鵜堂刃衛「そう睨むな。お前を取って喰おうとさらった訳じゃないさ」
鵜堂刃衛「お前を人質にかれば抜刀斎は怒る。怒りは奴を往年の人斬りに立ち戻らせる」
鵜堂刃衛「俺があいつを初めて見たのは幕末の京都だった」
鵜堂刃衛「人斬りの噂は聞いていた」
鵜堂刃衛「が、俺達だって新選組だ」
鵜堂刃衛「一人相手に負ける筈はない。そう思った」
神谷薫「(俺?)」
緋村剣心「(二階堂平法、まずは片手平刺突)」
緋村剣心「(次に一文字の型、横薙ぎ)」
緋村剣心「(十文字の型、唐竹割り)」
緋村剣心「(ここで崩す!)」
鵜堂刃衛「俺の動きを読んでいたようだな。背車刀までは読めなんだか…まだだな」
鵜堂刃衛「つまらないな。もっと怒って貰おうか」
緋村剣心「薫殿!」
鵜堂刃衛「心の一方をちょっと強めにかけた。肺機能まで麻痺する程度にな。もってせいぜい二分。昨晩の様に簡単には解けん」
緋村剣心「(次に一文字の型、横薙ぎ)」
緋村剣心「(十文字の型、唐竹割り)」
緋村剣心「(ここで崩す!)」
鵜堂刃衛「俺の動きを読んでいたようだな。背車刀までは読めなんだか…まだだな」
緋村剣心「薫殿!」
鵜堂刃衛「心の一方をちょっと強めにかけた。肺機能まで麻痺する程度にな。もってせいぜい二分。昨晩の様に簡単には解けん」
鵜堂刃衛「俺ではもう解けん。自力で解くか術者を殺して剣気を完全に絶つか方法は二つに一つ。もっとも前者は不可能だろうがな」
緋村剣心「ならばお前を殺すまでだ」
鵜堂刃衛「こおおお!我!不敗!也!」
緋村剣心「(成程…自分自身に強力な暗示をかけ、潜在する全ての力を発揮する気か)」
鵜堂刃衛「心の一方“影技”憑鬼の術。これを使うのは新選組を抜ける時以来…約15年ぶりだな」
緋村剣心「卑怯といえば卑怯な技だが使わせて貰うぞ」
緋村剣心「構わん。どんな技でも好きなだけ使え」
緋村剣心「だが」
緋村剣心「俺が殺すと言った以上、お前の死は絶対だ」
緋村剣心「ならばお前を殺すまでだ」
鵜堂刃衛「こおおお!我!不敗!也!」
緋村剣心「(成程…自分自身に強力な暗示をかけ、潜在する全ての力を発揮する気か)」
鵜堂刃衛「心の一方“影技”憑鬼の術。これを使うのは新選組を抜ける時以来…約15年ぶりだな」
緋村剣心「卑怯といえば卑怯な技だが使わせて貰うぞ」
緋村剣心「だが」
緋村剣心「俺が殺すと言った以上、お前の死は絶対だ」
緋村剣心「飛天御剣流抜刀術“双龍閃”」
緋村剣心「抜刀術が諸刃の必殺技である事も逆刃刀が抜刀術に向かない事も百も承知。最高の抜刀術を極めた男、それが抜刀斎の志士名の由来だ」
緋村剣心「肘の関節を砕いて筋を断った。お前の剣の命は終わった」
緋村剣心「そしてこれで人生の終わりだ。死ね」
鵜堂刃衛「いや、まだ終わらん。まだ後始末が残ってるさ」
鵜堂刃衛「俺が捕まって調べが進めば必ず人斬りを依頼した維新政府のお偉い方に行き着くからな」
緋村剣心「何!」
鵜堂刃衛「人斬りは所詮死ぬまで人斬り…他の者には決してなれない。お前がいつまで流浪人などといってられるか、地獄の淵で見ててやるよ」
神谷薫「剣心…」
神谷薫「え?いえ…どうも」
緋村剣心「(あの時、薫殿が止めてくれなかったら、拙者は完全に人斬り抜刀斎に立ち戻っていた)」
緋村剣心「あ、そうそう、そういえば藍のリボン返さなきゃでござるな」
緋村剣心「おろ」
神谷薫「なにこれ」
緋村剣心「(あの時、薫殿が止めてくれなかったら、拙者は完全に人斬り抜刀斎に立ち戻っていた)」
緋村剣心「あ、そうそう、そういえば藍のリボン返さなきゃでござるな」
緋村剣心「おろ」
神谷薫「なにこれ」
緋村剣心「(刃衛、せめて地獄の淵から見てるでざるよ。たとえ本性が人斬りだとしても、拙者は一生押さえてみせる)」
緋村剣心「(拙者は二度と人斬り抜刀斎には戻らない。拙者は死ぬまで不殺の流浪人でござるよ)」
神谷薫「ただいま」
緋村剣心「でござる」