『天人五衰事件発生より二日前』
太宰治「やァ」芥川龍之介「太宰さん」
太宰治「急に呼び出してすまなかったね。だがここなら盗聴の心配もない。何よりここは君と私しか知らない」
芥川龍之介「然り。ここで貴方はやつがれを…」
太宰治「君に頼みがある。間もなく世界が裂ける。そしてその裂け目からどす黒い混沌が這い出してくる」
太宰治「その時君には私の目となって貰いたい。万象を見通す目。どちらにもつかず何者にも手を貸さず故に察知されない。それが君だ」
太宰治「この世界と探偵社と敦君を救う為に」
太宰治「急に呼び出してすまなかったね。だがここなら盗聴の心配もない。何よりここは君と私しか知らない」
芥川龍之介「然り。ここで貴方はやつがれを…」
太宰治「君に頼みがある。間もなく世界が裂ける。そしてその裂け目からどす黒い混沌が這い出してくる」
太宰治「その時君には私の目となって貰いたい。万象を見通す目。どちらにもつかず何者にも手を貸さず故に察知されない。それが君だ」
太宰治「この世界と探偵社と敦君を救う為に」
芥川龍之介「断る!世界や探偵社が何色の炎で焼かれようと興味は無い。ましてやあの人虎救うなどあり得ぬ」
太宰治「救うさ。理由は自分でもわかっているんだろう?」
芥川龍之介「楽にしてやる必要などない」
芥川龍之介「何故ならそこの人虎は苦境に突き落とす度より厄介な敵となって舞い戻って来るからだ」
中島敦「芥川!どうしてここに!?」
芥川龍之介「太宰さんの下命だ。敵にも味方にも秘して情報を集めよ。狼煙が上がるぬ限り決して助力に入るな。それが命だ」
中島敦「乱歩さんの発煙筒か!?乱歩さんはそこまで読んで…」
神威「はあ~増えた…おまけに今度は口封じに骨の折れそうな奴だし…」
中島敦「乱歩さんの発煙筒か!?乱歩さんはそこまで読んで…」
神威「はあ~増えた…おまけに今度は口封じに骨の折れそうな奴だし…」
芥川龍之介「貴様の正体を外に伝える気はない。やつがれの仕事は魚の餌遣りだ」
芥川龍之介「貴様を刻んで海に撒く。黒幕の肉片ならさぞ滋養に満ちていよう」
神威「礼儀のなっておらん異能力者だな!儂は年長者だぞ」
芥川龍之介「人命は皆平等だ」
中島敦「何だ?」
芥川龍之介「貴様を刻んで海に撒く。黒幕の肉片ならさぞ滋養に満ちていよう」
神威「礼儀のなっておらん異能力者だな!儂は年長者だぞ」
芥川龍之介「人命は皆平等だ」
太宰治「初めて会った時を覚えているかい?」
芥川龍之介〈やつがれに生きる意味を与えられるか?〉
太宰治〈与えられる〉
太宰治「何故あの日君をマフィアに誘ったのか。何故君と敦君を組ませたのか」
太宰治「魔人への切り札。新しい世代の双黒。それを育てる為…つまり…」
芥川龍之介「(この瞬間の為だ!)」
芥川龍之介「三十秒稼ぐ。足を治せ」
芥川龍之介「天魔纏鎧(てんまてんがい)」
太宰治〈与えられる〉
太宰治「何故あの日君をマフィアに誘ったのか。何故君と敦君を組ませたのか」
太宰治「魔人への切り札。新しい世代の双黒。それを育てる為…つまり…」
芥川龍之介「(この瞬間の為だ!)」
芥川龍之介「三十秒稼ぐ。足を治せ」
芥川龍之介「天魔纏鎧(てんまてんがい)」
芥川龍之介「所詮は鉄の棒」
中島敦「避けろ芥川!」
中島敦「武器だかけじゃないんだ…例え欄干でも奴が使えば威力100倍の武器になる!」
芥川龍之介「怪物め」
芥川龍之介「(速い!避け切れぬ)」
芥川龍之介「(だが、太宰さんはやがれを見捨てた訳ではなかった。凡ては試練)」
芥川龍之介「(なら死すら乗り越えてみせよう!)」
芥川龍之介「羅生門」
芥川龍之介「天魔顎(てんまアギト)」
中島敦「避けろ芥川!」
中島敦「武器だかけじゃないんだ…例え欄干でも奴が使えば威力100倍の武器になる!」
芥川龍之介「怪物め」
芥川龍之介「(速い!避け切れぬ)」
芥川龍之介「(だが、太宰さんはやがれを見捨てた訳ではなかった。凡ては試練)」
芥川龍之介「(なら死すら乗り越えてみせよう!)」
芥川龍之介「天魔顎(てんまアギト)」
芥川龍之介「でなければやつがれは太宰さんの不用品に戻るからだ!四年前、太宰さんはやつがれを棄てた」
中島敦「じゃあお前…あの約束から一人も殺してないのか?」
芥川龍之介「手は簡単だ。福地を倒す」
芥川龍之介「方法はある。当然だろう。太宰さんが無策でやつがれらを組ませる筈がない」
芥川龍之介「単純かつ絶対の戦法が存在する」
芥川龍之介「月下獣羅生門 黒虎絶爪(こっこぜっそう)」
中島敦「(これはフョードルとの戦いで使った…)」
芥川龍之介「やつがれと貴様の異能力の混成。その爪は命中さえすれば神すら殺す。だが一つ問題がある。わかるな?」
芥川龍之介「方法はある。当然だろう。太宰さんが無策でやつがれらを組ませる筈がない」
芥川龍之介「単純かつ絶対の戦法が存在する」
中島敦「(これはフョードルとの戦いで使った…)」
芥川龍之介「やつがれと貴様の異能力の混成。その爪は命中さえすれば神すら殺す。だが一つ問題がある。わかるな?」
中島敦「ああ…命中するか否か…」
芥川龍之介「今回の敵は回避能力が極めて高い。故に黒虎絶爪に二撃目は無い」
芥川龍之介「この技は貴様に黒布を凡て回す故、それを見破られれば、奴はやつがれの首を先に刎ねるだろう。最初の一撃で奴を仕留める」
中島敦「ならば水中しかない」
中島敦「海中では僕達の機動力も奪われるけど、奴の刀より黒虎絶爪の方が射程が長い」
中島敦「ちょうどいいモノがある。こっちだ」
中島敦「万一の時、政府の要人を逃がす為の潜水艇がある」
中島敦「あれを無人で放てば奴は泳いで追うしかない」
芥川龍之介「今回の敵は回避能力が極めて高い。故に黒虎絶爪に二撃目は無い」
芥川龍之介「この技は貴様に黒布を凡て回す故、それを見破られれば、奴はやつがれの首を先に刎ねるだろう。最初の一撃で奴を仕留める」
中島敦「ならば水中しかない」
中島敦「海中では僕達の機動力も奪われるけど、奴の刀より黒虎絶爪の方が射程が長い」
中島敦「ちょうどいいモノがある。こっちだ」
中島敦「万一の時、政府の要人を逃がす為の潜水艇がある」
中島敦「あれを無人で放てば奴は泳いで追うしかない」
中島敦「(失敗だ…作戦が読まれた) 何故こんな事をする?戦場が貴方を変えたからか?敵にきつい拷問でも受けたのか?」
神威「ああ…確かに拷問を経験した。拷問する方だったがな…兵士だけではない。民間人にもやった。女にも子供にも…」
神威「天道は是が非か!七難八苦を受けてたわまず、百折千挫に遇いて屈せずとも、忠孝、世に容れられずして暴威、時に熾なり!ならばこの桜痴居士、鐵心氷骨(てっしんひょうこつ)を以て天地の奸佞とならん」
神威「かかってこい小童共!」
中島敦「芥川!」
中島敦「うっ!」
神威「神刀・雨御前、その綽名を“時空剣”。空間を省略し、離れた地点に刃を届かせる」
神威「だが渡る距離は精々十数センチだった。儂の異能力で性能が百倍になるまでは」
神威「終わりだ」
神威「虎を全面に立て黒布を防御と死角からの急襲に回しておけば、この首を掻き取る可能性も或いはあった」
神威「それができなかったのは偏に小僧、お前が怯えたからだ」
芥川龍之介「はははは」
神威「神刀・雨御前、その綽名を“時空剣”。空間を省略し、離れた地点に刃を届かせる」
神威「だが渡る距離は精々十数センチだった。儂の異能力で性能が百倍になるまでは」
神威「終わりだ」
神威「虎を全面に立て黒布を防御と死角からの急襲に回しておけば、この首を掻き取る可能性も或いはあった」
神威「それができなかったのは偏に小僧、お前が怯えたからだ」
芥川龍之介「何だと!?」
神威「儂は誰より強く誰より経験に富む。何より君と同じく目的の為なら手を血に染める。今の師より有望とは思わんか?」
芥川龍之介「この世でもっとも愚かな提案だな。太宰さんに換わる人類など存在しない!」
神威「乗り換えろとは言ってない。仕事柄異能力者の育成は得意でな、猟犬でも最強の異能力者となった後、師匠の許に戻してやろう」
芥川龍之介「この世でもっとも愚かな提案だな。太宰さんに換わる人類など存在しない!」
神威「乗り換えろとは言ってない。仕事柄異能力者の育成は得意でな、猟犬でも最強の異能力者となった後、師匠の許に戻してやろう」
芥川龍之介「貴様が約束を守る保証はない!」
神威「約束は守る。それに儂には君との取り引きを成立させたい理由がある。君に一つ仕事を頼みたい」
神威「虎の少年を殺せ」
「!!」
神威「そもそも君はテロの阻止に来た道義の徒ではない。つまり儂を殺す動機はない。ならば今は死の回避を最優先とすべきでは?」
神威「どうした?殺したくないのか?それ程彼の命が大切か?」
神威「それでいい」
中島敦「止せ!奴が約束を守ると思うのか!?」
芥川龍之介「貴様を六ヶ月後に殺すと約束した。それが少し早まっただけだ。貴様を倒す。それがやつがれの生きる意味だ」
中島敦「何をした?」
神威「何故儂が世界の危機を何度も救えたと思う?」
神威「言った筈だ。雨御前は時空剣だと。その刃は空間を渡り、そして時間を渡るのだ。諸君は儂に勝ったのだろう。未来でな」
神威「しかし、雨御前は敗北の瞬間過去を斬った。その結果、君達の勝利は否まれ消えた。この刃は未来から過去を斬って敗北を無かった事にできるのだ」
中島敦「(桁違いだ…この怪物は過去の敗北すら斬るのだ)」
神威「もう一度聞く。死ぬ前に言い残す事はあるか」
芥川龍之介「言葉など不要」
芥川龍之介「ただ行動あるのみ!」
神威「言った筈だ。雨御前は時空剣だと。その刃は空間を渡り、そして時間を渡るのだ。諸君は儂に勝ったのだろう。未来でな」
神威「しかし、雨御前は敗北の瞬間過去を斬った。その結果、君達の勝利は否まれ消えた。この刃は未来から過去を斬って敗北を無かった事にできるのだ」
中島敦「(桁違いだ…この怪物は過去の敗北すら斬るのだ)」
芥川龍之介「言葉など不要」
芥川龍之介「ただ行動あるのみ!」
中島敦「シャツを異能操作!?」