「羊のォ!」
中原中也「どこに隠れようが重力からは逃げられねぇ」
「この化け物がァ!」
中原中也「ポートマフィアは俺が全員ブッ殺す」
森鴎外「これはどうにもならないねぇ…密輸銃の納入期限が2週間も過ぎている。これじゃもうじき部下は全員キッチンナイフで敵と戦う羽目になるよ。それだけじゃない。抗争激化に保護ビジネスの契約解除…はぁ…ひょっとして向いてないのかなぁ…ねぇ太宰君、どう思う?」
中原中也「どこに隠れようが重力からは逃げられねぇ」
「この化け物がァ!」
中原中也「ポートマフィアは俺が全員ブッ殺す」
森鴎外「これはどうにもならないねぇ…密輸銃の納入期限が2週間も過ぎている。これじゃもうじき部下は全員キッチンナイフで敵と戦う羽目になるよ。それだけじゃない。抗争激化に保護ビジネスの契約解除…はぁ…ひょっとして向いてないのかなぁ…ねぇ太宰君、どう思う?」
太宰治「まとめて飲んだら楽に死ねるかなぁと思って」
森鴎外「太宰君、君は先代よりボスの座を継いだ時にその場にいた遺言の証言者だ。そう簡単に死なれては困る」
森鴎外「お加減はいかがですかボス?」
先代ボス「先生…幹部に伝えよ…ポートマフィアに逆らう者は全員殺せ…!」
森鴎外「それは非合理的です」
先代ボス「こちらは何人死のうと構わん…殺せ…殺せ…殺せ…」
森鴎外「わかりましたボス」
森鴎外「ボスは病により横死された。次期ボスに私を任ずると遺言を残されて。君が証人だ」
森鴎外「いいね?」
太宰治「当てが外れたね。自殺未遂の患者を共犯者に選んだのはいい人選だったのに一年経ってもこうして僕は生きている」
森鴎外「外れてなんかいないさ。君と私とで見事に作戦を遂行してみせたじゃないか」
太宰治「作戦っていうのは暗殺に関わった人間の口が封じられて初めて完了っていうんだ。その点僕は共犯者に適任だった。だって僕の証言であなたがボスになった後、僕が動機不明の自殺を遂げたとしても誰も疑わないから」
森鴎外「君に似た人を知ってる。とにかく口封じをするつもりならとっくにやってるし君がそんなに望むなら楽になれる薬を調合してあげてもいい」
太宰治「ほんと!?」
森鴎外「その代わりちょっとした調査を頼みたい。なぁに大した仕事じゃないし何の危険もない」
森鴎外「ボスは病により横死された。次期ボスに私を任ずると遺言を残されて。君が証人だ」
森鴎外「いいね?」
太宰治「当てが外れたね。自殺未遂の患者を共犯者に選んだのはいい人選だったのに一年経ってもこうして僕は生きている」
森鴎外「外れてなんかいないさ。君と私とで見事に作戦を遂行してみせたじゃないか」
太宰治「作戦っていうのは暗殺に関わった人間の口が封じられて初めて完了っていうんだ。その点僕は共犯者に適任だった。だって僕の証言であなたがボスになった後、僕が動機不明の自殺を遂げたとしても誰も疑わないから」
森鴎外「君に似た人を知ってる。とにかく口封じをするつもりならとっくにやってるし君がそんなに望むなら楽になれる薬を調合してあげてもいい」
太宰治「ほんと!?」
森鴎外「その代わりちょっとした調査を頼みたい。なぁに大した仕事じゃないし何の危険もない」
太宰治「うさんくさー」
森鴎外「横浜租界の中にある摺鉢街は知ってるよね?その近辺で最近ある人物が現れたという噂が流布している。その噂の真相を調査してきてほしい」
太宰治「誰の噂?」
森鴎外「その通り。世の中には墓から起き上がってはいけない人間が存在する。わかるね?」
太宰治「薬、約束だよ」
森鴎外「これが君の初仕事だ。ポートマフィアへようこそ」
太宰治「あ、そうだ、さっき言ってた僕に似た人って誰?」
太宰治「薬、約束だよ」
森鴎外「これが君の初仕事だ。ポートマフィアへようこそ」
太宰治「あ、そうだ、さっき言ってた僕に似た人って誰?」
太宰治「僕こそ知りたいね。生きるなんて行為に何か価値があると本気で思ってるの?」
広津柳浪「横浜租界。かつてここで巨大な爆発がありました」
広津柳浪「その跡地にいつからか勝手に街を作り始めた。それがここ摺鉢街です」
太宰治「ふーん」
太宰治「外国にはメッキを飲む自殺方があるのかぁ…ただし飲んだ者は生きながら内臓を溶かされる…ウエッ…試さなくてよかった」
広津柳浪「太宰さん、この辺りは抗争地域です。ご注意を」
太宰治「抗争?」
広津柳浪「現在ポートマフィアと敵対する組織は3つあります。1つ目が高瀬会、もう一つがGSS、そして3つ目が未成年のみで構成された互助軍団で羊という…」
太宰治「森さんだ」
太宰治「もしもし…うん…いろいろわかったよ。結論から言うと先代はいたよ。蘇ったんだよ。地獄の底からね」
太宰治「うん。帰ってから詳しく報告…」
広津柳浪「太宰さん!」
中原中也「フフフ…こりゃあいい。ガキとはな。泣ける人手不足じゃねぇかポートマフィア」
太宰治「僕は痛いのは嫌いなんだけど」
中原中也「てめぇに選択肢をやろう。今死ぬか情報を吐いてから死ぬか。どっちがいい?」
中原中也「フフフ…こりゃあいい。ガキとはな。泣ける人手不足じゃねぇかポートマフィア」
太宰治「僕は痛いのは嫌いなんだけど」
中原中也「てめぇに選択肢をやろう。今死ぬか情報を吐いてから死ぬか。どっちがいい?」
太宰治「ガキは君も同じだ」
中原中也「ただのガキじゃねぇんだよ。てめぇと違ってな。話してもらおうか。お前が調べてる荒覇吐についてな」
中原中也「知ってるんだな?」
太宰治「いや、初耳」
太宰治「羊の領土を侵した者必ず凄まじい反撃を喰らう…そうか…君が羊の王、重力使いの中原中也か」
中原中也「俺ァ王じゃねぇ。ただ手札を持ってるだけだ」
太宰治「なるほど、自信過剰で調子に乗っている子供か。僕の一番嫌いなタイプだ」
中原中也「俺だってお前みてえな他人を小バカにしたクズが世界一嫌いなんだよ」
広津柳浪「そこまでだ。投降せよ小僧」
中原中也「いくら凄んでも怖くねぇよじいさん。俺様を誰だと思ってる?」
広津柳浪「羊の王様かな」
中原中也「ちげーよタコ!手札を持ってるっつったろ」
太宰治「いや、初耳」
太宰治「羊の領土を侵した者必ず凄まじい反撃を喰らう…そうか…君が羊の王、重力使いの中原中也か」
中原中也「俺ァ王じゃねぇ。ただ手札を持ってるだけだ」
太宰治「なるほど、自信過剰で調子に乗っている子供か。僕の一番嫌いなタイプだ」
中原中也「俺だってお前みてえな他人を小バカにしたクズが世界一嫌いなんだよ」
広津柳浪「そこまでだ。投降せよ小僧」
中原中也「いくら凄んでも怖くねぇよじいさん。俺様を誰だと思ってる?」
広津柳浪「羊の王様かな」
中原中也「ちげーよタコ!手札を持ってるっつったろ」
中原中也「あんた異能力者か」
太宰治「広津さん、こいつは触れた対象の重力を操る」
広津柳浪「承知した」
中原中也「さすがはポートマフィア…と言いてぇところだが」
中原中也「そんなもんかい!」
中原中也「遅ぇ!」
広津柳浪「捕まえたぞ…」
中原中也「あんたの異能は効かねぇよ」
広津柳浪「承知した」
中原中也「さすがはポートマフィア…と言いてぇところだが」
中原中也「そんなもんかい!」
中原中也「遅ぇ!」
広津柳浪「捕まえたぞ…」
中原中也「あんたの異能は効かねぇよ」
太宰治「どうかな?これで重力は君の手から離れた。僕の異能無効化能力でね」
広津柳浪「さぁ小僧…後悔の時間だ」
中原中也「荒覇吐について何を調べてる?」
太宰治「ハイハイ今日も元気だね。僕なんか見ての通り大怪我なんだけど」
森鴎外「昨日会ったばかりなのに仲がいいねぇ君達」
太宰治「はぁ!?」
森鴎外「さて、昨日の件で中也君と少し話がしたい。外してもらえるかな?蘭堂君」
蘭堂「ボスそれはお勧めできぬ事。この小僧危険です」
森鴎外「手は考えてある。それより蘭堂君、いつもより寒そうだけど大丈夫?」
蘭堂「恥を承知で申し上げると凍えて死にそうでございます」
中原中也「寒い?その格好で?」
森鴎外「下がっていいよ」
蘭堂「ではお言葉に甘えて。失礼します」
中原中也「この時期に寒いわけねぇだろ。ビビってるだけじゃねぇのか?」
中原中也「どうでもいいよ。興味ねぇ」
太宰治「森さんそろそろ本題に入ったら?」
森鴎外「ほぉそうだね。中也君、我々ポートマフィアの傘下に入る気はないかね?」
森鴎外「まぁそういう反応になるよね。しかし我々の目的はある程度一致している。お互いに提供できるものを確かめ合ってからでも返答は遅くないと思うがね」
中原中也「お前達がこの街にしたことを忘れたとは言わせねぇぞ」
森鴎外「先代の暴走か。この街を長く暴虐と恐怖に陥れたあの暴政は誰の記憶にも新しい。だがその先代も死んだ。最後は私が看取った。もし彼の血の暴政が復活したなどという噂があるならその真相を確かめねば君達も不安じゃないかね?」
中原中也「あんたに関してもよくない噂が出回ってるぜ。本当は先代は病死じゃなくあんたが殺したんじゃないかってな。たかが専属医にボスの座を譲るなんて遺言信じられるわけねぇからな」
森鴎外「そうだよ。先代は私が殺した」
森鴎外「かの偉大な先代のボスをこのメスで切断し病死のように偽装した。それがどうかしたかね?」
中原中也「お前達がこの街にしたことを忘れたとは言わせねぇぞ」
森鴎外「先代の暴走か。この街を長く暴虐と恐怖に陥れたあの暴政は誰の記憶にも新しい。だがその先代も死んだ。最後は私が看取った。もし彼の血の暴政が復活したなどという噂があるならその真相を確かめねば君達も不安じゃないかね?」
中原中也「あんたに関してもよくない噂が出回ってるぜ。本当は先代は病死じゃなくあんたが殺したんじゃないかってな。たかが専属医にボスの座を譲るなんて遺言信じられるわけねぇからな」
森鴎外「そうだよ。先代は私が殺した」
森鴎外「かの偉大な先代のボスをこのメスで切断し病死のように偽装した。それがどうかしたかね?」
中原中也「マジかよ…」
森鴎外「中也君、とりあえず共同調査を申し出たい。我々が調べた先代復活の噂と君が追う荒覇吐は明らかに同根の事件だ。情報を分け合うだけで互いに利がある結果をもたらすと思うのだがね」
中原中也「もし断ったら?」
「おい中也助けてくれ…そこにいるんだろ?ポートマフィアに捕まっちまった…お前ならなんとかできるだろ!早く助けてくれ!」
森鴎外「横浜の1等地に縄張りを構える反撃主義の組織。だが銃で武装していても君以外の構成員はただの子供だ。同じリーダーとして心中察するよ」
中原中也「てめぇ…」
森鴎外「さて、なぜだろうね」
中原中也「情報を交換してもいい。ただしてめぇらが先に話せ。判断はそれからだ」
中原中也「情報を交換してもいい。ただしてめぇらが先に話せ。判断はそれからだ」
森鴎外「いいだろう。我々は先代が現れたという噂を追っている。太宰君の調べではこの半月で3回。いずれも摺鉢街でその姿が目撃されたそうだ。そして4回目が昨日。彼は黒い炎で君達を吹き飛ばした」
中原中也「死者は蘇らねぇ」
森鴎外「私もそう思う。だがそうも言ってられなくなった」
森鴎外「これはポートマフィアの金庫室。この本社ビル内でも最も侵入が難しい場所の監視映像だ」
先代ボス「ワシは蘇った。地獄の業火の中から。なぜかわかるか?先生…怒りじゃ。そして奴は怒りを喰らう。ワシを地獄より呼び戻しさらなる怒りを生み出させる腹積もりよ」
森鴎外「これはポートマフィアの金庫室。この本社ビル内でも最も侵入が難しい場所の監視映像だ」
先代ボス「ワシは蘇った。地獄の業火の中から。なぜかわかるか?先生…怒りじゃ。そして奴は怒りを喰らう。ワシを地獄より呼び戻しさらなる怒りを生み出させる腹積もりよ」
太宰治「だけど画面に映っていた先代が他の場所でも同じ演説をしたら?」
森鴎外「中也君、荒覇吐というのは何者なんだい?こちらも軽く調べたよ。荒覇吐というのは伝承上の神の眷属だ。ただあまりにも古いためにその正体は判然としない」
中原中也「神なんてものの存在を信じるのかよ」
森鴎外「君が荒覇吐について調べていたのは偶然ではない。私達と同じ噂を耳にして真相を追っていたのだろう?」
中原中也「流れ者の多い土地だ。噂の出所を突き止めようもねぇ。摺鉢街がどうやってできたか知ってるか?」
森鴎外「あれは大戦末期に原因不明の爆発が起きその跡地にできた街だ」
太宰治「おそらく僕達の知らない異能力が使われたんだ。もしさっきの映像が偽装じゃなかったら僕達は終わりだね」
森鴎外「やれやれ」
森鴎外「太宰君、君に指令を出す。今日の映像と同じ事を先代派の前でやられる前に犯人を見つける事。いいね?」
森鴎外「やれやれ」
森鴎外「太宰君、君に指令を出す。今日の映像と同じ事を先代派の前でやられる前に犯人を見つける事。いいね?」
太宰治「時間がなさそうだけどそれ僕一人でやるの?」
森鴎外「一人じゃないよ。そこの中也君にも手伝ってもらいなさい」
中原中也「あァ!?」
太宰治「嫌だよ絶対!なんでこんな奴と一緒にやらなくちゃいけないのさ」
中原中也「何を言ってやがんだてめぇ!はっ倒すぞこのガキが!」
太宰治「ガキは君も同じだ。大体僕よりチビなくせに!君はもう少し牛乳を飲んだ方がいい!」
中原中也「余計なお世話だこの野郎!俺は15だ!これから伸びんだよ!」
中原中也「余計なお世話だこの野郎!俺は15だ!これから伸びんだよ!」
中原中也「おい!どこに行くのかぐらい教えろよ」
太宰治「悪いけど話しかけないでくれる?ちょっと呼吸で忙しいから」
中原中也「首引っこ抜くぞ自殺願望…」
中原中也「どこに向かってるか答えろって言ってんだよ!」
太宰治「調査に行くんだよ。爆発を一番身近で見た人間に聞き込みに行く」
太宰治「悪いけど話しかけないでくれる?ちょっと呼吸で忙しいから」
中原中也「首引っこ抜くぞ自殺願望…」
中原中也「どこに向かってるか答えろって言ってんだよ!」
太宰治「調査に行くんだよ。爆発を一番身近で見た人間に聞き込みに行く」
中原中也「生存者ってことは…死人が出たのか」
太宰治「ああ、君の嫌いなポートマフィアの一団だ。生き残ったのは異能力者でね。君も既に会ってる人物だよ」
太宰治「ああ、君の嫌いなポートマフィアの一団だ。生き残ったのは異能力者でね。君も既に会ってる人物だよ」
中原中也「そんなこと言ってる場合か!」
太宰治「はぁ…」
中原中也「こりゃ聞き込みは無理そうだな…」
「両手を挙げてこちらに向きなさい」
中原中也「あぁ?フッ…オイオイオイ!カモがネギしょって何とやらか?聞き込みなんてたりぃと思ってたんだよ。口封じに来た犯人をブッ飛ばして口を割らせる方がシンプルじゃねぇか」
太宰治「はぁ…」
中原中也「こりゃ聞き込みは無理そうだな…」
「両手を挙げてこちらに向きなさい」
中原中也「あぁ?フッ…オイオイオイ!カモがネギしょって何とやらか?聞き込みなんてたりぃと思ってたんだよ。口封じに来た犯人をブッ飛ばして口を割らせる方がシンプルじゃねぇか」