ジョディ「私が書いた暗号で我々FBIが罠を張っていると奴らにバレたんですか」
工藤優作「おそらくジョディ捜査官が暗号で使ったのは訓令式のローマ字表記。これはつづりの規則性を優先した表記で小学校で教えられているんですが、あなたは友人の小学校教師からこの表記法を教わったのでは?」
ジョディ「は…はい…でもどこが間違って…」
コナン「“ふ”のローマ字だよ!訓令式だと“ふ”はジョディ先生が書いた“HU”だけど、今まで暗号を作ってた人が使ってたヘボン式だと“FU”。前の暗号に出てた古糸町も“FURUITO”だったしね」
コナン「つまり、果出風町の町名は“KADEFU”にしなきゃいけなかったのを」
コナン「“KADEHU”にしてしまったってワケさ」
ジョディ「すみません…私のミスで…」
ジェイムズ「君だけのせいではない」
赤井秀一「俺達もチェックして気づかなかったからな」
赤井秀一「おいキャメル、今話せる状況か?」
キャメル「は…はい!なんとか…追って来る車がバイパーなので余裕綽々とはいきませんけど…」
赤井秀一「撃たれた様だが…」
キャメル「はい。ライフルの弾が右のドアを貫通して運転席側のドアに着弾しましたが、走行には支障ありません。ただ弾が通り抜けた際にマークの大腿部をえぐったようで…」
キャメル「上手くまけたようです」
キャメル「大樽通りにマークを置いて行きます。後で拾ってやってください」
コルン「日本人おかしい…進行方向と逆に車止めてた」
キャンティ「じゃあさっきの路駐の車の中に紛れて…そういう事は早く言いな!」
キャンティ「ジン!まかれた!多分そっちに向かったよ」
キャメル「新たな追っ手が!」
赤井秀一「車種は?」
キャメル「ポ…ポルシェ356A!」
コナン「(ジン!)」
赤井秀一「その先にT字路がある。奴の車がスピードにのる前にフルスロットルで突っ込んで左右どちらかに曲がり、お前の気配を辿らせるな!」
キャメル「了解!」
ウォッカ「野郎…スピードを上げやがった!」
ウォッカ「T字路!くそっ!どっちに…」
キャメル「ポ…ポルシェ356A!」
コナン「(ジン!)」
赤井秀一「その先にT字路がある。奴の車がスピードにのる前にフルスロットルで突っ込んで左右どちらかに曲がり、お前の気配を辿らせるな!」
キャメル「了解!」
ウォッカ「T字路!くそっ!どっちに…」
ジン「左だ」
キャメル「ドアが開きません!パワーウインドウも反応せず」
工藤優作「ドアが開かないのは水圧。パワーウインドウが作動しないのは電気系統が浸水したか、もしくは水圧のスラストで窓ガラスが窓枠に押しつけられてしまうから…窓を開けての脱出は諦めた方がいい」
赤井秀一「じゃあ窓を割れキャメル!グローブボックスに何か入ってないのか?」
キャメル「そ…それが地図くらいしか…あっ!」
コナン「だったらシートベルトを外してそのまま浮かんで!車の天井に溜まった空気を吸い続けて!空気の残りが20cmぐらいになるまでだから!」
赤井秀一「(成程)」
キャメル「20cmはもうとっくに切って…あ…赤井さん!」
赤井秀一「よしキャメル、天井に溜まった空気を一気に吸い込んで車のドアを開けて脱出しろ!」
キャメル「(開いた)」
キャメル「今海ボタルの下をくぐって南側に出ました」
赤井秀一「よし!そのまま岸に辿り着くまで泳ぎ続けろ」
キャメル「20cmはもうとっくに切って…あ…赤井さん!」
赤井秀一「よしキャメル、天井に溜まった空気を一気に吸い込んで車のドアを開けて脱出しろ!」
キャメル「(開いた)」
キャメル「今海ボタルの下をくぐって南側に出ました」
赤井秀一「よし!そのまま岸に辿り着くまで泳ぎ続けろ」
工藤優作「車内が水で一杯になり、外側と内側の圧力が同じになれば楽に開くんだよ」
ジェイムズ「カイホウ?」
コナン「昔東京を防衛する為に東京湾に作られた海上要塞の跡地だよ」
キャメル「レンガで出来た建造物を見つけました」
工藤優作「そのレンガ、積み方を詳しく説明できますか?」
キャメル「大きレンガと小さいレンガが一つ置きに並んでいて」
キャメル「レンガで出来た建造物を見つけました」
工藤優作「そのレンガ、積み方を詳しく説明できますか?」
キャメル「大きレンガと小さいレンガが一つ置きに並んでいて」
工藤優作「レンガの幅の広い面だけが表に出ている段と、幅の狭い面だけが表に出ている段が一段おきに積まれているのがイギリスの積みで、レンガの幅の広い面と幅の狭い面が交互に表に出ているのがフランス積み」
ジョディ「大丈夫?キャメル」
キャメル「ええ…服がズブ濡れなので…でもまあ歩いてりゃその内乾く…」
キャメル「オオ!本当に火が付いた!まさか乾電池とチューインガムの銀紙で火種が作れるとは」
コナン「あと、キャンプ場で見つけたバスタオルで服を挟んで踏むと乾きが早いよ」
赤井秀一「では、これから向かいますが、コナン君を連れて行っても構いませんか?」
工藤優作「なぜ私に?」
赤井秀一「なんとなく…それが筋かと…」
工藤優作「親戚の少年ですが…よろしいんじゃないでしょうか」
工藤優作「本人は行く気まんまんのようですし」
ジン「別働隊に潜らせて調べたが、やはりドライバーは消えていたようだ」
ジン「そのFBIの面を拝まねぇと腹の虫がおさまらなくなっちまったぜ」
沖矢昴「潮風って…そこは海岸沿いなのか?」
キャメル「そ…そうですけど」
沖矢昴「今すぐ火を消せ!」
沖矢昴「その火は対岸から丸見えだぞ!」
ウォッカ「どうかしやしたか?」
ジン「火だ。たった今海猿島に灯っていた火が消え失せた」
ラム「やはりそうでしたか…この時期この時間帯…東京湾の海流は海猿島方面に流れています。その海流に乗って水死体が海猿島に流れ着いた事もあったとか…クルーザーは手配済み。島に上陸して逃げたFBIを狩りなさい」
沖矢昴「その火は対岸から丸見えだぞ!」
ウォッカ「どうかしやしたか?」
ジン「火だ。たった今海猿島に灯っていた火が消え失せた」
ラム「やはりそうでしたか…この時期この時間帯…東京湾の海流は海猿島方面に流れています。その海流に乗って水死体が海猿島に流れ着いた事もあったとか…クルーザーは手配済み。島に上陸して逃げたFBIを狩りなさい」
キャメル「ええ、一応…でもこんなもの一体何に?」
沖矢昴「スカウトスーツだ。ネイティブアメリカンが狩りをする時にやっていた知恵。自然に同化して見つかりにくくなる」
キャメル「奴らです!奴らが船でこの島に!」
沖矢昴「やはり火を見られていたか」
沖矢昴「今作ったスカウトスーツに身を包み顔に泥を塗って森の中に溶け込め」
沖矢昴「夜が明け海猿島のスタッフが来る前に奴らは撤収する。それまで見つからなければ」
赤井秀一「お前の勝ちだ」
ジン「ここに客がいたのは何時間前だ?」
ウォッカ「船の最終便が夕方の4時…今は夜中の3時ですから11時間前って所ですかね」
ジン「砂浜についた足跡は盛り上がった角が約半日で丸くなる。だがこの足跡は角が立ったままだ。にもかかわらずたき火の跡がねぇって事は…」
ジン「見ろ。奴がたき火に使った石だ。まだ少々熱を帯びている。わざわざ砂に埋めたという事は…」
ジン「俺達がここへ来るのを察知しているという事だ。散って捜すぞ」
コナン「しばらくキャメルさんから連絡来ないけど大丈夫かなぁ…」
📱「ピリリ」
コナン「来た!」
沖矢昴「いや、キャメルではなくコードーネーム“キール”で組織に潜入しているCIAの水無怜奈からだ」
沖矢昴「赤井だ。今話せる状況なのか?」
水無怜奈「ええ、海猿島に上陸してキャメル捜査官を手分けして探す事になったから…海ボタルのトンネルの出口で彼を撃ったのは私…」
水無怜奈「その時は急所を外して撃ったけど、次に撃てと言われたら悪いけど顔を狙わせてもらうわよ」