第3話 集いへの誘い 簡単に言うとモテたい
An Invite to a Meeting ~Simply Put, I Just Want to Be Popular~
🔷郷田武蔵 Goda Musashi CV.関俊彦
『男の魅力は超能力にあらず』
『僕は自分を変えるために肉体改造部へ入部しました』
郷田武蔵「これはいかん。貧血だな」
郷田武蔵「ああ、影山が倒れた。すまないが見ててやってくれるか」
暗田トメ「ていうかアンタ、何で肉改部に入ったのよ」
影山茂夫「僕、昔から運動音痴で走るのとか遅いんです。今まで超能力に頼ってきたから」
暗田トメ「はあ?何よその言い訳。本当に超能力があるなら見せてほしいわよまったく」
影山茂夫「こんなのでも信じてもらえますか?重!」
影山茂夫「え?」
暗田トメ「何を隠そう!この暗田トメの夢は宇宙のどこかにいる地球外生命と交信、接触する事」
暗田トメ「最初は本を読んで実践を試みていたけど、何の成果も得られず…いつしかだらだら過ごすようになっていた…」
暗田トメ「しかし今!ここに突破口が見えたわ!モブくん!私達と共にテレパシーを研究し無限の宇宙との邂逅を果たすのよ!」
影山茂夫「いや、僕筋トレあるんで」
暗田トメ「おい何でだよ。私の情熱に対して冷めすぎだろ」
影山茂夫「僕はやっとやりたい事を見つけたんです」
暗田トメ「何を隠そう!この暗田トメの夢は宇宙のどこかにいる地球外生命と交信、接触する事」
暗田トメ「最初は本を読んで実践を試みていたけど、何の成果も得られず…いつしかだらだら過ごすようになっていた…」
暗田トメ「しかし今!ここに突破口が見えたわ!モブくん!私達と共にテレパシーを研究し無限の宇宙との邂逅を果たすのよ!」
影山茂夫「いや、僕筋トレあるんで」
暗田トメ「おい何でだよ。私の情熱に対して冷めすぎだろ」
影山茂夫「僕はやっとやりたい事を見つけたんです」
暗田トメ「それが筋肉つける事だっていうの?超能力があるのに?」
影山茂夫「男の魅力を身につけたくて…とでも言えばいいんですかね…」
暗田トメ「モブくん、モテたいの?」
影山茂夫「え!?いや…別に」
暗田トメ「モテねぇよ」
暗田トメ「筋肉をつけてもアンタはモテない。絶対にだ」
影山茂夫「じゃ…じゃあどうすれば…」
暗田トメ「テレパシーで女の心を読むの。そうすりゃモテモテよ」
霊幻新隆「何!?テレパシー!?俺はちょっとできないな。霊の声は聞くことはできるんだが…でも何で急に?」
影山茂夫「え!?いや…別に」
暗田トメ「モテねぇよ」
暗田トメ「筋肉をつけてもアンタはモテない。絶対にだ」
影山茂夫「じゃ…じゃあどうすれば…」
暗田トメ「テレパシーで女の心を読むの。そうすりゃモテモテよ」
霊幻新隆「何!?テレパシー!?俺はちょっとできないな。霊の声は聞くことはできるんだが…でも何で急に?」
影山茂夫「へ!」
影山茂夫「いや」
「わかります~勉強の事で悩んでるんでしょ?」
影山茂夫「宗教?」
影山茂夫「それで、どうやったらモテるんですか?」
「だったらステージに上って」
米里イチ「勧誘されたの?」
影山茂夫「えっと僕は…」
エクボ「笑いなさい。苦しくても笑っていれば鍵は外れるのです。解放された心には余裕が生まれ素直に幸せを受け入れるようになるのです。笑顔を維持することが幸せを維持する条件なのです。それが我らカッコワライの教え」
エクボ「この方は?」
「公園のベンチで座り呆けてました」
エクボ「なんと不幸な、不景気の犠牲者!笑えなくなるのも無理はないでしょう」
エクボ「でも大丈夫。スマイルマスクを被って矯正しましょう!」
エクボ「これは救済措置なのです。ただ、あなたに笑顔になってほしいのです」
エクボ「最後に女の子。さっきから何か言いたそうな顔だ」
「公園のベンチで座り呆けてました」
エクボ「なんと不幸な、不景気の犠牲者!笑えなくなるのも無理はないでしょう」
エクボ「でも大丈夫。スマイルマスクを被って矯正しましょう!」
エクボ「これは救済措置なのです。ただ、あなたに笑顔になってほしいのです」
エクボ「最後に女の子。さっきから何か言いたそうな顔だ」
米里イチ「集団催眠による洗脳や脅迫観念の植えつけよ!」
エクボ「(単身で乗り込み喋る度胸…素晴らしい)」
エクボ「では一つ証明しよう。先程の男性を見てください。数分前は不幸な人間でしたが…」
エクボ「いいスマイルです!」
米里イチ「(笑い出した!?どうして!?)」
エクボ「彼は今まさに幸せを掴みました!どうですかお嬢さん?」
エクボ「駄目です。あなたはいたずらにカッコワライに踏み込み、我々のスマイルに疑問を呈した」
米里イチ「全面的に謝ります。学校新聞も記事にはしません!」
エクボ「不十分です!このままでは後腐れができます。帰しませんよ。笑うまで」
米里イチ「笑う気分じゃありません!それに今私が笑った所でただの愛想笑いだわ」
エクボ「まずは形からです」
米里イチ「嫌です!自分に嘘はつきたくないもの!」
「下校中、悩んだ顔してしいたので連れて来ました。恋の悩みがあるようです」
影山茂夫「別に悩んでないです」
エクボ「(笑っていない!?スマイルマスクが聞いてないということか!?)」
影山茂夫「じゃあ…」
エクボ「ま…待ちなさいッ!一生そんな顔で生きるつもりですか!?キミは人生を損している!」
影山茂夫「んー僕の父は“タバコを知らない奴は人生の半分損してる”って言ってました。損って感覚も人によるんだなって思いました」
エクボ「(くっ…そういう話じゃないのに!カッコワライは私が全人類の信仰対象となるための出発点なのだ!躓いている場合じゃないッ!)」
エクボ「私はただ笑うことの素晴らしさを知ってもらいたくてね」
影山茂夫「別に大丈夫です」
エクボ「じゃあゲームでもしていかないかい?睨めっこだ。ウチのスマイルリーダー3人とにらめっこ。牛乳を口に含んで先に笑った方が負け。どうだい?」
米里イチ「(モブ君これは罠よ!)」
エクボ「(そうか…普段から笑顔を矯正していたのが裏目に…)」
影山茂夫「勝ったので帰ります」
エクボ「待て。私が相手だ (勝ちは絶対に譲らない。必ず牛乳を吹いて貰うよ)」
『その牛乳、明らかに何かが混じっていた』
影山茂夫「勝ったので帰ります」
エクボ「待て。私が相手だ (勝ちは絶対に譲らない。必ず牛乳を吹いて貰うよ)」
『その牛乳、明らかに何かが混じっていた』
エクボ「笑ったあああ!」
「つか何でここにいるんだっけ…」
「楽しいからいるんじゃないか!はははは!」
エクボ「キミ…今…(いや…私の催眠波をかき消すなどありえん!だがなぜ笑わせることができない!仕方ない。ここは力技だ)」
エクボ「皆さん!閉じ込められた彼の笑顔を救い出してあげましょう!このままでは不幸過ぎる!ホラ、キミの敵は誰一人としていないのに一体何と戦っているんだ?」
「楽しいからいるんじゃないか!はははは!」
エクボ「キミ…今…(いや…私の催眠波をかき消すなどありえん!だがなぜ笑わせることができない!仕方ない。ここは力技だ)」
エクボ「皆さん!閉じ込められた彼の笑顔を救い出してあげましょう!このままでは不幸過ぎる!ホラ、キミの敵は誰一人としていないのに一体何と戦っているんだ?」
影山茂夫「そんなことないけど…」
影山茂夫「あ、ツボミちゃん」
影山茂夫「(そうか、この人も超能力を…)」
エクボ「死体かてめェはぁああ!」
影山茂夫「教祖さんの力では笑うことはできない。嫌い、じゃない。できないんだ。したくても…でもこれは悪気があるわけじゃないんです…」
エクボ「死体かてめェはぁああ!」
影山茂夫「教祖さんの力では笑うことはできない。嫌い、じゃない。できないんだ。したくても…でもこれは悪気があるわけじゃないんです…」
影山茂夫「よかった。人じゃないんだね。僕に“空気を読め”なんて恐ろしい事を言ったのが悪霊でよかった」
影山茂夫「(強い命令信号!)」
高嶺ツボミ「モブくん、空気読もうよ」
『ここに一人の超能力者がいる。周囲からモブと呼ばれる小学生。彼は強力な力を持っていながらも、自らそれを披露することを無意識に避けるようになっていた』
高嶺ツボミ「モブくん、空気読もうよ」
『ここに一人の超能力者がいる。周囲からモブと呼ばれる小学生。彼は強力な力を持っていながらも、自らそれを披露することを無意識に避けるようになっていた』
影山茂夫「マスク?あれにも細工があったのか。力が弱すぎて気付かなかったよ。まあいいや」
影山茂夫「グループの仲間外れを殺すのが、あんたの宗教の方針なら本気で来い。笑わせるよりは簡単かもしれない」
エクボ「本気で来いだと?ウハハハハ!お前を消すのに2秒もあれば足りるぞ小僧!」
エクボ「感情のない家畜が人並みに怒ったフリすんじゃねぇよ!」
影山茂夫「僕のノリが悪いせいで楽しそうな人達の空気が台無しになった…」
霊幻新隆「フン!なぜお前がそいつらに合わせる必要がある。お前の人生の主役はお前だろ?」
影山茂夫「僕のせいでそのグループはなくなってしまったんです。みんなで笑っていただけなのに」
霊幻新隆「お前の空気の読めなさは破壊的だからな。何だ~詳しく話してみろ」
「あれ…私達は一体…」
「あの少年は一体誰だ?」
「探そう!彼こそ神の使いかもしれない!」
霊幻新隆「なるほど、典型的なマインドコントロールだ。救いじゃねぇ。ただ依存させてるだけだ。集団心理を用いた詐欺に多い手口だがハイパー空気が読めないお前には効果がなかったと」
霊幻新隆「つまりモブ、お前は今日お前にしか助けられない人を偶然助けた、ということになるな」
エクボ「おはよう。いい朝だな相棒」