神威「居ない」
神威「バカな…どこへ消えた」
神威「(待て…思えば曲者の証拠は閃光と写真音だけ…本当に曲者は存在するのか?)」
神威「(よもや探偵社の策略?時限式の閃光機を空港の全部屋に埋めておき一斉起動。焦って儂が部屋を破壊すればそれでブラムの居所がわかる)」
神威「(あの小僧ならやりかねん)」
「こんな任務は未体験だ」
「あ、先輩」
「核より恐い兵器と空のデートなどとはな」
「まさに世界を救うお仕事って訳っすね」
「そうだ。この受け渡しに失敗すれば、世界は這い上がれぬ闇へと落ちる」
中島敦「乱歩さん、僕達は欧州の護衛官に勝てるんでしょうか」
「核より恐い兵器と空のデートなどとはな」
「まさに世界を救うお仕事って訳っすね」
「そうだ。この受け渡しに失敗すれば、世界は這い上がれぬ闇へと落ちる」
江戸川乱歩「一秒だ。欧州を撃退するのは子供のお使いより簡単だ」
江戸川乱歩「要するに欧州がこう思えばいいんだ。“受け渡しは危険だ。引き返すしかない”と」
中島敦「たしかに…でもどうやって…」
江戸川乱歩「忘れたのか?僕達はテロリストだぞ?」
神威「(空港で爆発!?)」
神威「鐵腸!燁子君!聞こえるか!?今の爆発について報告せよ!」
江戸川乱歩「了解」
江戸川乱歩「これで欧州護衛官は必ずこう判断する。空港にテロリストがいてワンオーダーを奪う罠があるかもしれないと」
江戸川乱歩「欧州は福地と違い、今日必ず受け渡しをしなければならない理由がない。だから必然的に」
「空港で爆発音と衝撃を確認!」
江戸川乱歩「これで欧州護衛官は必ずこう判断する。空港にテロリストがいてワンオーダーを奪う罠があるかもしれないと」
江戸川乱歩「欧州は福地と違い、今日必ず受け渡しをしなければならない理由がない。だから必然的に」
「受け渡し作戦を中止!帰投する!」
幸田文「間一髪助かった…」
ブラム「それで?我が眠りを妨げる者は何者ぞ?返答次第では、その罪、血で贖って貰う」
江戸川乱歩「これで福地は、ワンオーダーの来ない空港に無駄に取り残されたわけだ。さて、ただ僕達の攻撃に耐えるしかない福地は何時間ブラムを守り切れるかな?」
中島敦「(…初めてだ…こんな雰囲気の乱歩さんは…)」
国木田独歩「つまり…我々の負けです」
江戸川乱歩「(まるで夏の宵の雷鳴のように明瞭に何と戦っているのかを理解した)」
江戸川乱歩「(あの男…地の底にあって尚、地上を支配する魔人。僕達の敗因は奴を排除できなかった事。今回も)」
江戸川乱歩「(あと一歩間違えれば、ワンオーダーを奪われるところだった)」
神威「(開かぬ!この筐は次元断絶能力で覆われている。物理手段では決して破壊できない)」
神威「(このままでは中のワンオーダーが手に入らん!何故だ!一体誰がやった!)」
坂口安吾「ご理解感謝します」
坂口安吾「国連への提案はこうです。万一の事態を防ぐ為、現在沈黙中の吸血種化軍が進軍を開始した時のみ、ワンオーダーの封印を解除すべし」
江戸川乱歩「(まるで夏の宵の雷鳴のように明瞭に何と戦っているのかを理解した)」
江戸川乱歩「(あの男…地の底にあって尚、地上を支配する魔人。僕達の敗因は奴を排除できなかった事。今回も)」
江戸川乱歩「(あと一歩間違えれば、ワンオーダーを奪われるところだった)」
神威「(開かぬ!この筐は次元断絶能力で覆われている。物理手段では決して破壊できない)」
神威「(このままでは中のワンオーダーが手に入らん!何故だ!一体誰がやった!)」
坂口安吾「国連への提案はこうです。万一の事態を防ぐ為、現在沈黙中の吸血種化軍が進軍を開始した時のみ、ワンオーダーの封印を解除すべし」
坂口安吾「英雄とはいえ他国の一軍人に大権力を握らせるなどと…」
総理「ふーむ…いいだろう。だが最後に確認したい」
総理「その判断、種田長官と異能特務課の最終決定、それに相違ないな?」
太宰治〈大丈夫だよ安吾。ここが嘘のつきどころさ〉
坂口安吾「はい。種田長官は既に目覚め指揮を執っています。この件も長官の指示です」
総理「その判断、種田長官と異能特務課の最終決定、それに相違ないな?」
太宰治〈大丈夫だよ安吾。ここが嘘のつきどころさ〉
坂口安吾「はい。種田長官は既に目覚め指揮を執っています。この件も長官の指示です」
総理「わかった。別命あるまで待機せよ」
坂口安吾「お願いします、総理」
坂口安吾「ふう…これで長官が目覚めなかったら僕は罷免…いえ政治犯ですね」
坂口安吾「笑っているんでしょ?イヤな人だ」
江戸川乱歩「幸い今回は太宰の保険が効いた。だが、ワンオーダーの封印筐を奪われたのも事実」
江戸川乱歩「やはりフョードルは危険すぎる」
「警告!警告!」
「監獄第一層搬出口に侵入者あり!」
「対異能即応部隊ヘカトンケイルが全滅した!」
太宰治「この部屋にももう飽きたなぁ…」
太宰治「最初こそ愉快だったけど、君との雑談も大よそし尽くしたし…」
太宰治「そろそろあれをやる頃かな?」
フョードル「あれとは?」
坂口安吾「ふう…これで長官が目覚めなかったら僕は罷免…いえ政治犯ですね」
坂口安吾「笑っているんでしょ?イヤな人だ」
江戸川乱歩「やはりフョードルは危険すぎる」
「警告!警告!」
「監獄第一層搬出口に侵入者あり!」
「対異能即応部隊ヘカトンケイルが全滅した!」
太宰治「この部屋にももう飽きたなぁ…」
太宰治「最初こそ愉快だったけど、君との雑談も大よそし尽くしたし…」
太宰治「そろそろあれをやる頃かな?」
フョードル「あれとは?」
フョードル「全く同意見です。ではそろそろ脱獄」
太宰治「フョードル?さすがにそれは行動が早すぎる」
ゴーゴリ「ハハハハハハハ!箱抜け奇術大成功!」
ゴーゴリ「推論通りだ。太宰君の異能は~」
ゴーゴリ「触れたあらゆる異能力を無効化する!逆に言えば~」
ゴーゴリ「転送局面にさえ触れなければ空間接続は可能と言う事だ!」
ゴーゴリ「はい助手~大拍手~」
太宰治「フョードル?さすがにそれは行動が早すぎる」
ゴーゴリ「ハハハハハハハ!箱抜け奇術大成功!」
ゴーゴリ「推論通りだ。太宰君の異能は~」
ゴーゴリ「触れたあらゆる異能力を無効化する!逆に言えば~」
ゴーゴリ「転送局面にさえ触れなければ空間接続は可能と言う事だ!」
ゴーゴリ「はい助手~大拍手~」
フョードル「そういう事ですか」
ゴーゴリ「ほーらね。もう状況理解してる」
フョードル「僕達を監房から出した目的は何です?」
ゴーゴリ「あああ我が親友!逢いたかったよ~!」
ゴーゴリ「君の無事を知れて胸が張り裂けんばかりだ!」
ゴーゴリ「私が何をしに来たんだって~?そんなの決まっているんだろう~」
ゴーゴリ「君をブチ殺す為だよ」
フョードル「ふふ」
太宰治「ワァオ」
ゴーゴリ「ほーらね。もう状況理解してる」
フョードル「僕達を監房から出した目的は何です?」
ゴーゴリ「あああ我が親友!逢いたかったよ~!」
ゴーゴリ「君の無事を知れて胸が張り裂けんばかりだ!」
ゴーゴリ「私が何をしに来たんだって~?そんなの決まっているんだろう~」
ゴーゴリ「君をブチ殺す為だよ」
フョードル「ふふ」
太宰治「ワァオ」
太宰治「君いい友達持ってるねぇ…」
ゴーゴリ「だがだがだがー!ここで哲学的難問がひと~~つ!単にフョードル君を殺しても、それは自由意志を証明したがる己の本能の発露にすぎず」
ゴーゴリ「動物的感情の証明でしかないのではないか!?この問いに脳が千切れる程煩悶した末、ついに一つの結論に辿り着いた!」
ゴーゴリ「この二つの想いを同時に満たす妙策を得たのだ!」
ゴーゴリ「君達二人に今から脱獄決闘をして貰う!」
フョードル「でしょう?」
ブラム「我が眠りを妨げる其方は何者ぞ?返答次第によってはただでは済まさぬぞ」
ブラム「余を何人と心得る。闇の帳を治めし王ぞ。牢記せよ。其方の命は今、かはたれの前の夜露に同じ。わかったか」
幸田文「いや全然わからんかったけど…かはたれって何?」
ブラム「つまり余は領主にして暴嵐、天にして魔、しかるに……」
ブラム「なんか急にどうでもよくなった。寝る」
幸田文「ていうか…アンタその姿、首から下何もあらへんやん。朝顔洗う時とかどないすんの?」
ブラム「余を何人と心得る。闇の帳を治めし王ぞ。牢記せよ。其方の命は今、かはたれの前の夜露に同じ。わかったか」
幸田文「いや全然わからんかったけど…かはたれって何?」
ブラム「つまり余は領主にして暴嵐、天にして魔、しかるに……」
ブラム「なんか急にどうでもよくなった。寝る」
幸田文「ていうか…アンタその姿、首から下何もあらへんやん。朝顔洗う時とかどないすんの?」
ブラム「洗わぬ」
ブラム「ブラム伯爵」
幸田文「ほんならブラちゃんでええわ」
シグマ「(私はシグマ。カジノの男。私の出自は相当特殊な自覚がある。が、そんな私をして思わせる)」
太宰治「ワハハハ!」
フョードル「芸術ですね」
シグマ「(この部屋でまともな人間は私だけか!?)」
ゴーゴリ「勝負は単純!このムルソーから先に脱獄した方が勝ち」
ゴーゴリ「君達二人にはその注射をして貰い、先に脱獄した方だけが」
ゴーゴリ「この解毒薬を得る!つまり」
フョードル「30分以内にぼくか太宰君のどちらかが死ぬ」
ゴーゴリ「太宰君には申し訳ない話だ。私が本来殺したいのはフョードル君だけ。だがこうでもしないと彼は毒を呷らななくてねぇ~」
太宰君「何故謝るんだい?これぞ最高の好機。天の恵みだ」
フョードル「たしかに。ですが後30分でチェスの相手を失うと思うと寂しくもありますね」
太宰君「もう勝つ気かい?」
フョードル「それ以外何の結末が?」
「くくくくくく」
シグマ「(こいつら…致死毒の注射を笑いながら…)」
ゴーゴリ「ふふ…これより背神の遊戯」
ゴーゴリ「ニコライゲームを開始する」
シグマ「(この部屋でまともな人間は私だけか!?)」
ゴーゴリ「勝負は単純!このムルソーから先に脱獄した方が勝ち」
ゴーゴリ「君達二人にはその注射をして貰い、先に脱獄した方だけが」
ゴーゴリ「この解毒薬を得る!つまり」
ゴーゴリ「太宰君には申し訳ない話だ。私が本来殺したいのはフョードル君だけ。だがこうでもしないと彼は毒を呷らななくてねぇ~」
太宰君「何故謝るんだい?これぞ最高の好機。天の恵みだ」
フョードル「たしかに。ですが後30分でチェスの相手を失うと思うと寂しくもありますね」
太宰君「もう勝つ気かい?」
フョードル「それ以外何の結末が?」
「くくくくくく」
シグマ「(こいつら…致死毒の注射を笑いながら…)」
ゴーゴリ「ふふ…これより背神の遊戯」
ゴーゴリ「ニコライゲームを開始する」
幸田文「…あっそ」
幸田文「抜けへん」
ブラム「この剣は抜けぬ!剣先が余の脳髄に鬚根(しゅこん)を張っておる」
幸田文「つまり?」
ブラム「引っ張ると大変痛い」
幸田文「でもこのままやと世界中で戦争が起こる!一緒に何とかせな!」
ブラム「愚かな娘なり。余は暗黒の大公。ヒトに仇為す魔種の王なるぞ」
幸田文「その通り…アンタの前に居るんは底抜けのアホや。その証拠に見てみ。さっきから震え止まらへん」
幸田文「ウチには何もない。異能力も知識も体力も…持ってるんは十年育てた“こういう危機が来たら絶対逃げへん”ていう覚悟だけ」
幸田文「お願い!何でもお礼するから!」
ブラム「平民の献上品など高が知れてる」
ブラム「其方が献じ得るとは到底思えぬが、余の欲する宝物が一基ある」
幸田文「でもこのままやと世界中で戦争が起こる!一緒に何とかせな!」
ブラム「愚かな娘なり。余は暗黒の大公。ヒトに仇為す魔種の王なるぞ」
幸田文「その通り…アンタの前に居るんは底抜けのアホや。その証拠に見てみ。さっきから震え止まらへん」
幸田文「ウチには何もない。異能力も知識も体力も…持ってるんは十年育てた“こういう危機が来たら絶対逃げへん”ていう覚悟だけ」
ブラム「平民の献上品など高が知れてる」
ブラム「其方が献じ得るとは到底思えぬが、余の欲する宝物が一基ある」
幸田文「何!?」
幸田文「ラジオ?」
ブラム「どうだ?無理であろう?」
幸田文「ラジオかあ…親父が昔使ってたか…?いやでもこれではあかん?」
ブラム「どうだ?無理であろう?」
幸田文「ラジオかあ…親父が昔使ってたか…?いやでもこれではあかん?」
幸田文「ネット放送局が二百。あと大低の音楽は課金でも聴けるけど」