箕浦「おいライバル、お前は何をしているんだ?」
箕浦「人形が運んでいたのは人間の耳だった」
箕浦「被害者は凄腕の推理作家。執筆の為、長逗留していた旅館の自室で殺害されていた」
箕浦「この事件の最大の謎は殺害状況が作中の殺人と酷似していた事」
ポオ「(犯人は被害者と旧知で動機は積年の怨恨?)」
ポオ「ん?最終ページに“了”の字に滲みが?」
ポオ「よく見るとこのページだけ直筆ではなくコピーである」
ポオ「吾輩の携帯である!」
箕浦「なぜ自分で驚く?」
ポオ「滅多に着信しないので…」
ポオ「これは!」
小栗虫太郎「隠滅屋と金田一殺しが同一犯?」
箕浦「被害者は凄腕の推理作家。執筆の為、長逗留していた旅館の自室で殺害されていた」
箕浦「この事件の最大の謎は殺害状況が作中の殺人と酷似していた事」
ポオ「ん?最終ページに“了”の字に滲みが?」
ポオ「よく見るとこのページだけ直筆ではなくコピーである」
ポオ「吾輩の携帯である!」
箕浦「なぜ自分で驚く?」
ポオ「滅多に着信しないので…」
ポオ「これは!」
小栗虫太郎「(なぜこいつがこの原稿を持ってる!?)」
江戸川乱歩「やっぱり心当たりがあった?これはこんな風に折りたたまれて隠されてた」
江戸川乱歩「展望台の2階の土産屋にね」
江戸川乱歩「封筒を入手した時、すぐ中を確認した。するとなぜか最終ページだけコピーだった。手元に原稿を残す為?なら全ページコピーするハズだ。そこで閃いた」
江戸川乱歩「ひょっとして受け渡しの直前に急きょ近場で印刷したのでは?」
江戸川乱歩「んで近所の文具屋を覗いてみた。案の定、印刷紙が一致したよ。つまり犯人が慌てて差し替えたんだ」
江戸川乱歩「なぜか…内容がマズいなら抜いて捨てればいい。そうしなかったのは、内容を全部揃えて渡すこだわりがあったから。もしそうなら」
江戸川乱歩「原本の最終ページは捨ててない。持ち物検査されると困るから近くに隠したんだろ」
江戸川乱歩「見つけた時に確信したよ。2つの事件は同一犯だとね。ところで君、名前は?」
江戸川乱歩「展望台の2階の土産屋にね」
江戸川乱歩「封筒を入手した時、すぐ中を確認した。するとなぜか最終ページだけコピーだった。手元に原稿を残す為?なら全ページコピーするハズだ。そこで閃いた」
江戸川乱歩「ひょっとして受け渡しの直前に急きょ近場で印刷したのでは?」
江戸川乱歩「んで近所の文具屋を覗いてみた。案の定、印刷紙が一致したよ。つまり犯人が慌てて差し替えたんだ」
江戸川乱歩「なぜか…内容がマズいなら抜いて捨てればいい。そうしなかったのは、内容を全部揃えて渡すこだわりがあったから。もしそうなら」
江戸川乱歩「原本の最終ページは捨ててない。持ち物検査されると困るから近くに隠したんだろ」
江戸川乱歩「見つけた時に確信したよ。2つの事件は同一犯だとね。ところで君、名前は?」
小栗虫太郎「小栗虫太郎」
江戸川乱歩「ありがとう。これですべての情報が揃ったよ。君が2つの事件の犯人だ」
江戸川乱歩「小栗虫太郎君」
江戸川乱歩「おやおや」
逃がし屋「俺は嫌いな荷物が3つある。喋りすぎる荷物、厄介事を持ち込む荷物、代金を払わない荷物だ。何か言う事は?」
江戸川乱歩「何もないよ。でも彼にはある」
江戸川乱歩「ありがとう。これですべての情報が揃ったよ。君が2つの事件の犯人だ」
江戸川乱歩「小栗虫太郎君」
逃がし屋「俺は嫌いな荷物が3つある。喋りすぎる荷物、厄介事を持ち込む荷物、代金を払わない荷物だ。何か言う事は?」
江戸川乱歩「何もないよ。でも彼にはある」
小栗虫太郎「銃をしまえ逃がし屋!探偵に口実を与えるな。奴の弾劾に証拠は皆無。最初からこの男に勝ち目はない」
逃がし屋「銃口の前に口実もクソもない。車を降りろ。座席を汚したくない」
江戸川乱歩「銃って面白いよね~持つとなぜか全員バカになる。悪いけど」
江戸川乱歩「最初からこの状況が目的だ」
逃がし屋「銃口の前に口実もクソもない。車を降りろ。座席を汚したくない」
江戸川乱歩「銃って面白いよね~持つとなぜか全員バカになる。悪いけど」
江戸川乱歩「最初からこの状況が目的だ」
江戸川乱歩「ポオ君の電話と通話状態にしてた」
箕浦「世紀の大犯罪者がたわいない幕切れだ。同房にしてやるから反省会でもしろ」
逃がし屋「やってみろ」
逃がし屋「私は正式な外交職人であり、外交団ナンバーであるこの車内では刑事裁判権が免除される」
ポオ「しかし、殺人未遂の現行犯なら外交官特権剝奪が発動できるハズ」
逃がし屋「弾は入っていない。君達の言う不能犯だ。この銃の所持も正式に許可されたもので違法性はない」
箕浦「世紀の大犯罪者がたわいない幕切れだ。同房にしてやるから反省会でもしろ」
逃がし屋「やってみろ」
逃がし屋「私は正式な外交職人であり、外交団ナンバーであるこの車内では刑事裁判権が免除される」
ポオ「しかし、殺人未遂の現行犯なら外交官特権剝奪が発動できるハズ」
江戸川乱歩「虫太郎君、君の勝ちだ」
江戸川乱歩「最初からわかっていた。一般人は異能力者に勝てない。それでも僕は君を倒す。なぜなら」
江戸川乱歩「仲間が僕を無敵だと思っているから」
小栗虫太郎「(バカな!これは異能力!?奴は異能力者ではないハズだ!)」
江戸川乱歩「最初からわかっていた。一般人は異能力者に勝てない。それでも僕は君を倒す。なぜなら」
江戸川乱歩「仲間が僕を無敵だと思っているから」
小栗虫太郎「(バカな!これは異能力!?奴は異能力者ではないハズだ!)」
ヨコミゾ「よくも僕を殺したな!?」
小栗虫太郎「(一体何が起きている!?)」
ヨコミゾ「恨めしや!恨めしや!」
小栗虫太郎「うっ…違う…違うだろヨコミゾ!」
江戸川乱歩「その通り。これは現実ではない」
江戸川乱歩「現実はこうだ」
小栗虫太郎「そうか…これはあのギルドの異能力者、ポオの小説空間だな!?」
江戸川乱歩「その通り。メールで指示を出した。殺害現場を再現する様にね」
江戸川乱歩「その通り。これは現実ではない」
江戸川乱歩「現実はこうだ」
小栗虫太郎「そうか…これはあのギルドの異能力者、ポオの小説空間だな!?」
江戸川乱歩「その通り。メールで指示を出した。殺害現場を再現する様にね」
小栗虫太郎「成程…あの文章はそれか」
江戸川乱歩「“違うだろうヨコミゾ”と君は言った。ずいぶん被害者と親しい様だね」
小栗虫太郎「フン…この程度の罠で出し抜いたつもりか!?さっきも言った通り必要なのは証拠だ。推測と疑惑を百万回重ねようとも無意味。その上、貴様は一つ重大なミスをおかしている」
小栗虫太郎「フン…この程度の罠で出し抜いたつもりか!?さっきも言った通り必要なのは証拠だ。推測と疑惑を百万回重ねようとも無意味。その上、貴様は一つ重大なミスをおかしている」
江戸川乱歩「ミス?」
小栗虫太郎「資料を見たぞ」
小栗虫太郎「異能作家の異能力は己のミステリーに引きずり込む能力。謎を解かない限り作中から出られない」
小栗虫太郎「だがこの作品は金田一殺しの現場。つまり私が真相を宣言すれば瞬時に現実の車中に戻れる。すなわち、この異空間は私を拘束できないのだ」
江戸川乱歩「確かにね。だが君は出て行かない。僕の話を全部聞いた後、自首する」
江戸川乱歩「つまり犯人は唯一の存在と言える関係だった。だからこそ僕は一度“動機は怨恨”と推理したが、これはそれ以上だ」
江戸川乱歩「逃亡を後回しにしてまで殺すなど、ほとんど自滅だ。人を自滅へと駆り立てる動機は二つだけ。狂気と使命だ」
小栗虫太郎「選べヨコミゾ。刺殺、毒殺、扼殺、撲殺どれがいい?」
小栗虫太郎「資料を見たぞ」
小栗虫太郎「異能作家の異能力は己のミステリーに引きずり込む能力。謎を解かない限り作中から出られない」
小栗虫太郎「だがこの作品は金田一殺しの現場。つまり私が真相を宣言すれば瞬時に現実の車中に戻れる。すなわち、この異空間は私を拘束できないのだ」
江戸川乱歩「確かにね。だが君は出て行かない。僕の話を全部聞いた後、自首する」
江戸川乱歩「逃亡を後回しにしてまで殺すなど、ほとんど自滅だ。人を自滅へと駆り立てる動機は二つだけ。狂気と使命だ」
小栗虫太郎「選べヨコミゾ。刺殺、毒殺、扼殺、撲殺どれがいい?」
ヨコミゾ「んー…刺殺かなぁ…毒殺は化学薬品の知識が入り読者に対し公平じゃないから」
ヨコミゾ「なんだ~いやでも本当に殺人のネタちょうだい。今月締め切りヤバくて…」
小栗虫太郎「またそれか…ミステリーなど作外の約束ごとに縛られたうちわ遊びだろ!?パズルが欲しいなら数式でも解け」
ヨコミゾ「虫君のミステリー嫌いは学生時代から変わらないな~」
小栗虫太郎「嫌いになったのはお前のせいだ」
小栗虫太郎「そうだ、私が殺した!この手で奴をくびり殺した。殺意と狂気を持ってな。さァどうする?犯人が自首したぞ?貴様に打てる手などもはや」
ヨコミゾ「虫君のミステリー嫌いは学生時代から変わらないな~」
小栗虫太郎「嫌いになったのはお前のせいだ」
小栗虫太郎「そうだ、私が殺した!この手で奴をくびり殺した。殺意と狂気を持ってな。さァどうする?犯人が自首したぞ?貴様に打てる手などもはや」
江戸川乱歩「君は殺していない」
江戸川乱歩「解決編の原稿では動機は“怨恨”とあった。おかしな話じゃないか?本当に犯人が君ならトリックどころか動機まで模倣した事になる」
江戸川乱歩「出来過ぎてる。これではまるで台本だ。金田一殺しは自作自演の虚言劇。つまり彼は自殺だ」
江戸川乱歩「馬鹿馬鹿しい真相だ。だが効果は絶大。ミステリーを普段読まない人までが事件に熱狂し推理した。何者にも分類、比較不能な究極のミステリー」
江戸川乱歩「それがこれ。現実に侵食するミステリーだ」
ヨコミゾ「僕は後悔が嫌いだ。だから何でもやりたい様にやってきた。今の所まず満足のいく人生だ。だがここへ来て時間制限ってものができた」
江戸川乱歩「解決編の原稿では動機は“怨恨”とあった。おかしな話じゃないか?本当に犯人が君ならトリックどころか動機まで模倣した事になる」
江戸川乱歩「馬鹿馬鹿しい真相だ。だが効果は絶大。ミステリーを普段読まない人までが事件に熱狂し推理した。何者にも分類、比較不能な究極のミステリー」
江戸川乱歩「それがこれ。現実に侵食するミステリーだ」
ヨコミゾ「僕は後悔が嫌いだ。だから何でもやりたい様にやってきた。今の所まず満足のいく人生だ。だがここへ来て時間制限ってものができた」
小栗虫太郎「その鍵とは…」
ヨコミゾ「犯人だよ。自作自演が途中で露見すれば台無しだ。それには本物の動機と殺意を持った現実の犯人がいる。それを君に頼みたい」
小栗虫太郎「ハハハハハハハ!その通りだ!見事ではないか探偵!いかにも私が憎悪の殺人者役だ!勿論快諾したよ!憎い相手を殺せるのだと!私が奴を殺したのだ!」
江戸川乱歩「ならなぜこの原稿を隠した?」
江戸川乱歩「原稿についた水滴のシミ…“了”の文字が滲んでいるから当然完成後についたものだ。では厳密に水滴はいつ誰がつけたのか」
江戸川乱歩「水滴がついたのは犯行中から直後。原稿が完成したばかりの逆順…つまり最終ページが一番上に置かれた状態でついた。現場でこんな風に雫がつく水源…犯人が慌てて原稿をコピーにすり替えようとした理由…」
ヨコミゾ「犯人だよ。自作自演が途中で露見すれば台無しだ。それには本物の動機と殺意を持った現実の犯人がいる。それを君に頼みたい」
江戸川乱歩「ならなぜこの原稿を隠した?」
江戸川乱歩「原稿についた水滴のシミ…“了”の文字が滲んでいるから当然完成後についたものだ。では厳密に水滴はいつ誰がつけたのか」
江戸川乱歩「水滴がついたのは犯行中から直後。原稿が完成したばかりの逆順…つまり最終ページが一番上に置かれた状態でついた。現場でこんな風に雫がつく水源…犯人が慌てて原稿をコピーにすり替えようとした理由…」
江戸川乱歩「つまり動機が怨恨でないとなると、トリックの前提がひっくり返ってしまう。被害者と犯人が共犯なら推理自体が不毛だ」
江戸川乱歩「究極ところかミステリーとすら呼べなくなる。原稿受け渡しの直前、君はその事に気づいた。だからコピーにすり替えた。友の最期の望みを叶える為に…」
小栗虫太郎「(これは!?)」
江戸川乱歩「その為に記憶し取り込んだ」
江戸川乱歩「魔人そのものを!」
江戸川乱歩「自首しなければ今の仮説を公表する」
江戸川乱歩「これは推理じゃない。魂を侵食する魔人の操心術」
江戸川乱歩「探偵殺しを殺す」
江戸川乱歩「僕の新たなる武器だ!」
小栗虫太郎「ダメだ!それだけはダメだ…公表だけは…私はヨコミゾが嫌いだ…嫌いでなくてはならないのだ…自首しよう」
小栗虫太郎「探偵社が採用している手榴弾が流通中に盗まれた証拠が見つかったそうだ。それが少女爆殺に使われた事も裏が取れた」
江戸川乱歩「彼が異能力を解除したんだ。これで国木田も放免される」
江戸川乱歩「自首しなければ今の仮説を公表する」
江戸川乱歩「これは推理じゃない。魂を侵食する魔人の操心術」
江戸川乱歩「探偵殺しを殺す」
江戸川乱歩「僕の新たなる武器だ!」
小栗虫太郎「ダメだ!それだけはダメだ…公表だけは…私はヨコミゾが嫌いだ…嫌いでなくてはならないのだ…自首しよう」
小栗虫太郎「探偵社が採用している手榴弾が流通中に盗まれた証拠が見つかったそうだ。それが少女爆殺に使われた事も裏が取れた」
江戸川乱歩「彼が異能力を解除したんだ。これで国木田も放免される」
江戸川乱歩「そこに潜入中の特務課員が正体を暴かれる手前の危機らしい。行って助けてやれ」
小栗虫太郎「それをなぜ私に?」
「殺人事件だよ」
「被害者は?」
ニコライ・ゴーゴリ「君さ」
小栗虫太郎「(今…一瞬何もない虚空から銃が!)」
ニコライ「ひひひひ」
ニコライ「さて!ここでクイーーーズ!」
ニコライ「私は誰でしょーーーーか!」
ニコライ「何~?私の名前はニコライ~?せいかーーーい!では次のクイーーズ!私は何しに来たでしょーーか?ヒントは後始末…あ!答え言っちゃった!」
ニコライ・ゴーゴリ「君さ」
小栗虫太郎「(今…一瞬何もない虚空から銃が!)」
ニコライ「ひひひひ」
ニコライ「さて!ここでクイーーーズ!」
ニコライ「私は誰でしょーーーーか!」
ニコライ「何~?私の名前はニコライ~?せいかーーーい!では次のクイーーズ!私は何しに来たでしょーーか?ヒントは後始末…あ!答え言っちゃった!」
小栗虫太郎「後始末…」
ニコライ「そう…私の仕事は私達の次の計画を知る人間の消去だ。答えをバラされちゃクイズはつまらないからね」
小栗虫太郎「私達!?では貴様はフョードルと同じ」
ニコライ「そう!我々は“天人五衰”!」
ニコライ「そう…私の仕事は私達の次の計画を知る人間の消去だ。答えをバラされちゃクイズはつまらないからね」
小栗虫太郎「私達!?では貴様はフョードルと同じ」
ニコライ「そう!我々は“天人五衰”!」