煉󠄁獄杏寿郎「うむ!これからこの少年の裁判を行うと!成程!」
甘露寺蜜璃「(鬼になった妹をずっと庇っていたなんて…素敵な兄妹愛!健気だわ…)」
竈門炭治郎「何だこの人…」
隠「口を挟むな馬鹿野郎!誰の前にいると思ってるんだ!」
隠「柱の前だぞ!」
竈門炭治郎「(柱…?柱って何だ?何の事だ?この人達は誰なんだ?ここはどこだ?)」
胡蝶しのぶ「ここは鬼殺隊の本部です。あなたは今から裁判を受けるのですよ。竈門炭治郎君」
煉󠄁獄杏寿郎「裁判の必要などないだろ!鬼を庇うなど明らかな隊律違反!我らのみで対処可能!鬼もろとも斬首する!」
宇髄天元「ならば俺が派手に首を斬ってやろう。誰よりも派手な血飛沫を見せてやるぜ。もう派手派手だ」
甘露寺蜜璃「(えぇぇ…こんなかわいい子を殺してしまうなんて、胸が痛むわ、苦しいわ)」
悲鳴嶼行冥「ああ…なんというみすぼらしい子供だ…可哀想に…生まれていたこと自体が可哀想だ」
時透無一郎「(なんだっけあの雲の形…何ていうんだっけ…)」
隠「お前、柱が話をしてるのにどこを見ている!この御方達は鬼殺隊の中でも最も位の高い9名の剣士だぞ」
竈門炭治郎「禰豆子…禰豆子どこだ!禰豆子!善逸!伊之助!村田さん!」伊黒小芭内「そんなことより冨岡はどうするのかね」
伊黒小芭内「拘束もしてない様に俺は頭痛がしてくるんだが、胡蝶めの話によると隊律違反は冨岡も同じだろう。どう処分する、どう責任を取らせる、どんな目にあわせてやろうか」
伊黒小芭内「何とか言ったらどうだ?冨岡」
竈門炭治郎「(俺のせいで冨岡さんまで…)」
甘露寺蜜璃「(伊黒さん相変わらずねちねちして蛇みたい!しつこくて素敵!)」
甘露寺蜜璃「(冨岡さん!離れた所に一人ぼっち!かわいい!)」
胡蝶しのぶ「まぁいいじゃないですか、大人しくついて来てくれましたし」
胡蝶しのぶ「処罰は後で考えましょう」
胡蝶しのぶ「それよりも私は坊やの方から話を聞きたいですよ。坊やが鬼殺隊員の身でありながら鬼を連れて任務に当たっている。そのことについて当人から説明を聞きたい」
宇髄天元「聞くまでもねぇ」
胡蝶しのぶ「ゆっくりで大丈夫ですから話してください」
竈門炭治郎「俺の…俺のいも…はっ!」
胡蝶しのぶ「水を飲んだ方がいいですね」
伊黒小芭内「くだらない妄言を吐き散らすな。そもそも身内なら庇って当たり前。言うこと全て信用できない。俺は信用しない」
悲鳴嶼行冥「ああ、鬼に取り憑かれているのだ。早くこの哀れな子供を殺して解き放ってあげよう」
竈門炭治郎「聞いてください!俺は禰豆子を治すため剣士になったんです!禰豆子が鬼になったのは二年以上前のことで、その間禰豆子は人を喰ったりしてない!」
宇髄天元「話が地味にぐるぐる回ってるぞアホが!人を喰ってないこと、これからも喰わないこと、口先だけでなくド派手に証明してみせろ」
時透無一郎「何だっけ…あの鳥…えっと…」
甘露寺蜜璃「あのぉ、でも疑問があるんですけど、お館様がこのことを把握してないとは思えないです」
甘露寺蜜璃「勝手に処分しちゃっていいんでしょうか?いらっしゃるまでとりあえず待った方が」
時透無一郎「何だっけ…あの鳥…えっと…」
甘露寺蜜璃「あのぉ、でも疑問があるんですけど、お館様がこのことを把握してないとは思えないです」
甘露寺蜜璃「勝手に処分しちゃっていいんでしょうか?いらっしゃるまでとりあえず待った方が」
不死川実弥「鬼が何だって?坊主ゥ…鬼殺隊として人を守るために戦えるゥ?そんなことはなァ、ありえねぇんだよ馬鹿がァ」
竈門炭治郎「俺の妹を傷つける奴は、柱だろうが何だろうが許さない」
冨岡義勇「やめろ!もうすぐお館様がいらっしゃるぞ!」
竈門炭治郎「俺の妹を傷つける奴は、柱だろうが何だろうが許さない」
冨岡義勇「やめろ!もうすぐお館様がいらっしゃるぞ!」
甘露寺蜜璃「ぷっ」
甘露寺蜜璃「すみません」
伊黒小芭内「(冨岡が横から口を挟んだとはいえ不死川に一撃を入れた)」
竈門炭治郎「善良な鬼と悪い鬼の区別もつかないなら柱なんてやめてしまえ!!」
不死川実弥「てめェェ」
不死川実弥「ぶっ殺してやる」
甘露寺蜜璃「すみません」
伊黒小芭内「(冨岡が横から口を挟んだとはいえ不死川に一撃を入れた)」
竈門炭治郎「善良な鬼と悪い鬼の区別もつかないなら柱なんてやめてしまえ!!」
不死川実弥「てめェェ」
不死川実弥「ぶっ殺してやる」
産屋敷耀哉「ありがとう、実弥」
甘露寺蜜璃「(私が言いたかった!お館様にご挨拶…)」
不死川実弥「畏れながら柱合会議の前にこの竈門炭治郎なる鬼を連れた隊士についてご説明いただきたく存じますがよろしいでしょうか?」
竈門炭治郎「(知性も理性もまったくなさそうだったのにすごいきちんと喋り出したぞ!)」
悲鳴嶼行冥「ああ…たとえお館様の願いであっても私は承知しかねる…」
産屋敷雛衣「はい。こちらの手紙は元柱である鱗滝左近次様からいただいたものです。一部抜粋して読み上げます」
鱗滝左近次「炭治郎が鬼の妹と共にあることをどうか御許しください」
鱗滝左近次「禰豆子は強靭な精神力で人としての理性を保っています。飢餓状態であっても人を喰わず、そのまま二年以上の歳月が経過致しました。俄かには信じ難い状況ですが紛れもない事実です」
鱗滝左近次「もしも禰豆子が人に襲いかかった場合は、竈門炭治郎及び鱗滝左近次・冨岡義勇が腹を切ってお詫び致します」
鱗滝左近次「炭治郎が鬼の妹と共にあることをどうか御許しください」
鱗滝左近次「禰豆子は強靭な精神力で人としての理性を保っています。飢餓状態であっても人を喰わず、そのまま二年以上の歳月が経過致しました。俄かには信じ難い状況ですが紛れもない事実です」
鱗滝左近次「もしも禰豆子が人に襲いかかった場合は、竈門炭治郎及び鱗滝左近次・冨岡義勇が腹を切ってお詫び致します」
煉󠄁獄杏寿郎「不死川の言う通りです!人を喰い殺せば取り返しがつかない!殺された人は戻らない!」
産屋敷耀哉「確かにそうだね、人を襲わないという保証ができない、証明ができない、ただ、人を襲うということもまた証明ができない」
産屋敷耀哉「禰豆子が二年以上もの間人を喰わずにいるという事実があり、禰豆子のために三人の者の命が懸けられている」
産屋敷耀哉「これを否定するためには否定する側もそれ以上のものを差し出さなければならない」
産屋敷耀哉「皆にその意思があるかな」
産屋敷耀哉「確かにそうだね、人を襲わないという保証ができない、証明ができない、ただ、人を襲うということもまた証明ができない」
産屋敷耀哉「禰豆子が二年以上もの間人を喰わずにいるという事実があり、禰豆子のために三人の者の命が懸けられている」
産屋敷耀哉「これを否定するためには否定する側もそれ以上のものを差し出さなければならない」
産屋敷耀哉「皆にその意思があるかな」
産屋敷耀哉「それに私の子供達に伝えておくことがある。この炭治郎は鬼舞辻と遭遇している」
宇髄天元「そんなまさか!柱ですら誰も接触したことが無いというのに!!」
甘露寺蜜璃「キャーッ!」
宇髄天元「黙れ!俺が先に聞いてるんだ!まず鬼舞辻の能力を!」
産屋敷耀哉「鬼舞辻はね、炭治郎に向けて追っ手を放っているんだよ。その理由は単なる口封じかもしれないが、私は初めて鬼舞辻が見せた尻尾を掴んで離したくない」
産屋敷耀哉「恐らくは禰豆子にも鬼舞辻にとって予想外の何かが起きているのだと思うんだ」
産屋敷耀哉「わかってくれるかな?」
産屋敷耀哉「鬼舞辻はね、炭治郎に向けて追っ手を放っているんだよ。その理由は単なる口封じかもしれないが、私は初めて鬼舞辻が見せた尻尾を掴んで離したくない」
産屋敷耀哉「恐らくは禰豆子にも鬼舞辻にとって予想外の何かが起きているのだと思うんだ」
産屋敷耀哉「わかってくれるかな?」
不死川実弥「わかりませんお館様。人間ならば生かしておいてもいいが、鬼は駄目です。これまで俺達鬼殺隊がどれだけの想いで戦いどれだけの者が犠牲になっていったか!承知できない」
甘露寺蜜璃「(え!?え!?何してるの?お庭が汚れるじゃない!)」
不死川実弥「お館様!証明しますよ俺が!鬼というものの醜さを!」
不死川実弥「おい鬼、飯の時間だぞ、喰らいつけ」
甘露寺蜜璃「(え!?え!?何してるの?お庭が汚れるじゃない!)」
不死川実弥「お館様!証明しますよ俺が!鬼というものの醜さを!」
伊黒「不死川が新入りごときの頭突きをくらうとはな」
煉獄「あれは実にいい頭突きだった!」
宇髄「ああ!ド派手な音がしたぜ」
悲鳴嶼「さぞ痛むだろう。南無阿弥陀仏」
甘露寺「でもあの子柱に張り合うなんて勇敢なのね!」
不死川「好き放題言いやがって!冨岡の邪魔がなけりゃ躱せたに決まってんだろ!」
冨岡「言い訳がましいな」
不死川「あァ!?」
胡蝶「皆さんお変わりないようで」
胡蝶しのぶ「では大正こそこそ噂話。私達からお館様への挨拶は早い者勝ちなので実は皆さんお館様が来るまでそわそわしてたんですよ」
時透無一郎「あ、次回、第23話 柱合会議」