中島敦「(味噌汁の匂い?)」
泉鏡花「おはようございます」
中島敦「同棲なんて聞いてませんよ!」
太宰治「部屋が足りなくてねぇ」
太宰治「彼女は同意してるよ」
泉鏡花「指示なら」
太宰治「わからないかい、敦君」
中島敦「なんです?」
太宰治「縁者もいない彼女は沼の中のように孤独だ。それに、組織の刺客が来るやもしれない」
中島敦「確かに…」
太宰治「君が守るんだ」
中島敦「わかりました。頑張ります!」
太宰治「私の代わりに報告書を書きたまえ」
中島敦「えぇぇ……」
国木田独歩「ギルドは都市伝説の類だぞ」
国木田独歩「構成員は政財界や軍閥要職を担う一方で、裏では膨大な資金力と異能力で幾多の謀を底巧む秘密結社…そんな連中が何故敦を?」
谷崎潤一郎「た…大変です!」
太宰治「先手を取られたね」
国木田独歩「構成員は政財界や軍閥要職を担う一方で、裏では膨大な資金力と異能力で幾多の謀を底巧む秘密結社…そんな連中が何故敦を?」
谷崎潤一郎「た…大変です!」
太宰治「先手を取られたね」
フランシス「会えてとても嬉しいよ。プレジデント・フクナ……フクダ?」
フランシス「それだ。ところでヘリを道路に留めさせたが、まずかったかね?」
福沢諭吉「外つ国の方が遠路はるばる、ご苦労でしたな。してご用件は?」
フランシス「ほう!珍しいデザインだ」
フランシス「陶磁器には詳しいつもりだったが、どこのブランドかな?ロイヤル・ブラン?あるいはエル・ゼルガか?」
福沢諭吉「外つ国の方が遠路はるばる、ご苦労でしたな。してご用件は?」
フランシス「ほう!珍しいデザインだ」
フランシス「陶磁器には詳しいつもりだったが、どこのブランドかな?ロイヤル・ブラン?あるいはエル・ゼルガか?」
ナオミ「隣の下村陶器店です」
フランシス「それは失礼。俺の事はフランシスと呼んでくれ、オールドスポート。北米本国でギルドという寄合を束ねている。その他個人的に三つの複合企業と五つのホテル、それに航空会社と」
フランシス「ん?」
福沢諭吉「貴君は懸賞金でポートマフィアを唆し、我々を襲撃させたとの報告があるが、誠か?」
福沢諭吉「貴君は懸賞金でポートマフィアを唆し、我々を襲撃させたとの報告があるが、誠か?」
福沢諭吉「まさか」
フランシス「そうだ。"異能開業許可証"をよこせ」
フランシス「この国では異能力者の集まりが合法的に開業するには、内務省異能特務課が発行した許可証が必要だ。特務課の石頭どもだけは金で買収できない。なにしろ表向きは"ない"ことになっている秘密組織だ」
フランシス「そうだ。"異能開業許可証"をよこせ」
フランシス「この国では異能力者の集まりが合法的に開業するには、内務省異能特務課が発行した許可証が必要だ。特務課の石頭どもだけは金で買収できない。なにしろ表向きは"ない"ことになっている秘密組織だ」
フランシス「連中を敵に回さず、大手を振ってこの街で捜し物をするには、その許可証が」
福沢諭吉「断る」
フランシス「なんだ、これでは足りんか?それでは、これもつけよう。限定生産で特注ダイヤがあしらわれた一品だ」
福沢諭吉「命が金で購えぬように、許可証と替えられる物など存在せぬ。あれは社の魂だ。特務課の期待、許可証発行に尽力して頂いた夏目先生の想いが込められている。頭に札束の詰まった成金が、易々と触れて良い品物ではない」
福沢諭吉「御忠告、心に留めよう。返したまえ」
フランシス「また来る」
太宰治「ニュースでもやっているよ」
📺「ご覧ください。七階建ての建物が一夜にして消滅してしまいました!一部情報筋では、消滅した建物にはポートマフィアのフロント企業が入っており、構成員の事務所として使われていたとの情報もあります」
国木田独歩「メッセージとはこれか?」
谷崎潤一郎「彼らを送っていた賢治君も、矢張り寮には居ませんでした」
太宰治「逆らう探偵社も、用済みのマフィアも全て消す…か…」
国木田独歩「谷崎、これ以上単独で動くな。敦と組んで賢治探せ。太宰は俺と一緒に来い。社長会議だ」
国木田独歩「どんな異能を持っているかもわからん。敵と接触しても戦わずに逃げろ」
中島敦「はい」
谷崎潤一郎「ナオミ、やっぱり社に戻るんだ。危険過ぎる」
谷崎ナオミ「建物ごと消せるんだから、何処に居たって同じよ」
中島敦「敵の攻撃?」
谷崎潤一郎「バカな、何の気配もなかったぞ!」
谷崎潤一郎「バカな、何の気配もなかったぞ!」
ルーシー「皆さんようこそ、アンの部屋へ」
ルーシー「あら嫌だわ、こんな沢山の方に見つめられて…あたし初対面の方とお話しするの苦手なの。でもダメね、ちゃんと説明しなくちゃ皆さんお困りだわ。だって、こんな見知らぬ場所に突然連れて来られたんですもの。あたしだったら心臓が飛び跳ねてしまうことでしょう」
谷崎潤一郎「ナオミはどこだ」
ルーシー「あらごめんなさい。その説明が最初よね。探偵社の皆さんはあちらよ」
谷崎潤一郎「賢治君!ナオミ!」
谷崎潤一郎「クソ!ナオミ!」
ルーシー「鍵無しでは開かないわ。開くのはあっち」
中島敦「(静止してる。時間が止まってる?)」
ルーシー「あたしの名前はルーシー。ここはあたしの異能力で作った空間なの。でも安心なさって。いつでもその白い扉から出られるわ。お仲間を取り返したくなければですけど」
谷崎潤一郎「どうするつもりだ?」
ルーシー「簡単よ。この部屋のアンと遊んでいただきたいの。いらっしゃい、アン」
ルーシー「アンは遊ぶのが大好きなの。少し甘えん坊だけど可愛いのよ」
「きゃああああああああ」
ルーシー「ただしドアから出たら部屋の中の事はぜーんぶ忘れちゃうわよ?よろしくて?」
ルーシー「あらあら、残ったのは三人だけ?」
ルーシー「あら嫌だわ、こんな沢山の方に見つめられて…あたし初対面の方とお話しするの苦手なの。でもダメね、ちゃんと説明しなくちゃ皆さんお困りだわ。だって、こんな見知らぬ場所に突然連れて来られたんですもの。あたしだったら心臓が飛び跳ねてしまうことでしょう」
谷崎潤一郎「ナオミはどこだ」
ルーシー「あらごめんなさい。その説明が最初よね。探偵社の皆さんはあちらよ」
谷崎潤一郎「賢治君!ナオミ!」
谷崎潤一郎「クソ!ナオミ!」
ルーシー「鍵無しでは開かないわ。開くのはあっち」
中島敦「(静止してる。時間が止まってる?)」
ルーシー「あたしの名前はルーシー。ここはあたしの異能力で作った空間なの。でも安心なさって。いつでもその白い扉から出られるわ。お仲間を取り返したくなければですけど」
谷崎潤一郎「どうするつもりだ?」
ルーシー「簡単よ。この部屋のアンと遊んでいただきたいの。いらっしゃい、アン」
ルーシー「アンは遊ぶのが大好きなの。少し甘えん坊だけど可愛いのよ」
「きゃああああああああ」
ルーシー「あらあら、残ったのは三人だけ?」
中島敦「ここは危険です。逃げた方が良い」
森鷗外「女の子を探しているんだ。天使の様に可愛い子なのだよ。何処かで見なかったかな?」
中島敦「いえ…残念ながら」
森鷗外「そうか…エリスちゃんと言う名でね、とにかくこの娘と逸れて私はもう気が気でなくって…あの扉の向こうにいるかもしれない。もしそうなら、今逃げたら一生後悔する。だから私も残るよ」
森鷗外「女の子を探しているんだ。天使の様に可愛い子なのだよ。何処かで見なかったかな?」
中島敦「いえ…残念ながら」
森鷗外「そうか…エリスちゃんと言う名でね、とにかくこの娘と逸れて私はもう気が気でなくって…あの扉の向こうにいるかもしれない。もしそうなら、今逃げたら一生後悔する。だから私も残るよ」
ルーシー「すごいすごい。なんて力強くて便利な能力なんでしょう。さぞ幼少からチヤホヤされたに違いないわ。私も孤児院育ちなの。とても寒い所よ」
ルーシー「氷のような冷たい水で一日雑巾がけをした後は、何日も指の痛みが取れなかったわ」
ルーシー「あらあら大事な鍵なのに」
中島敦「鍵でドアを開ければ勝ちじゃないのか!?」
ルーシー「あたしは失敗するわけには…」
ルーシー「いや!待って!」
ルーシー「うわああああああああああ!」
中島敦「あの…君!もし僕に何かできる事が…」
森鷗外「エリスちゃん!」
森鷗外「大丈夫だったかい?どこに行っていたのだ?」
森鷗外「心配したのだよ!突然いなくなるから」
中島敦「鏡花ちゃん?迎えに来てくれたの?」
泉鏡花「心配した」
中島敦「先程はアドバイスありがとうございました。そういえば、お医者さんなのですか?」
森鷗外「楽しいひと時だった。私も童心に帰って、異能力で敵をバッサバサとやっつけたくなったよ」