第4話 神樹① ~教祖登場~
Divine Tree 1 ~The Founder Appears~
キャスト
🔷影山茂夫 モブ Kageyama Shigeo CV.伊藤節生
🔷霊幻新隆 Reigen Arataka CV.櫻井孝宏
🔷エクボ Dimple CV.大塚明夫
🔷影山律 Kageyama Ritsu CV.入野自由
🔷花沢輝気 テル Hanazawa Teruki CV.松岡禎丞
🔷米里イチ Mezato Ichi CV.嶋村侑
🔷峯岸稔樹 Minegishi Toshiki CV.小林裕介
影山茂夫「米里さん、おはよう。昨日どうして待ち合わせ場所に来なかったの?」
米里イチ「あ…おはようモブ君。ごめん…昨日の約束ね。すっかり忘れてたわ」
影山茂夫「あのブロッコリーが?」
霊幻新隆「そう!つまり奴を放置すればそんな建物調査の依頼ばっかになっちまう」
影山茂夫「それは別にいいんじゃ…」
霊幻新隆「労力が多い割に金にならないんだよ」
霊幻新隆「それにまぁ…俺達の責任も少~しだけある。モブ!協力してくれ。あのブロッコリーを破壊しに行くぞ!」
影山茂夫「わかりました」
花沢輝気「(洗脳波の発信源は神樹の方角だった)」
花沢輝気「(退治してこの町から追放してやる!)」
花沢輝気「この奥か…悪いけどちょっと穴開けるよ」
花沢輝気「うっ!バリアか!?」
花沢輝気「どうやらそっちも僕を待ち構えてたみたいだね」
花沢輝気「ん?」
花沢輝気「あれ?影山君か?(似ているだけか?) 誰?君ここで何をしているんだい?」
花沢輝気「お前の洗脳はサイコヘルメット教に対する畏敬の念のようなものを強制的に抱かせてくる」
花沢輝気「だが強い感情で押しのければ洗脳もされないようだ」
「行くぞ」
花沢輝気「もう飽き飽きなんだよ。人を力で支配しようって奴には…そんなことをしても神になんて…主役になんてなれないんだよ」
花沢輝気「さて、一体何者だったんだ?」
花沢輝気「これは…ハッ!」
店長「峯岸君、そろそろ休憩入っていいよ」
峯岸稔樹「はい」
峯岸稔樹「店長、植物の様子がおかしいです」
峯岸稔樹「午前には元気だった花がもうしおれてる」
峯岸稔樹「まるで生気でも吸われたように元気を失ってます。原因を探る必要があると…」
店長「峯岸君、休憩だと言ったら、さっさと休憩に入りなさい」
峯岸稔樹「(放っておけば土地が死んでいく。僕が早めに気付いてよかったな)」
峯岸稔樹「お前は欲張りに育ちすぎた。命令だ。これ以上…」
店長「おーい峯岸君、いつまで休憩してるんだ。あれ?峯岸君?」
花沢輝気「はぁ…はぁ…しつこいな。いつまで再生するんだ?」
「お前じゃ俺様を止められねぇよ」
エクボ「神樹の幹から受肉してサイコヘルメット教のアイコンをイメージしたんだ。霊体のままじゃ信者達に見えねぇからよ!」
花沢輝気「目的は何だ?影山君は君の暴走を知っているのか?」
エクボ「シゲオなんざ関係ねぇ。俺様の目的は昔から一つ!現代の神になることだ」
花沢輝気「そうか残念だ。また君を消すことになるとはな」
花沢輝気「影山君には静かに成仏したとでも伝えておくよ」
花沢輝気「さよならだ!」
影山茂夫「何か変じゃないですか?」
霊幻新隆「ん?」
影山茂夫「町の雰囲気が…まるで監視されてるような」
霊幻新隆「そういやお前最近モテ始めたとか言ってたな。自意識過剰な時期ってのは誰にでもあるもんだが、あまり人に言わない方がいいぞ?数年経って後悔するからな」
影山茂夫「あのブロッコリーを破壊するってどうするんですか?」
霊幻新隆「まぁ一応考えてはある」
霊幻新隆「簡単だろ?」
影山茂夫「えっと…あれを海まで運ぶのが僕で…」
霊幻新隆「そう、安全を確保しつつ誘導するのが俺だ」
影山律「あれ持ち上げるなんて無理じゃない兄さん…」
影山茂夫「前に何人かでピアノを運んだんだ」
影山茂夫「一人じゃ絶対無理だったけど力を合わせたら持ち上がった。だからできるかも」
影山律「はぁ…」
「神樹の粉末です。どうぞ健康にいいですよ」
霊幻新隆「どうした?やっぱ気が乗らねぇか?」
影山律「いや…」
霊幻新隆「頼むよ律君~手を打たないと調味市に住めなくなる」
霊幻新隆「ウチのおふくろが昔庭にスイカを植えたら他の草花が全滅したって言ってたし、あの規模の大きさがごっそり養分を…ぱっ」
影山律「わかったわかった。わかりました。協力しますよ」
影山茂夫「どうかした?」
影山律「いや…ちょっとね」
神室真司〈お祈りの時間?何だそれは?〉
牧原〈今日も一日幸せに過ごせますようにってお祈りするんです〉
徳川光〈何の話だ?大丈夫か牧原?大体何に対して祈るんだ?〉
〈賛成〉
霊幻新隆「ふーん…ってことはブロッコリーを排除するのはそいつらを敵に回すってことか」
霊幻新隆「でも調べた感触じゃ無害そうな集団なんだよな。グッズの販売や意見交換。宗教っていうより同好会だな。珍しいものに関心が集中してるだけのお祭り状態」
影山律「そういうの得体が知れないって言うんですよ」
霊幻新隆「もちろん警戒する必要はある。妨害も考えられるな。とりあえず素早く引っこ抜いてすぐ立ち去る方向で行くか」
影山律「(頭が痛い!)」
影山律「糖分でも摂ろう」
影山茂夫「律、飴なんて学校に持って行ってるの?」
影山律「ああこれ?さっき生徒会長に貰ったんだ」
神室真司〈影山君、帰る前にこれ〉
影山律〈何です?〉
神室真司〈町おこしで作り始めた商品らしいんだけど、ウチの親父が県議会で試供品いっぱい貰ってきちゃってね」
影山律〈いただきます〉
神室真司〈助かるよ〉
影山律「兄さんも舐めてみて」
影山茂夫「ありがとう」
影山律「霊幻さんもどうぞ」
霊幻新隆「ちょっと待て!いつの間にそいつらと情報共有した?」
影山茂夫「律…どうしたの?」
影山律「ふと思ったんだ。神樹を守らなきゃって。そしたらみんながここに集まる気がしてきて」
霊幻新隆「俺達をここに連れてきてどうしようってんだ」
霊幻新隆「ゲッ!あの飴…」
浄堂麒麟「あーっ!逃げたー!」
霊幻新隆「くそ!もう町の大半がサイコヘルメット教の信者になってるようだな…」
影山茂夫「どうしてこんなことに…どうすれば…ハッ」
霊幻新隆「サイコヘルメットは未知の能力者だ。目的どころか何を考えてるかもわからん。神樹に行けば本人が邪魔しに現れるだろう。もし悪人だったらブッ飛ばしてでもみんなの洗脳を解かせよう!」
霊幻新隆「なぁモブ、お前サイコヘルメット教をどう思う?悪い奴らだと思うか?」
影山茂夫「もしあの人が偽物でみんなを騙して崇めさせているんだとしたらやり方が気にくわない」
霊幻新隆「だがモブよ、元々本物がいないのに奴を偽物というのはどの立場からなんだ?もしかしてお前…自分が本物のサイコヘルメットだとでも言いたいのか?」
霊幻新隆「きっと大変な仕事だ。モブにはできないことをあの方は実践してるんだ。そう目の敵にするもんじゃないぜ。祭りは楽しんだもん勝ちだ。彼らの神樹が必要だって言うなら無理に奪うってのはよくないかもな。よし!一旦帰るぞモブ」
霊幻新隆「町そのものより住民の心が大事だろ。最早全住民がサイコヘルメット教信者なんだからその気持ちを汲むべきだろ」
霊幻新隆「これからこの町は、この世界は神樹やサイコヘルメット教と共生していくんだから…」
霊幻新隆「おいモブ!俺は行かねぇぞ!おい!」
米里イチ「集会の前日に幹部会議があってね、そこにふらっと現れたのよ。本物の教祖様が」
米里イチ「人違いだったのにモブ君のこと巻き込んでごめんね。もう大丈夫だから」
影山茂夫「大丈夫…?何が…?え?どういうこと?」
暗田トメ「ごめんごめん。すっかり忘れてた。いやどうして土壇場で忘れちゃったんだか…」
影山茂夫「もしかしてサイコヘルメット教と関係ありますか?」
暗田トメ「え?よくわかったわね!昨日急に勧誘されてセミナーに行ったら宇宙よりそっちに興味が湧いちゃった」
暗田トメ「みんな!今日からここは脳感電波部改めサイコヘルメット教塩中分室よ」
犬川豆太「え~それって何するんすか?」
暗田トメ「サイコヘルメット教に祈りを捧げるの。一日5分でご利益があるんだって」
犬川豆太「なんか雑っすね」
霊幻新隆「昨日のサイコヘルメット教の集会、動画再生数は既に200万回を超えてる。どうだ?そいつが教祖になった奴だ。見覚えあるか?」
米里イチ「人違いだったのにモブ君のこと巻き込んでごめんね。もう大丈夫だから」
影山茂夫「大丈夫…?何が…?え?どういうこと?」
暗田トメ「ごめんごめん。すっかり忘れてた。いやどうして土壇場で忘れちゃったんだか…」
影山茂夫「もしかしてサイコヘルメット教と関係ありますか?」
暗田トメ「え?よくわかったわね!昨日急に勧誘されてセミナーに行ったら宇宙よりそっちに興味が湧いちゃった」
暗田トメ「みんな!今日からここは脳感電波部改めサイコヘルメット教塩中分室よ」
犬川豆太「え~それって何するんすか?」
暗田トメ「サイコヘルメット教に祈りを捧げるの。一日5分でご利益があるんだって」
犬川豆太「なんか雑っすね」
影山茂夫「あ!」
霊幻新隆「超能力者だよな。この後他の連中はそのまま入信した。こいつが教祖になるなら残念だが、もうモブの出る幕はなさそうだな」
霊幻新隆「まぁもういいか。元々お前はそういうタイプじゃないしな」
影山茂夫「それで大事な話って?」
霊幻新隆「まぁもういいか。元々お前はそういうタイプじゃないしな」
影山茂夫「それで大事な話って?」
影山茂夫「あのブロッコリーが?」
霊幻新隆「そう!つまり奴を放置すればそんな建物調査の依頼ばっかになっちまう」
影山茂夫「それは別にいいんじゃ…」
霊幻新隆「労力が多い割に金にならないんだよ」
霊幻新隆「それにまぁ…俺達の責任も少~しだけある。モブ!協力してくれ。あのブロッコリーを破壊しに行くぞ!」
影山茂夫「わかりました」
「こんにちは。どうぞ」
「え?何これ?」
「神樹の一部を粉末にしたものです。滋養強壮に効きますよ~」
「新メニューが始まってるな!」
「私神樹パフェ食べたい!」
「神樹コロッケだって!」
「試食もあるみたい」
「調味市は町おこしに気合入ってんなー」
花沢輝気「お?手作りクッキーだったか」
花沢輝気「ん?“活力が湧く神樹の粉末をかけたのでこれを食べていっぱい元気出してね♡”。神樹の粉末って駅前でも配ってたな」
花沢輝気「うん…普通…よくあるプラシーボ系の商品だろう」
花沢輝気「こういうのいいよね…神樹…最高…サイコヘルメット様…万歳」
花沢輝気「オェエえええ (感情を即支配する強力な洗脳!こんなものを町で配ってるのか!許せない!)」
「え?何これ?」
「神樹の一部を粉末にしたものです。滋養強壮に効きますよ~」
「新メニューが始まってるな!」
「私神樹パフェ食べたい!」
「神樹コロッケだって!」
「試食もあるみたい」
「調味市は町おこしに気合入ってんなー」
花沢輝気「お?手作りクッキーだったか」
花沢輝気「ん?“活力が湧く神樹の粉末をかけたのでこれを食べていっぱい元気出してね♡”。神樹の粉末って駅前でも配ってたな」
花沢輝気「うん…普通…よくあるプラシーボ系の商品だろう」
花沢輝気「こういうのいいよね…神樹…最高…サイコヘルメット様…万歳」
花沢輝気「オェエえええ (感情を即支配する強力な洗脳!こんなものを町で配ってるのか!許せない!)」
花沢輝気「(洗脳波の発信源は神樹の方角だった)」
花沢輝気「(退治してこの町から追放してやる!)」
花沢輝気「うっ!バリアか!?」
花沢輝気「どうやらそっちも僕を待ち構えてたみたいだね」
花沢輝気「ん?」
花沢輝気「あれ?影山君か?(似ているだけか?) 誰?君ここで何をしているんだい?」
花沢輝気「ありがとうございます…」
「今後も信仰に励みなさい」
花沢輝気「はい…信仰…神…サイコヘルメット…神樹…宗教?」
「今後も信仰に励みなさい」
花沢輝気「はい…信仰…神…サイコヘルメット…神樹…宗教?」
「洗脳じゃない。これは恵みだ」
「何も持たぬ凡人や居場所を求める連中に心の拠り所を提供してやってるんだ」
「オイオイ…殺す気かよ」
花沢輝気「どうせ人じゃないんだろ」
「その通り…神だ!神に刃向かうなんてどうかしてるぞ!ほら!よく考えてみろ!」
花沢輝気「また洗脳か…いい加減にしろよ!」
「何も持たぬ凡人や居場所を求める連中に心の拠り所を提供してやってるんだ」
「オイオイ…殺す気かよ」
花沢輝気「どうせ人じゃないんだろ」
「その通り…神だ!神に刃向かうなんてどうかしてるぞ!ほら!よく考えてみろ!」
花沢輝気「また洗脳か…いい加減にしろよ!」
花沢輝気「お前の洗脳はサイコヘルメット教に対する畏敬の念のようなものを強制的に抱かせてくる」
花沢輝気「だが強い感情で押しのければ洗脳もされないようだ」
花沢輝気「もう飽き飽きなんだよ。人を力で支配しようって奴には…そんなことをしても神になんて…主役になんてなれないんだよ」
花沢輝気「さて、一体何者だったんだ?」
花沢輝気「これは…ハッ!」
峯岸稔樹「はい」
峯岸稔樹「店長、植物の様子がおかしいです」
峯岸稔樹「午前には元気だった花がもうしおれてる」
峯岸稔樹「まるで生気でも吸われたように元気を失ってます。原因を探る必要があると…」
店長「峯岸君、休憩だと言ったら、さっさと休憩に入りなさい」
峯岸稔樹「(放っておけば土地が死んでいく。僕が早めに気付いてよかったな)」
峯岸稔樹「お前は欲張りに育ちすぎた。命令だ。これ以上…」
店長「おーい峯岸君、いつまで休憩してるんだ。あれ?峯岸君?」
「お前じゃ俺様を止められねぇよ」
「なぁ?花沢」
エクボ「神樹の幹から受肉してサイコヘルメット教のアイコンをイメージしたんだ。霊体のままじゃ信者達に見えねぇからよ!」
花沢輝気「目的は何だ?影山君は君の暴走を知っているのか?」
エクボ「シゲオなんざ関係ねぇ。俺様の目的は昔から一つ!現代の神になることだ」
花沢輝気「そうか残念だ。また君を消すことになるとはな」
花沢輝気「影山君には静かに成仏したとでも伝えておくよ」
花沢輝気「さよならだ!」
霊幻新隆「ん?」
影山茂夫「町の雰囲気が…まるで監視されてるような」
霊幻新隆「そういやお前最近モテ始めたとか言ってたな。自意識過剰な時期ってのは誰にでもあるもんだが、あまり人に言わない方がいいぞ?数年経って後悔するからな」
影山茂夫「あのブロッコリーを破壊するってどうするんですか?」
霊幻新隆「まぁ一応考えてはある」
霊幻新隆「簡単だろ?」
影山茂夫「えっと…あれを海まで運ぶのが僕で…」
霊幻新隆「そう、安全を確保しつつ誘導するのが俺だ」
影山律「あれ持ち上げるなんて無理じゃない兄さん…」
影山茂夫「前に何人かでピアノを運んだんだ」
影山茂夫「一人じゃ絶対無理だったけど力を合わせたら持ち上がった。だからできるかも」
影山律「はぁ…」
「神樹の粉末です。どうぞ健康にいいですよ」
霊幻新隆「どうした?やっぱ気が乗らねぇか?」
影山律「いや…」
霊幻新隆「頼むよ律君~手を打たないと調味市に住めなくなる」
霊幻新隆「ウチのおふくろが昔庭にスイカを植えたら他の草花が全滅したって言ってたし、あの規模の大きさがごっそり養分を…ぱっ」
影山律「わかったわかった。わかりました。協力しますよ」
影山茂夫「どうかした?」
影山律「いや…ちょっとね」
牧原〈今日も一日幸せに過ごせますようにってお祈りするんです〉
徳川光〈何の話だ?大丈夫か牧原?大体何に対して祈るんだ?〉
徳川光〈おい牧原…〉
〈賛成〉〈賛成〉
徳川光〈神室…〉
影山律「兄さん、サイコヘルメット教って知ってる?」
影山茂夫「え?律も興味あるの?」
影山律「まさか…でも学校にも信者がたくさんいるみたいで拡大の勢いがどうも妙でね。で、彼らのご神体っていうの?それがあの神樹なんだ」
影山茂夫「え?律も興味あるの?」
影山律「まさか…でも学校にも信者がたくさんいるみたいで拡大の勢いがどうも妙でね。で、彼らのご神体っていうの?それがあの神樹なんだ」
霊幻新隆「ふーん…ってことはブロッコリーを排除するのはそいつらを敵に回すってことか」
霊幻新隆「でも調べた感触じゃ無害そうな集団なんだよな。グッズの販売や意見交換。宗教っていうより同好会だな。珍しいものに関心が集中してるだけのお祭り状態」
影山律「そういうの得体が知れないって言うんですよ」
霊幻新隆「もちろん警戒する必要はある。妨害も考えられるな。とりあえず素早く引っこ抜いてすぐ立ち去る方向で行くか」
影山律「(頭が痛い!)」
影山律「糖分でも摂ろう」
影山茂夫「律、飴なんて学校に持って行ってるの?」
影山律「ああこれ?さっき生徒会長に貰ったんだ」
神室真司〈影山君、帰る前にこれ〉
影山律〈何です?〉
神室真司〈町おこしで作り始めた商品らしいんだけど、ウチの親父が県議会で試供品いっぱい貰ってきちゃってね」
影山律〈いただきます〉
神室真司〈助かるよ〉
影山律「兄さんも舐めてみて」
影山茂夫「ありがとう」
影山律「霊幻さんもどうぞ」
影山律「その前に一か所寄っていいですか」
霊幻新隆「ずいぶん早歩きだな」
影山茂夫「どこ行くの?律」
影山律「………」
影山茂夫「律?」
影山律「この中、紹介したい人達がいるんだ」
影山茂夫「律、この人達は?」
影山律「サイコヘルメット教の人達だよ」
霊幻新隆「はぁ?」
霊幻新隆「ずいぶん早歩きだな」
影山茂夫「どこ行くの?律」
影山律「………」
影山茂夫「律?」
影山茂夫「律、この人達は?」
影山律「サイコヘルメット教の人達だよ」
霊幻新隆「はぁ?」
霊幻新隆「ちょっと待て!いつの間にそいつらと情報共有した?」
影山茂夫「律…どうしたの?」
影山律「ふと思ったんだ。神樹を守らなきゃって。そしたらみんながここに集まる気がしてきて」
霊幻新隆「俺達をここに連れてきてどうしようってんだ」
霊幻新隆「ゲッ!あの飴…」
影山茂夫「飴?」
霊幻新隆「落ち着け。まだ実害が生じた様子はないから慎重に探りを…」
「おいあんたら、無駄なことはせん方がいいぞ。サイコヘルメット様は全て見ておられる」
霊幻新隆「ハァ…ハァ…モブ…今度は間違いじゃねぇな。俺達は監視されてる。え!なんだそのシャ!なんで脱いだ?」
影山茂夫「走ったら暑くなったので…」
霊幻新隆「着とけよ。学ランは防御力高いし」
「神樹をどうにかするなんて」
「無理ですよ。あなた達には」
浄堂麒麟「霊幻新隆!神樹を伐採しようなどと企んでいるそうだな!この儂が説教をして…」
「おいあんたら、無駄なことはせん方がいいぞ。サイコヘルメット様は全て見ておられる」
影山茂夫「走ったら暑くなったので…」
霊幻新隆「着とけよ。学ランは防御力高いし」
「神樹をどうにかするなんて」
「無理ですよ。あなた達には」
浄堂麒麟「霊幻新隆!神樹を伐採しようなどと企んでいるそうだな!この儂が説教をして…」
浄堂麒麟「あーっ!逃げたー!」
霊幻新隆「くそ!もう町の大半がサイコヘルメット教の信者になってるようだな…」
影山茂夫「どうしてこんなことに…どうすれば…ハッ」
霊幻新隆「サイコヘルメットは未知の能力者だ。目的どころか何を考えてるかもわからん。神樹に行けば本人が邪魔しに現れるだろう。もし悪人だったらブッ飛ばしてでもみんなの洗脳を解かせよう!」
霊幻新隆「お前もそう思うか。俺も…」
影山茂夫「でも新教祖が登場してからは違う」
影山茂夫「でも新教祖が登場してからは違う」
影山茂夫「もしあの人が偽物でみんなを騙して崇めさせているんだとしたらやり方が気にくわない」
霊幻新隆「だがモブよ、元々本物がいないのに奴を偽物というのはどの立場からなんだ?もしかしてお前…自分が本物のサイコヘルメットだとでも言いたいのか?」
影山茂夫「いや…」
霊幻新隆「元々教祖の存在なんて虚像でしかなかったわけだろ?」
霊幻新隆「元々教祖の存在なんて虚像でしかなかったわけだろ?」
霊幻新隆「きっと大変な仕事だ。モブにはできないことをあの方は実践してるんだ。そう目の敵にするもんじゃないぜ。祭りは楽しんだもん勝ちだ。彼らの神樹が必要だって言うなら無理に奪うってのはよくないかもな。よし!一旦帰るぞモブ」
霊幻新隆「町そのものより住民の心が大事だろ。最早全住民がサイコヘルメット教信者なんだからその気持ちを汲むべきだろ」
霊幻新隆「これからこの町は、この世界は神樹やサイコヘルメット教と共生していくんだから…」
霊幻新隆「おいモブ!俺は行かねぇぞ!おい!」
影山茂夫「(僕の勘違いならそれでいい…あの人も…あの人も…あの人も…あの人も…)」
影山茂夫「(もしかしたら…この町で…僕だけが…)」
米里イチ「会いに行くの?」
影山茂夫「うん、直接会って話がしたいんだ」
影山茂夫「(もしかしたら…この町で…僕だけが…)」
米里イチ「会いに行くの?」
影山茂夫「うん、直接会って話がしたいんだ」
「サイコヘルメット様の声が聞こえる…影山茂雄は初代サイコヘルメット様だ!」
「サイコヘルメット様がついに!」
「ダブル教祖よ!」
「ダブル教祖よ!」
「やったー!」
「ますます盛り上がるぞ!」
「ますます盛り上がるぞ!」