DETECTIVE CONAN
🖊原作者(Original Story):青山剛昌(Gosho Aoyama)
TVアニメ『名探偵コナン』 第R127話ネタバレ
♦放送日(Airdate): 2022年8月20日
CAST
毛利小五郎「ほー!色といい形もいい、まさに絶品ですな!さすが人間国宝、菊右衛門さんの作品だ!」
菊右衛門「国宝だなんてよしてくだされ。私は物じゃない。人間なんじゃから」
土屋益子「どうぞ」
毛利蘭「すみません。あの…これつまらないものですが…」
菊右衛門「いやいや、彼女は息子の嫁ですよ。ずっと一人でワシの身のまわりの世話をしてくれとる。不運な事に妻も息子も二年前の交通事故で他界してしまいましてな…」
毛利小五郎「ところで何なんですか?私に用というのは…ひょっとして、あの若奥様の浮気調査なんて事を…」
菊右衛門「いやいや、彼女は息子の嫁ですよ。ずっと一人でワシの身のまわりの世話をしてくれとる。不運な事に妻も息子も二年前の交通事故で他界してしまいましてな…」
菊右衛門「例えばホレ、先月の…」
土屋益子「まあかっこつけてもだめですよお義父様。素直におっしゃったらどうです?名探偵・毛利小五郎さんの大ファンだと!」
菊右衛門「ま…益子さん!」
毛利蘭「大ファン?」
土屋益子「ええ!毛利さんが事件を解かれる度に大はしゃぎ!つい先日事件の記事をファイルしそこねて大目玉を食らったばかりですわ~」
菊右衛門「こ…コレ!アッハハハハハ!いやー実はそうなんじゃー♡」
有田義彦「お、来てる来てる!」
瀬戸隆一「すごい!本物だ!」
毛利小五郎「誰ですか?あの二人」
菊右衛門「ワシの弟子達じゃ。紹介しよう。ここのところメキメキ腕を上げ、作品にキレが出て来た有田君」
菊右衛門「それにひきかえ、めっきり作品数が減り、少々生き詰まっておる瀬戸君」
毛利小五郎「六代目?」
菊右衛門「“菊右衛門”というのは代々師匠から受け継ぐ名でワシはその五代目じゃ」
菊右衛門「コレ!あせるではない。まだ話しておるわ!」
菊右衛門「“菊右衛門”というのは代々師匠から受け継ぐ名でワシはその五代目じゃ」
有田義彦「それより早く教えてくださいよ!毛利探偵がどの焼き物を選んだか!」
瀬戸隆一「そうそう!」
菊右衛門「コレ!あせるではない。まだ話しておるわ!」
毛利小五郎「どういうことですか?」
菊右衛門「あんたにワシの作品をもらって欲しくてのー…あんたの所に持参してもよかったんじゃが、直接選んでもらおうと御足労願ったというわけじゃ。さあ選びなされ。この部屋の中からどれでも一つ」
毛利小五郎「い…いいんですか?」
菊右衛門「あんたにワシの作品をもらって欲しくてのー…あんたの所に持参してもよかったんじゃが、直接選んでもらおうと御足労願ったというわけじゃ。さあ選びなされ。この部屋の中からどれでも一つ」
毛利小五郎「い…いいんですか?」
土屋益子「どれを選んでも数百万は下らない逸品ばかりですよ」
毛利小五郎「す…数百万」
毛利蘭「ちょっとお父さん、悪いじゃない。少しは遠慮してよね」
毛利小五郎「わかってるよ」
毛利小五郎「んじゃこの湯のみなんかもらっちゃおっかなーなんちって…」
菊右衛門「フ…さすが名探偵。いい目を持っておられる。賭はワシの勝ちじゃな」
毛利小五郎「賭?」
菊右衛門「あんたがどれを選ぶか家の者達で賭をしておったのじゃ。そしてあんたは、ワシのにらんだ通り見事それを選びなさった。世間で名器とほめそやされておる、その湯のみをな」
コナン「(ふふっ…偶然だよ偶然)」
菊右衛門「誰にも譲る気はなかったが、あんたならよかろう」
土屋益子「でもお義父様…」
菊右衛門「そうそう、今度発表するワシの新作“風水丸”!あれも毛利さんにみてもらおう。倉から持って来てくれんか?」
土屋益子「はい、ただ今」
菊右衛門「おや!そういや大谷君がみえんが…」
有田 義彦「ああ、彼なら窯の方に」
菊右衛門「丁度いい。毛利さん、窯の方に行ってみんか?」
毛利小五郎「あ、はい」
毛利蘭「あのーその湯のみ、いくらぐらいするんですか?」
菊右衛門「そうじゃのー…値をつけるとしたら大体相場は一千万ぐらいかのう」
毛利小五郎「いっ!一千万!?」
菊右衛門「大谷君どうだね?調子は」
大谷薫「はい、夕飯前には素焼き出来るかと」
コナン「ねぇ、この破片の山なに?」
有田 義彦「奥様に壊された焼き物の残骸だよ」
毛利小五郎「壊された?あの奥さんに!?」
瀬戸隆一「ええ…奥様はああみえてもとても目が利くんです。ですから、奥様の目に適った物じゃないと先生にみてもらえなくて…」
菊右衛門「なんにしろ彼女はワシの跡を継ぐはずだった息子が惚れ込んだ目の持ち主。じゃからワシが死んだ後、菊右衛門の名を誰が継ぐかは彼女に一任してあるんじゃよ」
有田 義彦「でも最近厳しすぎねーか?」
瀬戸 隆一「お前はまだましさ。僕なんか今月に入って通ったの二つだけだぞ」
大谷薫「私はこの三か月間一つも…ハハ…私はもう限界かな…」
菊右衛門「心の迷いはすぐに焼き物に現れる。そんな気持ちで造られたんでは焼き物の方もヘソを曲げてしまうわい
菊右衛門「明鏡止水のごとく…心にゆとりを持って取り組めばおのずと…」
有田義彦「風水丸!」
瀬戸 隆一「なんて事!」
土屋益子「申し訳ありません!ハシゴを登ろうとしたとたんに転がり落ちてきて…」菊右衛門「もうよい!形ある物いずれは壊れる…風水丸が土に還っただけの事じゃ…」
菊右衛門「そこは弟子達に任せて益子さんは毛利さんをもてなす料理の支度にかかりなされ」
土屋益子「は…はい」
菊右衛門「ワシは少し疲れた…夕飯まで起こさんでくれ」
有田義彦「こりゃいつも焼き物を壊されてる大谷の呪いだな」
土屋益子「アハハハハハハ!」
土屋益子「ハハハハハハハ!お酒足んない!じゃんじゃん持って来てー!」
毛利小五郎「おーっ!そうですな!」
土屋益子「ハハハハハハハ!お酒足んない!じゃんじゃん持って来てー!」
毛利小五郎「奥様酒乱ですか?」
瀬戸隆一「ええ、飲むと性格変わっちゃうんです」
毛利蘭「でも本当にいいんですか?あんな高価な物もらっちゃって…」
土屋益子「遠慮する事ないわよ!どうせお義父様老い先短い体…そんなに数造れないんだから!ねーお父様!」
大谷薫「奥さん!」
菊右衛門「まあまあ…確かにワシももうこの歳じゃ納得いく物は年に二、三品しか造れんからのー…」
毛利小五郎「あれ?確か去年先生が出品されたのは十点はあった様な…」
土屋益子「焼き物の話しよりももっと事件の話聞かせてくださいよ~~」
毛利小五郎「おーっ!そうですな!」
瀬戸隆一「おい!早く戻って来いよ!」
菊右衛門「すまんが益子さんを起こしてきてくれんか。茶漬けでも食いたいわい」
大谷薫「はい」
菊右衛門「毛利さん朝じゃよ毛利さん!」
大谷薫「あの…奥さんのふとん空なんですけれど」
菊右衛門「変じゃのう…こんな朝早くからどこへ…」
瀬戸隆一「おかしいな…出ないぞ」
菊右衛門「なんじゃ!今の音は!?」
菊右衛門「毛利さん朝じゃよ毛利さん!」
大谷薫「あの…奥さんのふとん空なんですけれど」
菊右衛門「変じゃのう…こんな朝早くからどこへ…」
瀬戸隆一「おかしいな…出ないぞ」
菊右衛門「なんじゃ!今の音は!?」
大谷薫「焼き物が割れる音なんじゃ…」
コナン「まだ首を吊った直後のハズだよ!すぐに降ろせば助かるかもしれない!早くして!」
有田義彦「ダメだ…もう死んでる」
瀬戸隆一「先生…警察に連絡を…」
コナン「(おかしい!アレがないのにどうして!これはもしかしたら…)」
コナン「まだ首を吊った直後のハズだよ!すぐに降ろせば助かるかもしれない!早くして!」
有田義彦「ダメだ…もう死んでる」
瀬戸隆一「先生…警察に連絡を…」
コナン「(おかしい!アレがないのにどうして!これはもしかしたら…)」
目暮警部「死亡したのは、土屋益子さん42歳。この家の家主、菊右衛門さんの息子の嫁か…で?死体を発見する直前まで皆さんはこの倉のそばの大広間にいて何かの割れる音を聞いたんですな?」
大谷薫「今朝起こしに行ったらふとんが空になっていました」
瀬戸隆一「探そうとした矢先に何かが割れる音がして、かけつけてみたら奥様が…」
目暮警部「その音の正体は床に砕け散っている焼き物のツボだ。たぶん首を吊る時、踏み台にして倒したんだろう。やけに踏み荒らされているが…」
有田義彦「わるいな警部さん…それ踏んだのオレ達だ」
大谷薫「すぐに降ろせば助かるかもしれないって…」
大谷薫「そのボウヤにいわれて…」
目暮警部「コ…コラ!何をやっとるんだ!」
目暮警部「それで?今回も偶然居合わせたにもかかわらず、事件の時ぐーすか寝とったというのが…またまた君かね毛利君!」
毛利小五郎「大きな声出さんでください…二日酔いで頭が…」
目暮警部「ふざけるな!おまえの行く所行く所、死体の山なんだぞ!わかっとるのか!?」
毛利小五郎「す…すんません」
鑑識「警部、ハリの上には人が登った形跡はありません」
目暮警部「そうか。あのハシゴじゃ天井のハリまで届かんし…」
目暮警部「こりゃー縄の先に何かを結び付けて放り投げハリに渡したんだろう」
目暮警部「ちょうどここには結び付ける物がそろっているようだし」
コナン「でも、大事な作品をそんな事に使うかなぁ…」
目暮警部「フム…となると残る問題点は…このパックリ切れとる奥さんのふくらぎの傷だけだな」
目暮警部「まわりにもかなり血が飛んでるようだし」
毛利小五郎「きっと失敗して一度、床に落ちたんですよ。その時最初に壊したツボの破片で足を切ったにも構わずやり直したんだ」
毛利小五郎「ホラ、よくあるでしょ?輪が大き過ぎて首が縄から抜けたり結び目があまくてほどけたり…血が飛び散ってるのは、奥さんがもがいたからでしょうな…」
有田義彦「棚に入ってるのは先生の作品だけじゃなくオレらの造ったヤツも入ってるが…」
瀬戸隆一「奥様が使ったんならきっと僕らのだと思うけど…」
目暮警部「それにしてもきれいにされてますなー」
大谷薫「この前、大掃除しましたから」
目暮警部「フム…となると残る問題点は…このパックリ切れとる奥さんのふくらぎの傷だけだな」
目暮警部「まわりにもかなり血が飛んでるようだし」
毛利小五郎「ホラ、よくあるでしょ?輪が大き過ぎて首が縄から抜けたり結び目があまくてほどけたり…血が飛び散ってるのは、奥さんがもがいたからでしょうな…」
毛利蘭「でもツボが壊れる音は確か一回しかしなかったと思うけど…」
毛利小五郎「じゃあ失敗したのはまだおめーらが寝てた時だろうよ。縄がほどけたんなら、やり直すのに時間がかかる」
大谷薫「け…けど何で奥様は自殺なんか…」
瀬戸隆一「そんなふうには見えなかったけどなぁ…」
瀬戸隆一「今度発表するはずだった先生の新作のツボですよ。それを昨日の昼間、奥様が倉から出そうとして壊してしまったんです。あの事を奥様が深く気になされていたのなら…」
目暮警部「考えられん事はないという事か…」
毛利小五郎「自殺!自殺!自殺で決まりですよ」
目暮警部「心当たりがないのかね?」
瀬戸隆一「ええ」
有田義彦「昨夜も楽しそうに酒を飲んでいたし…」
菊右衛門「風水丸じゃよ。おそらく風水丸を割ってしまったのを悔いてこんな事をしてしまったんじゃ…かわいそうに…」
目暮警部「風水丸?」
瀬戸隆一「今度発表するはずだった先生の新作のツボですよ。それを昨日の昼間、奥様が倉から出そうとして壊してしまったんです。あの事を奥様が深く気になされていたのなら…」
目暮警部「考えられん事はないという事か…」
目暮警部「あ、鑑識さん、死体の傷口とツボの破片の形の照合をお願いしますよ」
鑑識「あ、はい、ですが、破片は踏まれてかなり変形しているんで傷口と一致するかどうかわかりませんよ」
目暮警部「ウーン…一致すれば疑問点はなくなるんだが…」
毛利小五郎「自殺!自殺!自殺で決まりですよ」
コナン「(おいおい)」
コナン「痛たたたた!」
コナン「だって慌ててここに来たんだもん。あのおばさんと同じだね!」
毛利蘭「どうしたのコナン君?」
コナン「床の破片、踏んじゃったんだよ」
毛利小五郎「なんだおまえ?なんも履いてねーじゃねーか…」
コナン「だって慌ててここに来たんだもん。あのおばさんと同じだね!」