キャロル「これならどうだ!」
キャロル「(クソッ次の手だ!ネットの高さを操作しろ!)」
ロイド「観察力、判断力、制球力どれも完璧だトバリーくん!君がいてくれて心強いよ!」
フィオナ「アナタ…(ああくそ一生続けこの大会…!わざとタイブレークを永遠に続けて…いやだめよ夜帷。そんなことをしたら先輩に嫌われちゃう。さっき思い出した初心を速攻で失念するところだったわ。危ない危ない)」
ロイド「(夜帷…戦略を熟考している顔だな。すっかり冷静さを取り戻したようだ)」
「ガレッソ選手突然妻に抱きついて倒れたー!」
キャロル「おいおい試合中にイチャつくんじゃねえぞオッサンたちよ (撃つ前に察知された?まさかな)」
フィオナ「アナタ!アナタ大丈夫!?」
ロイド「安心しろ。大したケガじゃない」
ロイド「特殊なゴム弾だ。後ろのダクトに狙撃手がいる。見ろご丁寧にコートと同じ色に塗ってある」
キャロル「おいおい試合中にイチャつくんじゃねえぞオッサンたちよ (撃つ前に察知された?まさかな)」
フィオナ「アナタ!アナタ大丈夫!?」
ロイド「安心しろ。大したケガじゃない」
ロイド「特殊なゴム弾だ。後ろのダクトに狙撃手がいる。見ろご丁寧にコートと同じ色に塗ってある」
フィオナ「すみません。私の不注意でこんな…」
ロイド「どうかな?スタッフや運営は大半が奴らの手の中だろうし、万一大会自体がうやむやになって絵画奪取のチャンスを失ってしまったらそれこそ痛手だ。幸いこいつは弾速が遅い。わざと隙を作りタイミングをずらせばミスショットを誘える。奴らのサインを見逃すな」
フィオナ「やってみます」
「君たち大丈夫かね?」
ロイド「ハハッすみません。昨日の酒が抜けなくて足がもつれました」
フィオナ「やってみます」
「君たち大丈夫かね?」
ロイド「ハハッすみません。昨日の酒が抜けなくて足がもつれました」
「&サーブ!酔いがぶり返してきたのかー!?」
狙撃手「(クソッ外した!?コート工作班!息を合わせて妨害していくぞ!)」
狙撃手「なんとしても坊ちゃんたちを勝たせるのだ!」
「ラジャ!」
「フォニーペアもうまったく意味がわからん動きー!」
狙撃手「(クソッ外した!?コート工作班!息を合わせて妨害していくぞ!)」
狙撃手「なんとしても坊ちゃんたちを勝たせるのだ!」
「ラジャ!」
「フォニーペアもうまったく意味がわからん動きー!」
「これが東洋に伝わる酔拳なのかー!?」
キャロル「(相手がでかすぎる…!)」
「ゲームセット!優勝はフォニーペアアアア!」
キャロル「オレは初めて本気で悔しいと…うっ…」
ロイド「おまえはまだ若いし才能もある。これからはまっとうに腕を磨け。きっといい選手になる」
キャロル「ガレッソさん!オレ真面目に頑張るっス!」
ロイド「頑張れ!」
フィオナ「(任務達成だけでなく対戦相手の更生までしてしまうなんて!さすが先輩好き)」
キム「(アホくさ…)」
キム「(アホくさ…)」
キャビー「フッ…勝負には負けたが得るものもあった。成長したな息子よ…」
「優勝したフォニーペアにはキャンベル氏所蔵のコレクションの一つが贈呈されます!おめでとうございます!」
「かしこまりました。ではギャラリーからお持ちいたします」
キャビー「いや待て。誠に申し訳ない。その絵画だけはお渡しすることができなくなった」
フィオナ「なぜです?カタログにも記載されているのに」
キャビー「少々事情ができてね。他のものならどれでもかまわないしなんならお詫びの補填もするよ」
フィオナ「(先輩…)」
ロイド「(…やはりか…先程コイツに保安局からの電話があった。恐らく連中暗号の情報を掴んだのだろう。すぐにでもここへ回収に来るぞ)」
フィオナ「もしよければ現物を見て選ばせてもらっても?」
キャビー「おおかまわんよ」
フィオナ「わぁ素晴らしい!」
キャビー「ここに入れる者は限られる。君らはラッキーだよ」
キャビー「おや?ご主人は?」
フィオナ「酔いがひどいので休憩していると…」
フィオナ「(絵画はまだあるわね)」
フィオナ「オススメはありますか?貴婦人が無理なら絵画以外のものにしようかと」
キャビー「では案内しよう」
キャビー「おおかまわんよ」
キャビー「ここに入れる者は限られる。君らはラッキーだよ」
キャビー「おや?ご主人は?」
フィオナ「酔いがひどいので休憩していると…」
フィオナ「(絵画はまだあるわね)」
フィオナ「オススメはありますか?貴婦人が無理なら絵画以外のものにしようかと」
キャビー「では案内しよう」
フィオナ「荷物はそこに置いといても?」
キャビー「もちろん」
「旦那様、貴婦人は…」
キャビー「10分後に連中が到着する。ロビーで待つよう伝えてあるからさっさと運び出しておけ」
「オイなにしてる急げ!」
「一応傷がないかチェックした方がいいだろ?」
「ほっとけ。奴ら美術品として回収するって感じじゃなさそうだったぞ」
キャビー「もちろん」
「旦那様、貴婦人は…」
キャビー「10分後に連中が到着する。ロビーで待つよう伝えてあるからさっさと運び出しておけ」
「オイなにしてる急げ!」
「一応傷がないかチェックした方がいいだろ?」
「ほっとけ。奴ら美術品として回収するって感じじゃなさそうだったぞ」
「うむ。“日向の貴婦人”に相違ないな。ご協力感謝する」
「いえ当然です。これからもごひいきに」
「では私はフォニー夫妻を入り口までお送りしてきます」
キャビー「ああ頼んだ。なんならうちのお抱え選手にならんか打診しておけハハハ」
フィオナ「WISEと掛け持ちで働きます?」
ロイド「テニスはしばらく勘弁願いたい」
ロイド「で、賞品は何を選んだんだ?」
フィオナ「変な壺とおまけで悪趣味な指輪を。どちらもいらないです」
「いえ当然です。これからもごひいきに」
「では私はフォニー夫妻を入り口までお送りしてきます」
キャビー「ああ頼んだ。なんならうちのお抱え選手にならんか打診しておけハハハ」
フィオナ「WISEと掛け持ちで働きます?」
ロイド「テニスはしばらく勘弁願いたい」
ロイド「で、賞品は何を選んだんだ?」
フィオナ「変な壺とおまけで悪趣味な指輪を。どちらもいらないです」
ロイド「渡せないと言われたときは正直少し焦ったが…」
ロイド「なんとかなったな」
ロイド「君がラケットバッグにフェイクを仕込んでくれていたおかげだ」
フィオナ「先輩の変装とすり替え技術があってこそです」
フィオナ「暗号の所在が額の方じゃなくて助かりましたね」
ロイド「ああ、裏にあるこの特殊インクの痕跡がそれと見て間違いない。早速本部の分析班に回そう」
ロイド「なんとかなったな」
ロイド「君がラケットバッグにフェイクを仕込んでくれていたおかげだ」
フィオナ「先輩の変装とすり替え技術があってこそです」
フィオナ「暗号の所在が額の方じゃなくて助かりましたね」
ロイド「ああ、裏にあるこの特殊インクの痕跡がそれと見て間違いない。早速本部の分析班に回そう」
フィオナ「(先輩…私任務でお役に立てましたよね…?先輩のために頑張りました。私こそがパートナーにふさわしいと思うのです。私こそが…) わかりました」
ロイド「ただいまヨル。通り道だったから送ってもらったんだ」
フィオナ「せっかくなのでご挨拶をと。夫人もテニスを…?」
フィオナ「せっかくなのでご挨拶をと。夫人もテニスを…?」
フィオナ「(フン…自分が先輩のレベルを上げてやったと思ってる?)」
アーニャ「ごーかしょーひんどうした?」
フィオナ「(傲慢な女。私だってそれくらい…いえ私だったらもっと効率的に先輩の力を伸ばせていた)」
ヨル〈私身の程知らずでした。妻の座はフィオナさんに譲ります〉
ロイド〈オーケー〉
ロイド〈オーケー〉
ベッキー〈主人公の婚約者と幼なじみがばったりと出会っちゃって~もぉ~女の戦いってやつ!?キャ~〉
フィオナ「全力でかかってきなさい」
ヨル「(そうですね。手を抜いて打っては相手に失礼です。全力でまいります!)」
フィオナ「(フン…がっかりだわヨル・ブライア。あなたはやはり…)」
フィオナ「(…ん?)」
ヨル「(またやってしまいました…力を込めすぎるとなぜかガットに沿ってボールが裂けてしまうんですよね…ごめんなさいボールさん…私ってばテニス下手っぴです。ちゃんと球が飛ぶギリギリの加減で全力を出さねば…)」
ヨル「(そうですね。手を抜いて打っては相手に失礼です。全力でまいります!)」
フィオナ「(フン…がっかりだわヨル・ブライア。あなたはやはり…)」
フィオナ「(…ん?)」
ヨル「(またやってしまいました…力を込めすぎるとなぜかガットに沿ってボールが裂けてしまうんですよね…ごめんなさいボールさん…私ってばテニス下手っぴです。ちゃんと球が飛ぶギリギリの加減で全力を出さねば…)」
フィオナ「(なんて重たい打球…!前へ押し返せない…ッ!だけど私だって先輩への愛の重さは負けてない!こんなもの私の積み重ねてきた思いに比べたら)」
フィオナ「…認めるわ…今はあなたの方が上よ…」
ヨル「はい?」
ヨル「はい?」
フィオナ「(だけど…) 夫人…いつかまたリベンジマッチを要求するわ」
フィオナ「それまでせいぜい今の生活を楽しんでなさいー!」
フィオナ「(私は決して諦めない!!)」
ヨル「お…怒らせてしまった…?」
アーニャ「(おねいさんにぎやか)」
フィオナ「それまでせいぜい今の生活を楽しんでなさいー!」
フィオナ「(私は決して諦めない!!)」
ヨル「お…怒らせてしまった…?」
アーニャ「(おねいさんにぎやか)」
アーニャ「ちちおなかすいた」
ボンド「ボフッ」
ロイド「すまん今日は出前でいいか…?」
ハンドラー「先週の絵画入手の件ご苦労だった。今日はその結果報告だ」
ロイド「夜帷は?」
ハンドラー「今日は山にこもってスイングスピードの強化に励むそうだ」
ロイド「そうですか…」
ハンドラー「暗号自体は至極平易なものだったよ。機密の保管場所の座標を割り出しエージェントを回収に向かわせた」
ロイド「それでザカリス文書は…」
ロイド「日誌?」
『8月21日今日私は危険なものをこの倉庫へ封印した』
『若い女優たちのブロマイドだ』
ロイド「は?」
『ボクは無類の歌劇好きだ。悲劇のオペラよりは喜劇のミュージカルの方が好きだ。特に若い女性が演じているものは素晴らしい!何かこう…応援したくなる」
ロイド「え…うん…」
『のめりこみすぎて一度妻にボコボコにされた』
「アンタこれにいくらつぎ込んでるのよ!」
「いやこれはお布施というか…」
『一度妻も誘って観劇に行ったが理解は得られなかった』
「急に歌いだす意味がわからないわ」
『ブロマイドもすべて捨てろと言われたがレアモノを手放すことはどうしてもできなかった』
『それからというもの私は劇場通いを秘するようになった。ブロマイドともども火種となりうるものはすべてこの地下倉庫に…』
ボンド「ボフッ」
ロイド「すまん今日は出前でいいか…?」
ロイド「夜帷は?」
ハンドラー「今日は山にこもってスイングスピードの強化に励むそうだ」
ロイド「そうですか…」
ハンドラー「暗号自体は至極平易なものだったよ。機密の保管場所の座標を割り出しエージェントを回収に向かわせた」
ロイド「それでザカリス文書は…」
ロイド「日誌?」
『8月21日今日私は危険なものをこの倉庫へ封印した』
『若い女優たちのブロマイドだ』
ロイド「は?」
『ボクは無類の歌劇好きだ。悲劇のオペラよりは喜劇のミュージカルの方が好きだ。特に若い女性が演じているものは素晴らしい!何かこう…応援したくなる」
ロイド「え…うん…」
『のめりこみすぎて一度妻にボコボコにされた』
「アンタこれにいくらつぎ込んでるのよ!」
「いやこれはお布施というか…」
『一度妻も誘って観劇に行ったが理解は得られなかった』
「急に歌いだす意味がわからないわ」
『ブロマイドもすべて捨てろと言われたがレアモノを手放すことはどうしてもできなかった』
『それからというもの私は劇場通いを秘するようになった。ブロマイドともども火種となりうるものはすべてこの地下倉庫に…』
ハンドラー「夫婦間のだな」
ロイド「何がどうしてこれが機密文書に…?オレの苦労はいったい…」
「終戦直前西の外交団がやってきたときザカリス大佐が観劇で接待したそうだがそのとき関係者に妻にバレないよう口止めさせたことが話に尾ヒレをつけさせたようだな」
ロイド「いやきっとこの日誌とブロマイドの中に更なる暗号が…!」
ハンドラー「ない。分析班が隅々までチェックした」
ハンドラー「戦争の火種は何もなかった。今回はそれでいいじゃないか」
「なんだかんだ大佐は愛妻家だったのさ。墓まで秘密を持っていくことで夫婦円満を守ったんだ」
ハンドラー「いや妻子を愛してるならブロマイド捨てろ。キモい」
「かぁ~わかってねェな!それはそれ!これはこれ!レアモノはレアモノ!」
ロイド「(難儀だな…夫婦円満ってやつは…)」