第3期6話 神樹③ ~エクボは~
Divine Tree 3 ~Dimple Is~
花沢輝気〈皆も見たら驚くだろうな!影山君のオシャレさに〉
影山律〈今度貸してくれるの?いや…僕は大丈夫だよ…ハハ…〉
霊幻新隆〈え!?何だそのシャツ…何で脱いだ?着とけよ…学ランは防御力高いし…〉
影山律〈兄さんにも遂にモテ期が〉
花沢輝気〈それは勘違いなんかじゃないさ〉
エクボ〈勘違いだぞ。怪我する前に自覚しとけよ〉
影山茂夫「あの時…調子乗っててエクボの話聞いてなかった」
影山茂夫「あの時にちゃんと話し合えばよかった」
影山茂夫「自分がモテてるかどうかばっかり気になって…もっと大切なものを見落としちゃってたんだな…ごめんエクボ。ずーっとやりたかったこと…求めてやまなかったものを遂に手に入れられそうだっていうときに…」
影山茂夫「エクボは僕を誘ってくれてたんだよね。こうやって一人てでも実現できるのに…わざわざ僕を誘ってくれたんだ。それこそが一番大事なことだったんだ。悪だくみなんかじゃなくてやりたかったことをやりたかっただけ…僕と一緒に」
影山茂夫「僕のことを先に信頼してくれたのはエクボだったんだ。ありがとう」
エクボ「おいおいやめろよ。勝手に俺様の気持ちを捏造すんじゃねぇよ。気味悪くてぞわぞわっと鳥肌立ったぜ」
エクボ「(違和感があった。漠然となんか違うなぁーと思ってたんだ)」
エクボ「(こんだけ大勢の信者が集まって)」
エクボ「(これといった天敵もいねぇ…自分が中心の世界が手に入る)」
エクボ「(ほとんど計画通りの神になったようなものなのにいまいち面白くねぇ)」
エクボ「(こいつには共感できねぇことばかりだった。何で日常で超能力を使わねぇんだとか)」
エクボ「(俺様のウマい話に耳を貸さねぇこととか)」
エクボ「(煮え切らない感じとか…イライラもしたが…)」
エクボ「(唯一好きな女を振り向かせたいって欲求からは俺様の中に潜む想いと同じものを感じ取れた)」
エクボ「(認められたい。自分の存在を)」
エクボ「(カッコワライの件の後、コイツは霊である俺を認識した。怖がらず…煙たがらず…結局コイツは俺様を受け入れた)」
エクボ「(その時は利用できると思ったが)」
エクボ「(それとは別に心の中で張りつめていた何が緩んでいくのを感じた。欲の少ないシゲオと一緒にいたせいで俺様まで目的を見失いかけてた?…え?ヤベーじゃんそれ…存在する理由がなくなっちまう)」
エクボ「いや!まだまだこれからだ!俺様にはやりたいことがいっぱいある!野望が!」
影山茂夫「うん…うん…ちゃんと聞くよ。エクボのやりたいこと。友達として」
エクボ「(今まで気づかなかったが…俺様は友達が欲しかったんだ)」
エクボ「シゲオ…お前はすげぇ奴だよ」
エクボ「はぁ~~やめた。市民の精神干渉もやめる。俺様も元に戻る」
影山茂夫「本当にそれでいいの?神になるのが夢だったのに」
エクボ「お前が散々なんとなくダメ理論で突っかかってきたからやめるってんだよ!」
エクボ「信者や俺様の想いを吸収し神樹は自我を持ち始めていた。もし既にサイコヘルメットという自我が発生していて…虎視眈々と制御を失った莫大なエネルギーの指揮権を奪おうとしていたなら…」
サイコヘルメット「それ…置いてけ…栄養…」
エクボ「女にモテたくらいで調子に乗るなんて可愛いもんじゃねぇか…こんな強い力持ってたら調子に乗って当たり前…力に振り回されて当たり前なんだよ…なのにお前は…」
エクボ「男だ。ビッグになるぜ」
エクボ「今のシゲオになら俺様の洗脳が通じる。よく聞け…最初で最後の俺様からの命令。まずは起きろ。立てシゲオ」
影山茂夫「う…足に力が入らない…腕も動かない」
エクボ「体がガタガタだろうがなんだろうが立て」
エクボ「立たなくても立たなきゃいけねぇんだ」
エクボ「元気でな」
影山茂夫「か…帰りましょう」
影山茂夫「皆さん!帰りましょう!」
影山律「兄さん!すごいニュースやってるんだけど!アレ兄さんがやってるんじゃないよね?」
📺「見てください!これが先程撮影された映像です!」
📺「突如出現した神樹と呼ばれる巨大植物が宙に浮かはべ上昇していきます!」
影山律「誰の仕業かわからないけど何が目的でこんな事…不思議だな…」
影山律「あ、不思議と言えば僕夕方くらいから記憶があいまいなんだけど、もしかして兄さんも同じ?」
影山茂夫「僕も思い出せない…どうやって帰って来たのかも…」
影山律「兄さんも?もしかすると集団催眠ってやつかもしれない…こういう怪しい話はエクボが詳しそうだよね。今度聞いてみるよ」
キャスト
🔷影山茂夫 モブ Kageyama Shigeo CV.伊藤節生
🔷霊幻新隆 Reigen Arataka CV.櫻井孝宏
🔷エクボ Dimple CV.大塚明夫
🔷影山律 Kageyama Ritsu CV.入野自由
🔷芹沢克也 Serizawa Katsuya CV. 星野貴紀
🔷花沢輝気 テル Hanazawa Teruki CV.松岡禎丞
🔷高嶺ツボミ Takane Tsubomi CV.佐武宇綺
🔷米里イチ Mezato Ichi CV.嶋村侑
花沢輝気〈いいな!その服似合ってるよ〉
花沢輝気〈皆も見たら驚くだろうな!影山君のオシャレさに〉
影山律〈今度貸してくれるの?いや…僕は大丈夫だよ…ハハ…〉
霊幻新隆〈え!?何だそのシャツ…何で脱いだ?着とけよ…学ランは防御力高いし…〉
影山律〈兄さんにも遂にモテ期が〉
花沢輝気〈それは勘違いなんかじゃないさ〉
エクボ〈勘違いだぞ。怪我する前に自覚しとけよ〉
エクボ「センス最低…」
エクボ「あれッ?」
エクボ「やけに軽くふっ飛んだな…どうしたオイ」
エクボ「(神樹がエネルギーを吸い尽くした?)」
エクボ「(いや違う。さっきの瞬間)」
エクボ「(風船に穴が開いたようにシゲオからエネルギーが放出していた)」
エクボ「おい、残りの力を無駄に使い果たしたのか?わざと?何のために?」
エクボ「おい!寝てんのかシゲオ!何のつもりだ!」
エクボ「目の前にいるのはかつてない強敵だぞ!それじゃ指でチョイと突いただけで終わっちまうぞ!?おおぅ!?」
影山茂夫「そうだね。でもそんな事しないだろ。わかったんだ。エクボと話す時に力なんてあっても邪魔なだけだ」
影山茂夫「これでやっと話ができる」
影山茂夫「ほら」
影山茂夫「やっぱりエクボは信頼できる」
エクボ「信頼?何で?」
影山茂夫「この服の正直な感想を言ってくれたから。エクボはエクボだった」
エクボ「いやいやいや全然意味わかんねぇよ。俺様のやり方が気に食わねぇんだろ?このままほっといていいのかよ!危険な悪霊だ!」
影山茂夫「エクボは危険じゃないよ。もうわかってる。エクボは調子に乗ってただけなんだ。誰にでもそんな時はあるのかも。霊幻師匠も言ってたし」
エクボ「違ぇぞ。きちんとした努力に裏打ちされた自信を身につけた俺様とそこらにいるただの調子こいてる奴を一緒にするんじゃねぇ」
影山茂夫「僕も調子乗ってた。だからわかる」
エクボ「やけに軽くふっ飛んだな…どうしたオイ」
エクボ「(神樹がエネルギーを吸い尽くした?)」
エクボ「(いや違う。さっきの瞬間)」
エクボ「(風船に穴が開いたようにシゲオからエネルギーが放出していた)」
エクボ「おい、残りの力を無駄に使い果たしたのか?わざと?何のために?」
エクボ「目の前にいるのはかつてない強敵だぞ!それじゃ指でチョイと突いただけで終わっちまうぞ!?おおぅ!?」
影山茂夫「そうだね。でもそんな事しないだろ。わかったんだ。エクボと話す時に力なんてあっても邪魔なだけだ」
影山茂夫「これでやっと話ができる」
影山茂夫「ほら」
影山茂夫「やっぱりエクボは信頼できる」
エクボ「信頼?何で?」
影山茂夫「この服の正直な感想を言ってくれたから。エクボはエクボだった」
エクボ「いやいやいや全然意味わかんねぇよ。俺様のやり方が気に食わねぇんだろ?このままほっといていいのかよ!危険な悪霊だ!」
エクボ「違ぇぞ。きちんとした努力に裏打ちされた自信を身につけた俺様とそこらにいるただの調子こいてる奴を一緒にするんじゃねぇ」
影山茂夫「僕も調子乗ってた。だからわかる」
影山茂夫「あの時…調子乗っててエクボの話聞いてなかった」
影山茂夫「あの時にちゃんと話し合えばよかった」
影山茂夫「自分がモテてるかどうかばっかり気になって…もっと大切なものを見落としちゃってたんだな…ごめんエクボ。ずーっとやりたかったこと…求めてやまなかったものを遂に手に入れられそうだっていうときに…」
影山茂夫「エクボは僕を誘ってくれてたんだよね。こうやって一人てでも実現できるのに…わざわざ僕を誘ってくれたんだ。それこそが一番大事なことだったんだ。悪だくみなんかじゃなくてやりたかったことをやりたかっただけ…僕と一緒に」
影山茂夫「僕のことを先に信頼してくれたのはエクボだったんだ。ありがとう」
エクボ「(違和感があった。漠然となんか違うなぁーと思ってたんだ)」
エクボ「(こんだけ大勢の信者が集まって)」
エクボ「(これといった天敵もいねぇ…自分が中心の世界が手に入る)」
エクボ「(ほとんど計画通りの神になったようなものなのにいまいち面白くねぇ)」
エクボ「(こいつには共感できねぇことばかりだった。何で日常で超能力を使わねぇんだとか)」
エクボ「(俺様のウマい話に耳を貸さねぇこととか)」
エクボ「(煮え切らない感じとか…イライラもしたが…)」
エクボ「(唯一好きな女を振り向かせたいって欲求からは俺様の中に潜む想いと同じものを感じ取れた)」
エクボ「(認められたい。自分の存在を)」
エクボ「(カッコワライの件の後、コイツは霊である俺を認識した。怖がらず…煙たがらず…結局コイツは俺様を受け入れた)」
エクボ「(その時は利用できると思ったが)」
エクボ「(それとは別に心の中で張りつめていた何が緩んでいくのを感じた。欲の少ないシゲオと一緒にいたせいで俺様まで目的を見失いかけてた?…え?ヤベーじゃんそれ…存在する理由がなくなっちまう)」
影山茂夫「うん…うん…ちゃんと聞くよ。エクボのやりたいこと。友達として」
エクボ「(今まで気づかなかったが…俺様は友達が欲しかったんだ)」
エクボ「シゲオ…お前はすげぇ奴だよ」
エクボ「はぁ~~やめた。市民の精神干渉もやめる。俺様も元に戻る」
影山茂夫「本当にそれでいいの?神になるのが夢だったのに」
エクボ「お前が散々なんとなくダメ理論で突っかかってきたからやめるってんだよ!」
影山茂夫「力を外に出し過ぎたみたいだ」
影山茂夫「エクボっていつまでそのままなの?」
エクボ「そういやどう処理するつもりだったっけか?」
影山茂夫「念動力で持ち上げて海に落とす」
エクボ「は!?そんなことできるわけが…ないとも言い切れないのかシゲオの怖いところだったな…」
エクボ「召使いじゃねぇぞこら!チッ…ヨダレ垂らすんじゃねぇぞ」
エクボ「(帰るとは言ったが…本来俺様に帰る場所なんてねーんだよな…目的も失ったし…どうすっかなぁ)」
サイコヘルメット「おい…」
エクボ「なに…」
エクボ「(帰るとは言ったが…本来俺様に帰る場所なんてねーんだよな…目的も失ったし…どうすっかなぁ)」
サイコヘルメット「おい…」
エクボ「なに…」
エクボ「信者や俺様の想いを吸収し神樹は自我を持ち始めていた。もし既にサイコヘルメットという自我が発生していて…虎視眈々と制御を失った莫大なエネルギーの指揮権を奪おうとしていたなら…」
サイコヘルメット「それ…置いてけ…栄養…」
エクボ「いや何にもねぇぞ。夢じゃねぇか?」
影山茂夫「まだ家に着いてないの?」
エクボ「おう…ちょっと休憩してたんだよ。俺様も疲れちまってよ」
影山茂夫「そう…」
エクボ「女にモテたくらいで調子に乗るなんて可愛いもんじゃねぇか…こんな強い力持ってたら調子に乗って当たり前…力に振り回されて当たり前なんだよ…なのにお前は…」
エクボ「男だ。ビッグになるぜ」
エクボ「今のシゲオになら俺様の洗脳が通じる。よく聞け…最初で最後の俺様からの命令。まずは起きろ。立てシゲオ」
影山茂夫「う…足に力が入らない…腕も動かない」
エクボ「体がガタガタだろうがなんだろうが立て」
エクボ「立たなくても立たなきゃいけねぇんだ」
エクボ「そして自分の足で歩くんだ。行け」
影山茂夫「エクボは?」
影山茂夫「エクボは?」
エクボ「俺様はちょっと寄る所あっから、さっきに行ってろ」
エクボ「元気でな」
影山茂夫「か…帰りましょう」
影山茂夫「皆さん!帰りましょう!」
📺「見てください!これが先程撮影された映像です!」
📺「突如出現した神樹と呼ばれる巨大植物が宙に浮かはべ上昇していきます!」
影山律「誰の仕業かわからないけど何が目的でこんな事…不思議だな…」
影山律「あ、不思議と言えば僕夕方くらいから記憶があいまいなんだけど、もしかして兄さんも同じ?」
影山茂夫「僕も思い出せない…どうやって帰って来たのかも…」
影山律「兄さんも?もしかすると集団催眠ってやつかもしれない…こういう怪しい話はエクボが詳しそうだよね。今度聞いてみるよ」
影山茂夫「…………」