脹相「九十九…」 九十九由基「ナイスファイト!後は任せて。泥くさい男は好みだよ。それに比べて…叩き直してやる (私好みに)」
羂索「(九十九由基…特級が与えられた以上総監部は彼女の術式情報を握っている……はずだった。総監部から彼女の術式情報を得ることはできなかった) あまり近づかないでもらおう」 九十九由基「輪入モノだろ、その呪霊」 羂索「あらゆる障害を取り除くアジアの神の呪い」 羂索「そう…術式対象に概念が絡む特級呪霊だ。御手並拝見」 九十九由基「凰輪!」 九十九由基「私の術式が分からなくて近づかないか?なら教えてあげよう。“質量”だ」
羂索「(空性結界の循環定義に綻びが生じるまで殴り飛ばされた…質量…か…)」 九十九由基「術式対象の概念…!その内包と外延に収まらない程の圧倒的質量!そう!それが私の術式!自らに仮想の質量を付与する“星の怒り(ボンバイエ)”!そして凰輪は私の術式により呪具化した式神!私以外唯一ボンバイエの術式対象!」 羂索「(速度が落ちていないところを見ると、上げた質量による術師本人への影響はないと見るべきか…概念を無視されるとなると渋谷で残した等級の高い呪霊は使えないな。だが果たして私だけでこの獣を狩ることができるだろうか)」
九十九由基「(重力だ。あれは重力だった。羂索は呪霊操術と肉体を渡る術式以外にも術式を持っている。それが重力だ。既に私に割れている“無為転変”を使わないことから“うずまき”で抽出した術式は一度しか使えない。羂索は三つ目の術式を持っている。そしてそれは重力だ。“うずまき”で抽出した術式を複数ストック…は流石にないな。乙骨君のように外付けでもしない限り脳のメモリがはち切れる。だが、最悪四つ目の術式くらいならあり得るかもな)」 羂索「(特級の高専資格条件から考えるに九十九由基には切り札となる呪力出力の高い拡張術式もあるだろう)」 羂索・九十九「(面倒だ…)」 九十九由基「(計画通り羂索に領域を展開させて展開後の術式が使用困難な状態にまで追い込む。仮に同時に私が同じような状態になったとしても凰輪がいる私に分がある。計画を確実なものにするためにこのまま羂索を削りできるだけ領域の強度を下げさせる)」
羂索「いやいや、お互いの術式が煙たいのに領域を展開しないのは領域の押し合いに自信がありませんって言ってるようなもんでしょ。領域展開“胎蔵遍野(たいぞうへんや)”」 九十九由基「(このタイミングで…) 天元!」 天元「(間に合うか…!?)」 |