GSS「増援部隊かと思ったら子供が二人とは…ポートマフィアは人手不足なのか?それともあの蘭堂という男に人望がないのか?」
中原中也「蘭堂?」
太宰治「これから僕達が話を聞きに行く相手だ」
太宰治「君を異能力で拘束してた人だよ」
中原中也「おいおっさん!お互い時間を節約しようぜ」
中原中也「まずあんたが撃つ。俺が反撃にあんたを隣町までぶっ飛ばす」
中原中也「ついでに残った襲撃者も俺が全員ぶっ飛ばす。それでお開きだ」
GSS「はぁ?」
太宰治「あ~あ、騙して情報を引き出せばいいのに」
太宰治「あなたGSSの戦術班だね」
中原中也「ゲルハルト・セキュリティ・サービス。元は海外資本の民間警備会社だったが本国からの援助を打ち切られ今は立派な非合法組織だ」
太宰治「あ~あ、騙して情報を引き出せばいいのに」
太宰治「あなたGSSの戦術班だね」
中原中也「ゲルハルト・セキュリティ・サービス。元は海外資本の民間警備会社だったが本国からの援助を打ち切られ今は立派な非合法組織だ」
中原中也「へっ…やってみろよおっさん」
GSS「お前…羊の中原中也か…ポートマフィアに下ったという噂は本当だったとは…」
中原中也「腹立つ勘違いすんなこのバカ野郎が!」
太宰治「お見事ー君すごいねー」
中原中也「てめぇはポケット見てただけか?」
太宰治「僕はちゃんとそいつから抜き取った通信機で情報を取ってた。そしてどうやら君がぶっ飛ばした人の応援が駆けつけて来るらしい。あーあ考えて行動しないから手間が増える」
GSS「お前…羊の中原中也か…ポートマフィアに下ったという噂は本当だったとは…」
中原中也「腹立つ勘違いすんなこのバカ野郎が!」
太宰治「お見事ー君すごいねー」
中原中也「てめぇはポケット見てただけか?」
太宰治「僕はちゃんとそいつから抜き取った通信機で情報を取ってた。そしてどうやら君がぶっ飛ばした人の応援が駆けつけて来るらしい。あーあ考えて行動しないから手間が増える」
GSS「隊長!」
中原中也「てめぇも地面にめり込むか?」
GSS「撃て!そのチビ重力使いの中原中也だ!」
中原中也「あァ!」
中原中也「チビって言ったかサンピン野郎…俺はまだ15歳だ」
中原中也「これから伸びるんだよ!」
中原中也「やっぱり仲間の調査報告を待つしかねぇか…」
太宰治「運がなかったねぇ。苦しいかい?今から手当しても助からない。それでも死ぬまでに5分ほどかかるだろう。その5分は地獄の苦しみだ。僕なら耐えられないね」
太宰治「運がなかったねぇ。苦しいかい?今から手当しても助からない。それでも死ぬまでに5分ほどかかるだろう。その5分は地獄の苦しみだ。僕なら耐えられないね」
蘭堂「ひどい目に遭った…なぜ私が…」
太宰治「襲われた理由はおおよそ想像がつくよ。噂の拡張だ。森派の蘭堂さんが黒い爆発で殺されたとなれば人々は先代の怒りをより強く実感するだろう」
太宰治「ここに来た時に彼がぶちのめしたGSSの兵士が黒い爆発を偽装する手順書を持ってた」
太宰治「ナトリウムランプの炎色反応を利用すると黒に近い色の炎が作れるらしい。まぁいずれにしてもチープな偽装作戦だな」
中原中也「つまりこういうことか?GSSの連中がポートマフィアを仲間割れさせるために荒覇吐になりすましてこの旦那を襲った」
蘭堂「GSSの現総統は冷酷な男で北米の秘密機関ギルドと深い関係にあるという噂だ」
太宰治「蘭堂さんが摺鉢街で目撃した荒覇吐について教えてほしい。先代復活の噂に繋がる情報は今のところそれしかないから」
蘭堂「ああ…よく覚えているとも…忘れるものか…私だけが生き残った。だが周囲の部下はことごとく燃えてしまった。あの黒い炎に飲み込まれてしまった。あれは本当に荒神だった…」
太宰治「襲われた理由はおおよそ想像がつくよ。噂の拡張だ。森派の蘭堂さんが黒い爆発で殺されたとなれば人々は先代の怒りをより強く実感するだろう」
太宰治「ここに来た時に彼がぶちのめしたGSSの兵士が黒い爆発を偽装する手順書を持ってた」
太宰治「ナトリウムランプの炎色反応を利用すると黒に近い色の炎が作れるらしい。まぁいずれにしてもチープな偽装作戦だな」
中原中也「つまりこういうことか?GSSの連中がポートマフィアを仲間割れさせるために荒覇吐になりすましてこの旦那を襲った」
蘭堂「GSSの現総統は冷酷な男で北米の秘密機関ギルドと深い関係にあるという噂だ」
太宰治「蘭堂さんが摺鉢街で目撃した荒覇吐について教えてほしい。先代復活の噂に繋がる情報は今のところそれしかないから」
蘭堂「ああ…よく覚えているとも…忘れるものか…私だけが生き残った。だが周囲の部下はことごとく燃えてしまった。あの黒い炎に飲み込まれてしまった。あれは本当に荒神だった…」
太宰治「面白くなってきた。詳しく話してよ」
蘭堂「あれは摺鉢街のほぼ中心地での出来事であった。我々ポートマフィアは羊の武装した少年達との抗争に向かう途中であった」
蘭堂「そこでいきなり黒い爆発に我々全員が吹き飛ばされた」
太宰治「はい、残念」
中原中也「あァ!ちょっと待てコラァ!」
太宰治「約束したよねぇ。負けた方が命令を一つ犬のように従順に遂行するって。さて何をしてもらおうかな?」
中原中也「割と自信あったのにィイイイ!」
太宰治「君の敗因は異能が強すぎることだ。強すぎるから狡猾さも周到さも育たない。ゲームでも推理勝負でも」
中原中也「推理勝負?んなもん受けた覚えもねぇし!負けた覚えもねぇ!」
太宰治「約束したよねぇ。負けた方が命令を一つ犬のように従順に遂行するって。さて何をしてもらおうかな?」
中原中也「割と自信あったのにィイイイ!」
太宰治「君の敗因は異能が強すぎることだ。強すぎるから狡猾さも周到さも育たない。ゲームでも推理勝負でも」
中原中也「推理勝負?んなもん受けた覚えもねぇし!負けた覚えもねぇ!」
中原中也「上等だ受けてやんよ!俺に狡猾さも周到さもないだと?てめぇみてぇな奴に奥の手見せるわけねぇだろ!」
太宰治「君が拳を仕舞ったまま蹴りだけで相手と渡り合うのはその奥の手ってやつと関係があるのかい?」
中原中也「どう戦おうと俺の勝手だ」
太宰治「ならば意図的に手を抜いてるわけだ。ところでなぜ君は荒神である荒覇吐を探している?なぜ興味を持った?」
中原中也「てめぇこそなんで早死にしたがる…はっ!」
太宰治「どしたの?」
中原中也「少し静かにしとけい!」
太宰治「ああ、あの二人」
太宰治「手首に巻いた青いバンド。羊の構成員だね。何かまずいことでも?」
太宰治「ならば意図的に手を抜いてるわけだ。ところでなぜ君は荒神である荒覇吐を探している?なぜ興味を持った?」
中原中也「てめぇこそなんで早死にしたがる…はっ!」
太宰治「どしたの?」
中原中也「少し静かにしとけい!」
太宰治「ああ、あの二人」
中原中也「連中と会っていい状況じゃねぇだろ…」
太宰治「おーい!中原中也くーん!仕事に行くよ。ボスの命令だ」
中原中也「バカかてめぇ!黙ってろコラ!」
白瀬「中也!やっと見つけた。探したぞ」
中原中也「お…おうお前ら…無事だったか」
白瀬「アキラやショウゴ達がポートマフィアに攫われた。早く奴らのアジトに乗り込んで痛い目見せてやろうぜ。いつもみたいにさ!」
太宰治「おーい!中原中也くーん!仕事に行くよ。ボスの命令だ」
中原中也「バカかてめぇ!黙ってろコラ!」
白瀬「中也!やっと見つけた。探したぞ」
中原中也「お…おうお前ら…無事だったか」
白瀬「アキラやショウゴ達がポートマフィアに攫われた。早く奴らのアジトに乗り込んで痛い目見せてやろうぜ。いつもみたいにさ!」
柚杏「入団希望者?」
中原中也「まぁそんなとこだ。悪ぃがこいつの質問に答えてやってくれ。頼むよ」
中原中也「まぁそんなとこだ。悪ぃがこいつの質問に答えてやってくれ。頼むよ」
白瀬「まぁいいけど…」
柚杏「怒鳴らないでよ…」
白瀬「防衛主義の掟は守ってるだろ…それにいい機会じゃねぇか!羊に手を出せば100倍返し、だろ?中也はいつも言ってるじゃないか。他人とは違う手札を持っている人間はその責任を果たすべきだって…異能力という手札を持つ責任を果たしてくれ!」
太宰治「面白い!実に面白いよ君達。この中で一番強い力を持つ彼がまるで狼に睨まれた羊だ。どうやら組織の頂点に立つっていうのは想像よりも大変なものらしいね」
中原中也「てめぇ…」
中原中也「おい!」
白瀬「こいつポートマフィアか…」
太宰治「おー怖い。いやー参った。なんでもするから命だけは…」
太宰治「あ、そうだ、森さんに頼んで人質を解放してもらうから許してよ~」
白瀬「何勝手に連絡とってんだよコラ!聞いてんのかてめぇ!おい!」
白瀬「何を企んでる…」
白瀬「何言ってんだお前!」
中原中也「荒覇吐が先だ。犯人をどっちが先に見つけるかそいつと賭けをしちまった」
白瀬「お前が敵をぶっとばすのみんなが待ってるんだぞ!」
太宰治「それくらいにしてあげなよ。彼は自分の異能をどう使うのか自分で決める事ができる。そんなことは考えれば子供でもわかるよ。議論の余地すらない」
白瀬「お前…まさか噂は本当なのか?羊を裏切ってポートマフィアの一員にしてもらったって…」
中原中也「ポートマフィアは関係ねぇ!こいつは俺の問題だ」
太宰治「それくらいにしてあげなよ。彼は自分の異能をどう使うのか自分で決める事ができる。そんなことは考えれば子供でもわかるよ。議論の余地すらない」
白瀬「お前…まさか噂は本当なのか?羊を裏切ってポートマフィアの一員にしてもらったって…」
中原中也「ポートマフィアは関係ねぇ!こいつは俺の問題だ」
白瀬「忘れるんじゃないぞ中也!素性も身寄りもないお前を受け入れたのが俺達羊だってことをな!くそ!」
太宰治「これでよしと。楽しみだな~自由を得た記念にこんな盛大なパーティーを催してもらったって知ったらチビの彼はどれくらい喜ぶだろうか」
蘭堂「太宰君、例の荒覇吐の件、君は犯人がわかったと言っていたが、それは本当であるのか?それとも中也君をいじめるためについた嘘か?」
蘭堂「根拠は何だ?」
太宰治「あなたはミスを犯した。とても初歩的なミスだ」
蘭堂「そのミスとは?」
太宰治「海だ。あなたは言った。黒い炎の荒覇吐を目撃した時…」
蘭堂〈遠くに眺めるあの海だけが月明かりを称えて静かに凪いでいたのを妙に覚えている〉
蘭堂「ああ確かに言った。実際に目撃したからだ。それがどうしたというのか?」
太宰治「自分で気づかなくていい?」
太宰治「自分で気づかなくていい?」
蘭堂「言ってくれ」
太宰治「そう、見えるはずがないんだよ。海なんて。直径2kmほどの巨大なくぼ地の中にいたらどう背伸びをしたって海なんか視界に入らない。じゃあなぜ海が見えるなんて言ったのか。荒覇吐の説明には真に迫った説得力があった。なぜだ?」
太宰治「そう、あなたはその時実際に見たんだ。海をね。だから間違えた。あの摺鉢街から海が見えたのはあの街ができる前。8年前。大戦末期の巨大爆発が起きる以前だ」
蘭堂「君は中也君と賭けをしていたな。ならば賭けは君の勝ちか?より早く犯人に辿り着いたのだから」
中原中也「イヤァアアアアアアー!」
中原中也「これで自殺願望との賭けは俺の勝ちだ」
中原中也「犯人はてめぇだ蘭堂!俺の目からは逃れられねぇよ。あんたが嘘をついてたことくらいとっくにお見通しだ」
太宰治「はいストーップ!」
中原中也「てめぇ!なんでこんなとこにいんだよ!」
中原中也「イヤァアアアアアアー!」
中原中也「これで自殺願望との賭けは俺の勝ちだ」
中原中也「犯人はてめぇだ蘭堂!俺の目からは逃れられねぇよ。あんたが嘘をついてたことくらいとっくにお見通しだ」
中原中也「てめぇ!なんでこんなとこにいんだよ!」
太宰治「言っておくけど犯人告発は僕の方が先だからね。今まさに犯行の説明をしている最中だったんだから」
中原中也「最中ってことはまだ終わってねぇんだろ?だったら俺の勝ちだ」
太宰治「君の勝ちっていうのはありえないけど推理は聞いてあげるよ。何で蘭堂さんが犯人だと思った?」
中原中也「最中ってことはまだ終わってねぇんだろ?だったら俺の勝ちだ」
太宰治「君の勝ちっていうのはありえないけど推理は聞いてあげるよ。何で蘭堂さんが犯人だと思った?」
蘭堂「荒覇吐が存在する事を君は知っているのか?」
中原中也「ああ、あんたも見たんだろ?8年前のあいつ。でなきゃそこまで正確な姿を証言できるわきゃねぇからな」
中原中也「ったく!どいつもこいつも!なんであんな奴に会いたがる!」
蘭堂「人格など問題ない。大いなる破壊。地を焼き空を染め大気を震わす理解の及ばぬ彼岸の者…」