが何故か、自信のなさを感じたんだ」
烏養一繋「まるで無意識のうちに負けることに慣れてるみたいでな」
高橋源五郎「そんな風には見えねぇぜ?」
烏養一繋「今の3年連中が烏野に入ってきたのは、烏野が強豪と呼ばれた時代がちょうど過去になった頃」
烏養一繋「憧れと現実のギャップも大きかっただろう。一番不遇な時代にいた連中なんだろな」
烏養一繋「だからこそ!腐らずにここまで来た連中には簡単に揺るがない強さがある!」
縁下力「影山サーブキレッキレっすね」
「おう、実力差あるとほんと早ぇな」
秋宮昇「まだ終わってない!諦めんな!」
十和田良樹「(ギリ届くか?間に合わねぇか…まぁ、俺たち2年だし、来年もチャンスあるしな…)」
十和田良樹「(ってなるか!弱いままなんだろうが!!)」
十和田良樹「ラスト!!つなげー!!」
十和田良樹「(俺は確かに奴を見くびった)」
秋宮昇「おつかれ!粘ったじゃねぇか」
十和田良樹「うっす」
秋宮昇「今悔しいのは当然だからな」
秋宮昇「どんな勝負したって、負ければ悔しいに決まってる!極端に言ったら、たいして練習真面目にやってない奴だって、試合に負けたら悔しいんだよ」
秋宮昇「悔しいって感情は誰だって本物なんだと思う」
秋宮昇「でも…その悔しさ、3日で忘れる奴は弱いままだからな!」
秋宮昇「高校の3年間なんて、もたもたしてたらあっという間に終わっちゃうからな!」
秋宮昇「今の悔しさ、忘れんなよ!!」
秋宮昇「あ、じゃあな、来年も見にくっから頑張れよ」
十和田良樹「主将!ありがとうございました」
「なんか、遠近感狂うよなぁ…」
「俺さっき、廊下で隣に立ってみたけど、めっちゃでかかった!」
「そりゃでかいわ!だって2mだぞ」
谷地仁花「(本当に一回負けるだけで終わりなんだ…なのに!)」
谷地仁花「(相手は2m!)」
日向翔陽「2mでっけぇな…」
山口忠「201cmと162cmかぁ」
日向翔陽「四捨五入すれば、おれは163cm」
月島蛍「201cmと162cm、40cm差か」
日向翔陽「聞けよ!!」
谷地仁花「40cmなんて、キーティちゃんと同じサイズだよ。そんなに大きくないよ」
月島蛍「それはフォローなの?」
山口忠「テカチュウも確か、40cm」
月島蛍「フジクジラも」
谷地仁花「フジクジラ?」
山口忠「何それ?」
月島蛍「サメの一種」
山口忠「ツッキー博識~!」
日向翔陽「おれ…フジクジラと合体したい…」
影山飛雄「はぁ?」
日向翔陽「フジクジラと合体した俺は2m…」
影山飛雄「おい、何を言っている?お前、本気でビビってんのか?」
澤村大地「行くぞ!!」
谷地仁花「ついフジクジラに食いついちゃいましたけど、大丈夫でしょうか?日向」
清水潔子「あぁ…うん…試合前ではあんなでもきっと…」
谷地仁花「ですよね!」
高橋源五郎「さぁいよいよか~しかしあんなでかいのが対戦相手とはな」
高橋源五郎「いやいや、今の烏野なら関係ねぇ!そうだろ?烏養先生」
烏養一繋「さぁ、どうかな」
烏養一繋「高校男子は体ができ上ってねぇし、プレー自体も未完成だ。だからこそ、一人の大エースや常識はずれのでけぇやつの存在が勝敗を分けることもある」
高橋源五郎「そんな!」
烏養一繋「身長はそれだけで大きな武器だ。それに対して烏野がどう戦っていくのか」
烏養一繋「見ものだな」