虎杖悠仁「まだだ。不可侵に適応されても条件がイーブンになっただけだし、傷だって先生ならすぐに…」 家入硝子「いや…明らかに傷の治りが遅くなってきている。赫が撃てる以上、反転術式が使えなくなったわけではないはずだが、出力は確実に落ちてる…すまない。それはおそらく脳にダメージのある宿儺も同じだな」 『相手が史上最強の呪いの王であっても誰もがどこかであり得ないと思っていた“五条悟の敗北”の可能性が脳裏に強く駆け巡る。それは五条本人も同様であった』 五条悟「(いつぶりかな…言わずもがな…)」 『だが敗色と同時により濃く湧き上がる充足。絶対的強者。それ故の孤独。今、彼を満たしているのは―』 五条悟「位相 波羅蜜 光の柱」 日下部篤也「呪詞の詠唱!」 家入硝子「下がった出力を戻す気だ!」 五条悟「術式反転」 五条悟「黒閃が効いてるな。いつまで休んでんだよ」 五条悟「赫!(不可侵に適応した魔虚羅をオフェンスに…宿儺は魔虚羅を破壊されないよう守りつつ魔虚羅が攻めやすよう隙を作る)」 脹相「(あの構えはまさか!) 穿血!?」
五条悟「(サポートに徹するわけではなく魔虚羅が不可侵を消したタイミングで宿儺も攻撃を差し込んでくるか。こうなると普通に2対1だな。つーか当たり前に式神の能力を式神を顕現させずに引き出してんじゃねーよ。満象を応用しての穿血とか、僕並みに器用だな。領域に付与する様な外付け的な運用を除いて御厨子と十種の同時併用はできない。今更、魔虚羅以外の式神を併用してきたのは不可侵への適応が終わって術式のリソースに余裕ができたからかな。となると反転の赫への適応は順転の術式と比べて時間を要するだろう。こちらとしては魔虚羅に手札を減らされるよりはありがたい)」 宿儺「勘違いするなよ。2対1じゃない。“鵺” “渾” 嵌合獣 顎吐(かんごうじゅうあぎと)」 宿儺「3対1だ」 五条悟「迷子の宇宙人みたいになってますよ」 五条悟「赫 (効きが弱いな。出力が下がってるせいだけじゃない。赫は1回しか喰らってねぇ。しかも直撃してねぇ。適応は0→100ではなくグラデーションがあるのか?となると魔虚羅を一撃で消すにはアレしかないが、タメがデカい上、宿儺に警戒されてる。あくまで赫への適応を優先するより、間髪入れずに攻撃を続け間を潰しにきてるのがいい証拠だ。とはいえ他に選択肢なし)」 五条悟「(無制限の虚式をキメるしかない)」 |