裏梅「申し訳ありません。どうしても最後の一本を見つけることができませんでした。如何様にも罰は受けます」 宿儺「よい。どうせ最後の一本は五条悟が持っている」 裏梅「左様でしたか…それは…」 宿儺「まあ“おそらく”だがな。五条悟は小僧の死刑を延期するために“宿儺の指全て取り込ませてから”という条件を上に出した。だからあの男が何もせず漫然とその時を待つとは考えづらい。既に宿儺の指を一本手中に収めていて、小僧の死刑を実質無かったことにしていたはずだ」 裏梅「(あの男…一度ならず二度も宿儺様の前で私に恥を…クソ…反転術式を以てしてもいまだ傷が痛む)」 宿儺「気にするな。一本分程度ならコレで補完できる。くっく身仏とはな…羂索…いや…天元か…皮肉のつもりか…それとも…」
羂索「コガネ、あれから19日経過した。死滅回游のプレイヤーでありながら一度も結界に入場せず術式を剥奪されて死んだ者は何人いる?」 コガネ「61名です。一覧に出しますか?」 羂索「いやいい。殺されることを恐れたのか殺すことを恐れたのか…違うな。その61人にそんな直覚的な感情はない。日車寛見が追加したルールがあればどちらも回避できたのだから。この国の人間は現実が不変恒常なモノだと自ら暗示をかける。命も生活も常に瀬戸際を流れているのに。誰だって命をかける勇気を持っているわけじゃない。だが他人に勝手にに命をかけられてしまったら、あとは行動するしかないじゃないか。現実や未来に希望がなくても死ぬことはいつでもできるんだ。まずは一歩踏み出す、自分の理想に一歩近づく、その実感を知らないまま死んでいく人間を私は嫌悪するよ。貴様に言っているんだよ、天元」
五条悟「いやー俺たちついに3人になっちゃったね」 家入硝子「まだ一人半端になってる奴がいるだろ」 五条悟「だな…七海はなんやかんやで生き残るタイプだと思ってたんだけどな」 伊地知潔高「…すみません…」 五条悟「何で伊地知が謝んだよ」 伊地知潔高「七海さんが亡くなったのになんでオマエがと言われた気がしたので…」 五条悟「どんだけ僕のこと低く見積もってんの?オマエにはまだデカい仕事が残ってんだろ。気張れよ」 家入硝子「その七海のことで猪野から話があるそうだ」 冥冥「五条悟VS両面宿儺受肉体。以前から裏社会の闘技場では呪術規定違反スレスレの客達を相手に賭け試合は行われてきたわけだけれども、渋谷事変後の規定変更で客層が合法的に広がり、賭けを行われずともPPVチケットの売り上げだけで50憶は固い…!今ほど自分の術式に感謝した日はないよ」 憂憂「姉様!これで烏達に精をつけましょう」
虎杖悠仁「準備運動はこんなんでいいだろ。そろそろ掴めよ虎杖」 日下部篤也「押忍」 狗巻棘「明太子」 乙骨憂太「大丈夫。狗巻君の腕のことは総監部には虎杖君抹殺任務に任命されるために話したけど、本人には伝わってないよ」 狗巻棘「しゃけしゃけ」 乙骨憂太「そうだね。あれは宿儺がやったことだ。彼が背負うべきじゃない」 狗巻棘「すじこ」 乙骨憂太「ありがとう。使わせてもらうよ」
『12月24日 新宿』 羂索「それじゃ私は君が五条と戦ってくれる間に死滅回游のプレイヤーを狩らせてもらうよ」 裏梅「鬱陶しい。さっさと去れ!」 羂索「仕方ないだろ。今日まで宿儺から離れたら五条悟に殺されちゃうとこだったんだから…そうでなくても今日まで動く気はなかったけどね」 羂索「五条悟が負けた場合、他の高専の連中…特に乙骨を始めとする主戦力は今日は君達から離れるわけにはいかない。彼らが宿儺を倒せるのは五条悟と戦った直後のみだ。私はフリーで動ける。いってきまーす」
秤金次「頑張れ?」 パンダ「死ぬな?」 秤金次「なんかしっくり来ないんだよな」 パンダ「今まで勝って当たり前の人間だったからな」 星綺羅羅「心配しよう応援しようという気が湧かないよね」 乙骨憂太「はは、では普通に喜んでくれると思うよ」 禪院真希「“あたりめーだろ”とか返されたら宿儺の前に殴っちまいそうだ」 虎杖悠仁「先生!術式邪魔!」 五条悟「ははっ、ばっちこい!」
禪院真希「行ってこいバカ目隠し!」 パンダ「面だけの男じゃねぇって証明しろ!」 狗巻棘「しゃけ!」 乙骨憂太「しんどくなったら代わりますよ」 秤金次「勝てよ!五条さん!」 五条悟「応!」 |