ロイド「決戦の時は来た。持ち物チェック」
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ヨル「OKです」
ロイド「身だしなみチェック」
ヨル「OKです」
ロイド「言葉遣いの最終チェック」
アーニャ「だいじょうぶます。がんばるます!」
アーニャ「だいじょうぶます。がんばるます!」
アーニャ「だいじょうぶます」
ヨル「(なんだか視線を…)」
ロイド「(いや違うな。どうやら見られているのはオレだけではない。探るような嫌な視線だ)」
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ロイド「(あれか…渡り廊下に4人)」
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ロイド「(鐘楼に4人)」
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ロイド「(左右建物にも複数人…この学校の関係者リストはほぼ頭に入っている)」
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ロイド「(あれは教員連中!)」
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ロイド「(この学校に相応しい人物か一挙手一投足を観察し採点してるのだろう。つまり、試験はすでに始まっている)」
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ロイド「2人とも気を引きしめろ。試験官たちに見られている」
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ロイド「練習通りふるまうぞ」
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ロイド「(あれか…渡り廊下に4人)」
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ロイド「(鐘楼に4人)」
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ロイド「(左右建物にも複数人…この学校の関係者リストはほぼ頭に入っている)」
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ロイド「(あれは教員連中!)」
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ロイド「(この学校に相応しい人物か一挙手一投足を観察し採点してるのだろう。つまり、試験はすでに始まっている)」
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ロイド「2人とも気を引きしめろ。試験官たちに見られている」
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ロイド「練習通りふるまうぞ」
「A-12番X」
「おはようございます、マスター」
ヘンリー「あの粗野な足取りでイーデンの地を踏まれるだけで不愉快だよ。エレガンスが伝統を作る。エレガンスこそが人の世を楽園たらしめる。品のない家族はすべて不合格にしろ」
「はっ!」
ヘンリー「ほう」.jpg)
ヘンリー「少しはエレガンス力がありそうなのもいるな」
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ヘンリー「初代学長の像に敬礼だと!?」
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ロイド「(千の顔を使い分けるこの黄昏、相手の望む理想の人物としてふるまうことなど造作もない!さぁ見ろ!)」
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ヨル「(この方がどなたかとんと存じませんが、とりあえずロイドさんのマネをしておけば大丈夫ですよね)」
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アーニャ「(はげちゃびん…)」
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ヘンリー「エレガント!ベリーエレガント!あの家族は何者だ!?」
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「K-212番フォージャ―一家です。娘アーニャの筆記試験は及第ギリギリの31点です」
「入学目的の即席家族でしょうか?」
ロイド「まだ監視がいる。油断するな」
ヨル「見られてると思うと緊張します」
アーニャ「アーニャはなくそほじりたい」
ロイド「(いや試すにしてもあからさますぎるだろ…ヤバイ奴と思われてるのか誰一人近づかん)」
「うわ~~手足が滑って上れない~~(これも単位のため単位のため)」
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ヘンリー「(フフフそうだ。面接が控えているのに下水で服を汚すわけにはいかんだろう。さあどうやってエレガントに切り抜け…)」
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ロイド「ケガはないかい?」
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ヘンリー「(フフフそうだ。面接が控えているのに下水で服を汚すわけにはいかんだろう。さあどうやってエレガントに切り抜け…)」
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アーニャ「はんかちあげるます」
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ヘンリー「K-212番をつまみ出せ」
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「(ああ…この人たちはボクのせいで不合格に…) あの…ごめんなさい」
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ヨル「こんなこともあろうかと、着替え一式持参しておいてよかったですね!」
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ヘンリー「(こんなこともあろうかと思わんでしょ普通!)」
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ヨル「やはりこちらのグレイの方がこの学校にも似合ってますね」
ロイド「さっきのスーツじゃ田舎者だと恥じをかくところだった。着替える機会を与えてくれて礼を言うよ少年」
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ヘンリー「あまつさえ少年へのフォロー!スマート!スマート&エレガントッ!」
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ヘンリー「おのれこしゃくなロイド・フォージャー!」
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ヘンリー「あまつさえ少年へのフォロー!スマート!スマート&エレガントッ!」
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ヘンリー「おのれこしゃくなロイド・フォージャー!」
「マスター…お子さんの試験ですよ?」
ヘンリー「うるさい!子は親を見て育つ!そうだ!30点の子の親は30点のはずなのだ!化けの皮はいでくれる」
「大変だぁーっ!飼育舎から動物たちが逃げ出したーっ!」
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ロイド「(そこまでするか!イーデン校!)」
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ロイド「(非常時に出る本性を見るつもりか?パニックになれば試験官の思うツボ) フォーメーションDを崩すなよ!動物たちにも博愛心で臨むんだ!」
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ヘンリー「オイ誰だ?あそこまでやれと言ったのは!?」
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ロイド「(そこまでするか!イーデン校!)」
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ロイド「(非常時に出る本性を見るつもりか?パニックになれば試験官の思うツボ) フォーメーションDを崩すなよ!動物たちにも博愛心で臨むんだ!」
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ヘンリー「オイ誰だ?あそこまでやれと言ったのは!?」
「えっマスターでは…」
「よくやったおまえ!」
ロイド「大丈夫か?」
ロイド「大丈夫か?」
「うわあ~~ん!」
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ヨル「ロイドさん!アーニャさんがまた」
ロイド「群衆のパニックにあてられたか…(もはやテストどころじゃないぞ!)」
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ロイド「(あいつがおそらく群れのボス。奴を止めれば…)」
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ロイド「(銃を使うしか…いや…)」
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ヨル「アーニャさんを頼みます」
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ヨル「ロイドさん!アーニャさんがまた」
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ロイド「(あいつがおそらく群れのボス。奴を止めれば…)」
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ロイド「(銃を使うしか…いや…)」
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ヨル「アーニャさんを頼みます」
ロイド「(こいつは確かハウスマスター…試験の監督役か?)」
ヘンリー「た…助かった。礼を言う。そして今日のところは完敗だ」
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ヘンリー「混乱の収拾のため面接試験は開始時刻を遅らせることにする」
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ヘンリー「身なりを整えてから再度会場へ来い。おまえたちは我が校に挑むだけの資格がある」
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ロイド「先生…(どうやら落第は免れたようだな) お気遣い痛み入ります。ですがご心配なく」
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ロイド「こんなこともあろうかと、もう一着備えてありますので」
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ヘンリー「(なんかもうエレガントっていうか、こわいこの人たち!)」
『フォージャー一家、無事面接本番へ』
ヘンリー「た…助かった。礼を言う。そして今日のところは完敗だ」
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ロイド「先生…(どうやら落第は免れたようだな) お気遣い痛み入ります。ですがご心配なく」
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ロイド「こんなこともあろうかと、もう一着備えてありますので」
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ヘンリー「(なんかもうエレガントっていうか、こわいこの人たち!)」
『フォージャー一家、無事面接本番へ』
マードック「どうなんだ?あ?」
「うわあ~~~~~ん!」
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ロイド「(スパイ歴十数年…オレは今初めて緊張している)」
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ロイド「(極悪テロ組織の潜入工作の時も)」
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ロイド「(残り1秒で発射されるところだった大型ミサイルを止めた時でさえ)」
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ロイド「(こんなに息が詰まることはなかった)」
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ロイド「(スパイ歴十数年…オレは今初めて緊張している)」
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ロイド「(極悪テロ組織の潜入工作の時も)」
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ロイド「(残り1秒で発射されるところだった大型ミサイルを止めた時でさえ)」
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ロイド「(こんなに息が詰まることはなかった)」
ロイド「はい」
ヘンリー「(来たかフォージャー…)」
ロイド「(この情報戦、フォージャー家が制してみせる!)」
ウォルター「ではまず、ご両親への質問から始めさせていただきます」
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ロイド「(第5寮マルカムハウスマスター。温厚・実直・保守的。生徒からの信頼も厚い。誠実な態度で常識的な答えを返せば加点は堅いと見た)」
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ウォルター「お二人の再婚だそうですが、どういったご関係だったので?」
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ロイド「(第5寮マルカムハウスマスター。温厚・実直・保守的。生徒からの信頼も厚い。誠実な態度で常識的な答えを返せば加点は堅いと見た)」
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ウォルター「お二人の再婚だそうですが、どういったご関係だったので?」
ロイド「(いきなり踏み込んだ質問だな。家柄重視のイーデンならではか…) 妻とは貴校の制服も請け負っている仕立て屋で出会いました」
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ロイド「彼女の凛とした立ち振る舞いに惹かれまして…ボクは先妻との死別以来、娘のこともあって慎重になっていましたが」
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ロイド「会話を重ねるうちに意気投合しました」
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ロイド「彼女の凛とした立ち振る舞いに惹かれまして…ボクは先妻との死別以来、娘のこともあって慎重になっていましたが」
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ロイド「会話を重ねるうちに意気投合しました」
ヘンリー「はしたないですぞスワン先生」
ロイド「(第2寮クラインハウスマスター。先代ヘッドマスターの一人息子で縁故による登用。高慢・強欲・無神経)」
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ロイド「(先月、妻から離婚を突きつけられ娘の親権も失ったばかり。今までの面接内容を聞く限り他人の家庭を妬んで当たり散らす発言ばかり。こいつは刺激しない方が得策だな)」
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ウォルター「では次の質問を。本校を志望した理由をお聞かせ願えますか?」
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ロイド「(先月、妻から離婚を突きつけられ娘の親権も失ったばかり。今までの面接内容を聞く限り他人の家庭を妬んで当たり散らす発言ばかり。こいつは刺激しない方が得策だな)」
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ウォルター「では次の質問を。本校を志望した理由をお聞かせ願えますか?」
ロイド「それは偏に (標的デズモンドに近づくため!) 貴校におられる先生方のレベルの高さに尽きます。質のいい知識・教養は元より愛国理念やエリート精神に至るまで広くご教導くださるのは、誇り高きイーデンの先生方をおいて他にはないと考えております」
ヘンリー「(エレガントだロイド・フォージャー。さすがワシが見込んだ男)」
ウォルター「では、ご両親から見て娘さんはどんなお子さんですか?長所・短所それぞれお聞かせください」
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ロイド「アーニャはとても好奇心旺盛な子です。何にでも首を突っ込んでしまうのは短所とも言えますが、とても賢いです」
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ヘンリー「(賢い!?これか!?)」
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ロイド「アーニャはとても好奇心旺盛な子です。何にでも首を突っ込んでしまうのは短所とも言えますが、とても賢いです」
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ヘンリー「(賢い!?これか!?)」
ヨル「(練習通りに!)」
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ヨル「私はご存知の通りこの子の実母ではありません。始めは好かれようと、つい甘やかしてしまいがちでしたが、この子の将来を思えばこそ、時には厳しくなれるよう心かけております」
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ウォルター「先程娘さんは偏食だと伺いましたが、いつもご家庭ではどんな料理を?」
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ヨル「えっ!りょ…料理ですか?えっと…」
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ヨル「私はご存知の通りこの子の実母ではありません。始めは好かれようと、つい甘やかしてしまいがちでしたが、この子の将来を思えばこそ、時には厳しくなれるよう心かけております」
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ウォルター「先程娘さんは偏食だと伺いましたが、いつもご家庭ではどんな料理を?」
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ヨル「えっ!りょ…料理ですか?えっと…」
ロイド「料理は主にボクが作っています。もちろん忙しい時は妻が作ってくれることもありますよ (まだ一度もないけど…)」
マードック「うっそ!飯作らない嫁とか存在するの!?」
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マードック「娘の前に自分に厳しくした方がいいよ!」
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ロイド「人には得手不得手があります。彼女はとてもキレイ好きで掃除は完璧ですし、子供の世話に関しても申し分ないです」
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マードック「いやまあそれどっちも女がやって当たり前のやつだし」
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マードック「娘の前に自分に厳しくした方がいいよ!」
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ロイド「人には得手不得手があります。彼女はとてもキレイ好きで掃除は完璧ですし、子供の世話に関しても申し分ないです」
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マードック「いやまあそれどっちも女がやって当たり前のやつだし」
ロイド「それは」
ヨル「いいんですロイドさん」
ロイド「(そうだ、落ち着け、何を苛立っているんだ黄昏…そもそも彼女は本当の妻ではないのだから)」
ロイド「(来た!)」
ウォルター「まずお名前と住所言えるかな?」
アーニャ「びずつかんいったりおぺらたべたり…」
アーニャ「えっとえっと…(なんだっけ?)」
ロイド「ははは…すみません。娘は向上心が人一倍でしてトップにまで登りつめた校長先生に興味津々なのです」
ロイド「(そう、ベネディクト・アイヴァン・グッドフェラー)」
アーニャ「べねじくそ・あばん・ぐっどへらーさん」
アーニャ「べねじくそ・あばん・ぐっどへらーさん」
ヘンリー「ふむ、では彼のように大成するにはどんな努力が必要と思うかね?」
アーニャ「からだひとつでじゃんぐるをいきぬいたり、しととなりあわせのてすとをくりかえしてせいしんをきたえます!」
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ロイド「(それは昨日スパイアニメで主人公がやってた特訓な)」
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ヘンリー「(な…なんという覚悟!このお嬢さんを少々見くびっていたようだ)」
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ロイド「(それは昨日スパイアニメで主人公がやってた特訓な)」
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ヘンリー「(な…なんという覚悟!このお嬢さんを少々見くびっていたようだ)」
アーニャ「とってもやさしいです。でもたまにおっかないです」
ウォルター「お父さん、お母さんに点数をつけるとしたら何点かな?」
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アーニャ「100てんまんてんです。ちちもははもおもしろくてだいすきです。ずっといっしょがいいです」
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マードック「(だからそういうのいらねーつの) じゃあ今のママと前のママどっちが高得点だ?」
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アーニャ「100てんまんてんです。ちちもははもおもしろくてだいすきです。ずっといっしょがいいです」
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マードック「(だからそういうのいらねーつの) じゃあ今のママと前のママどっちが高得点だ?」
ヨル「あんまりです!」
ロイド「ヨルさん落ち着いて」
ヨル「だってこんな…」
ロイド「(中傷されたところでそれがどうした。しょせんまがい物の家族。なんということもない)」
ヨル「ささいなこと?ささいなことですって?」
マードック「何だい後妻さん!前妻に負けたからってかみつくなよ (あースッキリ)」
マードック「あ?」
ヨル「お…お茶でもいれますね」
ロイド「(またスパイ失格だ。任務にいらん感情を持ち込んでしまった)」
ロイド「(またスパイ失格だ。任務にいらん感情を持ち込んでしまった)」
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アーニャ「ちち、ごめんなさい」
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アーニャ「アーニャてすとがんばれなくてごめんなさい…」
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ロイド「いいんだアーニャ。謝る必要なんてない。あんな学校行きたくないだろ」
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アーニャ「アーニャがっこういきたい」
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アーニャ「(にんむがしっぱいになったら) がっこういかないと…(いっしょがおわっちゃう…)」
ヨル「きっと大丈夫です!うまくいきますよ!」
アーニャ「めがねのおっさんも、はんぶんめがねのおっさんもいいひとだった!」
ヨル「そうですそうです!彼らがフォローしてくれますよ!信じましょう!」
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ロイド「(スパイは己以外の何者も信じない。常に最悪のケースを想定して備えるもの)」
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アーニャ「ずっといっしょがいいです」
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ロイド「(だけどすこしだけ…) そうだな…あとはなるように任せてひとまずは試験の労をねぎらうとするか」
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ロイド「(スパイは己以外の何者も信じない。常に最悪のケースを想定して備えるもの)」
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アーニャ「ずっといっしょがいいです」
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ロイド「(だけどすこしだけ…) そうだな…あとはなるように任せてひとまずは試験の労をねぎらうとするか」
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