「失礼ですがIDと招待状を」
「ハミルトン様ですね。どうぞお通りください」
『イーデン校懇親会』
『半期に一度インペリアル・スカラーとその親及び』
『かつてそうであったOBの一部だけで開かれる伝統行事で』
『政財界の大物を始め、学者、技術者、芸術家、アスリートなどその顔ぶれは錚々たるものであった』
『イーデン校懇親会』
『半期に一度インペリアル・スカラーとその親及び』
『かつてそうであったOBの一部だけで開かれる伝統行事で』
『政財界の大物を始め、学者、技術者、芸術家、アスリートなどその顔ぶれは錚々たるものであった』
「今年もいかつい警備ですなぁ」
「そりゃまあVIPだらけですからね。保安局員もうろついてると思うと妙に緊張しますな」
「そりゃまあVIPだらけですからね。保安局員もうろついてると思うと妙に緊張しますな」
ロイド「(首脳会談並みの警戒態勢だな…想定はしていたがこれほどとは…やはり潜入は厳しいか…そう…インペリアル・スカラーを経ず会場へ潜れればこれほど楽なことはないのだが)」
ロイド「(まぁそんなに都合よく運ぶなら端からオペレーションストリクスは発案されていない)」
ロイド「(会場となるのは知恵の塔)」
ロイド「(正面の入口以外は嵌め殺しの窓がいくつかあるのみ)」
ロイド「(塔の屋上は庭園となっているが上からの侵入は目立ちすぎて論外。地下からの経路も現状では見込みのあるルートなし)」
ロイド「(唯一の入り口では徹底的な身元確認とボディーチェック、それと最新鋭の探知機。変装して通ることも誰かに盗聴器を仕掛けることも難しい)」
ロイド「(正面の入口以外は嵌め殺しの窓がいくつかあるのみ)」
ロイド「(塔の屋上は庭園となっているが上からの侵入は目立ちすぎて論外。地下からの経路も現状では見込みのあるルートなし)」
ロイド「(唯一の入り口では徹底的な身元確認とボディーチェック、それと最新鋭の探知機。変装して通ることも誰かに盗聴器を仕掛けることも難しい)」
ロイド「(周辺に塔より高い建物はないため監視による読唇も不可能。何日も前から建物に潜伏する案は…?いやそれもかなりのリスクだ)」
「えっ?私出席してませんが…」
ロイド「(著名人だと足がつきやすいし子どもと同伴ならなおのことハードルが高い)」
ダミアン「や…やあ兄貴…」
デミトリアス「用件は?」
デミトリアス「用件は?」
ダミアン「ああごめん。明日なんだけど、兄貴懇親会出るだろ?」
デミトリアス「ああ」
デミトリアス「それだけか?」
ダミアン「…うん」
アーニャ「(じなんをびこうしてちょくせつボスとたいけつする!)」
ダミアン「な…何だよ?」
ユーイン「ダミアンさまのお父上に取り入ろうと我々の跡を…」
ユーイン「ダミアンさまのお父上に取り入ろうと我々の跡を…」
エミール「そうです。他のやつらと同じですよ!」
アーニャ「(はっ!ちち!?)」
ロイド「(いや、こいつなりに仲直りをしようと努力してるのか?偉いぞ。とりあえず今は会場外で父親と接触するかもしれんダミアンの方を…)」
アーニャ「まってー!アーニャもボスとたたかうー!」
ロイド「(いや、こいつなりに仲直りをしようと努力してるのか?偉いぞ。とりあえず今は会場外で父親と接触するかもしれんダミアンの方を…)」
アーニャ「まってー!アーニャもボスとたたかうー!」
ユーイン「お父上が来るの会が終わってからですよね?」
ロイド「(やはり親子で待ち合わせを…しめたぞ)」
エミール「せっかくだから会場の近くにでも行ってみます?」
アーニャ「ふっ…じなんびびってる。アーニャにはわかる」
ダミアン「(な…何だコイツ…まさかオレの心を!?)」
ダミアン「な!?なぜそれを!てか今それ関係ねーだろ」
アーニャ「ふふふ、うしろからのぞいた」
ベッキー「(アーニャちゃんが本格的なストーカーに!)」
アーニャ「おまえてすとダメだったのがちちうえにばれるのびびってる。アーニャも17てんだったからきもちはわかる」
ベッキー「(アーニャちゃんが本格的なストーカーに!)」
アーニャ「おまえてすとダメだったのがちちうえにばれるのびびってる。アーニャも17てんだったからきもちはわかる」
ダミアン「おまえと一緒にすんな!」
ロイド「(あいつ…)」
アーニャ「でもアーニャしんじてる。ちちがすきだから…だから…」
アーニャ「でもアーニャしんじてる。ちちがすきだから…だから…」
ユーイン「あっダミアンさまどこへ!?」
ベッキー「えっ!アーニャちゃんも待つの!?何で!?車またせてるし帰ろうよ」
ベッキー「(はっ!もしかしてあいつとの結婚を視野に入れてご両親にあいさつを!?本気!本気なのねアーニャちゃん!わかったわ!アーニャちゃん一緒に待つわ!アナタの覚悟見届けてあげる!)」
ベッキー「ちがったわ。ぜんぜん本気じゃなかったわ。マーサ、アーニャちゃんを車まで。帰るわよ」
ロイド「ああすまん君たち。羊のキーホルダーが落ちてなかったかな?娘の大事なものらしいのだが、このへんで落としてしまったらしく探してこいと泣かれてしまって」
ダミアン「もしかしてこれ?」
ロイド「あーこれこれ!ありがとう。助かったよ!」
ダミアン「おっさん、もしかしてフォージャーのお父さん?」
ロイド「(おっさん…) そうだが…ああ君たちはあの子のクラスメイト?あれ…違ってたらごめん。君はもしやダミアン・デズモンドくん?」
ダミアン「そうだよ」
ロイド「本当に申し訳ない!入学式の日の件、ウチの娘が大変失礼した!」
ロイド「後日お宅までお詫びに伺ったがご両親にも君にも会えずでずっと気掛かりだったんだ」
ダミアン「いやオレ寮ぐらしだし…」
ロイド「娘の不始末はボクの責任だ。本当にすまない」
ロイド「本当に申し訳ない!入学式の日の件、ウチの娘が大変失礼した!」
ロイド「後日お宅までお詫びに伺ったがご両親にも君にも会えずでずっと気掛かりだったんだ」
ダミアン「いやオレ寮ぐらしだし…」
ロイド「娘の不始末はボクの責任だ。本当にすまない」
ダミアン「いや別に…」
「おい下がれ。外してくれないか」
ドノバン「…よい。何だね」
ロイド「私の娘がご子息に大変な非礼を働いた件で一言お詫び申し上げたく…ああ申し遅れました。私」
ロイド「ロイド・フォージャーと申します」
「評議会書紀バイロン、人民軍マクニール中佐。ファーナム検事に宇宙局ヤーチャイカ、そして野党第一党国家統一党のドノバン・デズモンド」
「まじで垂涎ものの情報源ばかりっすね懇親会!もっと人員をドカドカ送って黄昏センパイをサポートしては?」
ドノバン「…よい。何だね」
ロイド「私の娘がご子息に大変な非礼を働いた件で一言お詫び申し上げたく…ああ申し遅れました。私」
ロイド「ロイド・フォージャーと申します」
「まじで垂涎ものの情報源ばかりっすね懇親会!もっと人員をドカドカ送って黄昏センパイをサポートしては?」
ハンドラー「試しにおまえが行ってみるか?」
ハンドラー「足を踏み入れて5分後には数十人からなる保安局の網に捕まり30分後には取り調べ室で拷問が始まってるぞ」
ハンドラー「ヘタな者を送り込んでもやつらにエサを与えるだけだ。忘れるな。ここは敵地のど真ん中。あの学校は今冷たい戦争のフロントラインだ」
ロイド「私、バーリント総合病院に勤務しているロイド・フォージャーと申します」
ロイド「ウチの娘がダミアンくんに暴力をふるった件で改めてお詫びさせていただきたい」
ハンドラー「足を踏み入れて5分後には数十人からなる保安局の網に捕まり30分後には取り調べ室で拷問が始まってるぞ」
ハンドラー「ヘタな者を送り込んでもやつらにエサを与えるだけだ。忘れるな。ここは敵地のど真ん中。あの学校は今冷たい戦争のフロントラインだ」
ロイド「私、バーリント総合病院に勤務しているロイド・フォージャーと申します」
ロイド「ウチの娘がダミアンくんに暴力をふるった件で改めてお詫びさせていただきたい」
ロイド「ダミアンくんはもちろんご家族にも大変不快な思いを…」
ロイド「(国家統一党総裁デズモンド。過去の新聞やテレビでの発言・著作物・その他彼の人物像を推し量れそうなすべてに目を通した)」
ロイド「(だが表に顔を出さなくなってからの彼を知る術はゼロに等しい。どうすれば彼の懐に入れるか?)」
ロイド「(そしていずれ暴き出す。この男の腹の中、戦争計画の全てを!)」
ダミアン「(父上…オレのこと気にしてくれてた?)」
ロイド「では後日お詫びの品を持って」
ダミアン「父上!デズモンドの人間が殴られたのですよ?それでいいのですか?」
ロイド「ご子息のおっしゃる通りです。どのような事情であれ手を出したのはウチの娘で…この償いは必ず」
ドノバン「結構だ。お気遣い感謝する」
ロイド「(にべもなし…か) 寛大なお心痛み入ります (深追いは逆効果だな…少しでも怪しまれたら計画は水の泡だ。慎重にいこう)」
ダミアン「父上…オレは屈辱だったんです!顔だって腫れた…なのに…(なんでたよ…もっと怒ってよ…オレのために!)」
ドノバン「フゥゥゥ」
ロイド「ご子息のおっしゃる通りです。どのような事情であれ手を出したのはウチの娘で…この償いは必ず」
ドノバン「結構だ。お気遣い感謝する」
ロイド「(にべもなし…か) 寛大なお心痛み入ります (深追いは逆効果だな…少しでも怪しまれたら計画は水の泡だ。慎重にいこう)」
ダミアン「父上…オレは屈辱だったんです!顔だって腫れた…なのに…(なんでたよ…もっと怒ってよ…オレのために!)」
ドノバン「フゥゥゥ」
ダミアン「何でも…ないです…ごめんなさい」
ロイド「いや君の怒りももっともだダミアンくん。二度とこのようなことのないよう教育を徹底するよ。とはいえ正直ウチの娘ははちゃめちゃすぎて私もどうしていいか自信がない…」
3人「(おっさんも苦労してんだな)」
ロイド「自分の子だから支配できるなんて思ったらダメですね。勝手な期待や失望ばかりでよろしくない。いや本当子育てって難しいですね」
ドノバン「キミは正しい。血の繋がった子であろうがしょせんは他人。他人を真に理解するのは不可能だ」
ドノバン「人と人は結局永遠に分かり合うん」
ロイド「(だから他国を武力でねじ伏せるのか?それがおまえの本質かデズモンド!)」
ロイド「まったくその通りですね」
ロイド「私は精神科医をやっているのですが、患者さんの心なんて実は1割もわかってあげられてないんじゃないかなって…理解できるなんて思う方が傲慢なのかも」
ロイド「大切なのはそれでも歩み寄る努力です」
ロイド「ウチの娘の言動はことごとく意味不明なのですが」
アーニャ〈アーニャきょうおかしやさんでひとぢちこうかんしてこようとおもう〉
ロイド〈そうか、がんばれ〉
ロイド「わからないなりにそのままを受け止めようとなるべく対話の機会を設けるようにしています。まあ上手くいったりいかなかったりですが (俺は情報を集め理解を探る道を手放さん。諜報員だからな)」
ドノバン「ふむ。君は正しいとも言える」
ロイド「アーニャが君の発表にいたく感心していたよ。帰ってくるなりその話ばかりで」
ロイド「なんとそれはもったいない。僕も娘づてに聞いただけですが総裁のお仕事への深い尊敬と造詣がにじみ出ていて感動しました。聡明で親思いのお子さんですね」
ロイド「大変失礼ながら私は統一党の政策に批判的な立場だったのですが、ダミアンくんのレポートを聞いて少し興味が湧きました。総裁は真剣に国益のことを思ってくださっているのだなと」
ダミアン「もういいよ、おっさんやめろよ」
ロイド「ははは、ごめんよ」
ドノバン「君はおもしろい男だね。フォージャーくん…と言ったかな?」
ドノバン「うん、楽しい一時だったよ」
ロイド「(潮時か…今回は名前を覚えてもらっただけでも上々だろう。SPの顔と特徴も把握できた) 貴重なお時間をありがとうございました」
ロイド「ああそうだ。アーニャの話、君にしゃべったこと内緒で頼むよ。あいつすごく天邪鬼だから」
ドノバン「うん、楽しい一時だったよ」
ロイド「(潮時か…今回は名前を覚えてもらっただけでも上々だろう。SPの顔と特徴も把握できた) 貴重なお時間をありがとうございました」
ロイド「ああそうだ。アーニャの話、君にしゃべったこと内緒で頼むよ。あいつすごく天邪鬼だから」
ダミアン「あっ…えっと…別に…」
ドノバン「そうかよくやった」
ダミアン「…父上今日はどうしてわざわざ…」
ドノバン「ほんの気まぐれだ。気にするな」
ドノバン「ダミアン、デズモンドの名に恥じぬよう引き続き励め」
ダミアン「はい!」
ロイド「(大した会話はなかったが…デズモンド親子の距離感なりは多少つかめたか。彼らの親子関係が良好なほどプランBにとっては都合がいいからな)」
ヨル「おかえりなさいロイドさん」
ロイド「(それになに言ってるか意味不明…)」