嘴平伊之助「はははははっ!部屋がぐるぐる回ったぞ!面白いぜ!面白いぜェ!」
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竈門炭治郎「人を踏みつけにするな!」
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嘴平伊之助「何だ、てめぇ」
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竈門炭治郎「こんな小さい子を踏むなんて!どういうつもりだ!」
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嘴平伊之助「ははははっ!いいねいいね!人間に投げ飛ばされたのは初めてだぜ!!」
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竈門炭治郎「(なぜ俺に向かってくるんだ!?鬼殺隊じゃないのか!?)」
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竈門炭治郎「人を踏みつけにするな!」
嘴平伊之助「何だ、てめぇ」
竈門炭治郎「こんな小さい子を踏むなんて!どういうつもりだ!」
嘴平伊之助「ははははっ!いいねいいね!人間に投げ飛ばされたのは初めてだぜ!!」
竈門炭治郎「(なぜ俺に向かってくるんだ!?鬼殺隊じゃないのか!?)」
嘴平伊之助「知るか!」
竈門炭治郎「(突然畳が裂けた!鼓の音と同じ速度で…獣の爪痕のような形)」
竈門炭治郎「(右回転、左回転、だんだんわかってきたぞ)」
竈門炭治郎「(また部屋が変わった!でも、どういうことだ?さっきあの鬼は鼓を打ってないぞ。この屋敷は複数の鬼の匂いがする。別の鬼も鼓を持っているのか?それで……血の匂いだ)」
竈門炭治郎「大丈夫だから、俺の後ろにいるんだよ」
竈門炭治郎「(また人が食い散らかされている)」
照子「ど…どうしたの?」
正一「すみません」
我妻善逸「なんだよォ!俺は精一杯の頑張ってるだろ!!」
正一「いや、申し訳ないんですけど俺も不安になってくるので」
我妻善逸「でもなでもな!?あんまり喋ったりしてると鬼とかにホラ、見つかるかもだろ!?だから、極力静かにした方がいいって思うの、俺は、どう!?」
我妻善逸「ほら御覧!!出たじゃない出たじゃない!!」
我妻善逸「何それ!!舌早っ!!」
正一「善逸さん立って!」
正一「そんなことできない!」
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我妻善逸「(なんて良い子なんだ…こんな怯えた音になってるのに)」
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我妻善逸「(俺が何とかしなくちゃ…俺が守ってあげないと可哀想だろ。享年が一桁とかあんまりだぞ。でも、俺はすごく弱いんだよ。守ってあげられる力が無いの。でも、俺が守ってあげなきゃ)」
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我妻善逸「(なんて良い子なんだ…こんな怯えた音になってるのに)」
我妻善逸「(俺が何とかしなくちゃ…俺が守ってあげないと可哀想だろ。享年が一桁とかあんまりだぞ。でも、俺はすごく弱いんだよ。守ってあげられる力が無いの。でも、俺が守ってあげなきゃ)」
我妻善逸「ギャーッ!!死んでる!!」
我妻善逸「急に死んでるよ!何なの!?もうやだ!」
我妻善逸「正一君、まさか」
我妻善逸「ありがとう~助かったよ〜この恩は忘れないよ〜っこんな強いなら最初に言っといてよ〜」
正一「どういうことなの…」
我妻善逸「何か言った?」
響凱「稀血…稀血…アレさえ喰えば、五十人、いや百人分。稀血の人間をもっと探して喰うのだ。そうしたら小生はまた十二鬼月に戻れる」
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鬼舞辻󠄀無慘「響凱、もう喰えないのか?その程度か?」
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響凱「いいえ、いいえ、まだ」
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鬼舞辻󠄀無慘「もういい。数字を剥奪する。それがお前の限界なのだ」
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響凱「(人間を喰う程強くなれる。そうして素質を認められれば鬼舞辻様に血を分けて戴けた)」
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響凱「(あの御方の血の力は凄まじかった。小生は依然と比べものにならぬ度合いで強くなり)」
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響凱「(十二鬼月として認められ、これからも人を貪り喰い尚一層強くなれるのだと信じていた…信じていた…)」
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照子「清兄ちゃん!」
鬼舞辻󠄀無慘「響凱、もう喰えないのか?その程度か?」
響凱「いいえ、いいえ、まだ」
鬼舞辻󠄀無慘「もういい。数字を剥奪する。それがお前の限界なのだ」
響凱「(人間を喰う程強くなれる。そうして素質を認められれば鬼舞辻様に血を分けて戴けた)」
響凱「(あの御方の血の力は凄まじかった。小生は依然と比べものにならぬ度合いで強くなり)」
響凱「(十二鬼月として認められ、これからも人を貪り喰い尚一層強くなれるのだと信じていた…信じていた…)」
照子「清兄ちゃん!」
竈門炭治郎「俺は竈門炭治郎、悪い鬼を倒しに来た」
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竈門炭治郎「さぁ傷を見せて、独りでよく頑張ったな」
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竈門炭治郎「この傷薬はすごいんだぞ~!俺の先生がくれたものだ!」
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竈門炭治郎「俺の先生は天狗の面をかぶっててな」
竈門炭治郎「さぁ傷を見せて、独りでよく頑張ったな」
竈門炭治郎「この傷薬はすごいんだぞ~!俺の先生がくれたものだ!」
竈門炭治郎「俺の先生は天狗の面をかぶっててな」
清「天狗?本当?」
竈門炭治郎「本当だよ。先生のこの薬はすごくて、すぐに効き目が出るんだ」
清「化け物に攫われて、くく、喰われそうになった」
清「そしたらどこからか別の化け物がきて、こ、殺し合いをし始めた。誰が俺を、くっ、喰うかって」
清「そ、それで、体から鼓が生えてる奴、あいつが他の奴にやられた時、この鼓を落としたから」
清「それを拾って叩いたら部屋が変わって、何とか今まで」
竈門炭治郎「鼓が生えている奴、あいつか…あいつは稀血、そんなことを言ってたが」
清「そうだ!そう!俺のこと稀血って呼ぶんだ!」
鎹烏「稀血トハ珍シキ血ノ持チ主デアル!生キ物ノ血ニハ種類系統ガアルノダ馬鹿メ!」
鎹烏「稀血ノ中デモサラニ数少ナイモノ珍シキ血デアレバアル程、鬼ニハソノ稀血一人デ五十人、百人人を喰ッタノト同ジクライノ栄養ガアル!稀血ハ鬼ノ御馳走ダ、大好物ダ!」
竈門炭治郎「俺はこの部屋を出る。落ち着いて。大丈夫だ。鬼を倒しに行ってくるから」
竈門炭治郎「いいか照子、兄ちゃんは今本当に疲れているから、照子が助けてやるんだぞ」
竈門炭治郎「俺が部屋を出たらすぐ鼓を打って移動しろ。今まで清がしてきたように誰かが戸を開けようとしたり物音がしたら間髪入れずに鼓を打って逃げるんだ」
竈門炭治郎「俺は必ず迎えに来る。二人の匂いを辿って。戸を開ける時は名前を呼ぶから、もう少しだけ頑張るんだ。できるな?」
竈門炭治郎「えらい!強いな!」
竈門炭治郎「叩け!」
竈門炭治郎「(うっ!速い)」
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竈門炭治郎「(珠世さんに手当てをしてもらっているが、怪我は完治してない。勝てるのか?俺は…その怪我が痛くて痛くて堪らないんだよ)」
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竈門炭治郎「(俺はもうほんとにずっと我慢してた!善逸を女の子から引き剥がした時も、声を張った時もすごい痛いのを我慢してた)」
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竈門炭治郎「(俺は長男だから我慢できたけど次男だったら我慢できなかった!踏ん張ったりすると折れてる所が軋んで力が入らないんだ)」
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竈門炭治郎「(あの鬼の爪のような痕がつく攻撃、アレが怖くて向こうに近づけない)」
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竈門炭治郎「(万全の状態じゃないから間合いの内側に入ろうと突っ込んで行った時、痛みが走って足が縺れた)」
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竈門炭治郎「(俺は輪切りだ…怪我のせいで悪い想像ばかりしてしまう)」
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竈門炭治郎「(珠世さんに手当てをしてもらっているが、怪我は完治してない。勝てるのか?俺は…その怪我が痛くて痛くて堪らないんだよ)」
竈門炭治郎「(俺はもうほんとにずっと我慢してた!善逸を女の子から引き剥がした時も、声を張った時もすごい痛いのを我慢してた)」
竈門炭治郎「(俺は長男だから我慢できたけど次男だったら我慢できなかった!踏ん張ったりすると折れてる所が軋んで力が入らないんだ)」
竈門炭治郎「(あの鬼の爪のような痕がつく攻撃、アレが怖くて向こうに近づけない)」
竈門炭治郎「(万全の状態じゃないから間合いの内側に入ろうと突っ込んで行った時、痛みが走って足が縺れた)」
竈門炭治郎「(俺は輪切りだ…怪我のせいで悪い想像ばかりしてしまう)」
竈門炭治郎「(鱗滝さん!)」
鱗滝左近次「水はどんな形にもなれる。升に入れば四角く、瓶に入れば丸く、時には岩すら砕いてどこまでも流れてゆく」
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竈門炭治郎「(そうだ、そうだ!水の呼吸は拾種類の型がある!どんな敵とも戦えるんだ!怪我をしているならそれを補う動きをしろ!どんな形にもなれる!決して流れは止まらない!)」
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竈門炭治郎「(今の俺は骨だけでなく心も折れている)」
竈門炭治郎「(そうだ、そうだ!水の呼吸は拾種類の型がある!どんな敵とも戦えるんだ!怪我をしているならそれを補う動きをしろ!どんな形にもなれる!決して流れは止まらない!)」
竈門炭治郎「(今の俺は骨だけでなく心も折れている)」
竈門炭治郎「頑張れ炭治郎!頑張れ!俺は長男だから我慢できる!禰豆子も応援してくれるんだな。ありがとう禰豆子!」
竈門禰豆子「んー!」
竈門禰豆子「ん―!」
竈門炭治郎「次回、第13話 命より大事なもの。あ!大正こそこそ噂話をする時間が無くなっちゃった!」