夏油傑「術式対象の自動選択か?」
五条悟「毒物なんかも選別できればいいんだけど、それはまだ難しいかな。これなら最小限のリソースで無下限呪術をほぼ出しっぱにできる」
家入硝子「出しっぱなんて脳が焼き切れるよ」
五条悟「自己補完の範疇で反転術式も回し続ける。いつでも新鮮な脳をお届けだ。前からやってた掌印の省略は完璧」
五条悟「赫と」
五条悟「蒼。それぞれの複数同時発動もボチボチ」
五条悟「傑、ちょっと痩せた?大丈夫か?」
夏油傑「(任務も全て1人でこなす。硝子は元々危険な任務で外に出ることはない。必然的に私も1人になることが増えた)」
夏油傑「ただの夏バテさ。大丈夫」
五条悟「ソーメン食いすぎた?」
夏油傑「(その夏は忙しかった。昨年頻発した災害の影響もあったのだろう。蛆のように呪霊が湧いた)」
夏油傑「(祓う…取り込む…あの日から自分に言い聞かせている。私が見たものは何も珍しくない周知の醜悪。知った上で私は術師として人々を救う選択をしてきたはずだ)」
夏油傑「(ブレるな。強者としての責任を果たせ)」
灰原雄「えぇ!?悪いですよ。コーラで!」
夏油傑「悟も食べるかもしれないから甘いのかな」
灰原雄「ハイ!」
夏油傑「術師としてはもっと人を疑うべきかと」
夏油傑「(スネた)」
夏油傑「原因療法?」
九十九由基「少し授業をしようか。そもそも呪霊とは何かな?」
夏油傑「人間から漏出した呪力が澱のように積み重なり形を成したモノです」
九十九由基「勿論術師本人が死後呪いに転ずるのを除いてね。術師は呪力の漏出が非術師に比べ極端に少ない。術式行使による呪力の消費量やキャパの差もあるけど」
九十九由基「一番は流れだね。術師の呪力は本人の中をよく廻る。大雑把に言ってしまうと全人類が術師になれば呪いは生まれない」
九十九由基「というか多分それが一番イージーだ。非術師を間引き続け生存戦略として術師に適応してもらう」
九十九由基「要は進化を促すの。鳥達が翼を得たように恐怖や危機感を使ってね。だが残念ながら私はそこまでイカれてない。非術師は嫌いかい?夏油君」
夏油傑「分からないんです。呪術は非術師を守るためにあると考えていました。でも最近私の中で非術師の価値のようなものが揺らいでいます」
夏油傑「弱者故の尊さ。弱者故の醜さ。その分別と受容ができなくなってしまっている。非術師を見下す自分。それを否定する自分」
夏油傑「術師というマラソンゲーム、その果ての映像があまりに曖昧で何が本音か分からない」
九十九由基「どちらも本音じゃないよ。まだその段階じゃない。非術師を見下す君。それを否定する君。これらはただの思考された可能性だ」
九十九由基「どちらを本音にするのかは君がこれから選択するんだよ」
九十九由基「要は進化を促すの。鳥達が翼を得たように恐怖や危機感を使ってね。だが残念ながら私はそこまでイカれてない。非術師は嫌いかい?夏油君」
夏油傑「分からないんです。呪術は非術師を守るためにあると考えていました。でも最近私の中で非術師の価値のようなものが揺らいでいます」
夏油傑「弱者故の尊さ。弱者故の醜さ。その分別と受容ができなくなってしまっている。非術師を見下す自分。それを否定する自分」
夏油傑「術師というマラソンゲーム、その果ての映像があまりに曖昧で何が本音か分からない」
九十九由基「どちらも本音じゃないよ。まだその段階じゃない。非術師を見下す君。それを否定する君。これらはただの思考された可能性だ」
九十九由基「どちらを本音にするのかは君がこれから選択するんだよ」
夏油傑「悟には私から言っておきます」
九十九由基「あ、そうだ。星漿体のことは気にしなくていい。あの時もう1人の星漿体がいたか、既に新しい星漿体が産まれたのか、どちらにせよ天元は安定しているよ」
夏油傑「でしょうね」
七海建人「なんてことはない2級呪霊の討伐任務のハズだったのに…クソッ!」
七海建人「産土神信仰…アレは土地神でした…1級案件だ」
九十九由基「あ、そうだ。星漿体のことは気にしなくていい。あの時もう1人の星漿体がいたか、既に新しい星漿体が産まれたのか、どちらにせよ天元は安定しているよ」
夏油傑「でしょうね」
七海建人「産土神信仰…アレは土地神でした…1級案件だ」
〈非術師を見下す君。それを否定する君〉
五条悟「…は?」
夜蛾正道「何度も言わせるな。傑が集落の人間を皆殺しにし」
五条悟「聞こえてますよ。だから“は?”つったんだ」
夜蛾正道「傑の実家は既にもぬけの殻だった。ただ血痕と残穢から恐らく両親も手にかけている」
夏油傑「運試しってとこかな」
家入硝子「ふーん、一応聞くけど、冤罪だったりする?」
夏油傑「ないね。残念ながら」
家入硝子「重ねて一応何で?」
夏油傑「子供じゃないんだ。誰でも彼でも理解して欲しいとは思わないさ」
五条悟「だから術師以外殺すってか!?親も!?」
夏油傑「親だけ特別というわけにはいかないだろ。それにもう私の家族はあの人達だけじゃない」
五条悟「んなこと聞いてねぇ。意味ない殺しはしねぇんじゃなかったのか!?」
夏油傑「意味はある意義もね。大義ですらある」
五条悟「ねぇよ!非術師殺して術師だけの世界を作る!?無理に決まってんだろ!」
五条悟「できもしねぇことをセコセコやんのを意味ねぇっつーんだよ!」
五条悟「あ?」
五条悟「それ聞きます?」
夏油傑「盤星教は解体されたハズだが?」
孔時雨「別の団体でも根っこは同じさ。表向きは居抜きみてぇにしてるがな。嫌か?」
夏油傑「いいだろう?ハッタリは大事だ」
枷場美々子「夏油様」
孔時雨「各支部長、代表役員、会長、その他太客お揃いで」
夏油傑「あーあー皆さん、お待たせしました。それでは手短に」
夏油傑「今この瞬間からこの団体は私のモノです。名前も改め、皆さんは今後私に従って下さい」
夏油傑「困りましたね。そうだ!園田さんよろしければ壇上へ。そう!アナタです」
夏油傑「さて、改めて」
夏油傑「(猿は嫌い) 私に従え」
五条悟「いや、ソックリなだと」
五条悟「ところで君のお父さんさ、禪院っていう呪術師の家系なんだけど、僕が引くレベルのろくでなしでお家出てって君を作ったってわけ」
五条悟「君、見える側だし、持ってる側でしょ。自分の術式にも気付いてるんじゃない?禪院家は才能大好き。術式を自覚するのが大体4〜6歳」
伏黒恵「別に」
伏黒恵「津美紀はどうなる?そこに行けば津美紀は幸せになれるのか?それ次第だ」
五条悟「ない。100%ない。それは断言できる」
五条悟「クックッ、オッケー」
五条悟「後は任せなさい」
五条悟「でも恵君には多少無理してもらうかも。頑張ってね」
虎杖悠仁「先生も寝るんだな」
虎杖悠仁「おっ、起きた」
釘崎野薔薇「ちょっとその椅子、高いヤツでしょ」
釘崎野薔薇「ちょっとその椅子、高いヤツでしょ」