第五話 ド派手に行くぜ‼
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放送日 | 2022年1月2日 |
OPテーマ | 残響散歌 (歌 : Aimer) |
EDテーマ | 朝が来る (歌 : Aimer) |
CAST |
竈門炭治郎 Kamado Tanjiro CV.花江夏樹 竈門禰豆子 Kamado Nezuko CV.鬼頭明里 嘴平伊之助 Hashibira Inosuke CV.松岡禎丞 我妻善逸 Agatsuma Zenitsu CV.下野紘 音柱 宇髄天元 Uzui Tengen CV.小西克幸 上弦の陸 堕姫 Daki CV.沢城みゆき まきを Makio CV.石上静香 須磨 Suma CV.東山奈央 雛鶴 Hinatsuru CV.種﨑敦美 ムキムキねずみ CV.木村昴 蚯蚓帯 CV.伊藤静
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宇髄天元「(雛鶴!)」
雛鶴「すみません天元様…」
宇髄天元「いいからもう喋るな」
雛鶴「蕨姫花魁が鬼だと気づいたのですが、向こうからも怪しまれ、毒を飲み店から抜け出そうとしたのですが」
雛鶴「蕨姫花魁に渡されたこの帯が」
雛鶴「監視および殺害を目的にしたものだったようで…連絡ができなくなりました…」
雛鶴「天元様、私には構わずもう行ってくださいませ。先程の音が聞こえましたでしょう。鬼が暴れています」
宇髄天元「本当に大丈夫だな?」
雛鶴「はい…お役に立てず申し訳ありません」
宇髄天元「お前はもう何もしなくていい。解毒薬が効いたら吉原を出ろ。わかったな?」
雛鶴「……はい」
宇髄天元「(戦闘が始まっている!どこだ!?気配を探れ)」
宇髄天元「(ここだ!地面の下!誰か戦っている音がする。反響してよく聞こえる)」
宇髄天元「(ここに何かがある!)」
宇髄天元「音の呼吸 壱ノ型 轟!」
堕姫「喧しいわね塵虫が!何の音よ?何してるの?どこ?萩本屋の方ね、それに雛鶴」
堕姫「アンタたち何人で来たの?四人?」
竈門炭治郎「言わない」
堕姫「正直に言ったら命だけは助けてやってもいいのよ。先ほんの少し斬り合っただけでアンタの刀、もう刃毀れしてる」
堕姫「それを打ったのは碌な刀鍛冶じゃないでしょう?」
竈門炭治郎「違う!この刀を打った人は凄い人だ!腕の良い刀鍛冶なんだ!」
堕姫「じゃあ何で刃毀れすんだよ間抜け」
堕姫「あっちでもこっちでもガタガタし始めた。癪に障るから次でお前を殺す」
竈門炭治郎「(使い手が悪いと刃毀れするんだ。俺のせいだ。俺は…やっぱり俺は水の呼吸を使いこなせない…俺は水の呼吸に適した体じゃないんだ)」
竈門炭治郎「(水の呼吸では鱗滝さんや冨岡さんのようにはなれない)」
竈門炭治郎「(俺の場合、一撃の威力はどうしてもヒノカミ神楽の方が強い。体に合っているんだ。でも…)」
我妻善逸「少しは加減しろバカ!」
嘴平伊之助「それじゃ修行になんねぇだろうが!」
竈門炭治郎「ヒノカミ神楽!」
竈門炭治郎「炎舞!」
竈門炭治郎「碧羅の…」
竈門炭治郎「うっ!」
我妻善逸「炭治郎!大丈夫か!」
嘴平伊之助「腹減ったのか?」
我妻善逸「バカ!」
嘴平伊之助「あァ!?」
竈門炭治郎「(その強力さゆえに連発ができなかった)」
竈門炭治郎「(今は違う。俺はやれるはずだ。いや!やる!そのために修行してきた!負けるな!燃やせ!燃やせ!燃やせ!)」
竈門炭治郎「(心を燃やせ!!)」
竈門炭治郎「ヒノカミ神楽」
竈門炭治郎「烈日紅鏡」
堕姫「(太刀筋が変わった!先より鋭い)」
堕姫「何なのこの音?嫌な音ね!呼吸音?」
竈門炭治郎「炎舞!」
竈門炭治郎「(炎舞は二連撃だ!躱されてももう一撃!)」
堕姫「(たいしたことないわね)」
堕姫「(所詮この程度よ!)」
堕姫「(ん!?どこ!?)」
竈門炭治郎「(ヒノカミ神楽 幻日虹)」
竈門炭治郎「(隙だ!)」
竈門炭治郎「(隙だ!隙の糸!いける!)」
竈門炭治郎「ヒノカミ神楽 火車!」
堕姫「遅いわね、欠伸が出るわ」
竈門炭治郎「(受け身を取れ!受け身!)」
竈門炭治郎「(ヒノカミ神楽を連発した反動が来た!疲労の蓄積で筋肉が強張る)」
堕姫「まだ生きてるんだ」
竈門炭治郎「(落ち着け!呼吸を整えろ!回復するんだ!早く!回復の呼吸!)」
竈門炭治郎「(帯が強靭な刃物のようだ!)」
竈門炭治郎「(隙の糸が見えてもすぐに切れてしまう!俺の攻撃が遅いんだ)」
竈門炭治郎「(体温を上げろ!もっと体温を上げろ!)」
寺内きよ「私、しのぶ様に言いますから…炭治郎さんの熱が下がらないこと」
竈門炭治郎「きよちゃん頼む。この通りだ。秘密にしてくれ。俺は大丈夫だから!」
寺内きよ「でも…」
竈門炭治郎「俺は元気だ!大丈夫、平気なんだ」
寺内きよ「この体温計を見てください。三十八度です。昨日も一昨日もそうだったでしょ?もうずっと…熱が続くということはどこかに異常があるんですよ」
寺内きよ「私なんかじゃどうしたらいいのかわかりません」
寺内きよ「しのぶ様じゃなきゃ」
竈門炭治郎「実は…熱が出ている状態だと本当に調子がいいんだよ。ヒノカミ神楽を連続して使えるんだ」
竈門炭治郎「もっと強くなれるかもしれない!しのぶさんに報告するのはもう少し待ってくれないか…もう少しだけ、ちょっとだけ」
寺内きよ「わかりました。でも少しだけですよ」
竈門炭治郎「(体温が…体の熱が上がっているのがわかる。戦えてる!上弦の鬼と!やれる!ヒノカミ神楽なら通用するんだ!いや、通用するだけじゃ駄目だ!勝つんだ!自分の持てる力全てを使って必ず勝つ!)」
竈門炭治郎「(守るために!命を守るために!二度と理不尽に奪わせない!)」
竈門炭治郎「(もう二度と!誰も!俺たちと同じ悲しい思いをさせない!)」
「化け物が!化け物が!猪の化け物が天井とか床とか壊しまくってんのよ!」
「はあ!?」
「そんなことあるわけないでしょ」
「キャァアアアア!!」
嘴平伊之助「グワハハハ!!ビリビリ感じるぜ鬼り気配!!」
嘴平伊之助「ここか!見つけたぞ!鬼の巣に通じる穴を!覚悟しやがれ!」
嘴平伊之助「頭しか入れねぇというわけだな」
嘴平伊之助「ハハハ!甘いんだよ!この伊之助様には通用しねぇ!」
嘴平伊之助「俺は体中の関節を外せる男!」
嘴平伊之助「つまりは頭さえ入ればどこでも行ける!」
嘴平伊之助「グワハハハ!」
嘴平伊之助「猪突猛進!誰も俺を止められねぇ!」
嘴平伊之助「女の腹巻きの中に捕まえた人間を閉じ込めとくのか」
嘴平伊之助「チッ!それで好きな時に出して喰うんだ」
嘴平伊之助「えげつねぇ奴だな」
嘴平伊之助「ん?」
嘴平伊之助「何してんだコイツ」
蚯蚓帯「お前が何をしてるんだよ!他所様の食料庫に入りやがって!汚い…汚いね…汚い!臭い!糞虫が!」
嘴平伊之助「何だこの蚯蚓!キモッ!」
蚯蚓帯「この糞虫がァ!!」
嘴平伊之助「ぐねぐねぐねぐね気持ち悪ィんだよ蚯蚓帯!」
嘴平伊之助「動きが鈍いぜ!欲張って人間を取り込み過ぎてんだ!」
嘴平伊之助「でっぷり肥えた蚯蚓の攻撃なんぞ伊之助様には当たりゃしねぇ!!」
嘴平伊之助「ケツまくって出直してきな!!」
蚯蚓帯「(チッ!上手いこと人間を避けて斬りやがる…せっかく鮮度の高い食糧を保存していたのに)」
蚯蚓帯「(コイツの感の鋭さ)」
蚯蚓帯「(特に殺気を感じる力は尋常じゃない)」
蚯蚓帯「(前後左右どこからの攻撃でも敏感に察知して躱す!食糧貯蔵庫にまで鬼狩りが入ってくるのは想定外だった)」
蚯蚓帯「どうする?」
堕姫「生かして捕らえろ」
堕姫「そいつはまきをを捕らえた時に邪魔をした奴だ。美しかった」
堕姫「保存していた人間も極めて美しい十人以外は殺しても構わない」
堕姫「ただ殺すより生け捕りは難しいかもしれないが、そこにいる何人か喰ってお前の体を強化しろ」
嘴平伊之助「獣の呼吸 陸の牙 乱杭咬み!」
蚯蚓帯「アタシを斬ったって意味無いわよ、本体じゃないし」
蚯蚓帯「それよりせっかく救えた奴らが疎かだけどいいのかい?」
蚯蚓帯「アンタにやられた分はすぐに取り戻せるんだよ」
嘴平伊之助「(やへぇ!人間を守りながらも戦いをしなきゃならねぇのに!)」
嘴平伊之助「くそッ!間に合わねぇ…蚯蚓帯が!」
まきを「“蚯蚓帯”とは上手いこと言うもんだ!」
須磨「ほんと気持ち悪いです!ほんとその通りです!天元様に言いつけてやります!」
嘴平伊之助「誰だてめェら?」
須磨「宇髄の妻です!あたしあまり戦えないですから期待しないでくださいね」
まきを「須磨!弱気な事言うんじゃない!」
須磨「だってだってまきをさんあたしが味噌っかすなの知ってますよね!?すぐに捕まったし…無茶ですよ!」
蚯蚓帯「そうさ、よくわかってるね~さァどれから喰おうか」
嘴平伊之助「(あの野郎、本体じゃねぇだと?ホントだったらやべぇぞ!戦いに終わりが無ぇ!)」
キムキねずみ「ムキ!」
蚯蚓帯「(なんなのアイツは…なんて速さ!)」
蚯蚓帯「(いやそれよりも今、音が二つ鳴らなかったか?)」
蚯蚓帯「(落雷のような音が重なって二つ鳴った)」
蚯蚓帯「(一つはアイツ…もう一つは…)」
蚯蚓帯「(上から!?風!?風穴が空いたの!?地上から何をしたらここまで穴を空けられるのよ!)」
嘴平伊之助「何だ!?」
蚯蚓帯「(いる…誰か入ってきた)」
蚯蚓帯「(この気配!柱!)」
須磨「うぁああ」
宇髄天元「まきを、須磨、遅れて悪かったな。元気そうで一安心だ」
まきを「(昔はこんなんじゃなかったんだけどな)」
まきを「(死ぬのは嫌じゃなかった。そういう教育を受けてきたから、忍だから)」
まきを「(特にくのいちなんてのは、どうしたって男の忍に力が劣るんだし)」
まきを「(命を賭けるなんて最低限の努力だった)」
宇髄天元「お前達は自分の命のことだけ考えろ。他の何を置いてもまず俺の所へ戻れ。任務遂行より命」
宇髄天元「こんな生業で言ってることちぐはぐになるが問題ない。俺が許す。俺は派手にハッキリと命の順序を決めている」
宇髄天元「まずお前ら三人、次の堅気の人間たち、そして俺だ」
宇髄天元「鬼殺隊である以上、当然のほほんと地味に生きている一般人も守が」
宇髄天元「派手にぶっちゃけると俺、お前らのが大事だから死ぬなよと」
まきを「(そんなこと言っていいの?自分の命なんか優先してたら大した仕事できないけど…いいの?)」
雛鶴「いいんじゃない?天元様がそれでいいと言うなら」
雛鶴「死ぬのが嫌だって生きていたいと思うのだって悪いことじゃないはずよ」
雛鶴「そういう自分が嫌じゃなければそれでいいのよ、きっと」
まきを「そうね」
宇髄天元「派手にやったようだな、流石俺の女房だ」
宇髄天元「よし!」
宇髄天元「こっからはド派手に行くぜ」
次回予告 善子「音柱に嫁が三人なんてあり得ないんですけど!」
炭子「善逸も頑張ればいいじゃないか?」
善子「え?そう?良子さんでしょ~早苗さんでしょ~それから~」
炭子「禰豆子に報告しないと」
善子「炭治郎~!」
炭子「ここで大正こそこそ噂話!宇髄さんの家は一夫多妻制で、十五になったら三人の妻を一族のおさが相性が考えて選ぶんですって。でも須磨さんは自ら立候補したそうですよ」
善子「俺も忍になろうかな~」
宇髄天元「なら今日から忍の修行だな!」
善子「イーーヤーーー!!」
炭子「次回 第六話 重なる記憶 」