第1041話 言えないアリバイ
キャスト
🔷江戸川コナン Edogawa Conan CV.高山みなみ
🔷吉田歩美 Yoshida Ayumi CV.岩居由希子
🔷円谷光彦 Tsuburaya Mitsuhiko CV.大谷育江
🔷小嶋元太 Kojima Genta CV.高木渉
🔷灰原哀 Haibara Ai CV.林原めぐみ
円谷光彦「1時11分ですね。で?それが何だと?」
小嶋元太「ついてるぜ今日は!今日の晩メシはうな重かもしれねぇ」
コナン「おいおめぇら置いてくぞ~!」
吉田歩美「おまわりさんだね」
コナン「何かあったのかな…」
「ウウ…突き落とされたのよ!知らない若い女に!」
「この石段の上から!」
少年探偵団「えぇ!?」
警官「あの、誰か目撃された方は?」
コナン「(あの人…)」
コナン「そこのお兄さん」
「ウウ…突き落とされたのよ!知らない若い女に!」
「この石段の上から!」
少年探偵団「えぇ!?」
警官「あの、誰か目撃された方は?」
コナン「(あの人…)」
コナン「そこのお兄さん」
灰原哀「ならどうして見てないなんて?」
コナン「ならどうして名前とか…」
千里「電話があったのよ」
円谷光彦「それがですね」
蟹江田明「いや~可愛い子ですね~しかもなんて賢そうなんだ。よーしよーし」
円谷光彦「そうやって何かひどく時間を気にしながら米花町内を一時間程ブラブラと歩き回り」
蟹江田明「もしもし、はい、そうですか」
円谷光彦「電車に乗ってどこかへ去って行ったんです」
小嶋元太「なぁ?さっぱりわかんねぇだろ?」
円谷光彦「そうやって何かひどく時間を気にしながら米花町内を一時間程ブラブラと歩き回り」
蟹江田明「もしもし、はい、そうですか」
円谷光彦「電車に乗ってどこかへ去って行ったんです」
小嶋元太「なぁ?さっぱりわかんねぇだろ?」
円谷光彦「そもそもよからぬことをしてるなら人目を避けてこそこそするのが普通でしょうに…あの人は逆で」
コナン「人の注意をひくようなマネを重ねてたか…」
コナン「携帯持ってたんだよな?なのにどうして喫茶店で呼び出しなんか…内回りに乗ったってのもな…鹿骨町へ帰るなら逆方向だし」
コナン「その電車が隣の緑台止まりだったってことは…」
『緑台駅』
コナン「人の注意をひくようなマネを重ねてたか…」
コナン「携帯持ってたんだよな?なのにどうして喫茶店で呼び出しなんか…内回りに乗ったってのもな…鹿骨町へ帰るなら逆方向だし」
『緑台駅』
吉田歩美「でも、高木刑事達と一緒って!」
小嶋元太「やらかしたのか!やっぱなんか」
コナン「ねぇ高木刑事、そもそもどうしてあの人警察に?」
高木刑事「傷害事件の重要参考人なんだよ」
高木刑事「ついさっき緑台公園の裏手で後頭部を丸太で殴られて倒れている男性を近くに住む女性が見つけてね」
高木刑事「被害者は緑台に住んでる蜂谷尊さん」
蜂谷尊「くそ!誰か知らんがいきなり後ろから殴りつけやがって!おい!警察はボサッとしとらんと、はよ犯人捕まえてワシの前に連れて来やんかーい!」
高木刑事「まぁ近所の評判はあまりよくない人なんだけど…」
目暮警部「男が蜂谷氏と激しく揉めていたんですか?」
柿本須恵子「何日前、駅前でその男の人も何度か見かけた事があるんで…この緑台の住人だと…」
千葉刑事「警部!そこに落ちていたペンにこんなモノが!」
目暮警部「ん?E・U?」
柿本須恵子「何日前、駅前でその男の人も何度か見かけた事があるんで…この緑台の住人だと…」
千葉刑事「警部!そこに落ちていたペンにこんなモノが!」
目暮警部「ん?E・U?」
高木刑事「Eiichi Usui。一番の重要参考人として挙がったのが彼なんだよ」
臼井栄一「そ…それはですね…」
目暮警部「どうして言えないんだね?」
臼井栄一「…思い出せないんです…」
高木刑事「ああ、蜂谷さんの証言からね」
臼井栄一「証人!?」
目暮警部「事件があった頃、君を米花町で見たという者がいるんだが…」
高木刑事「ああ、絶対人違いだって」
「あの高木さん…」
高木刑事「さっきのライターだけど付着している指紋の中に臼井さんのものは一つも無かったそうだよ。つまり、君達が米花町で見かけた男の人はあの臼井栄一さんじゃなく別の人だったんだよ」
「あの高木さん…」
高木刑事「さっきのライターだけど付着している指紋の中に臼井さんのものは一つも無かったそうだよ。つまり、君達が米花町で見かけた男の人はあの臼井栄一さんじゃなく別の人だったんだよ」
戸根「ああ、車にはねられたんだってさ。昨日の昼、駅の向こう側で…」
コナン「交通事故…」
戸根「君達、明君に用事なら一緒に会いに行くかい?」
コナン「いいんですか?」
『鹿骨市立総合病院』
戸根「蟹江田明君だよ」
円谷光彦「に…似てますよね」
円谷光彦「に…似てますよね」
小嶋元太「てか、あの臼井って人に…」
吉田歩美「そっくりだよね」
戸根「しかしどうして駅の南側なんかに行ったのか…鬼門のハズだろうに」
コナン「鬼門って?」
戸根「明君は父上を亡くしてから母上と二人で暮らしてきたんだが」
戸根「一年程前その母上が、駅の南にある名医と評判の猿渡先生の歯医者で」
戸根「入れ歯を作って貰ったんだ。ところが間もなく不運な事が…」
蟹江田明「母さん、ただいま」
蟹江田明「おい母さん…母さん?母さん!しっかりしろ!母さ~~ん!」
戸根「はめたままうたた寝し、その入れ歯を喉に詰まらせてしまい、そのまま帰らぬ人となってしまった」
蟹江田明「事故じゃない!あれは事故なんかじゃない…入れ歯の出来が悪かった…ヤブ医者の猿渡に母さんは…」
戸根「それは逆恨みというものだって、明君」
戸根「その歯医者さんがあるから」
戸根「一年程前その母上が、駅の南にある名医と評判の猿渡先生の歯医者で」
戸根「入れ歯を作って貰ったんだ。ところが間もなく不運な事が…」
蟹江田明「母さん、ただいま」
蟹江田明「おい母さん…母さん?母さん!しっかりしろ!母さ~~ん!」
戸根「はめたままうたた寝し、その入れ歯を喉に詰まらせてしまい、そのまま帰らぬ人となってしまった」
蟹江田明「事故じゃない!あれは事故なんかじゃない…入れ歯の出来が悪かった…ヤブ医者の猿渡に母さんは…」
戸根「それは逆恨みというものだって、明君」
戸根「その歯医者さんがあるから」
灰原哀「駅の南側は鬼門ってわけね。なら何をしに…」
コナン「蟹江田明さんが事故にあったのは昨日の昼だって言ってたけど、それって1時頃だったんじゃない?」
コナン「蟹江田明さんが事故にあったのは昨日の昼だって言ってたけど、それって1時頃だったんじゃない?」
コナン「やっぱりあの臼井さんが米花町でブラブラし始めたのと同じ頃だ」
小嶋元太「俺達がイチ並びを見た頃って事だな」
コナン「もし、俺の推理が正しいなら…」
コナン「蟹江田明さんが救急車で運ばれてきた時、何か荷物とか持ってなかった?」
コナン「あっ」
円谷光彦「何ですか?これ」
吉田歩美「手袋とロープ?」
コナン「もし、俺の推理が正しいなら…」
コナン「蟹江田明さんが救急車で運ばれてきた時、何か荷物とか持ってなかった?」
コナン「あっ」
円谷光彦「何ですか?これ」
吉田歩美「手袋とロープ?」
灰原哀「なら江戸川君がにらんだように…」
コナン「ああ、多分その時を狙おうと…」
コナン「大家さんの証言も貰えたぜ。臼井さん、長髪だったのに一昨日いきなり坊主頭にしたそうだ」
臼井栄一「えっと…どこかで?」
コナン「会ったよね?昨日、米花町で」
高木刑事「それって!」
コナン「人違いじゃなくやっぱりこの人だったんだよ」
コナン「大家さんの証言も貰えたぜ。臼井さん、長髪だったのに一昨日いきなり坊主頭にしたそうだ」
臼井栄一「えっと…どこかで?」
コナン「会ったよね?昨日、米花町で」
コナン「人違いじゃなくやっぱりこの人だったんだよ」
臼井栄一「いや…俺は米花町になんか行った事…」
コナン「蟹江田明さんに頼まれたんだよね?歯医者さん殺害計画で自分の替え玉を務めてほしいって」
目暮警部「なるほど、そんな殺害計画が」
コナン「そう、逆恨みであろうと蟹江田さんはその猿渡先生の事が許せなくて、ついにはお母さんの仇を討とうとした。でも動機から自分が疑われるのは見えてるよね。そんな時たまたまこの臼井さんを見かけて逃げ切る手を思いついたんだ」
コナン「自分とよく似たこの人を使って犯行時刻のアリバイを捏造しようってね」
目暮警部「なるほど、そんな殺害計画が」
コナン「そう、逆恨みであろうと蟹江田さんはその猿渡先生の事が許せなくて、ついにはお母さんの仇を討とうとした。でも動機から自分が疑われるのは見えてるよね。そんな時たまたまこの臼井さんを見かけて逃げ切る手を思いついたんだ」
コナン「自分とよく似たこの人を使って犯行時刻のアリバイを捏造しようってね」
目暮警部「殺害計画の協力者というわけか!」
蟹江田明「悪い話じゃねぇだろ?」
コナン「そして決行日の昨日、蟹江田さんは髪型も自分に似させた臼井さんを鹿骨町から遠く離れた米花町へと向かわせ」
コナン「予め目をつけていた喫茶店に入らせておき」
コナン「時間を見計らって電話を入れた」
コナン「これでアリバイ証人が複数作れて」
コナン「さらに自分の指紋をつけておいたライターを残させる事で」
コナン「そうやって偽りのアリバイを確保しておいた蟹江田さんは猿渡先生の殺害に向かった」
コナン「あの歯医者さんの午前の受付は正午までだったね。長引いても午後一時には終わっているハズで」
コナン「それから先生は自宅で昼食をとる」
コナン「蟹江田さんはそこへ忍び込み、あのロープを使って先生を殺害する。そういう計画だったんだよね?」
コナン「殺害されたのは昼休みの午後1時から2時の間なのは明らかなんだから、その1時間のアリバイさえ作っておけばよかったんだ」
コナン「一方、米花町で臼井さんはお婆さんの突き落とし事件を目撃してしまった。でも証言するわけにはいかないよね。目撃証人になれば警察に身元を聞かれるでしょ?鹿骨町の蟹江田明と名乗りたくても免許証の名前は違うし」
吉田歩美「だから何も見てないって逃げて」
小嶋元太「蟹江田さんのアリバイを作り続けたんだよな」
円谷光彦「町中の人の記憶に残るようなマネをわざと重ねたんです」
灰原哀「アリバイがあるのに隠したのは、そのアリバイ自体がよからぬ工作の真っ最中だったから」
コナン「でもムダだったんだけどね、そんな工作。猿渡先生の所に向かう途中で蟹江田さんは交通事故に遭って結局先生を襲いに行けなかったんだもん」
臼井栄一「え!?はあ~~!?」
臼井栄一「こりゃ参った…アッハッハッハッハ!」
目暮警部「バカ者ー!殺人の協力者にならずに済んだのはたまたまだろ!」
臼井栄一「あ…仰る通りです…」
臼井栄一「はい、もしもし、あ~それがいいですね、それじゃ」
臼井栄一「蟹江田さんからです。車にはねられたのは天罰と思い、敵討ちなんかもう考えない事にしたと…」
臼井栄一「ご迷惑かけて本当に申し訳ありませんでした!」
円谷光彦「でも、これで傷害事件の捜査は振り出しですね」
臼井栄一「蟹江田さんからです。車にはねられたのは天罰と思い、敵討ちなんかもう考えない事にしたと…」
臼井栄一「ご迷惑かけて本当に申し訳ありませんでした!」
円谷光彦「でも、これで傷害事件の捜査は振り出しですね」
小嶋元太「ホントだぜ!誰なんだよ犯人は」
コナン「行ってもないのに臼井さんのボールペンが現場に残ってた事は真犯人が仕掛けたんだろうな。そのチャンスがあった人は…」
柿本須恵子「何日か前、あの臼井って奴が蜂谷と揉めているのを見かけた時ひらめいたのよ。こいつを犯人役にして蜂谷のおっさんに痛い目見せてやろうってね。あのボールペンもその時あいつが落としたのを拾っといて昨日使ったわけ」
柿本須恵子「何日か前、あの臼井って奴が蜂谷と揉めているのを見かけた時ひらめいたのよ。こいつを犯人役にして蜂谷のおっさんに痛い目見せてやろうってね。あのボールペンもその時あいつが落としたのを拾っといて昨日使ったわけ」
柿本須恵子「仮に臼井にアリバイがあってもあんたら警察が適当に補ってくれるだろうって思ってさ。“巧妙なトリックを用いたに違いない”とか言ってさハハハハ!」
目暮警部「ふ~ん…めまいが…」
小嶋元太「これからは真面目に働くんだぞ!」
臼井栄一「そうなんだよ。でも何であんなマネを…」
吉田歩美「聞いた事ある!私もそれ!」
円谷光彦「今日だけで3件も事件解決ですよ!」
小嶋元太「少年探偵団絶好調じゃねぇか!これも俺のイチ並びのお陰だな」