第17話『百の夜と千の空』
A Hundred Nights and a Thousand Skies
CAST
🔷石神千空 Ishigami Senku CV.小林裕介
🔷石神百夜 Ishigami Byakuya CV.藤原啓治
🔷浅霧幻 Asagiri Gen CV.河西健吾
🔷シャミール Shamil Volkov CV.森久保祥太郎
🔷リリアン Lillian Weinberg CV.Lynn
🔷ヤコフ Yakov Nikitin CV.山本兼平
🔷ダリヤ Darya Nikitina CV.田中理恵
🔷コニー Connie Lee CV. 金元寿子
🔷ルリ RURI CV.上田麗奈
🔷コハク Kohaku CV.沼倉愛美
🔷クロム Chrome CV.佐藤元
🔷金狼 KINRO CV.前野智昭
🔷銀狼 GINRO CV.村瀬歩
🔷スイカ SUIKA CV.高橋花林
「(真っ暗…)」
「(怖い…!)」
「(動けない)」
「(何も感じない)」
石神千空「(ってことを認識できんなら、頭は100億%お元気いっぱいっつーことじゃねえか。悪くねえ。さぁて考えろ。例えば…)」
「(動けない)」
「(何も感じない)」
石神千空「(ってことを認識できんなら、頭は100億%お元気いっぱいっつーことじゃねえか。悪くねえ。さぁて考えろ。例えば…)」
千空・白夜「(ツイッターやらインスタやらの平均最終書きこみ時刻に、エリアごとの時間差があるはずだ)」
石神白夜「それ調べて逆算すりゃ謎の光のスタート地点が見えてくる。発生源は南米で間違いねー。そっから石化光線が放射状に広がってる」
リリアン「よく思いついたね、そんな調べ方」
石神白夜「ドヤァ!って言いてぇとこだが俺じゃねー。息子の千空が似た手口よく使っててな。そうと決まれば出発だ」
石神白夜「待ってろよ千空!全人類70億人ともども助けてやるからな」
コニー「ホントに戻るんですか?地上に?降りた瞬間に石化しちゃったりするんじゃ…」
ヤコフ「行くならせめて発生源の反対側だよ!南米の真裏、日本近辺!石化光線が放射線みたいなものなら、なるべく離れなきゃ!」
石神白夜「ドヤァ!って言いてぇとこだが俺じゃねー。息子の千空が似た手口よく使っててな。そうと決まれば出発だ」
石神白夜「待ってろよ千空!全人類70億人ともども助けてやるからな」
コニー「ホントに戻るんですか?地上に?降りた瞬間に石化しちゃったりするんじゃ…」
ヤコフ「行くならせめて発生源の反対側だよ!南米の真裏、日本近辺!石化光線が放射線みたいなものなら、なるべく離れなきゃ!」
石神白夜「まー誰かが人体実験で行くっきゃねーんだ。ホントは言いだしっぺの俺一人でいいんだが…」
シャミール「それじゃ帰還用のソユーズが足りなくなる。3人乗りが2機だからね。どうしたって特攻隊は3人だよ」
石神白夜「あ…悪ぃが、あと2人一緒に来てもらうことに…」
石神白夜「シャミール…テメー」
シャミール「管制の誘導もない、前代未聞の着陸、運転中に石化すらありうるんだ。おじさん、あんたは息子がいるんだろ?特攻隊なら独り身が行くべきだ。僕みたいなね」
シャミール「それじゃ帰還用のソユーズが足りなくなる。3人乗りが2機だからね。どうしたって特攻隊は3人だよ」
石神白夜「あ…悪ぃが、あと2人一緒に来てもらうことに…」
石神白夜「シャミール…テメー」
シャミール「管制の誘導もない、前代未聞の着陸、運転中に石化すらありうるんだ。おじさん、あんたは息子がいるんだろ?特攻隊なら独り身が行くべきだ。僕みたいなね」
シャミール「最高のニュースと最悪のニュースがある」
シャミール「最高のニュースは、僕らは地上に降りても石化していない」
シャミール「最悪のニュースは、目標を大幅にずれて転倒姿勢で着水した。ハッチを開ければ浸水して沈む」
ヤコフ「うああああ!」
ダリヤ「大丈夫。過去の事故ん時だって船内酸素で9時間はもったよ!」
ヤコフ「ああ…だが、僕らの命はそこまでだ」
石神千空「(5…6…7…莫大な秒数かぞえて暦をキープしろ。いつか復活できる時に備えて、外界の季節を把握する。今打てる手はそれきゃねえ)」
千空・白夜「(最悪の状況だろうが、ワンチャンス漁るだけだ)」
ダリヤ「あたしらが降りて船で助けに行くしかないじゃん!」
ヤコフ「その船動かす鍵はどこ?まわりの石像、何千体のポケット漁りまくるの?一番近い大陸からだって…」
石神白夜「最寄りの島からソッコー助けに行く。無人島でもなんでもいい。船がなきゃイカダでも作ろーぜ」
ダリヤ「大丈夫。過去の事故ん時だって船内酸素で9時間はもったよ!」
ヤコフ「ああ…だが、僕らの命はそこまでだ」
石神千空「(5…6…7…莫大な秒数かぞえて暦をキープしろ。いつか復活できる時に備えて、外界の季節を把握する。今打てる手はそれきゃねえ)」
千空・白夜「(最悪の状況だろうが、ワンチャンス漁るだけだ)」
ダリヤ「あたしらが降りて船で助けに行くしかないじゃん!」
ヤコフ「その船動かす鍵はどこ?まわりの石像、何千体のポケット漁りまくるの?一番近い大陸からだって…」
石神白夜「最寄りの島からソッコー助けに行く。無人島でもなんでもいい。船がなきゃイカダでも作ろーぜ」
ヤコフ「そんな島にピッタシ着地できるとでも?誤差は10キロとか出ちゃうんだよ!」
石神白夜「10キロなんざ屁でもねー。俺が泳ぎ切ってやるよ。着衣水泳でもなんでもやってやる」
シャミール「ハァ…ハァ…呼吸を鎮めよう。船内酸素を節約する。発言も最小限だ」
シャミール「なんで歌!?今呼吸を鎮めようって…」
リリアン「アハハハハ!ごめん。でももういらないみたいよ。船内酸素なんて」
石神白夜「悪ぃ!10時間ちょいかかっちまった…!」
シャミール「いい年だろもう…オジサンはさ…無茶するよ…一か八かもいいとこだ…」
シャミール「ハァ…ハァ…呼吸を鎮めよう。船内酸素を節約する。発言も最小限だ」
シャミール「なんで歌!?今呼吸を鎮めようって…」
リリアン「アハハハハ!ごめん。でももういらないみたいよ。船内酸素なんて」
石神白夜「悪ぃ!10時間ちょいかかっちまった…!」
シャミール「いい年だろもう…オジサンはさ…無茶するよ…一か八かもいいとこだ…」
石神白夜「お、それいいなー。頼んだぞコニーちゃん」
石神白夜「お似合いだぜ、お二人さん!」
石神白夜「消えねーよ。いつか必ず石化を解く。人類は滅びねえ」
石神白夜「少なくとも、今でもまだ千空はきっと生きてる!」
リリアン「うん…きっと生きてるよ…百夜の子供だもん」
石神白夜「ああ!血は繋がってねーが俺の息子だ!俺なんかより100億倍大物だぜ!どーせ諦めは一番合理的じゃねえ!とか言って石化したって死なねー奴だ。たとえ俺らの時代で届かなかったとしても奴なら成し遂げる。全人類、70億人を助け出す!」
スイカ「ふしぎなお話すぎてスイカにはどういうことかわかんないんだよ」
クロム「おう…何千年も昔によ、人類は全員石になったんだ。そこら中に石像が転がってんだろ?あれが全部人間なんだよ」
ウンモ「宴なんだぞー?新たな村長誕生の」
ターコイズ「あんたらは飲みたいだけでしょ」
ルリ「行きましょうか宴に。みんなで」
玄式「さぁ飲め!妖術使い」
クロム「おう科学使いだぜ。っておーい!」
浅霧幻「いやいや…俺はよそ者だから…」
ウンモ「そんなの関係ねぇ、お前さんもこっち来て飲め飲め!」
ターコイズ「あんたらは飲みたいだけでしょ」
ルリ「行きましょうか宴に。みんなで」
玄式「さぁ飲め!妖術使い」
クロム「おう科学使いだぜ。っておーい!」
浅霧幻「いやいや…俺はよそ者だから…」
ウンモ「そんなの関係ねぇ、お前さんもこっち来て飲め飲め!」
ルリ「物語の最後は、百夜様からのメッセージ。千空さんにだけお伝えすべきかと思ったのです」
石神千空「ククク…まぁ大方んな話だろうと思ったぜ」
ダリヤ「本土までたどり着ければ抗生物質が手に入る!今度はうちらが一か八かする番だよ!」
ダリヤ「もし戻んなかったらさ…子供たちは…」
石神白夜「肺炎なんかに!」
シャミール「ハァ…ハァ…珍しく…辛気臭い顔してるね…オジサンも…自分で言ったろ…こんな状況だから楽しまなくてどーすんだってさ」
石神白夜「ああ…そーだな」
シャミール「人間、楽しみなんかなくたって死にはしない」
ダリヤ「本土までたどり着ければ抗生物質が手に入る!今度はうちらが一か八かする番だよ!」
ダリヤ「もし戻んなかったらさ…子供たちは…」
シャミール「ハァ…ハァ…珍しく…辛気臭い顔してるね…オジサンも…自分で言ったろ…こんな状況だから楽しまなくてどーすんだってさ」
石神白夜「ああ…そーだな」
シャミール「人間、楽しみなんかなくたって死にはしない」
シャミール「人類が宇宙に行けてたおかげで、僕たちだけでも助かって…結果論だけどさ…作ると思ってもみなかった妻子まで持てて…楽しかったんだ…ずっと…一緒に宇宙に行ったあの日から…オジサンにひとつだけ…ずっと言いそびれてたことがある」
シャミール「宇宙で食べたあのラーメン…本当に旨かったよ…笑えるほどにね…」
リリアン「そういうとこ、さすが元先生だね」
石神白夜「でも英語で小説はキチーな…」
リリアン「日本語でいーよ。私だってあなたの母国語知りたいし」
石神白夜「(百物語。最優先は食料の情報と危険の回避だ。猛獣とかな。鉱石の物語だけは欲しいな。もしかしたらいつの日か石に興味持って集めといてくれる奴が現れるかもしんねー)」
石神白夜「でも英語で小説はキチーな…」
リリアン「日本語でいーよ。私だってあなたの母国語知りたいし」
ルリ「百夜様が望んだ通り、百物語をきっかけに石に興味を持ったのが」
石神千空「クロムだな」
ルリ「はい」
石神千空「ククク…あの親父も少しは役立つじゃねえか」
ルリ「村の墓地です」
ルリ「これが…百夜様たち創始者の墓標を運んできたものだと伝えられています」
石神千空「ククク…3700年も前にくたばってんだ。マジ話だったとしても、白骨一つ残っちゃいねえよ」
石神千空「俺は…少し…調べて戻る」
ルリ「はい…先に村に戻っています」
石神千空「ああ」
石神千空「そうか…とっくに何千年も前にか…」
石神千空「俺が暗闇で一人、まだ数億秒カウントしてた頃だな…」
石神千空「ククク…なつかしいな…あぁ…なつかしい…」
石神千空「ククク…テメーの科学土産がなきゃ詰んでたとこだ。数千年越しでありがたくいただいたぜ」
浅霧幻「いや~俺はコーラ専門でさ」
ガンエン「コーラ?」