『小学3年の春、始業式と共に転校してきた俺は…自己紹介でうまく話せなかった』
天喰環「あま…じき…です…えと…ヒ……」
『クラス替え直後の教室、同じクラスだった生徒たちは固まり新しいグループを作る。スタートでつまずいた転入生に単身乗り込む勇気はなかった』
『それまでだって上手く友達を作れた試しはなかったし、自分はそういう地味でつまらない人間なんだと思っていた』
通形ミリオ「天喰くん!さっき自己紹介で言おうとした”ヒ”ってさ!もしかして”ヒーロー”って言おうとしてたの!?」
通形ミリオ「俺もヒーロー好きなんだ!」
天喰環「(あの時、おまえが声をかけてくれたから…)」
天喰環「(おまえは明るくて…輝いてて…)」
天喰環「(まるで…太陽のようで…)」
天喰環「(俺にもできるかな…)」
天喰環「(おまえのように輝くことが)」
ファットガム「怪しい素振りどころやなかったな」
ロックロック「俺ァだいぶ不安になってきたぜオイ…始まったらもう進むしかねえがよ」
天喰環「どこかから情報が漏れてたのだろうか?いやに一丸となってる気が…」
警察「だったらもっとスマートにかわせる方法を取るだろ。意思の統一は普段から言われてるんだろう」
ロックロック「俺ァだいぶ不安になってきたぜオイ…始まったらもう進むしかねえがよ」
天喰環「どこかから情報が漏れてたのだろうか?いやに一丸となってる気が…」
警察「だったらもっとスマートにかわせる方法を取るだろ。意思の統一は普段から言われてるんだろう」
相澤消太「盃を交わせば親分・兄貴分に忠義を尽くす。肩身が狭い分、昔ながらの結束を重視してんだろうな。この騒ぎ、そして治崎や幹部が姿を見せてない。今頃地下で隠蔽や逃走の準備中だろうな」
切島鋭児郎「忠義じゃねぇやそんなもん!子分に責任を押し付けて逃げ出そうなんて漢らしくねえ!」
切島鋭児郎「忠義じゃねぇやそんなもん!子分に責任を押し付けて逃げ出そうなんて漢らしくねえ!」
センチピーダー「見えてなきゃ気付かんな。まだ姿を見せてない個性に気をつけましょう」
ロックロック「説明しろナイトアイ!」
通形ミリオ「俺見てきます」
切島鋭児郎「ルミリオン先輩待って!またマッパに…」
天喰環「大丈夫。ミリオのコスチュームは奴の毛髪から作られた特殊な繊維だ」
天喰環「発動に呼応し透過するようにできている」
警察「治崎じゃねえ!逸脱してる!考えられるとしたら本部長の入中だ!」
警察「入中の個性はモノの中に入り自由自在に操る“擬態”!地下を形成するコンクリに入り込んで生き迷宮となってるんだ!」
ロックロック「規模が大き過ぎるぞ!奴が入り操れるのはせいぜい冷蔵庫の大きさまでと!」
警察「入中の個性はモノの中に入り自由自在に操る“擬態”!地下を形成するコンクリに入り込んで生き迷宮となってるんだ!」
ロックロック「規模が大き過ぎるぞ!奴が入り操れるのはせいぜい冷蔵庫の大きさまでと!」
ファットガム「かなりキツめにブーストさせればない話じゃあないか…しかし何に化けるか注意しとったがまさかの地下!こんなん相当身体に負担かかるハズやで!イレイザー消されへんのか!?」
相澤消太「本体が見えないとどうにも…」
天喰環「道を作り変えられ続けたら向こうはその間にいくらでも逃げ道を用意できる」
天喰環「即座にこの対応、判断…ああダメだ…もう…女の子を救い出すどころか俺たちも…」
通形ミリオ「スピード勝負!それを奴らもわかっているからこその時間稼ぎでしょう!先に向かってます!」
天喰環「(いけない!俺は何をしているんだ!ミリオが頑張ろうとしてるじゃないか!なら俺のすべきことは!)」
ロックロック「ますます目的から遠のいたぞ!いいようにやられてるじゃねぇか!」
天喰環「そのプロの力は目的の為に」
通形ミリオ「そんなんじゃないよ。俺が頑張れるのはおまえがいてくれるからなんだぜ、環」
天喰環「こんな時間稼ぎ要員」
天喰環「俺一人で十分だ!」
警察「窃野だ!こいつ相手に銃は出せん!ヒーロー頼む!」
窃野トウヤ「バレてんのか、まァいいや、暴れやすくなるだけだ!」
相澤消太「ならないぞ!刀捨てろ!」
宝生結「(個性を消す、エリの劣化個性、そういうヒーローが存在するとは聞いた事がある)」
窃野トウヤ「バレてんのか、まァいいや、暴れやすくなるだけだ!」
相澤消太「ならないぞ!刀捨てろ!」
宝生結「(個性を消す、エリの劣化個性、そういうヒーローが存在するとは聞いた事がある)」
天喰環「こいつらは俺が相手します。ファット事務所でタコ焼き三昧だったからタコの熟練度は極まってるし、以前撃たれたことでこういう物には敏感になってる」
天喰環「こいつらは相手にするだけ無駄だ!何人ものプロヒーローがこの場に留まっているこの状況がもう、思うツボだ。イレイザー筆頭にプロの個性はこの先に取っておくべきだ!うごめく地下を突破するパワーも拳銃を持つ警官も!」
切島鋭児郎「ファット!」
天喰環「皆さん、ミリオを頼むよ!あいつは絶対に無理をするから助けてやってくれ!」
ファットガム「アイツの実力はこの場の誰よりも上や。ただ心が弱かった」
ファットガム「完璧にやらなあかんっちゅうプレッシャーで自分を圧し潰しとるんや。そんな状態であいつは雄英のビッグ3に登りつめた」
ファットガム「そんな人間が”完封できる”と断言したんや!ほんなら任せるしかないやろ!」
ファットガム「完璧にやらなあかんっちゅうプレッシャーで自分を圧し潰しとるんや。そんな状態であいつは雄英のビッグ3に登りつめた」
ファットガム「そんな人間が”完封できる”と断言したんや!ほんなら任せるしかないやろ!」
天喰環「(こいつらは”目標に向かう者を排除する役”。入中という奴の擬態能力も特に動きはなし)」
天喰環「(大口叩いたがイレイザーの抹消が切れる前に気絶させられれば…)」
天喰環「同時に3人。悪いが寝てもらう」
窃野トウヤ「ビックリして思わず引いちゃったなァ?急いでんのはわかるが横着しちゃいけねぇよ」
窃野トウヤ「ゴミみたいな人間相手にしてんだからよォ」
窃野トウヤ「マスクの下に何隠してるかわかったもんじゃねぇよ」
宝生結「(”窃盗”人が身につけてるモノに限り瞬時に手元へ移動させる。俺の殻も身につけている事になるのか)」
窃野トウヤ「俺たちゃ元々人生捨てた身だ。飛び降りをヒーローにキャッチされた時はまァ絶望したもんだ。生きる価値を見いだせなくなった人間、わっかんねぇだろ!?」
宝生結「若頭はそんなゴミを拾って再利用してくれてる。ゴミにもプライドはあるんだぜ。期待されちまったら、応えねぇとなァ」
先生「どうした天喰?」
窃野トウヤ「俺たちゃ元々人生捨てた身だ。飛び降りをヒーローにキャッチされた時はまァ絶望したもんだ。生きる価値を見いだせなくなった人間、わっかんねぇだろ!?」
宝生結「若頭はそんなゴミを拾って再利用してくれてる。ゴミにもプライドはあるんだぜ。期待されちまったら、応えねぇとなァ」
先生「どうした天喰?」
先生「おまえの個性ならもっとできる事あるハズだぞ。まだ緊張してしまうのか?ま、いい、無理はするな、下がって」
天喰環「(ヒーローだけじゃなくあらゆる仕事で個性は活躍する。自分の個性が将来どう役立つか自覚する。それが”個性教育”の時間だ)」
「ハハハハハ!」
天喰環「(ヒーローだけじゃなくあらゆる仕事で個性は活躍する。自分の個性が将来どう役立つか自覚する。それが”個性教育”の時間だ)」
「ハハハハハ!」
「何やってんだよ通形!」
「顔がすり抜けてねぇじゃん!」
通形ミリオ「いやめっちゃムズいんだって!皆やってみ!?たぶん想像の5倍ムズいよ!」
先生「通形は個性のコントロールに関しては不器用だな」
通形ミリオ「とかいって、次成功しちゃうんだけどね!」
天喰環「ミリオは…すごいよ」
通形ミリオ「ん?」
「顔がすり抜けてねぇじゃん!」
通形ミリオ「いやめっちゃムズいんだって!皆やってみ!?たぶん想像の5倍ムズいよ!」
先生「通形は個性のコントロールに関しては不器用だな」
通形ミリオ「とかいって、次成功しちゃうんだけどね!」
通形ミリオ「ん?」
天喰環「できなくても明るく前を向いて…だから周りも明るくなって…」
天喰環「俺はダメだ…失敗したらと考えると頭が真っ白になって動けなくなる」
天喰環「おまえはすごいヒーローになるよ。太陽のようなヒーローに」
通形ミリオ「何言ってるんだよ!何かすげぇアゲてくれてるけどそんなんじゃないよ」
天喰環「え?」
通形ミリオ「俺が頑張れるのはおまえがいてくれるからなんだぜ、環」
通形ミリオ「俺は別に心が強いわけじゃない。たださ、超がつくほど緊張しいのおまえが逃げ出さず頑張ってるから負けたくなくなる」
天喰環「負け?」
通形ミリオ「俺を過大評価して自分を過小評価しすぎてるんだと思うぜ。だから太陽とか言いだすんだ。俺、知ってるんだぜ。おまえが本当はすげぇ才能持ってること」
通形ミリオ「おまえが本当はすげぇ明るくて楽しいやつだってこと」
宝生結「(筋肉の塊、タコの腕で衝撃を受け止め、貝殻と甲羅を何層にも張り結晶のダメージを防いだか)」
天喰環「(全てを…雄英で2年半、伸ばし続けたこの個性で!できる全てを収束させろ!サイズ可変、複数同時再現、特徴自由選択…)」
天喰環「(混成大夥)」
天喰環「俺一人で十分だ」
窃野トウヤ「こういう事かよ!」
窃野トウヤ「多部!起きろ!飯だ!」
多部空満「タコ、うまっ」
窃野トウヤ「ハハハハ!どんなモノでも一瞬で喰らう歯と顎!そして喰ったそばから消化しちまう胃袋だ!」
窃野トウヤ「多部の腹が満ちることはない!おまえらいい相性してるぜ!」
天喰環「(イレイザーは俺との相性を考慮しこいつをダウンさせていった。でも大丈夫。俺は今よく動く。こいつの動きを上回る!)」
窃野トウヤ「多部!起きろ!飯だ!」
多部空満「タコ、うまっ」
窃野トウヤ「ハハハハ!どんなモノでも一瞬で喰らう歯と顎!そして喰ったそばから消化しちまう胃袋だ!」
窃野トウヤ「多部の腹が満ちることはない!おまえらいい相性してるぜ!」
天喰環「(イレイザーは俺との相性を考慮しこいつをダウンさせていった。でも大丈夫。俺は今よく動く。こいつの動きを上回る!)」
宝生結「(完璧に入った!)」
宝生結「(かろうじて反応したか…)」
宝生結「(しかし、そんなものでは俺の結晶は防げまい!)」
窃野トウヤ「3対1を望んだのはおまえだよなァ!サンイーター!まさかでっけえタコ足ブン回して完封とか考えてたか!?」
天喰環「(マダコの唾液に含まれる神経毒を腕に再現!喰えばおまえはすぐに動けなくなる!)」
窃野トウヤ「デカすぎて盗れなかったが」
窃野トウヤ「ここまで小さくなりゃ別だ」
天喰環「(流れるような連携…)」
宝生結「俺たちはゴミだがゴミなりに固い絆で結ばれているのさ」
天喰環「おまえたちは直に逮捕される!俺に勝っても先はない!」
窃野トウヤ「それがどうした?」
宝生結「先なんてとうにねぇんだよ」
宝生結「或る者は恋人に裏切られ多額の借金を背負った」
窃野トウヤ「食いモンばっか。食ったもんを力に変える感じね」
宝生結「或る者は金の亡者に道具として利用され、生成した宝石が金にならない偽物だとわかると要らぬ人間だと徹底的に打ちのめされた」
宝生結「そんな俺たちにアイツは…」
オーバーホール「ウチに来い。おまえはこんな所で朽ち果てるような人間じゃない」
宝生結「後先なんか知ったこっちゃない!価値を与えてくれた男の為、邪魔者は殺す!」
天喰環「(恐怖で従ってるんじゃない。洗脳に近い) 使い捨てられることが本望なのか!?」
宝生結「ヒーローには理解できんさ!壁を背にこいつを受けられるか!?」
天喰環「(連携の起点を崩す!)」
天喰環「(”窃盗”は見えている物しか適用されない!だから警官は拳銃を向けられなかった!)」
宝生結「死ねェ!結晶!?」
天喰環「そういうことだ!」
天喰環「互いを信頼したいい連携だったよ」
天喰環「おまえたちの境遇も怒りも悲しみも俺にはわからないが、その固い絆とやらは俺にもわかる」