織田作之助「(うんざりだな…右を向いても左を向いても死体の山だ)」
「うえーーーん!」
織田作之助「太宰どこだ!」
太宰治「何をしてるのか大体察しがつくけど早く逃げろ。そこもすぐ危険になる」
中原中也「引っ込んでろサンピン!」
中原中也「引っ込んでろサンピン!」
太宰治「ちゃっちゃとやっちゃって。想定内でしょ」
中原中也「そういやあテメェには借りがあったな」
澁澤龍彦「手に入る…手に入らない…手に入る…手に入らない…」
澁澤龍彦「手に入る…手に入らない…手に入る…」
澁澤龍彦「手に入らない…手に入る…手に入らない…」
中原中也「そういやあテメェには借りがあったな」
澁澤龍彦「手に入る…手に入らない…手に入る…」
澁澤龍彦「手に入らない…手に入る…手に入らない…」
澁澤龍彦「ようこそ、退屈なお客人。どうせ君達も私の欲するものを与えられはしない。早々に死にたまえ。彼らのように。君の友人は皆自殺したよ。退屈な人間は死んでも退屈だ」
中原中也「てめぇえ!止めるなよ」
太宰治「やれやれ…陰鬱なる汚濁か…」
中島敦「はい?」
太宰治「誰のお墓かわかっているのかい?」
太宰治「誰のお墓かわかっているのかい?」
中島敦「太宰さんがお墓参りなんて初めて見ますから」
太宰治〈なぜわかる?〉
太宰治「好きな女性だったら一緒に死んでるよ」
中島敦「ま…太宰さんならそうか」
太宰治「何か言った?」
中島敦「あ、いえ別に」
太宰治「友人だよ。私がポートマフィアを辞めて探偵社に入るきっかけを作った男だ。彼がいなければ私は今でもマフィアで人を殺していたかもしれないね」
中島敦「?」
太宰治「パス」
中島敦「ええ?」
太宰治「ちょっと新しい自殺方法を試したくてねぇ」
中島敦「またですか?もう…」
国木田独歩「これは3年前に台湾の台北市街にあった監視カメラの映像です。これはただの異常気象ではありません」
国木田独歩「この霧が消失した後、不審な死体が発見されています」
江戸川乱歩「国木田、この人異能力者だね」
国木田独歩「おっしゃる通りです乱歩さん。その界隈では高名な炎使いの異能力者でした」
国木田独歩「これは1年前のシンガポール。やはり濃い霧が発生」
国木田独歩「彼はカードを操る能力者で腕利きの暗殺者でした」
国木田独歩「これは半年前のデトロイト。やはり霧のあとに発見された遺体です。彼女は氷使いの異能力者でした」
国木田独歩「この霧が消失した後、不審な死体が発見されています」
江戸川乱歩「国木田、この人異能力者だね」
国木田独歩「おっしゃる通りです乱歩さん。その界隈では高名な炎使いの異能力者でした」
国木田独歩「これは1年前のシンガポール。やはり濃い霧が発生」
国木田独歩「彼はカードを操る能力者で腕利きの暗殺者でした」
国木田独歩「これは半年前のデトロイト。やはり霧のあとに発見された遺体です。彼女は氷使いの異能力者でした」
福沢諭吉「つまり不思議な霧が出現した後、各国の異能力者は自分の異能で死んだ…という事だな」
宮沢賢治「この霧に何らの原因があるんですか?」
国木田独歩「確認されているだけでも同様と思われる案件が128件。命を落とした異能力者は500人以上。異能特務課はこの一連の事件を“異能力者連続自殺事件”と呼んでる」
中島敦「新しい自殺方法が思いついたのでパスだそうです」
国木田独歩「おの唐変木がぁ!」
江戸川乱歩「そうか…」
宮沢賢治「何してるんです?乱歩さん」
国木田独歩「澁澤龍彦29歳。わかっているのは何らかの異能力者である事と“コレクター”という通称だけです」
福沢諭吉「探偵社はこれより総力をあげこの男の捜査を開始する」
谷崎潤一郎「連続自殺なんてホントにあり得るんでしょうか…」
国木田独歩「何とも言えん。仮に精神捜査の異能を受けたのだとしても、これ程強力な異能ともなれば必ず国際捜査機関に情報があるハズだ」
国木田独歩「フム、キッチリカッチリ予定通りだ」
谷崎潤一郎「国木田さん!」
国木田独歩「特務課のエージェントだ。死んでる」
国木田独歩「犯人の遺留物か?」
太宰治〈そう、リンゴ自殺〉
織田作之助〈何故だ?〉
太宰治〈絶望だよ。母に毒を差は出された絶望…いや、もっと得体の知れないこの世界そのものが内包する絶望…だとしたら面白いね。最近面白い異能力者に会ったんだよ。そいつは人にリンゴ自殺させる。その内ヨコハマでも流行るかもね〉
織田作之助〈自殺がか?〉
太宰治〈絶望だよ。母に毒を差は出された絶望…いや、もっと得体の知れないこの世界そのものが内包する絶望…だとしたら面白いね。最近面白い異能力者に会ったんだよ。そいつは人にリンゴ自殺させる。その内ヨコハマでも流行るかもね〉
織田作之助〈自殺がか?〉
太宰治〈織田作程じゃない〉
坂口安吾「いえ、仕事中ですから」
太宰治「仕事?」
坂口安吾「澁澤龍彦、このヨコハマに呼び込んだのはあなたですね?」
坂口安吾「このヨコハマで異能力者の大量自殺を生むつもりですか」
太宰治「私を捕らえられると思っているのかい?」
「出て行け穀潰し!」
「お前などこの孤児院にいらん!」
「どこぞで野垂れ死ぬがいい」
中島敦「何だ?」
「!!」
中島敦「ハァ…ハァ…夢…か…」
坂口安吾「澁澤龍彦、このヨコハマに呼び込んだのはあなたですね?」
坂口安吾「このヨコハマで異能力者の大量自殺を生むつもりですか」
太宰治「私を捕らえられると思っているのかい?」
「お前などこの孤児院にいらん!」
「どこぞで野垂れ死ぬがいい」
中島敦「何だ?」
「!!」
中島敦「ハァ…ハァ…夢…か…」
国木田独歩「敦か…」
中島敦「大丈夫ですか!?何があったんです」
国木田独歩「国木田です。そちらは異能特務課で間違いないですか?」
坂口安吾「僕は異能特務課の坂口安吾です。国木田さん、そちらはどういう状況ですか?」
坂口安吾「僕は異能特務課の坂口安吾です。国木田さん、そちらはどういう状況ですか?」
坂口安吾「了解しました。例の霧現象がこのヨコハマでも起こってしまいました」
坂口安吾「これ程の大規模な霧現象は過去に観測例がありません。拡大こそ止まっているもののヨコハマ全域は霧に覆われ外部と遮断された状態にあります」
坂口安吾「ヨコハマ内部の人間はそのほとんどが行方不明または消失。異能力者のみ存在している様です」
坂口安吾「これ程の大規模な霧現象は過去に観測例がありません。拡大こそ止まっているもののヨコハマ全域は霧に覆われ外部と遮断された状態にあります」
坂口安吾「ヨコハマ内部の人間はそのほとんどが行方不明または消失。異能力者のみ存在している様です」
坂口安吾「幸いこの現象の元凶と思われる異能力者の居場所は判明しています」
国木田独歩「やはり澁澤龍彦ですか」
坂口安吾「あなた方探偵社に重要な任務を依頼します。首謀者である澁澤龍彦を排除してください。それとこれは補足ですが、その首謀者の元に太宰君がいるようです」
国木田独歩「太宰が?」
中島敦「捕まってるって事ですか?」
坂口安吾「このままではヨコハマが全滅します!」