『みんなそソレがお母さんじゃないことはわかっていた』
軍人「詳しくは知らねぇよ。俺は末端も末端だからな。オマエらが使う呪力とやらを代替エネルギーとして研究することになったらしい」 髙羽史彦「日本人だぞ」 来栖華「現場ガイドですね。要は裏切り者です」 髙羽史彦「この…っ!売国奴!」 来栖華「売国奴って言ってみたかったんですね。黙っててください」 伏黒恵「将来的に自国民が個人でエネルギーを自給自足するための研究か…」 虎杖悠仁「フーム?」 来栖華「むしろ今まで日本でそういう話が出なかったのが不思議ですね」 軍人「この国のトップはあくまで呪術総監部だ。プライドの高い奴らが自ら音頭を取って呪力を普及しようなんてまずあり得ない。ノブレスオブリージュ、自己責任論の強いこの国で根付くことはないだろうな」 伏黒恵「…羂索は新エネルギーを餌に非術師の軍隊を結界に招き呪霊に贄として捧げるつもりか」 来栖華「大勢の死に際の呪力の発露、それを利用して各結界を呪力で満たし、この国の人間の天元との同化前の慣らしを終える」 伏黒恵「この規模の人数が各結界に?あり得ないだろ。あの羂索だ。八方美人の二枚舌。おそらく複数の国の軍隊が投入されている (複雑な縛りが絡む死滅回游のデスゲーム自体この事態を予想させないため?)」
虎杖悠仁「助けよう」 髙羽史彦「軍人達をか?でも俺達を拉致して体をイジくろうって連中だぜぇ?エッチなことされるかも」 伏黒恵「だが放っておいたら“慣らし”が済んでこの国の人達が天元様と団子になるかもしれない」 髙羽史彦「俺よく分かってないんだよなぁ」 天使「ダメだ。東京第1第2共に術師のプレイヤーが50人は戦い散った。既にここ東京第1結界は呪力で満たされている」 虎杖悠仁「だから何だよ」 天使「意味がないと言っているんだ。軍人達を呪霊から助けようと助けまいと何も結果は変わらない」 虎杖悠仁「だから何だよ」 天使「私と華は共生関係だ。彼女のリスクは私のリスク。意味のない争いに彼女を巻き込むのはやめてくれ」 虎杖悠仁「もともと別に仲間でもなんでもねぇ」 髙羽史彦「ケンカ?」 虎杖悠仁「こっちは勝手にやられてもらう。指図すんな。俺はオマエらを信用しない」 天使「…………」 来栖華「さっきら天使と喋ってますか?それとも私?不愉快です」
軍人「(俺は軍人だ。覚悟はできてる。いつかテロリストの凶弾に倒れるかもしれない。砂漠で地雷を踏み抜くかもしれない。いつかいつかいつか…これは違う。こんなのは嫌だ!)」 伏黒恵「らしくないじゃないか」 虎杖悠仁「……そうかな」 伏黒恵「…言ってた内容は別に“オマエら”っていうのも天使と宿儺のことだろ?」
『みんなそソレがお母さんじゃないことはわかっていた。でも、泣いたりうるさくした子は皆いつのまにかいなくなっていたから次第に誰も何も言わなくなった。後から聞いた話だけど、私はそこに1年近くいたらしい。犬について行ったの。ふわふわの白いシッポ』 〈あーんだよ!女の子が一人で!年長さんくらいじゃねーかぁ!?随分ボロボロだから!はよおまわりさんよこしてくれ!〉 五条悟〈モテちゃうかもよ?無ー視ーすーんーなーよー〉 軍人「ジーザス…ついにお迎えが来たようだ」 『全ては運命。いつかアナタに巡り合うことを信じて少しずつ少しずつ、これからもアナタの隣にふさわしい人間になるため私は人を助ける』
伏黒恵「いつもの虎杖ならもう少し来栖に気を遣ったろ」 虎杖悠仁「伏黒と合流して来栖が……釘崎の代わりみたいになるのが怖くなった」 伏黒恵「バカ言うな」 虎杖悠仁「…後で謝る」 伏黒恵「そうしろ」
来栖華「何か言うことあるんじゃないですか?」 髙羽史彦「最後のコマは俺!」 『生まれる約束…髙羽もいるぞ!』 |