Bungo Stray Dogs |
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原作(Original Story): 朝霧カフカ(Kafka Asagiri)
TVアニメ『文豪ストレイドッグス』 第10話ネタバレ
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第10話 羅生門と虎
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放送日 | 2016年6月9日 |
OPテーマ | TRASH CANDY (歌 : GRANRODEO) |
EDテーマ | 名前を呼ぶよ (歌 : ラックライフ) |
CAST |
🔸中島敦 Nakajima Atsushi CV.上村祐翔 🔸太宰治 Dazai Osamu CV.宮野真守 🔸国木田独歩 Kunikida Doppo CV.細谷佳正 🔸中原中也 Nakahara Chuya CV.谷山紀章 🔸芥川龍之介 Akutagawa Ryunosuke CV.小野賢章 🔸泉鏡花 Izumi Kyoka CV.諸星すみれ 🔸フランシス Francis F. CV.櫻井孝宏
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中原中也「異能無効化は厄介だが、この状況なら異能を使うまでもねぇ」
中原中也「立てや。パーティーは始まったばかりだぜ!」
太宰治「ふふ…さすがポートマフィアきっての体術使い…ガードした腕がもげるかと思ったよ」
中原中也「(寸前で腕を上げガードしたのか…攻撃を読まれているな…)」
太宰治「君とは長い付き合いだ。手筋も間合いも動きのクセも完全に把握している。でなきゃ相棒は務まらない。だろ?」
中原中也「だったらこの攻撃も読まれてるんだろうな!」
中原中也「パンチってのはなァ、こうやって打つんだよ!」
中原中也「動きが読める程度で俺に勝てると思ったか」
中原中也「最後に教えろ。わざと捕まったのはなぜだ?ここで何を待っていた?」
太宰治「………」
中原中也「フン、だんまりか、いいさ、拷問の楽しみが増えるだけだ」
太宰治「一番は…敦君だ」
中原中也「敦?」
太宰治「君達がご執心の人虎さ。彼の為に70億の賞金を懸けたお大臣が誰か知りたくてね」
中原中也「身を危険にさらしてまで?泣かせる話じゃねぇか」
中原中也「麒麟も老いぬれば駑馬に劣るってか…歴代最年少幹部さんよ。ま、運にも見放されたってわけさ」
太宰治「フッ…」
中原中也「何がおかしい」
太宰治「いい事を教えよう。明日、五大幹部会がある」
中原中也「バカな!あれは数年に一度、組織の趨勢を決定する時だけ開かれる、極めて強制力の強い意思決定会議だ。あるならとっくに連絡が…」
太宰治「理由は私が先日、組織上層部にある手紙を送ったからだ。で、予告するんだけど、君は私を殺さない。それどころか、懸賞金の払い主に関する情報のありかを私に教えた上でこの部屋を出て行く」
太宰治「それも、内股歩きのお嬢様口調でね」
中原中也「あァ?」
太宰治「私の予言は必ず当たる。知ってると思うけど?」
中原中也「この状況で何が」
中原中也「手紙!?手紙だと!?」
太宰治「手紙の内容はこうだ。“太宰、死没せしむる時、汝らのあらゆる秘匿 、公にならん”」
太宰治「元幹部で裏切り者の私を捕縛した。けど上層部に太宰が死んだら組織の秘密が全部バラされるよっていう手紙までついてきた。検事局に渡れば、ポートマフィアの幹部全員を100回は死刑にできる」
中原中也「そんな脅しに日和る程ポートマフィアはぬるくねぇ。てめぇは死ぬ!死刑だ!」
太宰治「だろうね。けどそれは幹部会の決定事項だ。決定前に私を勝手に私刑にかけたら、独断行動で背信問題になる。罷免か、最悪処刑だ」
中原中也「そして俺が諸々のしがらみを振り切っててめぇを殺したとしても、てめぇは死ねて喜ぶだけ…」
太宰治「フフ…って事でやりたきゃどうぞ」
中原中也「………」
太宰治「ほら早く」
太宰治「まーだーかーなー」
太宰治「何だ、やめるの?私のせいで組織を追われる中也…ってのも素敵だったのに」
中原中也「まさか」
太宰治〈一番は…敦君だ〉
中原中也「ってことは!二番目の目的は俺に今の最悪の選択をさせる事!」
太宰治「フッ」
太宰治〈そもそも君、何しに来たの?〉
中原中也〈嫌がらせだよ〉
中原中也「むしろてめぇが俺に嫌がらせをする為に待ってたって事か」
太宰治「久しぶりの再会なんだ。このくらいのサプライズは当然だよ」
中原中也「死なす!絶対こいついつか必ず死なす!」
太宰治「ところで、鎖を壊して私を解放したのは君だよね~?私がこのまま逃げたら、君は逃亡幇助の疑いをかけられるよ~?」
中原中也「てめぇ!」
太宰治「君が言う事聞くなら、探偵社の誰かが助けに来た風に偽装してもいい」
中原中也「それを信じろってのか!」
太宰治「私はこういう取り引きで嘘はつかない。知ってると思うけど?」
中原中也「てめぇ…望みは何だよ」
太宰治「さっき言ったよ」
中原中也「人虎がどうとかの話なら、芥川が仕切ってた。奴は二階の通信保管所に記録を残してるハズだ」
太宰治「あっそ、まぁ予想はついてたけどねー!」
中原中也「あァ!?」
中原中也「用済ませてさっさと消えろ」
太宰治「それはどうも。でも一つ訂正。今の私は美女との心中が夢なので君に蹴り殺されても毛程も嬉しくない。悪いけど」
中原中也「あっそ。じゃ今度自殺志望の美人探しといてやるよ」
太宰治「中也♡君、実はいい人だったのかい?」
中原中也「早く死ねって意味だよ馬鹿野郎」
中原中也「言っておくがな太宰…これで終わると思うなよ。二度はねェぞ」
太宰治「違う違ーう。何か忘れてなーい?なーんーかー忘れてーなーいーかーなー?」
中原中也「二度目はなくってよ!」
「…………」
中原中也「……なくってよっ……」
芥川龍之介「密輸船だ。今日は貴様の為に貸切りだが、引き渡しまでの数刻、人生最後の船旅を楽しめ」
中島敦「(こいつと戦っても勝てるわけない…隙を見つけて逃げないと)」
芥川龍之介「弱者は死ね。死んで他者に道を譲れ」
中島敦「(何だ!?僕に対するこの激しい憎しみは…)」
芥川龍之介「外の世界に触れて心が動いたか?鏡花」
泉鏡花「彼を逃がして!」
芥川龍之介「どん底を知っているか?」
芥川龍之介「あるのは汚泥、腐臭、自己憐憫」
芥川龍之介「遥か上方の穴からときより人が覗き込むが、誰もお前に気づかない。一呼吸ごとに惨めさが肺を焼く。外でお前を待つのはそれだ、鏡花」
芥川龍之介「夜叉白雪は殺戮の権化。そんなお前がポートマフィアを出て普通に生きると?人虎、教えてやるがいい」
芥川龍之介「誰にも貢献せず、誰にも頼られず、泥虫のように怯えて生きるのがどういう事か」
芥川龍之介「殺しを続けろ鏡花。ポートマフィアの暗殺者として。でなければ呼吸をするな。無価値な人間に呼吸する権利はない」
泉鏡花「そうかもしれない…」
泉鏡花「でも…クレープ…美味しかった…」
国木田独歩「小僧!小僧!どこだ!」
中島敦「国木田さん?」
芥川龍之介「もう気付いたか探偵社」
泉鏡花「今のうちに逃げて!この船は取引場所には行かない!」
芥川龍之介「ならばどこへ行く」
泉鏡花「どん底」
芥川龍之介「まさか武器庫に爆薬を…自決するつもりだな!?己の命をかけてまで救う価値のある男か!彼奴は!」
国木田独歩「ここだ小僧!爆発のせいでこれ以上近づけん!飛べ!」
中島敦「(助かる…これで僕は…)」
国木田独歩「このドアホ!どれだけ社に迷惑をかける気だ!社員全員タダ働きだぞ!」
中島敦「彼女は…」
国木田独歩「あの娘は諦めろ!善良な者がいつでも助かるわけではない!俺も何度も失敗してきた!そういう街でそういう仕事だ!」
中島敦「彼女は…僕と食べたクレープ、美味しかったって…無価値な人間は呼吸する権利がないと言われて…そうかもしれないって…僕は違うと思う…」
中島敦「だって太宰さんは!探偵社は僕を見捨てなかった!」
中島敦「勝負だ、芥川! 」
芥川龍之介「今となっては奇異なる事だが、貴様とはいずれこうなる気がしていた」
中島敦「懸賞金を取りっぱぐれるぞ」
芥川龍之介「気にするな。最早貴様を生かして渡す気などない」
中島敦「お前は許せない!」
芥川龍之介「やつがれとて同じ事!」
芥川龍之介「羅生門!」
中島敦「(これがある限り攻撃が届かない!)」
芥川龍之介「その程度か人虎。なぶる趣味はない」
芥川龍之介「呪うなら己が惰弱さを呪え。貴様は探偵社という武装組織に属した故に、自らも強いと錯覚しただけの弱者」
中島敦「今日はずいぶんとよく喋るな」
芥川龍之介「無口だと申告した覚えはないが」
中島敦「お前の言う通りだ。僕は弱い。けど一つだけ長所がある」
芥川龍之介「何だ」
中島敦「お前を倒せる!」
中島敦「(やっぱりだ!空間断絶のガードは発動時間がかかる!)」
中島敦「何!?」
芥川龍之介「ガキの殴り合いには付き合えぬ。悪いがここから貴様の奮闘を鑑賞させてもらう」
中島敦「しまった!」
太宰治〈能力発動が遅い!敵は君が起きるのを待ったりしない。さぁ立て。異能力で反撃しろ〉
太宰治〈それとも、貧民街の野良犬に戻りたいか?〉
芥川龍之介「何故だ…」
芥川龍之介「何故貴様なのだ!」
芥川龍之介「貴様の異能は所詮身に付けて幾許も無い付け焼刃」
芥川龍之介「欠缺ばかりで戦術の見通しも甘い」
芥川龍之介「なのに何故貴様なのだぁ!」
中島敦「(まただ…僕への憎しみ…この凄まじい憎悪は一体…)」
太宰治〈私の新しい部下は君なんかよりよっぽど優秀だよ〉
芥川龍之介「言わせぬ…」
芥川龍之介「あの人にあのような言葉!二度と言わせぬ!」
芥川龍之介「羅生門」
芥川龍之介「彼岸桜」
中島敦「待て…お前はそんなに強いのに…どうして彼女を利用したんだ」
芥川龍之介「利用したのではない。夜叉白雪は殺戮の異能力。他者を殺す時のみ、鏡花は意味を得る。人を殺さねば無価値。やつがれは鏡花に価値を与えただけだ。生きる価値を」
中島敦「誰かに生きる価値があるかどうかを、お前が決めるな!」
中島敦「どうして彼女に、もっと違う言葉を掛けてやれなかったんだ」
中島敦「人は誰かに“生きていいよ”と言われなくちゃ、生きていけないんだ!」
中島敦「そんな簡単な事がどうしてわからないんだ!」
芥川龍之介「(虎の超再生!)」
芥川龍之介「(奴を近づけてはまずい!この距離で仕留める!)」
芥川龍之介「羅生門!早蕨!」
中島敦「ああっ!」
芥川龍之介「羅生門!獄門顎」
芥川龍之介「そのまま落ちろ」
芥川龍之介「(虎の尾!?)」
太宰治「さぁて、70億も支払って虎を買おうとしたのはどこの誰かなぁと…」
太宰治「こいつらは」
フランシス「時間だ」
フランシス「懸賞金作戦は失敗か…島国のマフィアめ、とんだ半ちくだな」
フランシス「約定の地は我々ギルドが必ず頂く」