鉄穴森鋼蔵「と…時透殿…」
玉壺「ナメるなよ小僧」
時透無一郎「いや、別にナメてるわけじゃないよ。事実を言ってるだけで、どうせ君は僕に頚を斬られて死ぬんだし」
時透無一郎「だって、なんだかすごく俺は調子がいいんだ今。どうしてだろう…」
玉壺「その口の利き方がナメていると言ってるんだクソガキめ!たかだか十年やそこらしか生きてもいない分際で」
時透無一郎「そう言われても君には尊敬できるところが一つもないからな。見た目も喋り方もとにかく気色が悪いし」
時透無一郎「だって、なんだかすごく俺は調子がいいんだ今。どうしてだろう…」
玉壺「その口の利き方がナメていると言ってるんだクソガキめ!たかだか十年やそこらしか生きてもいない分際で」
時透無一郎「そう言われても君には尊敬できるところが一つもないからな。見た目も喋り方もとにかく気色が悪いし」
玉壺「黙れ便所虫!お前の様な手足の短いちんちくりんの刃!私の頚には届かない!」
時透無一郎「いや、さっき思いっきり届いてたでしょ?そもそも君の方が手足短いし…あ、もしかして自分に対して言ってる独り言だった?邪魔してごめんね」
玉壺「安い挑発だのう。この程度で玉壺様が取り乱すとでも?勝ちたくで必死な様だな~見苦しい事だ」
玉壺「何だ?」
時透無一郎「気になっちゃって…なんかその壺、形歪んでない?左右対称に見えないよ」
時透無一郎「下っ手くそだなあ」
玉壺「それは貴様の目玉が腐っているからだろうがァアア!」
玉壺「私の壺のォ!どこか歪んでいるんだァアア!」
玉壺「血鬼術!一万滑空粘魚!一万匹の刺客がお前を骨まで食い尽くす」
時透無一郎「下っ手くそだなあ」
玉壺「それは貴様の目玉が腐っているからだろうがァアア!」
玉壺「私の壺のォ!どこか歪んでいるんだァアア!」
玉壺「血鬼術!一万滑空粘魚!一万匹の刺客がお前を骨まで食い尽くす」
玉壺「(ぜ…全部斬りおった!この速度と攻撃範囲!私の毒はどこへ行った!想定外…だがしかし問題はない)」
玉壺「(日輪刀で斬られ塵となる前に粘魚が撒き散らす体液は毒だ!しかもこの毒は経皮毒。皮膚からも吸収される。浴びれば終わり)」
玉壺「お前には私の真の姿を見せてやる」
玉壺「黙れぇ!私が本気を出した時、生きていられた者はいない」
時透無一郎「すごいねー」
玉壺「口を閉じてろ馬鹿餓鬼が!」
玉壺「この完全なる美しき姿に平伏すがいい!」
「…………」
玉壺「何とか言ったらどうなんだこの木偶の坊が!」
玉壺「本当に人の神経を逆撫でする餓鬼だな!」
時透無一郎「すごいねー」
玉壺「口を閉じてろ馬鹿餓鬼が!」
玉壺「この完全なる美しき姿に平伏すがいい!」
「…………」
玉壺「本当に人の神経を逆撫でする餓鬼だな!」
時透無一郎「いや、だってさっき黙ってろって言われたし、それにそんなにビックリもしなかっ」
玉壺「木の上に逃げるなと己が言わなかったか?」
時透無一郎「いや、単純に臭かったから。鼻が曲がりそうだよ」
玉壺「どうだね私のこの神の手の威力!拳で触れたものは全て愛くるしい鮮魚となる」
玉壺「そしてこの速さ!この体の柔らかくも強靭なバネ!さらには鱗の波打ちにより縦横無尽、自由自在よ」
玉壺「木の上に逃げるなと己が言わなかったか?」
時透無一郎「いや、単純に臭かったから。鼻が曲がりそうだよ」
玉壺「どうだね私のこの神の手の威力!拳で触れたものは全て愛くるしい鮮魚となる」
玉壺「そしてこの速さ!この体の柔らかくも強靭なバネ!さらには鱗の波打ちにより縦横無尽、自由自在よ」
玉壺「震えているな。恐ろしいか?先程の攻撃も本気ではない」
時透無一郎「どんな凄い攻撃も当たらなかったら意味ないでしょ」
時透無一郎「(最愛の兄に蛆が湧き、腐ってゆくのを見た)」
時透無一郎「(自分の体も蛆が湧き始め僕は死の淵を見た)」
時透無一郎「(霞の呼吸、漆ノ型、朧)」
時透無一郎「ねえ君は…君はさ」
玉壺「(何だ?何だ?天地が逆だ!何が起きてる!感覚が消えた)」
玉壺「き…斬られた!斬られた斬られたあああ!」
玉壺「そんな!馬鹿な!信じられぬ!とんでもない異常事態だ!私が負けたのか!?子供に!?私が!この私が!」
玉壺「くそォ!あってはならぬ事だ!人間の分際でこの玉壺様の頚をよくも!悍ましい下等生物めが!貴様ら百人の命より私の方が価値がある!選ばれし優れた生物なのだ!」
玉壺「弱く!生まれたらただ老いるだけの!つまらぬくだらぬ命を私がこの手!神の手により高尚な作品にしてやったというのに!」
産屋敷耀哉「杓子定規にものを考えてはいけないよ、無一郎」
産屋敷耀哉「確固たる自分を取り戻した時、君はもっと強くなれる」
時透無一郎「(お館様の仰った通りだ。確固たる自分があれば、両の足を力一杯踏ん張れる)」
時透無一郎「(自分が何者かわかれば、迷いも戸惑いも焦燥も消え失せ、振り下ろされる刃から逃れる鬼はいない)」
鉄穴森鋼蔵「助かりました!大丈夫ですか?」
時透無一郎「大丈夫…大丈夫…」
鉄穴森鋼蔵「本当ですか?」
時透無一郎「うん…すごく今気分がいいんだ。それにすぐ炭治郎たちの所へ行かないと」
鉄穴森鋼蔵「顔色がものすごく悪いんですが…本当に大丈夫ですか?」
時透無一郎「全然大丈夫だってば…僕のはなしきいてる?」
鉄穴森鋼蔵「んっ?何かハァハァして…体も震えていませんか!?ちょっとあなた」
時透無一郎「うん…すごく今気分がいいんだ。それにすぐ炭治郎たちの所へ行かないと」
鉄穴森鋼蔵「顔色がものすごく悪いんですが…本当に大丈夫ですか?」
時透無一郎「全然大丈夫だってば…僕のはなしきいてる?」
鉄穴森鋼蔵「んっ?何かハァハァして…体も震えていませんか!?ちょっとあなた」
時透無一郎「いいからさ、きみはこてつくんのところへいってくれないか」
時透無一郎「おえっ」
鉄穴森鋼蔵「泡吹いてますよぉ!」
鉄穴森鋼蔵「ぎゃああああ!時透殿!ヤバイ!ヤバイ!何をすればいいんでしょう!誰かァ!」
鉄穴森鋼蔵「鋼鐵塚さん!」
時透無一郎「おえっ」
鉄穴森鋼蔵「泡吹いてますよぉ!」
鉄穴森鋼蔵「ぎゃああああ!時透殿!ヤバイ!ヤバイ!何をすればいいんでしょう!誰かァ!」
小鉄「いやいや生身なので」
「ほら、全部上手くいった」
竈門炭治郎「(ヒノカミ神楽!碧羅の)」
竈門炭治郎「(鼓膜が破れた…目が回る…立てない)」
竈門炭治郎「(攻撃が来るぞ!)」
竈門炭治郎「(喜怒哀楽の鬼の力も使える!)」
竈門炭治郎「(しかも攻撃力が上がって)」
竈門炭治郎「(攻撃が来るとわかっていても対処できなくなってきた)」
竈門炭治郎「甘露寺さん」
甘露寺蜜璃「大丈夫?ごめんね遅れちゃって!ギリギリだったね」
甘露寺蜜璃「炭治郎君休んでていいよ!頑張ったね!えらいぞ!」
竈門炭治郎「(鼓膜が破れて聞こえない)」
甘露寺蜜璃「炭治郎君、禰豆子ちゃんと玄弥君は私が助けるから」
憎珀天「小娘が」
甘露寺蜜璃「後は任せてちょうだい!」
竈門炭治郎「待って!上弦です!」
竈門炭治郎「上弦の肆で…」
甘露寺蜜璃「大丈夫?ごめんね遅れちゃって!ギリギリだったね」
竈門炭治郎「(鼓膜が破れて聞こえない)」
甘露寺蜜璃「炭治郎君、禰豆子ちゃんと玄弥君は私が助けるから」
憎珀天「小娘が」
甘露寺蜜璃「後は任せてちょうだい!」
竈門炭治郎「待って!上弦です!」
竈門炭治郎「上弦の肆で…」
次回予告