第R121話 仲の悪いガールズバンド(後編)
キャスト
🔷江戸川コナン Edogawa Conan CV.高山みなみ
🔷安室透 Amuro Toru CV.古谷徹
🔷世良真純 Sera Masumi CV.日高のり子
🔷山路萩江 CV.摩味
🔷木船染花 CV.皆川純子
🔷笛川唯子 CV.高木礼子
🔷小暮留海 CV.伊藤美紀
小暮留海「えー!?もう一度ボディーチェックしたい!?」
木船染花「さっき散々調べたじゃない!」
高木刑事「いや、一応念のために…」
小暮留海「もしかしてまだ凶器が見つかってないんじゃないですか?」
笛川唯子「だから私らがどっかで隠し持ってるんじゃないかって思って…」
木船染花「まさか、飲み込んだとか思ってんじゃないだろうな!だったらレントゲンでも何でも撮りなよ!」
小暮留海「それより他のバンドの人達は調べたんですか?」
高木刑事「いや…それはまだ…」
「何だアンタらまだバンドやってんだ」
「ボーカルがおっ死んだってのによ」
笛川唯子「“首頭朱音”っていう綺麗な歌声の子だったよ」
高木刑事「ええ、彼女達がいつもそうやってたことを知っていた人物なら、それがどのスタジオかは探せばわかったかも…」
目暮警部「じゃあ外部犯があの状況を利用してスタジオにこっそり入り、絞殺して凶器を持ち去ったってことも考えられる。彼女達の言う通り、他のバンドメンバーも調べる必要がありそうだ」
笛川唯子「萩江だよ。私ら女子大の同級生だったんだけど、いいボーカル見つけたって朱音を連れて来てバンドを始めたんだ」
小暮留海「朱音は歌だけじゃなくギターやベースやキーボードもできたから色々教えてくれたしね」
小暮留海「ええ、でも朱音と一緒に教えた唯子達の方が私よりうまくなっちゃって…」
小暮留海「いいわよ」
小暮留海「事件に関係なさそうだからって先の刑事さんが返してくれたわ」
安室透「横の方が納まりがいい気がしますが」
笛川唯子「あ…横だと足元が切れちゃうから…縦にしようってことになったんだよね?」
木船染花「ああ」
小暮留海「テレビ画面と違って面白いしね」
目暮警部「それで?返してしまった他のバンドメンバーは全員呼び戻したのか?」
高木刑事「えーっ!!逃げてないって!」
目暮警部「じゃあ犯人は…」
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安室透「ええ、山路さんと同じバンドメンバーのあの3人の中にいるという事ですよ」
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コナン「とにかく行ってみようよ!その3人のお姉さん達が待たされてる地下の休憩所にね」
木船染花「はあ!?私達の中に萩江を殺害した犯人がいる!?まだそんな事言ってんの!?」
安室透「ええ、山路さんと同じバンドメンバーのあの3人の中にいるという事ですよ」
コナン「とにかく行ってみようよ!その3人のお姉さん達が待たされてる地下の休憩所にね」
小暮留海「見つかったんですか?」
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安室透「見つかるわけありませんよ。凶器はもう既にこの貸しスタジオから外へ持ち出されてしまっているんですから」
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世良真純「だーかーらー持ち出したのはアンタらじゃなく、警察だって言ってんだよ!今被害者が身につけていた遺留品を警察に持ち帰って色々調べてんだろ?」
安室透「見つかるわけありませんよ。凶器はもう既にこの貸しスタジオから外へ持ち出されてしまっているんですから」
世良真純「だーかーらー持ち出したのはアンタらじゃなく、警察だって言ってんだよ!今被害者が身につけていた遺留品を警察に持ち帰って色々調べてんだろ?」
目暮警部「あ、ああ…」
高木刑事「でも、遺留品の中にひも状の物は何も…」
世良真純「ひも状の物が編み込まれて形を変えてたとしたら?」
世良真純「ああ、萩江さんが被ってたニット帽。凶器はそれに編み込まれた毛糸だよ」
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安室透「恐らく犯人はあらかじめ萩江さんのニット帽と同じ色の毛糸を用意していたんでしょう。そして彼女をその毛糸で絞殺した後」
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安室透「ニット帽の先端に付いてる飾りを一旦取り、取った部分の毛糸に凶器の毛糸を編み込み、再び飾りを取り付けて彼女に被せたんです」
安室透「恐らく犯人はあらかじめ萩江さんのニット帽と同じ色の毛糸を用意していたんでしょう。そして彼女をその毛糸で絞殺した後」
安室透「ニット帽の先端に付いてる飾りを一旦取り、取った部分の毛糸に凶器の毛糸を編み込み、再び飾りを取り付けて彼女に被せたんです」
安室透「ニット帽の折り返しを少し多めにすれば、そんなに気にはなりませんから」
高木刑事「しかし、編み物をする時って棒針っていう先の尖った棒を2本使いますよね?でも彼女達は誰もそんなもの持ってなかったですよ」
コナン「あったじゃない。亡くなったお姉さんのそばに…ドラムを叩くドラムスティックだよ。あの2本の棒をうまく使えば編み物できるんじゃないかな」
高木刑事「3人共編み物をしている時間はなかったんじゃ…」
高木刑事「そうか!染花さんのジャケットのボタンが取れかかっていたのもギターの弦が切れたのも偶然!しかもそのギターは今日この店で借りたギターだから前以て弦が切れやすくする細工もできないし」
世良真純「留海さんは他の人と違って防犯カメラに背を向けていたからキーボードを弾いてるフリして編み物くらいできるよな」
笛川唯子「で…でも編み物なら私だってできるし」
木船染花「そもそも防犯カメラを半分隠さなきゃそんな犯行できないだろ!だよな?留海」
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小暮留海「ええ、ケータイをセットした自撮り棒をマイクスタンドに取り付け、それを置いた場所が防犯カメラの前になったのは偶然です。ケータイの画像を見ながらこの3人で色々意見を出し合って位置を決めたんですから」
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小暮留海「それとも私達が示し合わせて防犯カメラを遮るように置いたとでも言うんですか?」
小暮留海「ええ、ケータイをセットした自撮り棒をマイクスタンドに取り付け、それを置いた場所が防犯カメラの前になったのは偶然です。ケータイの画像を見ながらこの3人で色々意見を出し合って位置を決めたんですから」
小暮留海「それとも私達が示し合わせて防犯カメラを遮るように置いたとでも言うんですか?」
安室透「そのカラクリはわかりましたよ。ケータイに録画されていたあなた方の演奏の動画を観てね」
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安室透「4人のそれぞれの立ち位置ですよ。ドラムの場所は最初から固定されていて動かせないし、真ん中のギターとベースの2人はどう動いても画面に納まりますが」
安室透「4人のそれぞれの立ち位置ですよ。ドラムの場所は最初から固定されていて動かせないし、真ん中のギターとベースの2人はどう動いても画面に納まりますが」
世良真純「そうやって防犯カメラを半分遮ったアンタは、スタジオで寝ている萩江さんを起こしに行くフリをして用意していた毛糸で絞殺し、その毛糸を萩江さんのニット帽にドラムスティックで編み込んだのさ。曲を直してるかのように装ってな。そしてそのニット帽を萩江さんに被せて何食わぬ顔で休憩所に戻った。どこか間違ってるか?」
目暮警部「しかし萩江さんがドラムの所で寝るとわかっていないと…」
安室透「たしか染花さんが言ってましたよね?萩江さんが寝る時はいつもそうだったと…」
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安室透「いつもそうだったのなら、萩江さんの飲み物に睡眠薬でも混ぜておけば、仮眠をとると言って萩江さんが一人でスタジオに戻り、ドラムに突っ伏して寝てしまうことは想定できますよ」
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安室透「まぁ、この貸しスタジオのゴミ箱を全て調べれば、睡眠薬がついたペットボトルが見つかるでしょうけど」
安室透「たしか染花さんが言ってましたよね?萩江さんが寝る時はいつもそうだったと…」
安室透「いつもそうだったのなら、萩江さんの飲み物に睡眠薬でも混ぜておけば、仮眠をとると言って萩江さんが一人でスタジオに戻り、ドラムに突っ伏して寝てしまうことは想定できますよ」
安室透「まぁ、この貸しスタジオのゴミ箱を全て調べれば、睡眠薬がついたペットボトルが見つかるでしょうけど」
目暮警部「よし、探せ!」
高木刑事「はい!」
目暮警部「ああ!それと被害者のニット帽を調べるように鑑識に伝えろ」
小暮留海「でも…鋏は…!?糸を切る鋏がないとニット帽のボンボンはとれないでしょ!?」
世良真純「爪切りを使ったんだろ?爪を伸ばしていれば唯子さんが貸してくれると踏んで」
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小暮留海「そ…それは!みんなあなた達の想像でしょ!?私がやったなんて証拠、どこにもないじゃない!」
コナン「バレバレだよ。だってお姉さん、せっかく爪切り借りたのに」
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コナン「爪切ってないじゃない」
小暮留海「そ…それは!みんなあなた達の想像でしょ!?私がやったなんて証拠、どこにもないじゃない!」
コナン「爪切ってないじゃない」
安室透「それに凶器の毛糸から萩江さんの血と共に出て来ると思いますよ。あなたの指紋も」
安室透「現在の科学捜査では硬式のテニスボールのふわふわした表面からでも指紋を採取することができるそうですから」
木船染花「そんなのでたらめだよ!留海があのニット帽を殺害の道具に使うなんて!」
笛川唯子「そうだよ!だってあれは留海と一番仲がよかった朱音が編んだ…」
木船染花「もっと歌声に深みが欲しいって」
小暮留海「そうよ!それを真に受けて朱音…」
山路萩江「もう仕方ないから次のライブのボーカルは唯子がやりな!朱音は歌うな!」
木船染花「いや、あれは自殺じゃなく交通事故で…」
小暮留海「自殺よ自殺!でなきゃあの朱音が信号無視なんて」
笛川唯子「それはきっと朱音が萩江の言いつけを守ったからだよ」
木船染花「だから朱音、その子に“危ない”って声をかける前に体で助けようとしたって事故を見た人達が…」
笛川唯子「留海は知らなかったんだね…朱音が死んだショックで寝込んでたから…」
世良真純「いや、それは真ん中の兄、影響を受けたのは一番上の兄だよ」
毛利蘭「一番上のお兄さんって確か亡くなったんじゃ…」
鈴木園子「まさか刑事で殉職しちゃったとか?」
世良真純「ああそうだよ。でも日本の刑事じゃなくアメリカ連邦捜査局FBIのエージェントだけどな!」
毛利蘭「だからお兄さんアメリカに行ってたんだね」
世良真純「ああ」
世良真純「ああ、だからビックリしたのさ」
鈴木園子「じゃあ、アンタにベース教えてくれた男の人もFBIだったりして」
世良真純「まさか…兄が休暇で日本に帰った時に会った友達じゃないか?」