Bungo Stray Dogs |
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原作(Original Story): 朝霧カフカ(Kafka Asagiri)
TVアニメ『文豪ストレイドッグス』 第8話ネタバレ
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第8話 人を殺して死ねよとて
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放送日 | 2016年5月26日 |
OPテーマ | TRASH CANDY (歌 : GRANRODEO) |
EDテーマ | 名前を呼ぶよ (歌 : ラックライフ) |
CAST |
🔸中島敦 Nakajima Atsushi CV.上村祐翔 🔸太宰治 Dazai Osamu CV.宮野真守 🔸江戸川乱歩 Edogawa Ranpo CV.神谷浩史 🔸与謝野晶子 Yosano Akiko CV.嶋村侑 🔸宮沢賢治 Miyazawa Kenji CV.花倉洸幸 🔸谷崎潤一郎 Tanizaki Jun'ichirō CV.豊永利行 🔸芥川龍之介 Akutagawa Ryunosuke CV.小野賢章 🔸泉鏡花 Izumi Kyoka CV.諸星すみれ 🔸梶井基次郎 Kajii Motojiro CV.羽多野渉
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TITLE CARD |
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EYECATCHER |
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ENDCARD |
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「お嬢ちゃん、誰かと待ち合わせ?」
「そう言えばお嬢ちゃん昨日もここで見かけたけど、ずっとここに立ってるの?」
太宰治「え?私?」
国木田独歩「太宰が行方不明?」
中島敦「電話もつながりませんし、下宿にしも帰っていないようで…」
国木田独歩「どうせまた川の中だ」
宮沢賢治「拘置所にいるパターンかも」
江戸川乱歩「女とどっかに行ったと見た」
国木田独歩「あの男の危機察知能力と生命力は悪魔の域だ」
宮沢賢治「あれだけ自殺未遂を重ねてもまだピンピンしていますもんね」
江戸川乱歩「ポートマフィアごときに遅れを取るとは思えんな」
谷崎潤一郎「僕が調べておくよ」
中島敦「谷崎さん!もう大丈夫なんですか!?」
谷崎潤一郎「おかげさまで」
国木田独歩「やっと回復したか」
谷崎潤一郎「与謝野先生の治療の賜物です」
国木田独歩「それで、何度やられた?」
谷崎潤一郎「よ…四回です…敦君…この探偵社にいる間は怪我だけはしちゃ駄目だよ…」
江戸川乱歩「マズイと思ったらすぐ逃げる。危機察知能力を日頃から養っておく事だね。例えば今から10秒後…」
中島敦「与謝野先生おはようございます」
与謝野晶子「おう敦かい。どっか怪我してない?」
中島敦「ええ、大丈夫ですけど」
与謝野晶子「ちぇっ」
中島敦「ちぇっ?」
与謝野晶子「誰かに買い物付き合って貰おうと思ったけど、アンタしかいないようだね」
中島敦「(危機察知能力ってこれ?)」
中島敦「与謝野先生、まだ買うんですか?」
「どういうつもりだ小僧!欧州デザインの特別誂えだぞ!」
中島敦「す…すみません!」
与謝野晶子「申し訳ありません。お怪我は?」
「触るな!この件は君の所属企業に抗議させて貰おう!おい仕事は何だ?」
「お茶くみか?接客女か?それとも、もう少し特殊な業務かな~?」
与謝野晶子「アタシは医者だよ工口親父」
与謝野晶子「おや?あんた腕が2本もあるね。多すぎて不便だろう?一本取ってやろうか?」
中島敦「さっきは…その…すみません…荷物もこんな事になっちゃって…」
与謝野晶子「気にする事ないよ」
与謝野晶子「ところでさ」
中島敦「え!?何!?」
与謝野晶子「綺麗なもんだねぇ。あんた谷崎がやられた時、ポートマフィアに足を食いちぎられたそうじゃないか…(再生というより復元だ。虎はこれを一瞬で?)」
中島敦「あの…何か問題でも?」
与謝野晶子「なーに…アタシが治療できなくて残念だって話さ。でも次はないよ。元来マフィアってのは奇襲夜討ちが本分だ。夜道には気をつけるんだね。いつどこで襲って来るかわかんないよ」
中島敦「(そうだ…マフィアの一番の狙いは僕…自分の身は自分で守らないと)」
🔊「こちら車掌室。誠に勝手ながら、只今よりささやかな物理学実験を行いまーす」
梶井基次郎「被験者はお乗り合わせの皆様!ご協力に誠に感謝!では早速ですが、これをお聞きください」
梶井基次郎「今ので2、3人は死んじゃったかな?でも次はこんなもんじゃありません!皆様が月まで飛べる量の爆弾が、先頭と最後尾の車両に仕掛けられておりまーす」
梶井基次郎「さてさて被験者の敦君。君が首を差し出さないと、乗客全員、月どころか天国に逝っちゃうぞ~」
中島敦「そんな…」
中島敦「ど…どうしましょう…」
与謝野晶子「一、おとなしく捕まる。二、走るこの列車から乗客数十人と一緒に飛び降りて脱出。三…」
中島敦「連中をぶっ飛ばす…」
与謝野晶子「上等だ。何しろアタシらは武装探偵社だからね」
与謝野晶子「敦、手分けして爆弾を探すよ。アタシは前方、アンタは後方だ」
中島敦「もし敵がいたら…」
与謝野晶子「おやおや…誰かと思えば有名人じゃないか…」
梶井基次郎「おお生きてた!こいつは驚きだな!最近の女性はタフだ」
与謝野晶子「アタシからすりゃ、アンタみたいな指名手配犯がこんな所にいる方が驚きだよ」
与謝野晶子「梶井基次郎!隠密主義のマフィアの中にあって珍しく名の知れた爆弾魔」
梶井基次郎「さて、あなたの血は何色かな~?」
与謝野晶子「確かめてみな」
中島敦「君だめだ!そっちには爆弾が!中央の車両に戻ってください!」
📱
芥川龍之介「お前の任務は爆弾の死守だ」
中島敦「君は…あの時の…」
📱
芥川龍之介「邪魔者は殺せ。お前の異能力“夜叉白雪”で」
中島敦「(な…何で…君みたいな女の子が…)」
泉鏡花「私の名は鏡花。貴方と同じ孤児。好きなものはうさぎと豆腐。嫌いなものは犬と雷。ポートマフィアに拾われ、六月で35人を殺した」
📱
芥川龍之介「爆弾を守れ。そして邪魔者は殺せ」
梶井基次郎「噂程じゃないな探偵社っていうのも。まあいいや。これから君は死ぬわけだけど、その前に教えてくれよ。死ぬって何?」
与謝野晶子「何だって」
梶井基次郎「何故死は不可逆なのだ?何故人はいずれ必ずしぬ?」
与謝野晶子「アハハハハ!そんな事もわからんのかい?大した事ないね、マフィアってのも」
梶井基次郎「理学の求道者たるこの梶井が知らない事を街の便利屋探偵がわかるとでも?」
与謝野晶子「わかるとも。理由は簡単だ。あんたがアホだからさ」
与謝野晶子「うわあああああああああ」
梶井基次郎「参考になる意見、どうも」
梶井基次郎「出血多量で死んだ後も、脳と意識は8時間生きているそうだ。後で君の死体に聞いてみるよ」
梶井基次郎「死んだけど、今どんな気分?ってね」
中島敦「(その時、唐突にあるアイデアが浮かんだ。バカげたアイデアだ。でも頭から離れない)」
中島敦「(もし僕が、ここにいる乗客を、彼らを救い無事家に帰せたら…そうしたら…僕は…)」
中島敦「(生きていてもいいって事にならないだろうか)」
中島敦「(早すぎる…やっぱり無理なのか…せめて今あの力があれば)」
梶井基次郎「さあて、中までこんがり火が通ったかな~?」
与謝野晶子「あんなネズミ花火で死ぬもんか」
梶井基次郎「そんな…さっきまで瀕死だったのに」
与謝野晶子「こう見えても私は医者でね、あんたの100倍は死を見てる。死とは何かって?教えてやるよ。死は命の喪失さ」
与謝野晶子「アタシ達医者がどんなに手を尽くしても患者の命は指の間からこぼれ落ちる」
与謝野晶子「命を大事にしない奴はぶっ殺してやる!」
梶井基次郎「お…思い出した…武装探偵社の専属医…与謝野晶子とはお前か…」
与謝野晶子「アタシの異能力“君死給勿”は、あらゆる外傷を治癒させる。自分の怪我だってホラこの通り。ただ条件が厳しくてねぇ、瀕死の重傷しか治せない。不便な力さ」
与謝野晶子「程々の怪我を治そうと思ったら、まずは半殺しにしなきゃならない」
与謝野晶子「おや~?怪我してるねぇお兄さん」
与謝野晶子「治してやろうか」
梶井基次郎「ギャアアアアア!」
中島敦「爆弾はどこだ」
中島敦「君は一体何者なんだ…こんな事が本当に君がしたい事なのか?」
与謝野晶子「こちら車掌室。敦まだ生きてっかい?」
与謝野晶子「こっちのヘボ爆弾魔によると、そっちの爆弾は遠隔点火式らしい」
与謝野晶子「解除にはリモコンの停止ボタンしかない。そっちのマフィアが持ってるハズだよ」
中島敦「君が持ってるのか?渡してくれ」
芥川龍之介「それを押したのか?鏡花」
芥川龍之介「解除など不要。乗客を道連れに、ポートマフィアへの畏怖を俗衆に示せ」
中島敦「爆弾を外すんだ!」
泉鏡花「間に合わない」
中島敦「(僕はようやく気づいた。彼女の異能力は、いつも携帯からの声で動いていた。彼女は自分の異能力を自分で操れないんだ)」
泉鏡花「もうこれ以上、一人だって殺したくない」
芥川龍之介「あなたはどうだ?駒か指し手か?」
芥川龍之介「或いは砕かれるのを待つ駒か」