Bungo Stray Dogs |
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原作(Original Story): 朝霧カフカ(Kafka Asagiri)
TVアニメ『文豪ストレイドッグス』 第1話ネタバレ
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第1話 人生万事塞翁が虎
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放送日 | 2016年4月7日 |
OPテーマ | TRASH CANDY (歌 : GRANRODEO) |
EDテーマ | 名前を呼ぶよ (歌 : ラックライフ) |
CAST |
中島敦 Nakajima Atsushi CV.上村祐翔 太宰治 Dazai Osamu CV.宮野真守 国木田独歩 Kunikida Doppo CV.細谷佳正 江戸川乱歩 Edogawa Ranpo CV.神谷浩史 与謝野晶子 Yosano Akiko CV.嶋村侑 宮沢賢治 Miyazawa Kenji CV.花倉洸幸
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TITLE CARD |
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EYECATCHER |
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ENDCARD |
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SEASON 1 VISUAL |
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中島敦「一杯の茶漬け…梅干しに刻み海苔…それに夕餉の残りの鶏肉…そいつを熱い白湯に浮かべ、塩昆布と一緒にかき込む」
中島敦「(旨かったなぁ…孤児院の台所で人目を忍んで食った茶漬けは…)」
中島敦「ダメた…腹減って死ぬ…僕の名前は敦。故あって餓死寸前です。孤児院を追い出され…食べる物も寝る所もなく…金もなく…」
中島敦「(しかし、もはや生きたければ盗むか、奪うしか無い)」
〈出て行け穀潰し!お前などこの孤児院にもいらん!」
中島敦「うるさい…うるさい!うるさーい!よし!この次に通りかかった奴を襲って、そいつから金品を奪ってやる!」
中島敦「さすがにこれは無理だ…空腹じゃ追いつけない」
中島敦「次!……トレーニング中の軍警が財布を持っているとは思えない」
中島敦「今度こそ!」
中島敦「これは流石にノーカンでしょ」
太宰治「助かったか…」
太宰治「ちぇっ」
中島敦「ちぇっ!?(今“ちぇっ”て言ったかこの人…)」
太宰治「君かい?私の入水を邪魔したのは」
中島敦「自殺!?」
太宰治「そう!私は自殺をしようとしていたのだ。それなのに君が余計なことを…」
太宰治「とは言え、人に迷惑をかけないクリーンな自殺が私の信条だ。なのに、君に迷惑をかけた時点でこちらの落ち度…何かお詫びでも」
太宰治「空腹なのかい?少年」
中島敦「実は…ここ数日何も食べてなくて…」
太宰治「奇遇だな。実は私もだ」
中島敦「それじゃ!」
太宰治「ちなみに財布は流されたようだ」
中島敦「え~~そんな~~」
国木田独歩「こんな所におったか唐変木!」
太宰治「国木田君!ご苦労様!」
国木田独歩「何がご苦労様だ!苦労は全てお前のせいだ!この自殺マニア!お前はどれだけ俺の計画を乱せば気が済む」
太宰治「あ、そうだ!よい事思いついた」
太宰治「彼は私の同僚なのだ。彼に奢って貰えばいい」
国木田独歩「人の話しを聞けよ!」
太宰治「君、名前は?」
中島敦「中島敦ですけど…」
太宰治「ではついて来たまえ敦君!何が食べたい?」
中島敦「あの…できれば…」
太宰治「なに遠慮はいらないよ」
中島敦「茶漬けが食べたいです」
太宰治「ふふふ…はっはっは!餓死寸前の少年が茶漬けを所望か」
太宰治「いいよ!国木田くんに30杯くらい奢らせよう!」
国木田独歩「俺の金で太っ腹になるな太宰!」
中島敦「太宰?」
中島敦「私の名だよ」
中島敦「私の名は太宰。太宰治だ」
国木田独歩「まったく貴様はという奴は仕事中に“良い川だね”とか言いながら、いきなり飛び込む奴があるか!お陰で見ろ!予定が大幅に遅れてしまった!」
太宰治「国木田君は予定表が好きだね~」
国木田独歩「これは予定表ではない!理想だ!我が人生の道標だ!そしてこれには仕事の相方が自殺マニアとは書いていない!」
中島敦「ぬんむいえおむんぐむん?」
国木田独歩「うるさい!」
国木田独歩「出費計画の頁にも俺の金で小僧がしこたま茶漬けを食うとは書いていない」
中島敦「んぐむぬ?」
国木田独歩「だから仕事だ。今日の仕事?軍関係の依頼だが」
太宰治「何で君達会話できてるの?」
中島敦「あ~食った~もう茶漬けは十年は見たくない~」
国木田独歩「お前💢人の金でこれだけ食っておいてよくもまぬけぬけと!」
中島敦「いや本当に助かりました。孤児院を出てヨコハマに来てから、食べるものも寝る所もなく、あわや餓死するかと…」
太宰治「君、施設の出かい」
中島敦「出というか…追い出されたんです」
太宰治「それは薄情な施設もあったものだね」
国木田独歩「おい太宰、俺達は恵まれぬ小僧に慈悲を垂れる篤志家じゃない。仕事に戻るぞ」
太宰治「そういえばさっき軍関係の依頼とおっしゃってましたが、何のお仕事を?」
国木田独歩「なァに…探偵だよ」
国木田独歩「異能集団、武装探偵社と言えば聞いたことがあるのではないか?」
中島敦「(風の噂で聞いた事があった。武装探偵社…曰く軍や警察に頼れない危険な仕事を専門にする探偵集団。昼の世界と夜の世界その間を取り仕切る薄暮の武装集団)」
中島敦「(なんでも武装探偵社の社員の多くが、異能力を持つものだと聞くが…この二人がそうなのか?)」
太宰治「おお!」
太宰治「あんな所に良い鴨居が!」
国木田独歩「立ち寄った茶屋で首吊りの算段をするな!」
太宰治「違うよ。首吊り健康法だよ」
国木田独歩「何だそれは」
太宰治「ええー!?国木田君知らないの!?すごく肩こりにきくのに!」
国木田独歩「何!?そんな健康法があるのか!?」
太宰治「ほら、メモメモ」
国木田独歩「くびつりけんこうほう…」
太宰治「嘘だけど」
中島敦「(この二人が本当にあの武装探偵社!?)」
中島敦「あの…今日のお仕事と言うのは…」
国木田独歩「あァ!」
国木田独歩「軍の依頼で虎探しをしている」
太宰治「近頃街を荒らしている噂の人食い虎だよ」
太宰治「どうした?敦君」
中島敦「ぼ…僕はこれで失礼します」
国木田独歩「待て小僧。貴様なんか知っているな?」
中島敦「無理だ!奴に人が敵うわけない!」
国木田独歩「貴様、人食い虎を知っているのか?」
中島敦「あいつは僕を狙ってる…殺されかけたんだ!この辺に出たんなら早く逃げないと!」
国木田独歩「小僧!茶漬け代は腕一本か全て話すかだな」
太宰治「まーまー国木田君、君がやると情報収集が尋問になる」
太宰治「君はあの虎の何を知ってる?」
中島敦「ウチの孤児院はあの虎にぶっ壊されたんです」
中島敦「畑を荒らされ…鳥小屋も壊され…それに倉庫も…」
中島敦「死人こそ出なかったけど、貧乏孤児院がそれで立ち行かなくなって、口減らしに僕は追い出された」
中島敦「あの人喰い虎…僕を追いかける様に僕の行く所の先々に現れるんです。この間も…」
中島敦「施設を追い出された2週間前から、何度もあいつの影を見た」
太宰治「その虎を最後に見たのはいつの話だい?」
中島敦「鶴見の辺りであいつを見たのが、確か四日前です」
国木田独歩「確かに、虎の被害は二週間前からこっちに集中しているな。それに四日前に鶴見の辺りで虎の目撃証言もある」
太宰治「敦君これから暇~?虎探しを手伝ってくれたまえ」
中島敦「いやですよ!」
太宰治「国木田君は社に戻ってこのメモを社長に」
中島敦「おい、二人だけて捕まえる気か?まずは情報の裏を取って…」
太宰治「いいから」
中島敦「僕は嫌ですからね!それってつまり、餌ってことじゃないですか!誰がそんな」
太宰治「報酬出るよー?」
中島敦「報酬!?報酬って…そんなものじゃ釣られませんからね!」
中島敦「ちなみに…その報酬というのは…」
太宰治「これくらい」
中島敦「太宰さん、何を読んでるんですか?」
太宰治「いい本」
中島敦「こんな暗い中でよく読めますね」
太宰治「目は良いから。それに内容は全て頭に入ってるし」
中島敦「じゃあ何で読んでるんですか?」
太宰治「何度読んでもいい本はいい」
中島敦「本当に虎はここに現れるんでしょうか」
太宰治「現れる」
太宰治「心配いらない。虎が現れても私の敵じゃないよ。こう見えても武装探偵社の一隅だ」
中島敦「すごい自信ですね。なんか羨ましいです。僕なんか孤児院でもずっとダメな奴って言われてて…その上、今日の寝床も明日の食いぶちも知れない身で…確かにこんな奴がどこでのたれ死んだって誰も気にしない…いや、いっそ虎に食われて死んだ方が…」
太宰治「さて、そろそろかな」
中島敦「今奥で物音が!きっと奴ですよ太宰さん!人食い虎だ!僕を食いに来たんだ!」
太宰治「落着きたまえ敦君。虎はあんな所からは来ない。そもそも変なのだよ。経営が傾いたからって、そんな理由で養護施設が児童を追放するかい?」
太宰治「第一、経営が傾いたのなら一人二人追放した所でどうにもならない。半分くらい減らして他所の施設に移すのが筋だ」
太宰治「君がこの町に来たのが二週間前。虎が町に現れたのも二週間前。君が鶴見の辺りにいたのが四日前」
太宰治「同じ場所で虎が目撃されたのも四日前。国木田君が言っていたろう。武装探偵社は異能の力を持つ輩の寄り合いだと」
太宰治「そして、その力で成功する者もいれば、力を制御できずに身を滅ぼす者もいる」
太宰治「多分施設の人達は虎の正体を知っていたが、君には教えなかったのだろう」
太宰治「君だけがわかっていなかったんだよ。君も異能の力を持つ者だ。現身に飢獣を降ろす月下の能力者」
太宰治「獣に食い殺される最後というのも、なかなか悪くないが…君では私を殺せない」
太宰治「異能力」
太宰治「人間失格」
太宰治「私の能力は、あらゆる他の異能力を触れただけで無効化する」
太宰治「男と抱き合う趣味はない!」
国木田独歩「おい太宰!」
太宰治「遅かったな国木田君。虎は捕らえたよ」
国木田独歩「まさかこの小僧が」
太宰治「虎に変身する能力者だ」
国木田独歩「まったく…何だこのメモは」
太宰治「“15番街の倉庫に虎が出る。逃げられぬ様、周囲を固めろ”…実に完結で良いメモだ」
国木田独歩「要点が抜けとる。次からは事前に説明しろ。おかげで非番の奴らまで借り出す始末だ。後で皆に酒でも奢れ」
与謝野晶子「なんだい、怪我人は無しかい。つまんないね」
江戸川乱歩「中々できるようになったじゃないか太宰。まぁ僕には及ばないけどね」
宮沢賢治「でもこの人、どうするんです?自覚はなかった訳でしょ?」
国木田独歩「どうする太宰?一応、区の災害指定猛獣だぞ」
国木田独歩「はああああ!?何の権限があって貴様は」
太宰治「起きろ少年!」
太宰治「敦君、変身中の記憶は全く無しかい?」
中島敦「何の事です?」
太宰治「あ、でもまだ右手に残ってる」
中島敦「右手?」
中島敦「うわあああああああ!なにこれなにこれ!やだやだやだやだ!」
太宰治「中島敦!」
太宰治「これより君は私達の仲間になれ。今日から君は武装探偵社の一員だ」
中島敦「はい?」