森鷗外「ええ、福沢殿は凄腕の用心棒だとか…」
福沢諭吉「用心棒は当面休業中だ。今は探偵社創業の準備をしている。ここに来たのは夏目先生の指示だ」
森鷗外「構わんが中で喧嘩するなよ。そいつを撃った奴も診療中だ」
「はい!」
森鷗外「あ、ご心配なく。この診療所は中立地帯です。黒社会の患者からは面白い話が聞けて退屈しませんよ」
福沢諭吉「(闇医者・森鴎外。胡乱な男だ。夏目先生は何故この男の守護を私に…)」
「森先生、あなたの診療所は中立故に患者を通じて黒社会の情報が集まっている。小さい組織なら一晩で潰せるほどのね」
「闇の情報屋。それがあなたの副業だ。我々はポートマフィアの武器庫の在処を知りたいのです」
「ここ最近ポートマフィアのボスは無秩序に戦果をまき散らしている。今ならどんな悪行もポートマフィアのせいにできる。彼らの武器を使えば尚更…」
「はい!」
森鷗外「あ、ご心配なく。この診療所は中立地帯です。黒社会の患者からは面白い話が聞けて退屈しませんよ」
福沢諭吉「(闇医者・森鴎外。胡乱な男だ。夏目先生は何故この男の守護を私に…)」
「森先生、あなたの診療所は中立故に患者を通じて黒社会の情報が集まっている。小さい組織なら一晩で潰せるほどのね」
「闇の情報屋。それがあなたの副業だ。我々はポートマフィアの武器庫の在処を知りたいのです」
「ここ最近ポートマフィアのボスは無秩序に戦果をまき散らしている。今ならどんな悪行もポートマフィアのせいにできる。彼らの武器を使えば尚更…」
「バカな!表には十数人の見張りが!」
福沢諭吉「全員斬った」
「来るな!こいつを殺すぞ!」
福沢諭吉「別に構わん」
森鷗外「そんな~」
福沢諭吉「どうせ俺が来るまでの時間稼ぎ…だろ?俺の嫌いな俺と同じ匂いだ」
福沢諭吉「全員斬った」
福沢諭吉「別に構わん」
森鷗外「そんな~」
福沢諭吉「どうせ俺が来るまでの時間稼ぎ…だろ?俺の嫌いな俺と同じ匂いだ」
太宰治「夏目先生は探偵社設立の後ろ盾となった伝説の異能力者だ」
太宰治「神出鬼没で所在不明。一説には万物を見抜く最強の異能力者だとか…」
太宰治「にぼし?」
福沢諭吉「何が福沢殿なら大丈夫だ。貴君の情報より敵の数が随分と多かったぞ」
太宰治「神出鬼没で所在不明。一説には万物を見抜く最強の異能力者だとか…」
太宰治「にぼし?」
福沢諭吉「何が福沢殿なら大丈夫だ。貴君の情報より敵の数が随分と多かったぞ」
森鷗外「いやはや銀狼の絶技見事でした。おかげで手間が半分に減りましたよ」
福沢諭吉「無駄ではないか?」
森鷗外「何がです?」
福沢諭吉「今日俺達が潰した陰謀は所詮小粒の災禍。根源たるポートマフィアの暴虐がある限り火難は生じ続ける」
森鷗外「わかっています。だから私は夏目先生の三刻構想に乗ります」
森鷗外「(12年前ここで初めて共闘して以来我らは何度も対立し衝突した)」
森鷗外「(しかしたまに共闘する時決まって我らは敵なしだった)」
エリス「ごめん…リンタロウ」
エリス「先に向こうで待ってるね…」
森鷗外「最強と噂される先生の異能力も結局わからずじまいでした」
森鷗外「福沢殿、死ぬ前にお伝えしたいことが…探偵社とマフィアは等価ではありません。福沢殿が死ねば闘争は終結する。しかし私が死ねばマフィアは制御不能の報復に走りより血生臭い組織戦になります」
中島敦「(10年来の旧友、花袋さんの死…いくら国木田さんでももたないんじゃ…)」
国木田独歩「花袋は昔から困った男でな」
森鷗外「福沢殿、死ぬ前にお伝えしたいことが…探偵社とマフィアは等価ではありません。福沢殿が死ねば闘争は終結する。しかし私が死ねばマフィアは制御不能の報復に走りより血生臭い組織戦になります」
中島敦「(10年来の旧友、花袋さんの死…いくら国木田さんでももたないんじゃ…)」
国木田独歩「花袋は昔から困った男でな」
国木田独歩「自室から強引に引きずり出して探偵社に入れたら、今度は事務所に自分の蒲団を敷いて生活し始めるような奴なんだ」
中島敦「蒲団って…芳子さんですか?」
国木田独歩「問題はそこだ。あのフョードルを欺くほどの人物…花袋を助けたのは誰だ?」
森鷗外「武では勝てぬ故、汚い弁舌戦に持ち込ませていただきました」
福沢諭吉「これも…宿命か…」
森鷗外「残念です…ん?」
谷崎ナオミ「考えて見ればミィちゃんが消えた時の事件って大惨事が未然に防がれてますわね」
谷崎ナオミ「それに今回ミィちゃんが姿を消した3日前も共喰いの直前ですわ」
春野綺羅子「社長が倒れた時…」
夏目漱石「まったく面倒な奴らじゃのうお前らは」
森鷗外「夏目先生!」
夏目漱石「隠居ジジイには楽をさせろ!何のためにお前らに街を任せたと思っている?」
田山花袋「ゴホッゴホッ…夏目殿!どこですか!」
夏目漱石「花袋の小僧が鼠のアジトを割り出した。じゃが敵は狡猾の権化。追手を察知すれば暗中へと消え二度と捕えられぬじゃろう。では何をチャンスとする!」
森鷗外「そうか!二人の長が生死不明の時のみ」
福沢諭吉「奴は状況確認のためアジトにとどまる」
夏目漱石「黄金時間はウイルス発症までの12時間」
森鷗外「武では勝てぬ故、汚い弁舌戦に持ち込ませていただきました」
福沢諭吉「これも…宿命か…」
森鷗外「残念です…ん?」
谷崎ナオミ「考えて見ればミィちゃんが消えた時の事件って大惨事が未然に防がれてますわね」
谷崎ナオミ「それに今回ミィちゃんが姿を消した3日前も共喰いの直前ですわ」
春野綺羅子「社長が倒れた時…」
夏目漱石「まったく面倒な奴らじゃのうお前らは」
森鷗外「夏目先生!」
夏目漱石「隠居ジジイには楽をさせろ!何のためにお前らに街を任せたと思っている?」
田山花袋「ゴホッゴホッ…夏目殿!どこですか!」
夏目漱石「花袋の小僧が鼠のアジトを割り出した。じゃが敵は狡猾の権化。追手を察知すれば暗中へと消え二度と捕えられぬじゃろう。では何をチャンスとする!」
森鷗外「そうか!二人の長が生死不明の時のみ」
福沢諭吉「奴は状況確認のためアジトにとどまる」
夏目漱石「黄金時間はウイルス発症までの12時間」
夏目漱石「部下共には既に情報を渡してある」
夏目漱石「わしが見込んだお主らの組織じゃ。鼠ごときが食い荒らせるものではない!二人とも!それを証明してみせよ!」
太宰治「駄ぁ目♡離したら君達異能で喧嘩するでしょ~?」
太宰治「でも!」
太宰治「あいたたたた…あまり暴れないでくれたまえ~お腹の傷が開く~」
中島敦「社長の命がかかった逆襲作戦になぜ芥川を…」
太宰治「それが私の作戦だからさ。君達二人で敵のアジトに潜ってもらう」
太宰治「敵のアジトは古い炭鉱跡の中にある。全長数百km。内部は侵入対策のセンサーや罠が山盛りだ」
中島敦「社長の命がかかった逆襲作戦になぜ芥川を…」
太宰治「それが私の作戦だからさ。君達二人で敵のアジトに潜ってもらう」
太宰治「敵のアジトは古い炭鉱跡の中にある。全長数百km。内部は侵入対策のセンサーや罠が山盛りだ」
太宰治「最優先の捕縛目標はウイルス異能力者だ。奴の異能力を無効化しなければ社長達が死ぬからね。第2に頭目のフョードル」
中島敦「そんな重要な作戦なら尚更!だって芥川の僕への憎悪は尋常じゃありませんよ!作戦が成立するわけが…」
太宰治「だそうだけど、どうだい?」
芥川龍之介「作戦を…遂行します」
太宰治「(何だ?この集中力…)」
中島敦「私の直轄麾下は4年ぶりだね。少しはできるようになった所を見せてもらおうかな」
芥川龍之介「はい!」
中島敦「お前芥川だよな?」
芥川龍之介「ああ」
中島敦「僕と協力して戦う気か?」
芥川龍之介「ああ」
中島敦「昨日の晩御飯何食べた?」
芥川龍之介「ああ」
中島敦「おい…」
中島敦「すごい数の見張りが…」
太宰治「全員音声無線機を持っている。戦えばすぐに敵本部が気付く。入口のセンサーは谷崎君の幻像異能力対策だ」
太宰治「我々も負けてはいられない。さぁ始めようか」
中島敦「待て!太宰さんが組んで動けと言ったろう!」
芥川龍之介「この作戦、やつがれの優質を太宰さんに明く4年越しのチャンス…貴様などむしろ早々に潰れた方が…」
芥川龍之介「我ながら愚鈍の極みだ。貴様を刻み捨て人虎は阻まれ消えたと報告すればいい!」
中島敦「お前がその気なら相手になってやる!だけど今戦えば大騒ぎになって標的に逃げられる!それでもやるか!?」
中島敦「いつもお前は目の前の敵を切り刻むことしか頭にない!太宰さんがお前を捨てて消えるのも当然だ!」
中島敦「(マズい…人の顔色を窺って生きてきた僕にはささやかな特技がある。絶対に触れてはならない部分に触れられた人間の)」
中島敦「(スイッチの切り替わる音が聞こえるのだ)」
芥川龍之介「…そうだな」
中島敦「ま…待て!芥川!その先に監視装置だ!映れば侵入がバレる!」
芥川龍之介「この作戦、やつがれの優質を太宰さんに明く4年越しのチャンス…貴様などむしろ早々に潰れた方が…」
芥川龍之介「我ながら愚鈍の極みだ。貴様を刻み捨て人虎は阻まれ消えたと報告すればいい!」
中島敦「お前がその気なら相手になってやる!だけど今戦えば大騒ぎになって標的に逃げられる!それでもやるか!?」
中島敦「いつもお前は目の前の敵を切り刻むことしか頭にない!太宰さんがお前を捨てて消えるのも当然だ!」
中島敦「(マズい…人の顔色を窺って生きてきた僕にはささやかな特技がある。絶対に触れてはならない部分に触れられた人間の)」
中島敦「(スイッチの切り替わる音が聞こえるのだ)」
芥川龍之介「…そうだな」
中島敦「ま…待て!芥川!その先に監視装置だ!映れば侵入がバレる!」
「お前は何でこの仕事を?」
「密入国さ」
「密入国さ」
中島敦「見張りが来る!」
🔊「おい48番と49番。生体信号値が少し高い。何かあったのか?」
芥川龍之介「喋れ。だが牢記せよ。貴様らの生命は今恐ろしく安いぞ」
「こ…こちら48番…なんでもない。でっかい蛇だ。もう逃げた」
芥川龍之介「次は収音機の音量を絞れ。貴様らの雇用主の居所は?」
「知らねぇ!俺達はただ金で…」
芥川龍之介「喋れ。だが牢記せよ。貴様らの生命は今恐ろしく安いぞ」
「こ…こちら48番…なんでもない。でっかい蛇だ。もう逃げた」
芥川龍之介「次は収音機の音量を絞れ。貴様らの雇用主の居所は?」
「知らねぇ!俺達はただ金で…」
芥川龍之介「耳からいくか?」
「ほんとだ!ボスの顔どころかここが何の施設かも知らねぇ!」
中島敦「多分本当だ。フョードルが末端の見張りに重要情報を持たせるはずがない」
芥川龍之介「フン…駒ですらない使い捨ての雑兵か」
中島敦「この見張りをどうする気だ?殺傷も放置もできないんだぞ」
芥川龍之介「貴様ら両腕はあるか?なければ逃亡防止に足指を落とす」
中島敦「多分本当だ。フョードルが末端の見張りに重要情報を持たせるはずがない」
芥川龍之介「フン…駒ですらない使い捨ての雑兵か」
中島敦「この見張りをどうする気だ?殺傷も放置もできないんだぞ」
芥川龍之介「貴様ら両腕はあるか?なければ逃亡防止に足指を落とす」
「うわっ!待て待て!ボスの居場所は聞いてねぇが奥に対爆鉄扉があるのを見た!指紋・声紋認証の最新式のやつだ!」
中島敦「敵の拠点か…花袋さんならシステムに侵入できるかも」
芥川龍之介「貴様ら寝返れ。そうすればポートマフィアが10倍の報酬を出す」
「ようやく俺達にも運が向いてきたかな」
フョードル「どうも」
フョードル「さてポートマフィアさん、つつがなく共喰いは終わりそうですか?」
「ボスと探偵社の福沢が決闘したらしい。決闘場の洋館はなぜか爆破された。現在二人の生死は不明」
中島敦「敵の拠点か…花袋さんならシステムに侵入できるかも」
芥川龍之介「貴様ら寝返れ。そうすればポートマフィアが10倍の報酬を出す」
「ようやく俺達にも運が向いてきたかな」
フョードル「どうも」
フョードル「さてポートマフィアさん、つつがなく共喰いは終わりそうですか?」
「ボスと探偵社の福沢が決闘したらしい。決闘場の洋館はなぜか爆破された。現在二人の生死は不明」
フョードル「ふーん、さてさて」
中島敦「開きそうですか?花袋さん」
田山花袋「これは独立電網じゃな。この回線速度ではちと厳しいのう」
芥川龍之介「ならば開錠より敵の所在探しを優先せよ。ウイルス異能力者を狩らねば数刻でボスが死ぬ」
田山花袋「了解じゃ!しばし待たれよ兄上殿!」
芥川龍之介「誰が兄上だ!殺すぞ」
中島敦「なぁ芥川、太宰さんはなぜ僕達を組ませたと思う?」
芥川龍之介「愚者の思考だな。太宰さんを計り疑う者は皆思考の迷獄に落ちる。やつがれからも質問だ。貴様は何故この作戦に参じた?臆病者の貴様が他人のために己の命を危険にさらすのは何故だ?」
中島敦「助けなきゃいけないと思うから…」
芥川龍之介「何故?」
中島敦「正しいことを成すべきだから」
芥川龍之介「何故?」
中島敦「開きそうですか?花袋さん」
田山花袋「これは独立電網じゃな。この回線速度ではちと厳しいのう」
芥川龍之介「ならば開錠より敵の所在探しを優先せよ。ウイルス異能力者を狩らねば数刻でボスが死ぬ」
田山花袋「了解じゃ!しばし待たれよ兄上殿!」
芥川龍之介「誰が兄上だ!殺すぞ」
芥川龍之介「愚者の思考だな。太宰さんを計り疑う者は皆思考の迷獄に落ちる。やつがれからも質問だ。貴様は何故この作戦に参じた?臆病者の貴様が他人のために己の命を危険にさらすのは何故だ?」
中島敦「助けなきゃいけないと思うから…」
芥川龍之介「何故?」
中島敦「正しいことを成すべきだから」
芥川龍之介「何故?」