『編入試験は当然超難関。合格者は3%も満たない』
クロード・ルッチ「(どれどれ…今年の志願者は…)」
ルッチ「(名門貴族の長男に魔法局事務次官の息子…杖の手入れに魔法書のチェック…試験に対して余念がない)」
ルッチ「(え?どういう事?今から魔法学校の編入試験なんですけど…何で筋トレしてる奴いんの)」
ルッチ「(空気イスしながら本読んでるー!受かる気あんの!?せめて魔法に関する本であれよ!)」
ルッチ「(なんか一人で言ってるし!)」
ルッチ「(しかも!後ろの二人は何!?全っ然隠れられてねぇし!)」
レグロ「本当に大丈夫なんじゃろうな…」
ブラッド「オレの段取りが信じらんねーか?」
ブラッド「顔のアザも本物そっくりに作ってある。多分面白いもんが見られるぜ」
ルッチ「今日の編入試験を担当するクロード・ルッチだ。よろしく」
「クロード・ルッチ!」
「次にくる魔法使い今年度7位に入った」
「若くして数々の高度な魔法を獲得したという噂の!?」
マッシュ「わざわざ火の中から出てくるとか熱そうだな」
ルッチ「(あいつは絶対落とす!)」
ルッチ「では早速一次試験を始める。全員席につけ」
「席?」
「席なんかないぞ」
「何だ?」
「机が現れたぞ!」
マッシュ「最初から用意してある部屋に連れてってくれればいいのに」
ルッチ「(殺す)」
ルッチ「制限時間は30分。それでは始め!」
レグロ「絶対無理じゃ!」
ブラッド「何でオレ、あの時イケるとか思ったんだろ…」
『それ以降もマッシュはなんやかんやで試験を突破した』
ルッチ「次の試験はこの迷路を解いて貰う。もちろんただの迷路ではない。中には様々な罠が仕掛けてある。制限時間は30分。時間内にゴール地点にいた者を合格とする」
レモン「あの、私も一緒に行っていいですか?」
マッシュ「何で?」
レモン「えっ…あの…きっと2人で協力した方が効率的だと思うんで」
レモン「(私の魔法でここは…)」
「タイムアップ!汝に罰を与える」
レモン「(これは確かに罰…自分の為に他人を騙した…最低ですね私は…ごめんなさいキノコ頭さん)」
マッシュ「そんな生き物いるわけないだろ」
マッシュ「何でわざわざ助けに来てくれたんですか?」
マッシュ「いや…諸事情が僕みたいな感じだったら、なんかカワイソウだと思って」
レモン「でもたぶんもう間に合いませんよ」
マッシュ「僕がどうやってここまで一瞬で来たと思ってるんだ」
「ふざけるなよ!」
「卑怯だろ!」
「帰れ!帰れ!帰れ!」
マッシュ「確かに…」
「迷って出てくるのが迷路だろうが」
マッシュ「ごもっとも」
レモン「やめてあげてください!彼は悪くないです!」
レモン「私が意図的にゴールにいけないようジャマしたんです」
レモン「ルッチ先生に言われて…その人を足止めしたら合格にしてやるって言われて…私んち貧乏で家族の為にも何とか入りたくて…」
レモン「やめてあげてください!彼は悪くないです!」
レモン「私が意図的にゴールにいけないようジャマしたんです」
レモン「ルッチ先生に言われて…その人を足止めしたら合格にしてやるって言われて…私んち貧乏で家族の為にも何とか入りたくて…」
マッシュ〈僕は重いとか別に気にしないけど〉
レモン「そんなに照れないで下さい。わかってます。アナタの気持ちは」
ルッチ「そうだ…悪いか?私は試験管だ。気に入らない奴を落とそうとして何が悪い?生意気なガキに貧乏少女。底辺にも利用価値があると思って声をかけてやったのに恩を仇で返しやがって」
ルッチ「お前ら二人は不合格だ」
マッシュ「言いすぎですよ先生」
ブラッド「(うわあ…杖折っちゃうんだ)」
校長「それではマッシュ・バーンデッドの最終面接を始める。まず最初になぜ我が校を選んだのか聞こう」
マッシュ「まあ一応…」
校長「なぜじゃね」
マッシュ「なんだか後悔しそうだったんで」
校長「もしスフィンクスが君より強かったり壁が壊せなかったらとは考えなかったのかな?」
マッシュ「まあ考えたところでやるしかないんで」
校長「君より圧倒的に強い存在が立ちはだかった時、はたして同じような行動がとれるかな?」
校長「例えばそれがワシだとしても」
マッシュ「なんだか後悔しそうだったんで」
校長「もしスフィンクスが君より強かったり壁が壊せなかったらとは考えなかったのかな?」
マッシュ「まあ考えたところでやるしかないんで」
校長「君より圧倒的に強い存在が立ちはだかった時、はたして同じような行動がとれるかな?」
校長「例えばそれがワシだとしても」
校長「申し訳ない。文字通り君を試させて貰った。そんな気はさらさらなかったんじゃ」
マッシュ「お構いなく。あ…校長がさっき言ってた“もし校長が僕の前に立ちはだかったら”って質問の答えなんですけど」
校長「フフ…ようこそイーストン魔法学校へ」
レグロ「優しくして」
『色々あったが、マッシュ・バーンデッドはイーストン魔法学校の編入試験に合格したのだった』
マッシュ「魔法とかそういうの苦手なんで」
フィン「(この学校、寮だからな…ああいう人と一緒の部屋になりたくないよな…)」
フィン「あれ?ドアが…」
フィン「ボクはフィン・エイムズ。今日からよろしく」
マッシュ「ボクはマッシュ・バーンデッド。わからない事ばかりで迷惑かけるかもだけどよろしく」
フィン「あれ?ドアが…」
フィン「ボクはフィン・エイムズ。今日からよろしく」
マッシュ「ボクはマッシュ・バーンデッド。わからない事ばかりで迷惑かけるかもだけどよろしく」
マッシュ「で、こっちがケビン、こっちがマイク」
フィン「(この人筋肉に名前つけてる!コエェエエ!そしていつ着替えたの!?)」
マッシュ「一ついいかい?この学校で神覚者になるにはどうしたらいいんだ?」
フィン「金の級硬貨(コイン)を集めるのさ。テスト・授業・課外活動・学校生活すべてが評価対象で、その評価に応じて金・銀・銅の硬貨が与えられるんだ」
フィン「まぁ硬貨とは関係なく学期ごとに一定の成績をとれないと退学になるんだけど…」
マッシュ「なんとなくわかってたけど、非常にまずいなこれは…」