中原中也「6年前の龍頭抗争に澁澤を送り込んだのはてめぇら役人だろうが」
中原中也「お題目はヨコハマ全体を巻き込んだ抗争を止める為だ。だが奴の頭に秩序維持なんてハナからねぇ」
中原中也「死体の数を増やしただけだ。それでも、てめぇら政府が奴を守り続けたのは、奴が国家規模の異能侵略に対抗しうる貴重な異能力者だからだ」
中原中也「だから奴が国外でいくら死体を作ろうと目を瞑る所か証拠隠滅までする始末」
坂口安吾「全てはこの国の平和の為です」
中原中也「言葉に気をつけろよ教授眼鏡」
中原中也「てめぇらが奴をよこさなきゃ俺の仲間6人は今も生きてたんだ」
坂口安吾「僕を殺しますか…構いません…あなたに依頼すると決めた時点で覚悟はできています」
中原中也「決まりだな」
中原中也「依頼は受ける」
中原中也「報酬はてめぇの命だ」
中原中也「言葉に気をつけろよ教授眼鏡」
中原中也「てめぇらが奴をよこさなきゃ俺の仲間6人は今も生きてたんだ」
坂口安吾「僕を殺しますか…構いません…あなたに依頼すると決めた時点で覚悟はできています」
中原中也「決まりだな」
中原中也「依頼は受ける」
中原中也「報酬はてめぇの命だ」
フョードル「計画通りですね」
フョードル「あるべき世界の姿を求めただけの事です」
フョードル「ただ、余興は多い方がいいでしょう?」
太宰君「道化は誰か…という事か…君と組むのは不本意だが、澁澤を道化にするには仕方なかった。何しろ奴は日本政府すら手玉に取った男だ」
フョードル「彼は太宰君の案内があろうとなかろうと最初からこのヨコハマで霧を起こすつもりでしたからね」
フョードル「どうぞ」
フョードル「一つは目に見える範囲の異能力者を一か所に集める結晶体。もう一つは触れた異能力者同士の異能力を混合し一つにする結晶体」
フョードル「この二つでコレクションをすべて吸収すればエネルギー源は断たれ、霧を維持できなくなります」
フョードル「さぁ、まずはあなたのキャンセル能力で結晶という殻を無効化し、異能をあるべき姿に戻してください」
太宰治「敦君達が無事だといいが…」
フョードル「ただ、余興は多い方がいいでしょう?」
太宰君「道化は誰か…という事か…君と組むのは不本意だが、澁澤を道化にするには仕方なかった。何しろ奴は日本政府すら手玉に取った男だ」
フョードル「彼は太宰君の案内があろうとなかろうと最初からこのヨコハマで霧を起こすつもりでしたからね」
フョードル「どうぞ」
フョードル「一つは目に見える範囲の異能力者を一か所に集める結晶体。もう一つは触れた異能力者同士の異能力を混合し一つにする結晶体」
フョードル「この二つでコレクションをすべて吸収すればエネルギー源は断たれ、霧を維持できなくなります」
フョードル「さぁ、まずはあなたのキャンセル能力で結晶という殻を無効化し、異能をあるべき姿に戻してください」
太宰治「敦君達が無事だといいが…」
「知ってしまえば知る前には戻れんぞ。お前が辿り着けたのなら、その扉に鍵はかかっていない」
「自らの意思で行き、そして死ね」
フョードル「融合の異能と無効化の異能…相反する二つの異能力が一つになり特異点が生まれる」
フョードル「太宰君の異能を手に入れてもあなたが本当に求めるもの」
「自らの意思で行き、そして死ね」
フョードル「融合の異能と無効化の異能…相反する二つの異能力が一つになり特異点が生まれる」
フョードル「太宰君の異能を手に入れてもあなたが本当に求めるもの」
フョードル「失われた記憶は戻りませんよ」
澁澤龍彦「なぜそれを知っている!」
フョードル「ご心配なく。あなたの失われた行間は僕が埋めて差し上げます」
フョードル「それが“死”です」
フョードル「何か思い出しませんか?」
澁澤龍彦〈あの院長は君の異能力を誤解している。君の異能は世界でも稀な存在〉
澁澤龍彦〈だが若さゆえなのか、その異能は君の奥深くに仕舞い込まれて私の霧でも取り出す事ができない。だからね〉
澁澤龍彦〈さぁ、私に驚きを与えてくれ〉
〈あああああああああ!〉
澁澤龍彦「あのとき私はスイッチを押した。君の異能が全ての異能力者の欲望を導く異能だと聞いたからだ」
澁澤龍彦「フョードルというロシア人に…」
フョードル「そうです。あの時あなたは死んだ」
フョードル「そしてあなたの異能を受け継いだのは死体から分離したあなた自身の異能だったのです」
フョードル「死の事実を忘れ、自分を納める部屋を自ら管理する収集品」
フョードル「それが今のあなたです」
澁澤龍彦「そう、あのとき君は私を殺した。その爪で」
中島敦「だって爪を立てるだろ!だって僕は生きたがった!」
中島敦「いつだって少年は生きる為に虎の爪を立てるんだ!」
フョードル「フフフ…終わりの始まりだ」
フョードル「ん?君は欲張りだな太宰君。死してなおこの町の終末を見届ける気かい?」
フョードル「あなたに僕という友人ができた記念にいい事を教えましょう」
フョードル「この霧の中でなぜ僕の異能が分離しないのか」
フョードル「考えた事はなかったのですか」
フョードル「僕は罪」
フョードル「僕は罰」
フョードル「知ってるかい?」
フョードル「罪と罰は仲良しなんだ」
中島敦「いつだって少年は生きる為に虎の爪を立てるんだ!」
フョードル「フフフ…終わりの始まりだ」
フョードル「ん?君は欲張りだな太宰君。死してなおこの町の終末を見届ける気かい?」
フョードル「あなたに僕という友人ができた記念にいい事を教えましょう」
フョードル「この霧の中でなぜ僕の異能が分離しないのか」
フョードル「考えた事はなかったのですか」
フョードル「僕は罰」
フョードル「知ってるかい?」
フョードル「罪と罰は仲良しなんだ」
フョードル「終焉の化身、異能を食らう霧の主」
フョードル「本能そのままに暴れ、食らい、吠えたけりなさい」
フョードル「これは暴走でも特異点でもない」
フョードル「龍こそが異能が持つ混沌」
フョードル「本来の姿なのです」
「6年前の5倍!5.5倍!異常値上昇中!」
坂口安吾「A5158の現在地は!」
フョードル「本能そのままに暴れ、食らい、吠えたけりなさい」
フョードル「これは暴走でも特異点でもない」
フョードル「龍こそが異能が持つ混沌」
フョードル「本来の姿なのです」
「6年前の5倍!5.5倍!異常値上昇中!」
坂口安吾「A5158の現在地は!」
中原中也「思いあがんなよコラ…6年前のテメェは下っ端の潜入捜査官だ。澁澤の投入に反対しても、訊き入れられなかったんだろ?」
中原中也「こいつは奴の戯れ言だ。太宰のポンツクはあの中にいる。間違いねぇ。一発殴らねぇと気が済まねぇんだよ。切るぞ」
辻村深月「まもなく目標地点上空です」
中原中也「お前、あん時の嬢か」
辻村深月「辻村です。本当に行く気ですか?」
中原中也「ああ」
中原中也「お前、あん時の嬢か」
辻村深月「辻村です。本当に行く気ですか?」
中原中也「ああ」
辻村深月「……わかりません」
辻村深月「すごい!どんどん上がってる!」
坂口安吾「彼の異能力は重力操作です。ですが自らを重力の化身とするあの汚濁状態は、自分では制御も解除もできません」
辻村深月「死ぬまで暴れ続けるって事ですか」
坂口安吾「唯一の解除方法である太宰君の異能無効化がない以上…彼は…もう…」
辻村深月「そんな…」
太宰治「白雪姫を目覚めさせるには少々乱暴な方法だったね」
太宰治「動くな」