羂索「コガネ、総則(ルール)追加。死滅回游の新規プレイヤーの参加を打ち切ってくれ」 コガネ「却下されました」 羂索「そうはいかないよ」 コガネ「却下されました。ルール7に抵触します」
羂索「日本には天元が呪霊の発生抑制と補助監督役の結界術の精度を底上げするため、多数の浄界(より優れた結界)がある」 羂索「その中で要となる四つの浄界、皇居を中心とした浄界、東京遷都候補地だった高専地下薨星宮の浄界、京都山国御陵浄界、そしてここ、日本を東西に分断する巨大浄界…飛騨霊山浄界。死滅回游はこの天元が作った浄界をベースに作られた梵界(浄界よの優れた結界)だ。死滅回游のゲームマスターは誰でもない。だが強いて言えば私でもコガネでもなく天元だったんだよ。勿論私が勝手に仕立てて上げただけどね。渋谷事変の後、彼奴がこれらの浄界を解き放てば死滅回游は終わり、私の思惑は全て水泡に帰したんだ。だがこれらの浄界がなければ、脈々と続いた呪霊との戦いや結界術のノウハウを1000年前からやり直すことになる。多くの人間が死ぬだろう。彼奴は賭けたんだ。私ではなく彼等が勝つ事に。さてその天元は今私の手中にある。この浄界を張った張本人だ。破壊することは容易い。コガネ、ルール追加。死滅回游の新規プレイヤーの参加を打ち切ってくれ。さもなければ、この浄界を破壊し死滅回游を強制終了させる」
コガネ「ルール…なっなっな7に……」 天元「なんのつもりだ」 羂索「意図的に作るのさ、バグを。どちらを選んでも課せられた“永続”は叶わない。コガネはより持続可能な選択をするはずだ。だからこのルール変更は通る」 コガネ「プレイヤーによる死滅回游へのルール追加が行われました!〈総則13〉死滅回游への参加を現時点2018年11月18日21時9分をもって打ち切る」 羂索「更にルール追加。夏油傑、伏黒恵、氷見汐里を除く全プレイヤーの死亡をもって死滅回游を終了する。さもなくば…」 コガネ「プレイヤーによる死滅回游へのルール追加が行われました!〈総則14〉夏油傑、伏黒恵を除く全プレイヤーの死亡をもって死滅回游を」 天元「なぜこんなまわりくどいやり方をする?死滅回游を終わらせることが条件なら、この浄界を問答無用で消し去ればよかったんじゃないか」 羂索「それでは天元との同化の慣らしにつかった境界が消えてしまうからね。くっくっ、これは宿儺の手土産に持っていくよ。いいね?」 天元「ああ、浄界の構成に問題はない」
『高専サイド』 憂憂「これで羂索は宿儺以外のプレイヤーを一掃すれば死滅回游を終わらせることができると」 禪院真希「おそらくそれが同化の条件だったんだろうな」 憂憂「シンプルになりましたね。もうゴチャゴチャと考えながら戦う必要はない」 禪院真希「ああ、羂索と宿儺を倒せば私達の勝ちだ」 憂憂「簡単に言いますね。五条悟を殺すと言ってるようなものでしょ」 禪院真希「その五条悟が復活するんだよ」
家入硝子「すまないね。私の反転術式ではこれが限界だった」 天使「いや、本来なら即死していた。甘井君が術式で受け止めてくれたことと……これは確実ではないのだが、髙羽、彼がそばにいてくれたことが大きい気がする」 乙骨憂太「早速で申し訳ない。今後の方針のために聞きたいことがある。天使、君は宿儺のように他の人間に乗り移ることが可能か?」 天使「結論から言うと無理だ。私を含めなぜ多くの古の術師たちが羂索の誘いに乗ったかというと、誰も死後呪物に成る方法なんて知らなかったからだ。それは今も同じ。だが宿儺は違った。奴は一度経験しただけで掴んだのだろう。自ら魂を呪物として切り分ける方法を」 乙骨憂太「じゃあ」 天使「ああ私たちの仕事は五条悟の封印を解くまでだ」 来栖華「恵は?恵は…どうなるの?」
甘井凛「俺は俺がずっと嫌いだった。いつも自分より強い奴らの顔色を伺って…あれだよ。リズムゲームみたしに常にタイミングを見計らって相手の気持ちのいい言葉を吐くんだ。俺にはそういうクズの才能があったんだ」 甘井凛「あの後、アイツらにボコボコにされたよ。当然だ。虎杖にビビって全員放って逃げちゃったからな。死滅回游めちゃくちゃビビった。それでも俺はクズの才能で強いやつの手下についた。変わりたかった。あの時オマエについて行って一緒に戦いたかった。でも俺には勇気がない…違うか…俺にないのはプライドなのかもしれない。ごめん話終わり。とにかく謝りたかったんだ」 虎杖悠仁「オマエがどんなやつかとか正直知らん。俺には甘井が行動した事実と結果だけがある。甘井のおかげで来栖が助かった。ありがとう。まだ俺たちは負けてない」 甘井凛「待て!聞いたぞ!オマエの中にもう宿儺はいないんだろ?戦えんのか!?」 虎杖悠仁「関係ない。もともとアイツに協力してもらったことなんてないしな。家入さんが言ってた。今の俺は宿儺っていう呪力に浸された呪物みたいなもんだって。それにアイツを殺すためならなんでも喰ってやる」
虎杖悠仁「いくつか案がある。伏黒を助ける方法だ」 乙骨憂太「僕も…でも…」 禪院真希「どのみち宿儺を戦闘不能にまで追い込んでからでないと話にならないんだろ?」 脹相「悠仁これを」 虎杖悠仁「これは?」 脹相「獄門疆裏と共に託された九十九の遺した魂の研究記録だ。何か役に立つかもしれない」 虎杖悠仁「ありがとう」 脹相「いいんだ」 虎杖悠仁「違う…兄弟たちのこと」 脹相「いい。オマエの中で生きられるのならそれで」
五条悟〈育てる。強く聡い奴らを。もう誰も独りにさせない〉 家入硝子「(実はオマエらどっちかのことを愛してたなんてことは天地がひっくり返ってもないけどさ)」 家入硝子「(私がいたろ。何が独りだ馬鹿野郎。もうウジャウジャいるぞ。オマエの帰りを待ってる化け物どもが。帰って来い、五条)」 |