Bungo Stray Dogs |
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原作(Original Story): 朝霧カフカ(Kafka Asagiri)
TVアニメ『文豪ストレイドッグス』 第21話ネタバレ
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第21話 双つの黒
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放送日 | 2016年11月25日 |
OPテーマ | Reason Living (歌 : GRANRODEO) |
EDテーマ | 風が吹く街 (歌 : ラックライフ) |
CAST |
中島敦 Nakajima Atsushi CV.上村祐翔 太宰治 Dazai Osamu CV.宮野真守 国木田独歩 Kunikida Doppo CV.細谷佳正 宮沢賢治 Miyazawa Kenji CV.花倉洸幸 森鴎外 Mori Ogai CV.宮本充 中原中也 Nakahara Chuya CV.谷山紀章 尾崎紅葉 Ozaki Koyo CV.小清水亜美 広津柳浪 Hirotsu Ryuro CV.斧アツシ 立原道造 Tachihara Michizo CV.林勇 芥川銀 Akutagawa Gin CV.夏川椎菜 ジョン John Steinbeck CV.河西健吾 ラヴクラフト Howard Phillips Lovecraft CV.武内駿輔
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TITLE CARD |
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太宰治「あ~やる気が出ない~」
国木田独歩「朝から壊れたラッパのような声を出すな!」
太宰治「私は今誰かと対話する気力も無いのだよ、くにき~だ君」
福沢諭吉「太宰、ポートマフィアとの密会の件は進んだか?」
太宰治「手は打っていますが…」
福沢諭吉「ポートマフィアのボスは来ると思うか?」
太宰治「来るでしょう」
太宰治「社長を殺す絶好の好機ですから」
福沢諭吉「構成員同士で血を流しあうよりよい」
国木田独歩「おい太宰…」
国木田独歩「ポートマフィアと密会だとォ!?第一!なぜお前が密会の手はずを整えている?」
太宰治「私、元ポートマフィアだから」
太宰治「国木田君以外は全員知ってるよ?」
中原中也「うちの組織だけで、100を超える死者が出ています。癪ですが、太宰の木偶が詛いを無効化していなければ、この十倍は被害が出ていたかと…」
森鷗外「ボスとして先代に面目が立たないね」
森鷗外「紅葉君」
尾崎紅葉「太宰の奴に役立たずの捕虜を置いても世話代がかさむと、探偵社を追い出されましてのう。宿泊費代わりに使い番まで押しつけられたわ」
尾崎紅葉「探偵社の社長から、茶会の誘いだそうじゃ」
森鷗外〈ボスは病により横死された。次期ボスに私を任ずると遺言を残されて〉
森鷗外〈君が証人だ。いいね?〉
太宰治「ようこそボス」
森鷗外「4年ぶりだね。私があげたコートはまだ使っているかい?」
太宰治「勿論…焼きました」
福沢諭吉「単刀直入に言おう。探偵社のある新人が貴君らポートマフィアとの同盟を具申した。私は反対した。非合法組織との共同作戦など社の指針に反する」
福沢諭吉「だがそれはポートマフィアに何度も撃たれ、斬られ、拐かされた者からの提案だ。言葉の重みが違う」
福沢諭吉「結論を言う。同盟ならずとも、一時的な停戦を申し入れたい」
森鷗外「シェリングを読まれた事は?…ナッシュに、キッシンジャーは?」
太宰治「いずれも戦略論の研究家ですね。昔誰かさんに教え込まれた」
福沢諭吉「孫子なら読むが?」
森鷗外「国家戦争と、我々のような非合法組織の抗争には共通点があります。協定違反をしても罰する者がいない。停戦の約束を突然ポートマフィアが破ったら?」
森鷗外「探偵社が裏切ったら?損するのは停戦協定を信じた方のみ。先に裏切った方が利益を得る状況下では、限定的停戦は成立しない。あるとすれば完全な協調だが」
太宰治「それもあり得ない」
森鷗外「その通り。ポートマフィアは面子と恩讐の組織。部下には面目を潰された者も多いからね」
福沢諭吉「私の部下も何度も殺されかけているが?」
森鷗外「だが死んではいない。ポートマフィアとして恥ずべき限りだ」
福沢諭吉「ではこうするのはどうだ?今ここですべての過去を清算する」
森鷗外「刀は捨てた筈では?孤剣士“銀狼”福沢殿」
福沢諭吉「メスで人を殺す不敬は相変わらずだな、森先生…相変わらずの幼女趣味か」
森鷗外「相変わらず猫と喋っているので?」
森鷗外「ん?立体映像の異能か」
森鷗外「楽しい会議でした。続きはいずれ戦場で」
福沢諭吉「今夜探偵社はQの奪還に動く。今夜だけは邪魔をするな。お互いの為に」
森鷗外「ギルドは強い。探偵社には勝てません。という事で太宰君、幹部に戻る勧誘話はまだ生きているからね」
太宰治「まさか…そもそも私をポートマフィアから追い出したのは貴方でしょう?」
森鷗外「君は自らの意志で辞めたのでは?」
太宰治「森さんは恐れたのでしょう?いつか私がボスの座を狙って、貴方の喉笛を掻き切るのではと…かつて、あなたが先代にしたように」
太宰治「鬼は他者の裡にも、鬼を見る。私も貴方と組むのは反対です」
広津柳浪「ボス、私は先代の頃よりポートマフィアに仕えております」
森鷗外「広津さんは古株だからね」
広津柳浪「先代の晩年頃、この黒社会は荒廃しておりました」
広津柳浪「ポートマフィアはやみくもに構想を拡大させ、あのままでは早晩この街を滅ぼしていたでしょう」
広津柳浪「あの時、あなたがボスの座を継がなければ」
森鷗外「何が言いたいのかな?」
広津柳浪「いえ、ただボスの意志は太宰君も理解するところであったろうと…」
太宰治「これがQの監禁施設か…」
ジョン「こんばんは。うちの作戦参謀は敵の行動予測が得意なもので」
太宰君「そりゃ罠か…」
森鷗外「仮に当時の太宰君にボス簒奪の意志がなかったとしても私の選択は全て論理最適解だ。後悔などない。だがもし太宰君が今も私の右腕ならば、ギルドごとき…」
森鷗外「探偵社にはああ言ったが、完全な同盟を結ぶ論理解は存在する」
森鷗外「同盟の本質とは先払いだ。相手の為に先に損を支払い、それが100倍の利となって返ってきて初めて、過去の遺恨を超えた同盟が可能となる」
森鷗外「かつて敵異能力者組織を一夜で滅ぼし、双黒と呼ばれた黒社会最悪のコンビ。一夜限りの復活だ」
中原中也「最初に言っとくがな、このゴミ片したら次はテメェだからな」
太宰治「やっぱりこうなった…だから朝からやる気が出なかったのだよね…」
太宰治「はい悪いけどそれ禁止」
ジョン「異能力無効化!?」
森鷗外「さあ、ここから巻き返すよ。反撃の狼煙だ」
太宰治「はぁ…まったく…ここ数年で最悪の日だよ…」
中原中也「おい太宰、ペトリュスって知ってるか?」
太宰治「目玉が飛び出るほど高い葡萄酒」
中原中也「テメェが組織から出た夜、俺はあれの89年物を開けて祝った。それくらいテメェにはうんざりしてたんだ」
太宰治「私もあの日、中也の車に爆弾しかけたなぁ~」
中原中也「あれはテメェの仕業か💢ああ…気に食わねぇ」
太宰治「私も中也の全てが嫌いだ。好きなのは靴選びのセンスくらいかな?」
太宰治「ほら、いたよ」
太宰治「止めないの?」
中原中也「ボスに生きて連れて帰れと命令されたが…そのガキを見てると詛いで死んだ部下達の死体袋が目の前をちらつきやがる。やれよ」
中原中也「甘ぇやつだ。そういう偽善くせぇところも反吐がでるぜ」
中原中也「おいクソ太宰、その人形寄越せこらァ!」
太宰治「駄~目!万一の保険だもの」
中原中也「あいつ、絶対いつか殺す」
ラヴクラフト「さっきから…妙に…肩がこる…」
中原中也「何だ、あの異能は」
中原中也「どうする?」
太宰治「私の異能無効化なら、どんな攻撃も小指の先でちょちょい」
中原中也「おい太宰!大丈夫か?」
中原中也「てめェ…深手じゃねぇか」
太宰治「あの触手、実に不思議だ。異能力無効化が通じない」
中原中也「バカな!あり得んのか?」
太宰治「私の無効化に例外はないよ。可能性は一つしかない。あれは異能力じゃないんだ」
中原中也「異能力じゃねェなら、ありゃ何だ?」
太宰治「仕方ない。懐かしのやり方でいこう。作戦コード“恥と蟇蛙”は?」
中原中也「ここは“連子の外に雨”か、“造花の嘘”だろうが」
太宰治「中也、私の作戦立案が間違ってた事は?」
中原中也「重力操作。俺の異能力は、触れたものの重力を操る。そのまま寝てろタコ」
ラヴクラフト「フランシス君との契約は果たさねば…」
中原中也「おいおい…一体どういう冗談だ!?」
太宰治「これは、人外の類だね…」
中原中也「テメェ…腕が…」
太宰治「中也…死ぬ前に聞いて欲しい事が…」
中原中也「何言ってやがる!」
太宰治「ばあ!怪我の身で戦場に出るなら、これくらいの仕込みは当然だよ」
中原中也「手品してる暇あったら、あの悪夢をどうにかする作戦考えろ!」
太宰治「無理無理、諦めて死のう。もう残った手は一つしかないね」
中原中也「まさか!汚濁をやる気か」
太宰治「私達二人が“双黒”なんて呼ばれ出したのは、 一晩で敵対組織を建物ごと壊滅させた日からだ。ただし、私のサポートが遅れれば中也が死ぬ。選択は任せるよ」
中原中也「選択は任せるだと!?テメェがそれを言う時はな、いつだって他に選択肢なんかねぇんだよ」
中原中也「汝、陰鬱なる汚濁の許容よ」
中原中也「更めてわれを目覚ますことなかれ」
ジョン「何だ…あれは…」
太宰治「知りたいかい?ギルドの働き蟻君。あれが中也の持つ異能力の本当の姿だよ」
太宰治「中也の“汚濁”形態は、周囲の重力子を操る。圧縮した重力子弾はあらゆる質量を呑み込むブラックホールだ」
太宰治「マズいな…中也の体が持たない」
ジョン「ああなったらラヴクラフトを外部から破壊する手段は存在しない」
太宰治「そのつもりだったのだけど、面白くて見てた」
中原中也「あァ💢」
中原中也「てめェを信用して汚濁を使ったんだ…ちゃんと…俺を」
中原中也「拠点まで…送り届けろ…よ…」
太宰治「任せなよ、相棒」
ジョン「信じられない…あのラヴクラフトを…君達はいったい何者なんだ…」