国木田独歩「よし、完璧だ」
中島敦「うわあ…今日のスケジュールは一段と過密ですね」
中島敦「いくら国木田さんでもこの予定を全部こなすのは、さすがに無理なんじゃ…」
太宰治「忙しいのに悪いねえ。君にお客さんだ」
太宰治「国木田君の手帳を造っている職人さん」
国木田独歩「マスター・カーライルが!?これは夢か!すぐ戻る!決して粗相のないようにな!」
🔊「二番線に列車が参ります」
国木田独歩「太宰…貴様根性が悪すぎるぞ」
太宰治「いやだな。私は選択肢をあげただけだよ。予定を選んでもマスターを選んでもいずれにせよ君は幸せだ」
中島敦「(この人…鬼だ)」
太宰治「国木田君の手帳を造っている職人さん」
国木田独歩「マスター・カーライルが!?これは夢か!すぐ戻る!決して粗相のないようにな!」
🔊「二番線に列車が参ります」
国木田独歩「太宰…貴様根性が悪すぎるぞ」
太宰治「いやだな。私は選択肢をあげただけだよ。予定を選んでもマスターを選んでもいずれにせよ君は幸せだ」
中島敦「(この人…鬼だ)」
国木田独歩「こら!引っ張るな!」
幸田文「お兄さん、武装探偵社の国木田~とか偉そうな事言っとったやろ?さっきのスカポンタンぶっとばすん手伝って」
国木田独歩「はあ!?バカをいうな!お前は被害者で俺は次の仕事がある!後は警察に任せろ!」
幸田文「うわ!つまらん正論言うな国木田」
幸田文「お兄さん、武装探偵社の国木田~とか偉そうな事言っとったやろ?さっきのスカポンタンぶっとばすん手伝って」
国木田独歩「はあ!?バカをいうな!お前は被害者で俺は次の仕事がある!後は警察に任せろ!」
幸田文「うわ!つまらん正論言うな国木田」
宮沢賢治「谷崎さん、今日社長は?」
谷崎潤一郎「大事な用事とかで出かけてるよ。夜まで戻らないって」
谷崎潤一郎「大事な用事とかで出かけてるよ。夜まで戻らないって」
宮沢賢治「この探偵社で二番目に偉いのって誰ですか?」
江戸川乱歩「僕は違うぞ!偉いとか指揮なんて蟻んこ程に興味ないからな」
谷崎潤一郎「ふーん…だったら太宰さんかな…ね?太宰さん」
太宰治「くっ…あああ!どうすれば国木田君を血を吐く程苦悩させられるんだぁ!」
谷崎潤一郎「ふーん…だったら太宰さんかな…ね?太宰さん」
太宰治「くっ…あああ!どうすれば国木田君を血を吐く程苦悩させられるんだぁ!」
中島敦「(まだやるつもりなのか)」
幸田文「さあ!あのスカポンタンを捕まえるで国木田!ウチの名前は幸田文!文ちゃんでええよ」
国木田独歩「今日の予定が…俺の理想が…」
幸田文「しゃきっとせいや国木田!」
幸田文「そんな予定が大事なら何でさっき電車ほっぽってウチを助けに来たん?」
国木田独歩「理想だ。俺の目の前で人が殺される世界は俺の理想ではない。そう思っただけだ」
幸田文「なんか聞いてるこっちが恥ずかしいわ」
国木田独歩「今日の予定が…俺の理想が…」
幸田文「しゃきっとせいや国木田!」
幸田文「そんな予定が大事なら何でさっき電車ほっぽってウチを助けに来たん?」
国木田独歩「理想だ。俺の目の前で人が殺される世界は俺の理想ではない。そう思っただけだ」
幸田文「なんか聞いてるこっちが恥ずかしいわ」
国木田独歩「うるさい!」
幸田文「国木田」
桂正作「国木田さん程の凄腕相手ですから当然です。この2年綿密に計画を練りましたよ」
国木田独歩「やはりお前が」
国木田独歩「桂正作。二年前、違法爆弾を精製し、母校の校舎を爆破しようとして俺に逮捕された…その復讐に罠をはったのか」
国木田独歩「探偵社に無差別爆弾の噂を流したのもお前だな?」
国木田独歩「桂正作。二年前、違法爆弾を精製し、母校の校舎を爆破しようとして俺に逮捕された…その復讐に罠をはったのか」
国木田独歩「探偵社に無差別爆弾の噂を流したのもお前だな?」
桂正作「復讐…違う。僕はただ消したいだけです。あなたの言葉を」
桂正作「捕まった僕にあなたは何度でも言った。“逆境に折れるな。強くあれ。己を律し正しきを為せ”」
桂正作「あなたの理想、今でも頭にこびりついて離れない」
桂正作「“強くあれ”なぜそんな言葉が言える!?」
桂正作「土足で蹴り落とすような言葉を!なぜ言える!?」
桂正作「弱い人間が望んで弱いとでも思うか!」
桂正作「捕まった僕にあなたは何度でも言った。“逆境に折れるな。強くあれ。己を律し正しきを為せ”」
桂正作「あなたの理想、今でも頭にこびりついて離れない」
桂正作「“強くあれ”なぜそんな言葉が言える!?」
桂正作「土足で蹴り落とすような言葉を!なぜ言える!?」
桂正作「弱い人間が望んで弱いとでも思うか!」
桂正作「ハァ…ハァ…気を失ってる暇はありませんよ国木田さん」
幸田文「国木田?」
国木田独歩「動くな文」
桂正作「ふふふ…そうです。線路に仕掛けた爆弾の停止信号は」
桂正作「彼女に取り付けた爆弾の起爆信号と同じ周波数だ」
桂正作「いいんですか?無理に外せば起爆しますよ」
桂正作「つまり、少女と列車の乗客、救えるのはどちらか一方だけという事です」
国木田独歩「貴様…こうなる事まで予想して…」
桂正作「あなたは言った。“自分の目の前では誰も殺させない”それがあなたの理想でしたね。だが数百人の乗客と少女では比べるべくもない」
桂正作「さあ、その少女を殺して証明してください」
桂正作「理想など絵空事だと!あなたも僕と同じ人間にすぎないと!」
国木田独歩「お前が正しい。歯を食いしばって血反吐を吐いて抗っても人間は死ぬ」
国木田独歩「残酷で無慈悲で理想の欠片もない。それがこの世界だ」
国木田独歩「それでもたとえ目指す先が苦痛と砂漠でしかなくとも」
国木田独歩「それでも俺は理想を求める!」
桂正作「そうだ!あなたは少女を犠牲にするしかない!」
桂正作「ふふふ…そうです。線路に仕掛けた爆弾の停止信号は」
桂正作「彼女に取り付けた爆弾の起爆信号と同じ周波数だ」
桂正作「いいんですか?無理に外せば起爆しますよ」
桂正作「つまり、少女と列車の乗客、救えるのはどちらか一方だけという事です」
国木田独歩「貴様…こうなる事まで予想して…」
桂正作「あなたは言った。“自分の目の前では誰も殺させない”それがあなたの理想でしたね。だが数百人の乗客と少女では比べるべくもない」
桂正作「さあ、その少女を殺して証明してください」
桂正作「理想など絵空事だと!あなたも僕と同じ人間にすぎないと!」
国木田独歩「残酷で無慈悲で理想の欠片もない。それがこの世界だ」
国木田独歩「それでもたとえ目指す先が苦痛と砂漠でしかなくとも」
国木田独歩「それでも俺は理想を求める!」
桂正作「そうだ!あなたは少女を犠牲にするしかない!」
与謝野晶子「聞きなれた音響弾の音がしたから、来てみれば…」
国木田独歩「与謝野先生がこの時間買い物で駅にいる事は手帳に記入していましたから」
桂正作「じゃあさっきの音響手榴弾は…仲間に危機を知らせる為に」
国木田独歩「与謝野先生がこの時間買い物で駅にいる事は手帳に記入していましたから」
桂正作「じゃあさっきの音響手榴弾は…仲間に危機を知らせる為に」
幸田文「もし助けが間に合わんかったらどうするつもりやったん?」
国木田独歩「言っただろう。俺の目の前では誰も殺させない…とな」
中原中也「いえボス。何でもありません」
中原中也「どうやら探偵社に怨恨がある奴の愚行のようです」
中原中也「どうせなら太宰のポンツクでも襲ってくれりゃあ、ちったあ楽しめたのに…ま、あんな与太じゃあどうにもならんか」
幸田文「なぁ国木田…理想ばかのあんたにはどうせ嫁さんも彼女もおらんのやろ?」
幸田文「その…どうしてもいうんやったら…ウチがあんたの…」
国木田独歩「文、お前は配偶者計画の条件五十八項中、三十一項を満たさんので却下だ」
幸田文「はあ!?」
国木田独歩「言っただろう。俺の目の前では誰も殺させない…とな」
中原中也「いえボス。何でもありません」
中原中也「どうやら探偵社に怨恨がある奴の愚行のようです」
中原中也「どうせなら太宰のポンツクでも襲ってくれりゃあ、ちったあ楽しめたのに…ま、あんな与太じゃあどうにもならんか」
幸田文「その…どうしてもいうんやったら…ウチがあんたの…」
国木田独歩「文、お前は配偶者計画の条件五十八項中、三十一項を満たさんので却下だ」
幸田文「はあ!?」
国木田独歩「それと国木田さんな!」
種田山頭火「歳を重ねるとつい先の事を考えてしまう」
種田山頭火「異能開業許可証は、君個人に与えられたものだと私は思っている」
種田山頭火「杞憂かもしれぬが、君に万が一の事があった場合の探偵社の行く末が心配でね」
種田山頭火「異能開業許可証は、君個人に与えられたものだと私は思っている」
種田山頭火「杞憂かもしれぬが、君に万が一の事があった場合の探偵社の行く末が心配でね」