第1058話 警察に居座った男
キャスト
🔷江戸川コナン Edogawa Conan CV.高山みなみ
🔷毛利小五郎 Mori Kogoro CV. 小山力也
🔷矢口知子 CV.板東愛
🔷江本工次 CV.白熊寛嗣
🔷林三歩 CV.小高三良
🔷香月陽介 CV.内匠靖明
目暮警部「9月29日17時0分、香月陽介、君を小田原周平氏の殺害容疑で逮捕する 」
香月陽介「はい!」
目暮警部「君に話しても仕方ない」
毛利小五郎「あーではではその経緯を我が事務所で!」
目暮警部「放せ!」
毛利小五郎「さーさーさー」
コナン「まーまーまー」
目暮警部「事件が発覚したのは二日前」
目暮警部「被害者は小田原周平氏、27歳、死亡推定時刻は前日の昼1時から3時の間だと考えられた」
目暮警部「室内は物色された形跡はなく怨恨による殺害だと思われた」
目暮警部「遺体の第一発見者は、つい先日被害者と婚約したばかりの矢口知子という女性だった」
高木刑事〈遺体の後頭部には打撲痕、首には索条痕がありそれぞれの凶器と思われるものはあそこに〉
高木刑事〈それとこちらの和室の窓ガラスが破られていまして〉
目暮警部「事件が発覚したのは二日前」
目暮警部「被害者は小田原周平氏、27歳、死亡推定時刻は前日の昼1時から3時の間だと考えられた」
目暮警部「室内は物色された形跡はなく怨恨による殺害だと思われた」
目暮警部「遺体の第一発見者は、つい先日被害者と婚約したばかりの矢口知子という女性だった」
高木刑事〈遺体の後頭部には打撲痕、首には索条痕がありそれぞれの凶器と思われるものはあそこに〉
高木刑事〈それとこちらの和室の窓ガラスが破られていまして〉
目暮警部〈成程、つまりこういう事か〉
目暮警部〈昨日の昼、犯人は和室の窓を破って忍び込み〉
目暮警部〈鉄パイプで被害者を気絶させたのち〉
目暮警部〈ビニールロープで絞殺した〉
高木刑事〈ただおかしな事に鉄パイプは指紋が残っていたのに、ビニールロープには残っていなかったそうで…〉
矢口知子〈周平さんは穏やかで優しくて…とても人から恨みを買う様な人じゃありません。でも…もしかして…香月さんなら…〉
千葉刑事〈矢口さんが以前交際していた人物だそうです〉
目暮警部〈昨日の昼、犯人は和室の窓を破って忍び込み〉
目暮警部〈鉄パイプで被害者を気絶させたのち〉
目暮警部〈ビニールロープで絞殺した〉
高木刑事〈ただおかしな事に鉄パイプは指紋が残っていたのに、ビニールロープには残っていなかったそうで…〉
矢口知子〈周平さんは穏やかで優しくて…とても人から恨みを買う様な人じゃありません。でも…もしかして…香月さんなら…〉
千葉刑事〈矢口さんが以前交際していた人物だそうです〉
香月陽介〈やあ、意外と早かったですね。丁度これから自首しようとしていた所なんですよ〉
目暮警部〈では認めるんだね?小田原氏の殺害を〉
香月陽介〈ええ、逃げも隠れもしません。原因は知子です。どうしてあの女、この上なく素晴らしい僕よりもあんな冴えない小田原君を選ぶのか。これは思い知らせてやらねばと思いました。それで小田原君に死んで貰う事にしたんです〉
目暮警部〈では認めるんだね?小田原氏の殺害を〉
香月陽介〈ええ、逃げも隠れもしません。原因は知子です。どうしてあの女、この上なく素晴らしい僕よりもあんな冴えない小田原君を選ぶのか。これは思い知らせてやらねばと思いました。それで小田原君に死んで貰う事にしたんです〉
目暮警部〈香月陽介、君を小田原周平氏殺害容疑で逮捕する〉
香月陽介〈はい!〉
目暮警部「順調だったのはそこまでだ。奴の供述が現場の状況と噛み合わんのだ」
目暮警部〈小田原氏を殺害したのは夕方?〉
香月陽介〈ええ、そうです。昨日の夕方6時頃です〉
高木刑事〈ではちなみに昼頃はどこに〉
目暮警部「順調だったのはそこまでだ。奴の供述が現場の状況と噛み合わんのだ」
目暮警部〈小田原氏を殺害したのは夕方?〉
香月陽介〈ええ、そうです。昨日の夕方6時頃です〉
高木刑事〈ではちなみに昼頃はどこに〉
目暮警部「だがそれも司法解剖の結果が出て謎が解けた。死因はビニールロープで首を絞められた為の窒息死。時刻は昼の1時から3時の間で現場での見立て通りだったんだが、頭部の打撲痕は死後数時間経ってからつけられたものだったんだ」
香月陽介〈そんなバカな!僕が小田原君を殺したんだ!〉
香月陽介〈正直に話します警部さん!僕はあの家に二度忍び込んだんです!一度は昼、合い鍵で忍び込んで小田原君を絞殺した。この時は手袋をしていました〉
香月陽介〈しかし夕方になって不安になってきました。小田原君は気絶しただけなんじゃないかと…〉
香月陽介〈そこで取って返して窓を破って忍び込んだ!で、ソファーの小田原君に鉄パイプでトドメの一撃を…この時は迂闊にも手袋し忘れて指紋を残してしまった!これが真相です〉
目暮警部〈とにかく遺体の損壊については追って考えるとして殺人に関しては嫌疑なしだ〉
香月陽介〈正直に話します警部さん!僕はあの家に二度忍び込んだんです!一度は昼、合い鍵で忍び込んで小田原君を絞殺した。この時は手袋をしていました〉
香月陽介〈しかし夕方になって不安になってきました。小田原君は気絶しただけなんじゃないかと…〉
香月陽介〈そこで取って返して窓を破って忍び込んだ!で、ソファーの小田原君に鉄パイプでトドメの一撃を…この時は迂闊にも手袋し忘れて指紋を残してしまった!これが真相です〉
目暮警部〈とにかく遺体の損壊については追って考えるとして殺人に関しては嫌疑なしだ〉
香月陽介〈いやです!一旦殺人容疑で逮捕しておいて嫌疑無しだなんて無責任でしょ!〉
目暮警部「二日経った今も署に居座り続けている。“Xなど関係ない。自分が犯人だ”と言い張ってな」
目暮警部「今彼に絡んだというチンピラを栄都町で探してる。アリバイ証人が見つかれば、彼も納得するしかないからな。勿論真犯人の方の捜査も進めていていくつか目撃証言も出て来た」
目暮警部「何日か前近所の住人が小田原家を覗いてる男を見かけており、いかにも怪しげだったらしい」
目暮警部「更に婚約者の矢口さんによると、やはり何日か前、小田原氏は復讐を予告する様な電話を受けていたらしい」
目暮警部「つまり、Xは小田原氏に深い恨みを持つ者。そこで小田原氏の古くからの友人にも当たってみたのだが、これといった収穫はなかった」
目暮警部「二日経った今も署に居座り続けている。“Xなど関係ない。自分が犯人だ”と言い張ってな」
目暮警部「今彼に絡んだというチンピラを栄都町で探してる。アリバイ証人が見つかれば、彼も納得するしかないからな。勿論真犯人の方の捜査も進めていていくつか目撃証言も出て来た」
目暮警部「何日か前近所の住人が小田原家を覗いてる男を見かけており、いかにも怪しげだったらしい」
目暮警部「更に婚約者の矢口さんによると、やはり何日か前、小田原氏は復讐を予告する様な電話を受けていたらしい」
目暮警部「つまり、Xは小田原氏に深い恨みを持つ者。そこで小田原氏の古くからの友人にも当たってみたのだが、これといった収穫はなかった」
毛利小五郎「香月の奴、真犯人Xの正体に気付いたんだ!それでそいつを庇おうと警察に居座っているのよ」
毛利小五郎「とにかく小田原氏の古い友人なら香月の事も知ってるハズだ!」
江本工次「居ません。警部さんにも言ったんすけど、小田原は人に恨まれる様な奴じゃありません」
江本工次「それと香月だけど、誰かを庇うなんて考えられません。自分の事しか愛していないんすから」
毛利小五郎「偽装工作だよ!自分が被害者の知り合いだと警察に悟らせない為のな」
矢口知子「“遠い日の恨み返してやる”確かそんな電話だったようです。でも周平さん思い当たる事がないんでイタズラだと思って切ろうとしたら」
「身近な人間にも忠告しておけ。巻き添えにならないよう用心しろとな」
矢口知子「言ってました。周平さんその一言が気になるから私にも伝えると…でなきゃそんな電話の事なんか話さないって…だから私、防犯会社に相談した方がいいって言ったんです…なのに…」
林三歩「あんなに怪しいのは滅多におらん」
林三歩「おまけに声をかけたら、慌てて逃げ出しおった」
毛利小五郎「くそ…もうすぐ時間切れだ!留置期限で居座り野郎が警察を出るまでに真犯人Xを見つけて警部殿を悩みから解放してあげたかったんだけな~」
コナン「(あー!そういう事だったのか!だとすれば)」
千葉刑事「え?急いで確認してほしいって…何をです?毛利さん」
矢口知子「ええ、そうです。周平さんが亡くなった日の朝早く」
目暮警部「何がだね?」
小五郎(コナン)「被害者への予告電話に真昼間の怪しい人物」
小五郎(コナン)「どうも自分には犯人Xが自分の存在をアピールしている様にしか思えないんです」
小五郎(コナン)「つまり、犯人Xなど存在しないんです。そして小田原氏を殺害したのはそこにいる香月陽介君」
小五郎(コナン)「君だという事だ」
小五郎(コナン)「犯行当日の昼、君は小田原家を客として訪れた」
小五郎(コナン)「そして隙を見て手袋をはめ、背後から小田原氏を殺害」
小五郎(コナン)「そのままその場に居続けた。その後夕方になり」
小五郎(コナン)「改めて小田原氏の遺体を素手で持った鉄パイプで殴りつけた」
小五郎(コナン)「つまり、犯人Xは架空の人物。警察から逃げ切る為にそこの香月君がでっち上げた人物なんです」
小五郎(コナン)「更に君は前もってXの存在を暗示する為の工作を続けていた」
香月陽介「身近な人間にも忠告しておけ。巻き添えにならないよう用心しろとな」
小五郎(コナン)「その一言で矢口知子さんを証言役に仕立てた。いかに怪しい服装で目撃者も作った」
小五郎(コナン)「犯行の下見に昼間からそんな恰好でうろつくのは不自然だ。小田原家の窓ガラスを破ったのも君以外に犯人がいると思わせる為です」
小五郎(コナン)「どうも自分には犯人Xが自分の存在をアピールしている様にしか思えないんです」
小五郎(コナン)「つまり、犯人Xなど存在しないんです。そして小田原氏を殺害したのはそこにいる香月陽介君」
小五郎(コナン)「君だという事だ」
小五郎(コナン)「犯行当日の昼、君は小田原家を客として訪れた」
小五郎(コナン)「そして隙を見て手袋をはめ、背後から小田原氏を殺害」
小五郎(コナン)「そのままその場に居続けた。その後夕方になり」
小五郎(コナン)「改めて小田原氏の遺体を素手で持った鉄パイプで殴りつけた」
小五郎(コナン)「つまり、犯人Xは架空の人物。警察から逃げ切る為にそこの香月君がでっち上げた人物なんです」
小五郎(コナン)「更に君は前もってXの存在を暗示する為の工作を続けていた」
香月陽介「身近な人間にも忠告しておけ。巻き添えにならないよう用心しろとな」
小五郎(コナン)「その一言で矢口知子さんを証言役に仕立てた。いかに怪しい服装で目撃者も作った」
小五郎(コナン)「犯行の下見に昼間からそんな恰好でうろつくのは不自然だ。小田原家の窓ガラスを破ったのも君以外に犯人がいると思わせる為です」
小五郎(コナン)「ロープで殺害した後、鉄パイプで殴りつけるまでの間に何時間もおいたのも同じ狙いだ。そして最後に警察を誘導する為、自分を逮捕させた」
小五郎(コナン)「どんなに注意を払ったとしても現場に自分の痕跡を残してしまう可能性をゼロにはできない。そこで君は考えた。小田原氏を殺害しようと忍び込んだのだから、痕跡が残っていて当然だ。しかし何者かに先を越されていた。これで殺害容疑から逃げ切れるとね」
香月陽介「全て毛利小さんの想像じゃないですか」
小五郎(コナン)「どんなに注意を払ったとしても現場に自分の痕跡を残してしまう可能性をゼロにはできない。そこで君は考えた。小田原氏を殺害しようと忍び込んだのだから、痕跡が残っていて当然だ。しかし何者かに先を越されていた。これで殺害容疑から逃げ切れるとね」
香月陽介「全て毛利小さんの想像じゃないですか」
小五郎(コナン)「ところで香月君、忍び込む為の合い鍵はいつ用意したんだね?」
香月陽介「さぁ、一週間が、二週間くらい前ですかね~随分前の事ではっきり覚えていません」
小五郎(コナン)「例の犯人らしき人物からの電話の事聞かされた時、矢口さんは防犯会社に相談する様、小田原氏に勧めたんだそうだ」
小五郎(コナン)「そこで確認した所、念のため玄関の鍵を交換していた」
小五郎(コナン)「事件当日の早朝にね」
小五郎(コナン)「つまり、仮に君が本当に合い鍵を用意していたとしてもそれであの玄関は開けられないんだよ」
千葉刑事「見つけました毛利さん!」
小五郎(コナン)「例の犯人らしき人物からの電話の事聞かされた時、矢口さんは防犯会社に相談する様、小田原氏に勧めたんだそうだ」
小五郎(コナン)「そこで確認した所、念のため玄関の鍵を交換していた」
小五郎(コナン)「事件当日の早朝にね」
小五郎(コナン)「つまり、仮に君が本当に合い鍵を用意していたとしてもそれであの玄関は開けられないんだよ」
千葉刑事「見つけました毛利さん!」
小五郎(コナン)「事件当日、昼の1時前に瀬分台の駅を出た君は夕方、小田原氏の遺体を殴りつけるまでの数時間、一体どこで何をしていたんだい?香月陽介君」
香月陽介「さてと、留置所に戻るとしましょうか。悪あがきはこの僕には似合いませんから!」