第2期9話『壊すもの救うもの』
To Destroy and to Save
CAST
🔷石神千空 Ishigami Senku CV.小林裕介
🔷浅霧幻 Asagiri Gen CV.河西健吾
🔷大木大樹 Oki Taiju CV.古川慎
🔷花田仁姫 Hanada Niki CV.種﨑敦美
🔷北東西南 Hokutozai Minami CV.日笠陽子
🔷クロム Chrome CV.佐藤元
🔷金狼 KINRO CV.前野智昭
🔷銀狼 GINRO CV.村瀬歩
🔷コハク Kohaku CV.沼倉愛美
石神千空「ああ」
浅霧幻「でももう薬っぽいやつみーんな壊されちゃって、なーんもないよ?ジーマーで…」
浅霧幻「何してんの?こっちこっちクロムちゃん」
石神千空「ククク…何か考えがあんだろ。ほっとけ」
浅霧幻「信用度ゴイスーね」
クロム「(何かが目の端によぎった!長年の俺の勘が言ってんだ!ヤベー科学の切り札がこの戦場にきっとある!)俺の科学は素材探しからだ!)」
浅霧幻「わかんないわかんない」
石神千空「フンの尿酸が分解してなけりゃ、つまり質がよけりゃ白い結晶が出る」
浅霧幻「要はとにかく運がよければ白い粉の武器が湧くってことね?」
石神千空「ああ、そこはただの運ゲーだ」
浅霧幻「あ…忘れてた…え~と前も言ったけど…千空ちゃんの運の引きって基本…ジーマーでドイヒーなんだった」
獅子王司「悪くない。殺したくはない」
獅子王司「(長身の懐から…2人の連携技)」
氷月「(と見せかけての3対1ですか。思ったよりちゃんとしてますね。まあ司君なら全く問題ないでしょうが)」
コハク「邪魔はさせん。氷月、貴様の相手はこの私だ。リベンジマッチといこうじゃないか」
コクヨウ「くっ…マグマ…金狼…銀狼…皆…」
浅霧幻「フンがダメなら何かないのほかに!?」
浅霧幻「ほら花があればとか紙があればとか…いろいろタネ持ってるよ?マジシャンだから」
石神千空「硫酸がありゃなあ」
浅霧幻「オワォ~それはちょーっとないかな~てか持ち歩いてるわけないでしょそんな危険物」
石神千空「硫酸と奇跡の水・硝酸を合わせりゃ、混酸が作れる。混酸さえありゃとんでもねえもんが…いや“もし”“たら”の話は時間の無駄…」
クロム「ここにあんぜ!硫酸ならよ」
石神千空「フンの尿酸が分解してなけりゃ、つまり質がよけりゃ白い結晶が出る」
浅霧幻「要はとにかく運がよければ白い粉の武器が湧くってことね?」
石神千空「ああ、そこはただの運ゲーだ」
浅霧幻「あ…忘れてた…え~と前も言ったけど…千空ちゃんの運の引きって基本…ジーマーでドイヒーなんだった」
獅子王司「悪くない。殺したくはない」
獅子王司「(長身の懐から…2人の連携技)」
氷月「(と見せかけての3対1ですか。思ったよりちゃんとしてますね。まあ司君なら全く問題ないでしょうが)」
コハク「邪魔はさせん。氷月、貴様の相手はこの私だ。リベンジマッチといこうじゃないか」
コクヨウ「くっ…マグマ…金狼…銀狼…皆…」
浅霧幻「フンがダメなら何かないのほかに!?」
浅霧幻「ほら花があればとか紙があればとか…いろいろタネ持ってるよ?マジシャンだから」
石神千空「硫酸がありゃなあ」
浅霧幻「オワォ~それはちょーっとないかな~てか持ち歩いてるわけないでしょそんな危険物」
石神千空「硫酸と奇跡の水・硝酸を合わせりゃ、混酸が作れる。混酸さえありゃとんでもねえもんが…いや“もし”“たら”の話は時間の無駄…」
クロム「ここにあんぜ!硫酸ならよ」
浅霧幻「ええ~!クロムちゃん、どっからそんな物…」
石神千空「(ククク…アホほど活躍しまくりだな。最初から最後までよ。そういや司の目の前で最初に作ってみせた科学グッズだ。医者代わりの命の石。Dr.ストーンだ。せっけんで始まった戦いが、今せっけんで終わるんだよ)」
コハク「私を貫くがいい。それでも離しはしない。氷月、貴様は管槍とやらを失えば無力化する」
氷月「あげますよそんな物。絶望すると凡夫はすぐに無益なあがきをする」
浅霧幻「何この黄色い液体」
クロム「なんか甘いにおいすんぞ」
浅霧幻「頭痛くなんない?」
石神千空「シッ!息かけんな!」
石神千空「ポタッとやっただけでドカーンだ。全員肉片も残んねえよ」
石神千空「ニトログリセリンだ」
浅霧幻「ニト…ロ…聞いたことある聞いたことあるよ!なんかバイヤーすぎるやつ!」
石神千空「ククク…こいつだけはマジでシャレになんねえからな~よい子は死んでもマネすんじゃねえぞ」
クロム「いやしねえだろ誰も…」
クロム「まさか!これで全員吹っ飛ばすのか!?」
石神千空「ククク…司、勝つのは力か科学かじゃねえ」
石神千空「パワーは火薬のざっと100倍以上」
石神千空「“力”をギリシャ語で何て言うか知ってっか?」
石神千空「ダイナマイトだ」
石神千空「この紙飛行機ダイナマイトで、全員を救える!」
石神千空「ククク…ギリッギリ間に合ったな。バトルチーム、テメーらが持ちこたえてくれたおかげでよ」
石神千空「“力”をギリシャ語で何て言うか知ってっか?」
石神千空「ダイナマイトだ」
石神千空「この紙飛行機ダイナマイトで、全員を救える!」
石神千空「ククク…ギリッギリ間に合ったな。バトルチーム、テメーらが持ちこたえてくれたおかげでよ」
浅霧幻「たった今、科学王国はダイナマイトを完成させちゃったよ~」
浅霧幻「威力はおよそ、100億メガトンジュール」
石神千空「な~にが100億メガトンだ?ブッこきやがって」
浅霧幻「しーっいいの数字なんか。千空ちゃん雑なんだもん交渉。本質しか言わないんだからジーマーで」
「メ…ガトン?この時代にダイナマイトって…」
「でも紙飛行機なんかそうそう当たんねえだろ」
「ああイチかバチか…」
西園寺羽京「アハハッ…紙飛行機よりはちょっとだけ正確な、ダイナマイトアローもあるよ」
クロム「羽京!」
浅霧幻「形勢逆転戦争終結。はいおしまいおしま~い」
氷月「ああ…なんて…すばらしい」
大木大樹「うおおお勝ったぞー!」
クロム「ついに決着だぜ!」
浅霧幻「(ん~と戦況的には勝ったかもだけど、決着したわけじゃないんだよねえ。有象無象は片づいたから、問題はこの先。司ちゃんも千空ちゃんも気づいてないわけない。こっからどうすんの?ジーマーで)」
獅子王司「受け止めてもたたき落としても爆発する。広範囲の爆風はかわすのも無理だ。うん、確かに不可避だね。ただ、必ず皆が巻き込まれて、大勢の死者が出る。千空、君は人を見捨てられない。みずからを犠牲にもしない」
石神千空「おやおや、お互い動けやしねえな~決着じゃなくて膠着だ」
獅子王司「その状況をわざわざ狙って作り出した。つまり千空。君の目的は…」
石神千空「ああ、取り引きだ、司」
石神千空「ゲン、テメーが司と会ったのはテレビの特番だっつってたな」
浅霧幻「え?ああうんそうだけど…」
石神千空「ちーっと妙な話じゃねえか」
石神千空「この世界の全てを手に入れることもできんのに、汚れた既得権益者を浄化するとかなんとかよ。ご高潔なご理想にご邁進してる。それが獅子王司っつう男だ」
石神千空「んなヤツが、試合しまくりテレビも出まくりでガッポガッポ稼ぎまくってた。“霊長類最強の高校生”とか呼び名がつくほどな。どうにもしっくりこねえ。それこそガラじゃねえだろよ」
浅霧幻「確かに…俺にとっちゃガッポガッポ稼ぎたいなんて、当たり前すぎて考えなかったねえ」
石神千空「大金を何のために誰のために…生きてんだろ、司、テメーの妹はよ」
医師「臨床的脳死…この先…未来ちゃんの意識が回復する可能性はありません」
獅子王司「俺が守るからな…何年でも何十年でも…そして…いつかきっと…」
石神千空「治るかもしんねえ。石化復活時の周辺修復力ならな。イチかバチかだがワンチャンあんのは間違いねえ」
大木大樹「そうだぞ司!お前の折った千空の首まで復活液で治ったんだぞ!」
石神千空「さぁてその復活液だが…おっや~?今や俺らが押さえてんじゃねえか~ヘヘッ」
獅子王司「取り引き内容は?」
石神千空「俺らがくれてやるカードは“テメーの妹復活ワンチャン”。代わりに要求するカードは“停戦”だ」
大木大樹「そうだぞ司!お前の折った千空の首まで復活液で治ったんだぞ!」
石神千空「さぁてその復活液だが…おっや~?今や俺らが押さえてんじゃねえか~ヘヘッ」
獅子王司「取り引き内容は?」
石神千空「俺らがくれてやるカードは“テメーの妹復活ワンチャン”。代わりに要求するカードは“停戦”だ」
コハク「ずっと守っていたのだな、妹のことを」
大木大樹「そんな優しい男が、なぜ石像を壊すことにしたんだ。すごい悪いことじゃないか」
獅子王司「恐ろしい…うん…そうかもしれないね。みんなならどうしたかな。もし自分が…まだ人のほとんどいないストーンワールドで目覚め、復活液の存在を知ったとしたら…」
獅子王司「原始の世界で大人数は支えられない。復活液を永遠に作り出せる保証もない。羽京、君なら誰を選ぶ?」
獅子王司「つまり、命を選ばなくちゃいけない。とても恐ろしいことだ。神を演じる罪深い仕事だよ」
獅子王司「ならその罪は俺が負う。新しい世界を作るチャンスにする。そう思った。目指すものは変わらないよ。今も…これからも…だから千空、今はあくまで停戦だ」
石神千空「ククク…問題ねえ」
獅子王司「この辺りかな。病院があったのは」
浅霧幻「相当流されてるねえ。みんなこれ」
石神千空「全部ほじくり返しゃいいんだよ」
石神千空「ダイナマイトで採掘する」
クロム「いやヤベーだろそれは!」
浅霧幻「石像巻き込んじゃうんじゃないの?」
石神千空「問題ねえ。クソ硬え岩盤だけだ」
石神千空「万が一石像ブチ壊したらしゃあねえ。全部ひっつけるだけだ」
小川杠「え~とその地獄作業やるのは誰ですか?千空君こら」
石神千空「ノーベルがダイナマイトを発明したのは戦争用途だったのか、土木作業向けだったのか」
浅霧幻「どっちなの?」
石神千空「知ったこっちゃねえ。おっさんの気持ちなんざどうでもいいわ気持ち悪い」
石神千空「ただ1つだけ言えんのは、破壊神ダイナマイトの稼ぎで作ったノーベル賞が、科学をどんだけ盛り上げまくったか」
石神千空「そして俺らも、そのダイナマイトの科学の力で、掘って掘って掘りまくって救いまくる。世界人類、全員をだ」
獅子王司「未来…」