『知らない人と目も合わせられない私がこんな危険な場所に来た理由…それは』
フランシス「小銭を…小銭を恵んでくれ。50セントでいい。恵んでくれ」
ルイーザ「差し上げれば…願いを聞いてくださいますか?」
フランシス「ああ」
ルイーザ「では…もう一度私に命令をください!」
ルイーザ「フランシス様!」
ルイーザ「ご無事を信じておりました。本部の分析官に言われたんです」
ルイーザ「異能力が切れた状態で海に叩き付けられて生きてるはずがないと。でも私は諦めたくなかった」
ルイーザ「戻って下さい。ギルドにはボスが必要です。そして私にも…」
フランシス「君は記憶の中の男に言っている。ここにいるのは死人だ。全財産と地位を失い妻を救う方策も潰えた人間の燃えカスだ。この国では死人は燃やすのだ、ルイーザ君」
ルイーザ「そんな!失ったのはたかがお金、たかが地位じゃないですか!」
フランシス「そのちっぽけなものが俺の全価値だった。その愚かな末路がこれだ。笑うんだな」
中島敦「うん、いいと思う。おいしいよ」
ルーシー「ホント!?」
泉鏡花「ふつー」
中島敦「ギルドでコーヒーを淹れる人はいなかったの?」
ルーシー「そういえばルイーザちゃんが仕事前によく飲んでたわ」
中島敦「確かギルドの作戦参謀の人だよね」
ルーシー「いい子よ。孤児院で私をスカウトしてくれたのもあの子だし」
中島敦「いい友達だったんだね」
ルーシー「何よその目!騙されないわよ!」
中島敦「は?」
ルーシー「だいたい友達じゃないわ。だってルイーザちゃんって貝みたいに内気で誰かとまともに会話してるの見た事ないもの」
ルーシー「あ、でも団長のフラシスさんは別。あの人部下の内心とか関心ないから逆に楽みたい」
ルーシー「そういえばルイーザちゃんが仕事前によく飲んでたわ」
中島敦「確かギルドの作戦参謀の人だよね」
ルーシー「いい子よ。孤児院で私をスカウトしてくれたのもあの子だし」
中島敦「いい友達だったんだね」
ルーシー「何よその目!騙されないわよ!」
中島敦「は?」
ルーシー「だいたい友達じゃないわ。だってルイーザちゃんって貝みたいに内気で誰かとまともに会話してるの見た事ないもの」
ルーシー「あ、でも団長のフラシスさんは別。あの人部下の内心とか関心ないから逆に楽みたい」
ルイーザ「フランシス様の価値はお金でも地位でもありません。人の上に立つ資質です。あなたの命令で作戦を立てる時のみ私は強い巨人になれるんです。だから命令をください!あなたの強い言葉で…」
フランシス「やめろ」
ルイーザ「でもさっき願いを叶えると…」
フランシス「願いを聞くとは言った。叶えるとは言っていない」
ルイーザ「私待ちます!きっと奥様も」
フランシス「妻が…妻が助けてくれた」
フランシス「モビーディックから落ちた時」
フランシス「全財産を支払った時ですら残った50万ドルの結婚指輪がなぜか消費され」
フランシス「やめろ」
ルイーザ「でもさっき願いを叶えると…」
フランシス「願いを聞くとは言った。叶えるとは言っていない」
ルイーザ「私待ちます!きっと奥様も」
フランシス「妻が…妻が助けてくれた」
フランシス「モビーディックから落ちた時」
フランシス「全財産を支払った時ですら残った50万ドルの結婚指輪がなぜか消費され」
フランシス「命令が欲しいと言ったな。ならば命じよう。二度と俺の前に現れるな。これ以上俺を惨めにしないでくれ」
「探偵社に叩かれて貧民街に逃げ延びてみれば、ギルドの作戦参謀が一人で歩いてると聞いて耳を疑ったぜ。さてお嬢ちゃん、ギルドの遺産の話をしようぜ」
「チッ…おい!銃よこせ」
「こいつは駄目だ。何も吐かねぇ。始末して次だな」
フランシス「50セント」
ルイーザ「フランシス様!」
フランシス「ルイーザ君、今手持ちで最も高額なものを俺に譲渡しろ。こいつらを叩きのめすにはまとまった額がいる」
「こいつは駄目だ。何も吐かねぇ。始末して次だな」
フランシス「50セント」
ルイーザ「フランシス様!」
フランシス「ルイーザ君、今手持ちで最も高額なものを俺に譲渡しろ。こいつらを叩きのめすにはまとまった額がいる」
ルイーザ「お譲りしたら、今度こそ私の願いを叶えてくださいますか?」
フランシス「ああ、君の願いを叶えよう」
ルイーザ「ならば、私の全てを差し上げます!」
「何だ!?この力は!?」
フランシス「金の力だよ」
フランシス「思った程強化されなかったな。君の価値も大したことないらしい」
ルイーザ「当然です。最初からタダで差し上げるつもりでしたから」
フランシス「私の目的はこの地に封印された本を入手し本国の妻を救うことだった」
ルイーザ「やりましょう!もう一度!」
フランシス「だが本の発見と封印解除には大規模な異能捜索が必要だ」
フランシス「そのためには異能特務課の利用が鍵となる」
ルイーザ「ならば、私の全てを差し上げます!」
「何だ!?この力は!?」
フランシス「金の力だよ」
フランシス「思った程強化されなかったな。君の価値も大したことないらしい」
ルイーザ「当然です。最初からタダで差し上げるつもりでしたから」
フランシス「私の目的はこの地に封印された本を入手し本国の妻を救うことだった」
ルイーザ「やりましょう!もう一度!」
フランシス「だが本の発見と封印解除には大規模な異能捜索が必要だ」
フランシス「そのためには異能特務課の利用が鍵となる」
ルイーザ「そうです。特務課を買収するには…」
フランシス「買収など生ぬるい!どうせなら特務課そのものを買う。昔君が試算しただろう。特務課とその上位機関たる内務省そのものの実質的所有に必要な金額、およそ500億ドル」
ルイーザ「私はこれから異能力で作戦書を執筆します」
フランシス「作戦のあらゆる展開のその確率及び対処法を予言する能力か。ギルドでも最高峰の異能者たるルイーザ君がいれば500億ドルなど道端に落ちた小銭も同然だな」
ルイーザ「私の異能力は個室に一人でいないと発動しません。3分ほどお待ちください」
フランシス「承知した」
フランシス「ん?」
ルイーザ「そこはお隣さんの家です!」
フランシス「拠点はこの建物ではなく一部屋だけなのか!?」
ルイーザ「はい」
フランシス「まぁいい」
フランシス「失礼。ハッハッハ!」
ルイーザ「さて、3分なら約2週間ね」
ルイーザ「(私の本当の異能力は情報を基に未来を予言する能力ではなく個室で考え事をする時のみ時間の流れを8000分の1にする能力)」
エクルバーグ「これが…人生最後から2番目の酒か…」
エクルバーグ「友よ…すぐに君の所へ行くぞ!」
フランシス「そして人生最後の酒はそのメッキ液か」
エクルバーグ「だ…誰だ!?」
フランシス「気にするな。ただの見学だ」
フランシス「T.J.エクルバーグ博士。セキュリティ会社のエンジニア。警備カメラの自動識別システムをほぼ独力で開発した天才にして」
フランシス「同僚殺しの殺人犯」
フランシス「作戦のあらゆる展開のその確率及び対処法を予言する能力か。ギルドでも最高峰の異能者たるルイーザ君がいれば500億ドルなど道端に落ちた小銭も同然だな」
ルイーザ「私の異能力は個室に一人でいないと発動しません。3分ほどお待ちください」
フランシス「承知した」
フランシス「ん?」
ルイーザ「そこはお隣さんの家です!」
フランシス「拠点はこの建物ではなく一部屋だけなのか!?」
ルイーザ「はい」
フランシス「まぁいい」
フランシス「失礼。ハッハッハ!」
ルイーザ「さて、3分なら約2週間ね」
エクルバーグ「これが…人生最後から2番目の酒か…」
エクルバーグ「友よ…すぐに君の所へ行くぞ!」
フランシス「そして人生最後の酒はそのメッキ液か」
エクルバーグ「だ…誰だ!?」
フランシス「気にするな。ただの見学だ」
フランシス「T.J.エクルバーグ博士。セキュリティ会社のエンジニア。警備カメラの自動識別システムをほぼ独力で開発した天才にして」
フランシス「同僚殺しの殺人犯」
エクルバーグ「僕はやってない!やってないはずだ…」
フランシス「9日前同僚のエンジニアが社内で殺された。犯人逮捕の決め手は皮肉にもお前が作った人物識別システムの映像」
エクルバーグ「あの日親友と喧嘩して記憶がなくなるほど酒を飲んで…気が付けば会社の前で寝てた。親友の血にまみれた服で…でも僕じゃない!僕があいつを殺すわけがないんだ!」
エクルバーグ「信じてくれ!」
フランシス「お前が犯人かどうかなどどうでもいい。お前を無罪にしてやる!」
エクルバーグ「な…何が目的だ…」
フランシス「お前が作った人物識別システム、アイズオブゴッドのコードをよこせ」
フランシス「特許収入は20万ドル以上。目標の500億からすれば小石のような額だが第一歩としては悪くない。選ぶのはお前だ天才エンジニア」
フランシス「購入者は追加二つ無料の本日限定サービスだ!」
ルイーザ「はぁ…」
フランシス「知らなかった。貧しい資金の中でリーズナブルな商品を選ぶことがこれほど楽しいとは!今まで欲しいものは店ごと買っていたからな」
ルイーザ「はぁ…」
フランシス「知らなかった。貧しい資金の中でリーズナブルな商品を選ぶことがこれほど楽しいとは!今まで欲しいものは店ごと買っていたからな」
フランシス「お前の元部下・エクルバーグ博士の殺人罪を消してやる。成功報酬で10万ドルよこせ。元部下が殺人犯では会社の聞こえも悪かろう」
会長「無理ですな。人物識別システム、アイズオブゴッドがそう判断した以上博士の有罪は確実。そもそもなぜ会社が部下を救う必要が?」
フランシス「ピンチの部下を病巣扱いか…不愉快だ。帰る」
会長「無理ですな。人物識別システム、アイズオブゴッドがそう判断した以上博士の有罪は確実。そもそもなぜ会社が部下を救う必要が?」
フランシス「ピンチの部下を病巣扱いか…不愉快だ。帰る」
フランシス「事件の裏を洗え。あの会長は何か知っている」
ルイーザ「でも私は作戦参謀で…事件を解決する力は…」
フランシス「俺の部下は全員優秀だ!事件の解決はできなくとも誰が解決できるかは知っている」
フランシス「だろ?」
ルイーザ「でも私は作戦参謀で…事件を解決する力は…」
フランシス「俺の部下は全員優秀だ!事件の解決はできなくとも誰が解決できるかは知っている」
フランシス「だろ?」
江戸川乱歩「ふーん、なかなか巧妙な事件だ。でも犯人は博士じゃない」
江戸川乱歩「この会長だよ」
「以上の証拠から被告人は泥酔状態とはいえ極めて残忍に被害者を殺害。情状酌量の余地はないと思われます」
「陪審員審議のため15分休廷といたします」
フランシス「順調だな真犯人。自ら部下を殺しその罪を擦り付けるとはな」
会長「何を言ってる」
フランシス「探偵屋がお前のアリバイを崩した。お前は博士に秘密で監視システムにバックドアを仕込ませた。映像で映る人物を自動で他人に書き換える裏コードだ。政府も犯罪組織もそのコードに大金を払うだろうなぁ」
フランシス「お前は博士の同僚にバックドアを作らせた後口封じにそいつを殺害」
フランシス「自分の映像に博士の姿を上書きし罪を着せたというわけだ」
会長「脅す気か!」
フランシス「40万ドルよこせ。そうすれば今の会話も忘れ博士を有罪にしてやる。真実など1セントにもならん。己の利益、金こそ全てだ」
会長「フフフ確かにそうだ。わかるぞあんたの目、他人の命などゴミクズだと思ってる。わしと同じ目だ」
会長「フフフいいだろう。40万の小切手だ。これでわしが殺人を犯したこともバックドアのことも忘れろ」
フランシス「困ったことがあれば連絡しろ。いつでももみ消してやる」
会長「これだから悪人はやめられんなぁ」
フランシス「まったくだ」
エクルバーグ「本当なんだ…僕はやってない…」
フランシス「このボイスレコーダー、一つ買えば二つ無料だ!これぞ賢い買い物!」
会長「違法だろこんなもの!証拠にもならん!」
フランシス「確かに。裁判では無意味だ」
フランシス「会長のサインが入ったこの40万の小切手もな」
フランシス「俺からは以上だ諸君。茶番を続けてくれ」
会長「貴様ァ!つまらん正義感で金をドブに捨てる気か!?録音も小切手も証拠にはならん!わしを有罪にはできん」
会長「何!?」
フランシス「法廷にいた傍聴人達が噂を拡散している頃だ」
フランシス「企業のトップが殺人事件の真犯人。今頃株価が暴落している。そして俺は事前にお前の会社の株を空売りした」
フランシス「総額4億ドル。お前の持つ株は紙クズ同然となりほぼ全額が俺の懐に転がり込む」
フランシス「フフッ…その歳で野宿は堪えるぞ」
会長「ふざけるな!わしは軍事会社の会長だぞー!」
会長「な…何だこの力は…」
フランシス「華麗なるフィッツジェラルドだ」
エクルバーグ「おはようございます。代表は?」
ルイーザ「え…あ…」
フランシス「こちらだ博士」
フランシス「復職の後の調子はどうだ?」
エクルバーグ「給料が倍になって忙しさも倍です。割に合わない」
フランシス「優秀な部下を暇にしておく方が罪だ」
フランシス「底値のタイミングで株の大半を買い戻した。この会社は俺の物だ。そして何よりアイズオブゴッドを手に入れた。将来本の争奪戦をする時に必ず強い武器となる」
フランシス「何!?うかつだった。急がねば」
エクルバーグ「代表?」
ルイーザ「フランシス様?どちらへ?」
フランシス「復職の後の調子はどうだ?」
エクルバーグ「給料が倍になって忙しさも倍です。割に合わない」
フランシス「優秀な部下を暇にしておく方が罪だ」
フランシス「底値のタイミングで株の大半を買い戻した。この会社は俺の物だ。そして何よりアイズオブゴッドを手に入れた。将来本の争奪戦をする時に必ず強い武器となる」
フランシス「何!?うかつだった。急がねば」
エクルバーグ「代表?」
ルイーザ「フランシス様?どちらへ?」