第2期4話 中身 ~悪霊~
Inside ~Evil Spirit~
🔷浅桐美乃莉 Asagiri Minori CV.M・A・O
🔷浅桐正志 Asagiri Masashi CV.星野充昭
🔷森羅万象丸 Shira Banshomaru CV.楠大典
🔷浄堂麒麟 Jodo Kirin CV.丹沢晃之
🔷魔津尾 MATSUO CV.綿貫竜之介
「また霊媒師が来ましたよー」
「エクボさんどうしましょうか?」
エクボ「どうせまた偽物だろ。追っ払え」
エクボ「どうせまた偽物だろ。追っ払え」
「ギァアアアア!」
「ヤベェ…奴は…」
「本物だ!」
霊幻新隆「今回の依頼はでかいぞ!内容はまだわからんが依頼主は有名な資産家で超がつく金持ちだ」
霊幻新隆「タクシー代も出る」
霊幻新隆「社長だ」
森羅万象丸「それはこっちのセリフだ」
浄堂麒麟「森羅君、誰だね?その男は」
森羅万象丸「以前悪霊相手に共闘したことがある霊幻新隆というフリーの霊能力者です」
浄堂麒麟「おおキミが例の…おひきさんを退治したとデマを!吹聴しているという」
霊幻新隆「よろしくー」
魔津尾「(奴らは!まっとうに生きようと始めた私の商売まで邪魔する気!?)」
浅霧正志「よく集まって下さいました先生方。私は皆さんが本物の霊能力者であることに疑いを持っておりません。しかしこの中に娘を救える方がいらっしゃるかどうか…ここから先はどうぞ内密に」
浅霧正志「私の娘、浅桐美乃莉14歳です。マジックミラーなので向こうからは見えません」
森羅万象丸「以前悪霊相手に共闘したことがある霊幻新隆というフリーの霊能力者です」
浄堂麒麟「おおキミが例の…おひきさんを退治したとデマを!吹聴しているという」
霊幻新隆「よろしくー」
魔津尾「(奴らは!まっとうに生きようと始めた私の商売まで邪魔する気!?)」
浅霧正志「よく集まって下さいました先生方。私は皆さんが本物の霊能力者であることに疑いを持っておりません。しかしこの中に娘を救える方がいらっしゃるかどうか…ここから先はどうぞ内密に」
浅霧正志「私の娘、浅桐美乃莉14歳です。マジックミラーなので向こうからは見えません」
霊幻新隆「どう思う?」
影山茂夫「今の所これっぽちも感じませんね」
霊幻新隆「思春期の精神的疾患が妥当な所だな」
森羅万象丸「しかし…かすかに醜悪な気配がするな…それもすぐ近くで」
浅霧正志「金に糸目はつけません!救ってくれた者には特別な報酬を用意する!」
霊幻新隆「よーし!じゃあ今回も俺達がスパーっと解決してやるか!」
影山茂夫「ボーナス…初めてだ!」
「あ?ジャンケン?」
「それなら公平だな」
「いいだろう」
霊幻新隆「よし!俺はパーを出すぞ」
「あ?」
「なんだその宣言は?」
霊幻新隆「やっぱりチョキを出す」
森羅万象丸「放っとけ。ああいう奴なんだ」
魔津尾「(パーなの!?チョキなの!?)」
『霊幻は優勝した』
「それなら公平だな」
「いいだろう」
霊幻新隆「よし!俺はパーを出すぞ」
「あ?」
「なんだその宣言は?」
霊幻新隆「やっぱりチョキを出す」
森羅万象丸「放っとけ。ああいう奴なんだ」
魔津尾「(パーなの!?チョキなの!?)」
『霊幻は優勝した』
影山茂夫「すごい…どうやったんですか?」
霊幻新隆「じゃんけんなら誰にも負けねぇ自信がある!」
霊幻新隆「ふふ~ん、じゃあお先~」
森羅万象丸「(知り合いなんて言うんじゃなかった)」
霊幻新隆「(精神的疾患を初対面の素人がケアするのは厳しい。ここで俺ができるのはあくまで霊能者としてだけ) こんにちは (そう、いつも通りだ)」
霊幻新隆「じゃんけんなら誰にも負けねぇ自信がある!」
霊幻新隆「ふふ~ん、じゃあお先~」
森羅万象丸「(知り合いなんて言うんじゃなかった)」
霊幻新隆「(精神的疾患を初対面の素人がケアするのは厳しい。ここで俺ができるのはあくまで霊能者としてだけ) こんにちは (そう、いつも通りだ)」
霊幻新隆「なんで閉じ込められてるのかわかる?」
浅桐美乃莉「私…わからないの…パパ最近おかしいのよ…」
霊幻新隆「お父さんが?」
浅桐美乃莉「少し前から私を閉じ込めたりベッドに縛り付けたり…怖い顔で睨んだり叩いたりもするのよ…」
浅桐正志「そんな!いや…強く叩いたりなんかは…」
浅桐美乃莉「いろんな大人達を連れて来ては私の体をべたべた触らせたりもしたのよ」
浅桐美乃莉「いろんな大人達を連れて来ては私の体をべたべた触らせたりもしたのよ」
浅桐正志「そ…そんなことがあるわけが…」
浅桐美乃莉「お父さんを信じちゃ駄目よ。最近まるで何かに取り憑かれたみたいにおかしいの」
霊幻新隆「どんな風に?」
浅桐美乃莉「私が呪われてるとか悪魔に乗っ取られてるとか言い出したのよ…そりゃちょっと反抗期もあったかもしれないけど…ここまでするなんて異常よ!」
浅桐正志「わ…私は正常だ!馬鹿げてる!悪魔が娘に嘘を言わせてるんだ!」
浅桐美乃莉「私…ずっとこのまま出られないのかな…ねぇ…霊能者さん…これ外してくれない?痛くてしょうがないの」
霊幻新隆「お父さんに聞いてみるよ」
森羅万象丸「どうだった?」
浄堂麒麟「調べるまでもない。あの子は正常じゃよ」
浅霧正志「なんだと!?どういうことだ!」
「彼女に悪霊が憑いた可能性はゼロだということだ」
浅霧正志「いや!そんなはずはないんだ!」
「次は私の番だ。浄堂様の言う通りだと思うが」
「問題があるのはあなたでは?家族の変化に対応できず認めようとしない」
「挙句霊や悪魔の仕業と言い張る」
霊幻新隆「お前ら依頼人に何言ってんだ。ありゃタチが悪いぞ。間違いなくクロだ。子供と会話してる気がしなかった」
浅霧正志「おお!私を信じてくれるのか!」
「とか言って報酬を独り占めしたいだけじゃ?」
「とか言って報酬を独り占めしたいだけじゃ?」
霊幻新隆「あの子に騙された奴は帰った方がいい。まんまと取り込まれるぜ。一人称がコロコロ変わったりパパと言ったりお父さんと言ったり。それと俺はただ話をしただけなのに彼女は俺を霊能者と呼んだ」
霊幻新隆「つまりこっちの会話が筒抜け…」
影山茂夫「師匠!」
霊幻新隆「俺は大丈夫だ。それより」
霊幻新隆「化けの皮が剥がれるのが早かったな」
最上啓示「フフ…見破られたのならもういい。私をこの娘から追い出してみろ!」
浅霧正志「誰か娘を助けてやってくれ!とにかくあの悪魔を追い出してくれれば報酬は惜しまん!2億でも!5億でも!」
霊幻新隆「つまりこっちの会話が筒抜け…」
影山茂夫「師匠!」
霊幻新隆「俺は大丈夫だ。それより」
霊幻新隆「化けの皮が剥がれるのが早かったな」
最上啓示「フフ…見破られたのならもういい。私をこの娘から追い出してみろ!」
浅霧正志「誰か娘を助けてやってくれ!とにかくあの悪魔を追い出してくれれば報酬は惜しまん!2億でも!5億でも!」
最上啓示「飽きてきたな」
霊幻新隆「このままだと出番が回ってくるぞ。ウォームアップしとけ」
影山茂夫「筋トレみたいな言い方ですね。ないですよそんなの」
霊幻新隆「どうしたエクボ?えらく怯えてんな」
影山茂夫「チワワ?」
エクボ「まだ間に合う…この案件から手を引け!」
エクボ「お前らも名前ぐらいは知ってるだろ!最上啓示!」
エクボ「40年前の話だ」
エクボ「最上啓示。霊視・口寄せなどの能力を生かし人々を救う善良な霊能力者として各種メディアから引っ張りだこだった」
エクボ「だが国民が見ていたのはあくまでタレントの最上啓示だ」
エクボ「奴はある時を境にぱったりと表舞台から姿を消した」
エクボ「最上には裏の顔があった。独自の呪術による暗殺だ!」
エクボ「最上は金を求めていた。母親が重い病気になり治療費と十分な設備が必要だったんだ」
エクボ「生者と死者。それぞれの最後に関わる日常が当たり前になることで奴は壊れていった。そんな頃だ。奴が俺様の除霊に現れたのは…」
エクボ「よくも俺様の子分共を…うおおおおフル霊力でいくぜー!拡散霊ザービィ~ムッッ!」
エクボ「参った…」
エクボ「参ったって!もう何も悪さしねぇからよぉ!」
最上啓示「何言ってる。お前は勘違いしている。私はお前を取り込みに来たんだ」
エクボ「取り込むって…こいつ!人間なのに霊素を体内に吸収してる!」
エクボ「俺様を食う気か!?体に毒なだけだぞ!」
最上啓示「私はもうじき自ら命を絶ち強力な怨霊になる」
エクボ「(ヤベェ!飛んでる!) ど…どうしてそんなことを!?」
最上啓示「復讐だ。自分だけは安全だと思ってる連中にわからせてやる」
最上啓示「逃げたか…」
最上啓示「この程度で…おい教えてくれ。こいつのどこが大物なんだ?」
影山茂夫「うわっ!来る!」
エクボ「逃げろシゲオ!」
霊幻新隆「対被憑依者飛び膝蹴り!」
『憑依された者に飛び膝蹴りをかまし意識を強制的に飛ばす霊幻の必殺技である』
霊幻新隆「すまん!やい悪霊!俺の勘だとお前の正体は最上啓…」
最上啓示「私を知っているのか?」
影山茂夫「うわっ!来る!」
エクボ「逃げろシゲオ!」
霊幻新隆「対被憑依者飛び膝蹴り!」
『憑依された者に飛び膝蹴りをかまし意識を強制的に飛ばす霊幻の必殺技である』
霊幻新隆「すまん!やい悪霊!俺の勘だとお前の正体は最上啓…」
最上啓示「私を知っているのか?」
「こんなの相手してられるかー!」
「逃げろー!」
「逃げろー!」
霊幻新隆「とんでもない有様だな…モブ、体は温まってるか?」
最上啓示「確かに体の関節は可動域以上に動かすことはできない」
最上啓示「でも人形の関節はどうだ?動けるよ…」
影山茂夫「(あの子の体が!)」
最上啓示「わかったか?この体に負荷をかけても何の解決にもならん」
最上啓示「でも人形の関節はどうだ?動けるよ…」
影山茂夫「(あの子の体が!)」
最上啓示「わかったか?この体に負荷をかけても何の解決にもならん」
「すごい…」
「子供かと思ったらなんてパワーだ」
魔津尾「(いや、憑依どころか融合しかけてる!)」
影山茂夫「(失敗した!)」
影山茂夫「師匠…状況がもっと悪くなりました…」
霊幻新隆「モブより強いってのか…?」
影山茂夫「はい…」
魔津尾「(いや、憑依どころか融合しかけてる!)」
影山茂夫「(失敗した!)」
影山茂夫「師匠…状況がもっと悪くなりました…」
霊幻新隆「モブより強いってのか…?」
影山茂夫「はい…」
影山茂夫「そっか!みのりさんの中に入って内側から悪霊を追い出せば…」
エクボ「アホか!生身の人間がどうやって他人の中に入るんだよ!」
影山茂夫「幽体離脱だよ」
エクボ「なるほどな…だがその間お前の肉体は無防備になるぜ。それに幽体になった所で侵入を拒絶してくるぞ?」
影山茂夫「でもやるしかないんだ。エクボ、少しの間、憑依して僕の体を守ってくれないかな?」
エクボ「は!?」
霊幻新隆「いやいやそれはやめとけモブ!こいつそのまま乗っ取るぞ…多分」
影山茂夫「まずは意識を失わなきゃ…集中して…」
霊幻新隆「(ちょっと変わったか?こいつ…いや…自分を変えようとしてるのか?)」
霊幻新隆「おー!すげぇ!俺にも見える!」
霊幻新隆「来やがった!」
霊幻新隆「この!」
霊幻新隆「ちょっと待ってぇッ!」
最上啓示「この肉体いらんのなら私が使おうか…」
エクボ「バカめ!もう俺様の物だ!」
エクボ「ザマァみやがれッ!」
エクボ「おぉっと!大事な素材をそうやすやすと壊されてたまるかよ!」
最上啓示「なぜ他の霊がいる?目障りだ。消えろ」
エクボ「今だ!シゲオ!」
最上啓示「そういうことか!正気じゃないな…」
霊幻新隆「(ちょっと変わったか?こいつ…いや…自分を変えようとしてるのか?)」
霊幻新隆「おー!すげぇ!俺にも見える!」
霊幻新隆「来やがった!」
霊幻新隆「この!」
霊幻新隆「ちょっと待ってぇッ!」
最上啓示「この肉体いらんのなら私が使おうか…」
エクボ「バカめ!もう俺様の物だ!」
エクボ「ザマァみやがれッ!」
エクボ「おぉっと!大事な素材をそうやすやすと壊されてたまるかよ!」
最上啓示「なぜ他の霊がいる?目障りだ。消えろ」
エクボ「今だ!シゲオ!」
最上啓示「そういうことか!正気じゃないな…」
影山茂夫「ここから出て行ってください」
最上啓示「対話をしにきたんじゃないだろう?」
影山茂夫「はい。でもあまりに人間っぽいので」
最上啓示「ここは精神世界だからな。姿形も思考が反映される」
最上啓示「私は最上啓示。元霊能者だ」
最上啓示「勝負しようじゃないか」
最上啓示「対話をしにきたんじゃないだろう?」
影山茂夫「はい。でもあまりに人間っぽいので」
最上啓示「ここは精神世界だからな。姿形も思考が反映される」
最上啓示「私は最上啓示。元霊能者だ」
最上啓示「勝負しようじゃないか」
影山茂夫「悪いけど時間がないんだ。トドメをさすよ」
最上啓示「感情だよ。全ては感情が生むものだ」
最上啓示「感情だよ。全ては感情が生むものだ」
影山茂夫「ここから…出て…」
最上啓示「まだわからないのか?罠に嵌ったことが。私はわざとキミを受け入れたんだ。ではここで問題だ。幸せに暮らしている人間と苦しみに踠いてる人間、どちらの方が強い感情が育つと思う?正解は後者。より強いのは負の感情だ」
最上啓示「まだわからないのか?罠に嵌ったことが。私はわざとキミを受け入れたんだ。ではここで問題だ。幸せに暮らしている人間と苦しみに踠いてる人間、どちらの方が強い感情が育つと思う?正解は後者。より強いのは負の感情だ」