緋村剣心「御庭番衆でござるな」
火男「天下の御庭番衆が一人、ひょっとこ様たぁ俺の事よ。大人しく恵を渡しな」
相楽左之助「こいつぁ徒手空拳の剛力自慢だ。ここは俺に任せな」
緋村剣心「しかし相手は御庭番衆…果たしてそれだけの男かどうか…」
火男「ホウウ、必殺火炎吐息をよく避けたな。だがその足では次は躱せんぞ」
火男「まずはこっちを始末してからだ。焦らずとも次に焼却してやるぜ」
緋村剣心「そんな大道芸では拙者の髪の毛一本燃やせぬでござるよ」
火男「大道芸だとォ!」
明神弥彦「逆刃刀で炎を斬った!」
火男「まだまだァ!」
相楽左之助「助太刀ありがとうよ。だけどあいつの相手はこの俺だぜ」
相楽左之助「タネの割れた手品が何度も通用すると思ってやがる」
緋村剣心「そんな大道芸では拙者の髪の毛一本燃やせぬでござるよ」
火男「大道芸だとォ!」
明神弥彦「逆刃刀で炎を斬った!」
火男「まだまだァ!」
相楽左之助「タネの割れた手品が何度も通用すると思ってやがる」
火男「どいつもこいつも火葬してやる!」
相楽左之助「しゃらくせぇ!」
相楽左之助「チッ、自慢の割にゃあ随分汚ェタネだな。もうお前に勝機はねぇ。大人しく降参しな」
火男「勝機がないのは貴様の方だ!その火傷した腕ではさっきのような拳打は撃てまい!」
相楽左之助「チッ、自慢の割にゃあ随分汚ェタネだな。もうお前に勝機はねぇ。大人しく降参しな」
火男「勝機がないのは貴様の方だ!その火傷した腕ではさっきのような拳打は撃てまい!」
癋見「くっそ!ひょっとこの野郎あっさりやられやがって!」
癋見「元はと言えば高荷恵!てめぇが俺の当番の日に逃げなけりゃあこんなことには…」
癋見「ブッ殺す!」
緋村剣心「(殺気!)」
緋村剣心「気をつけろ!まだ何者かが潜んでいる!」
緋村剣心「そこか!」
癋見「死ね!」
明神弥彦「危ねェ!」
神谷薫「弥彦!」
相楽左之助「まずい!毒!?」
癋見「ククク!出しゃばった報いだぜ!そのガキは後一時間ともたねェ!毒殺螺旋鏢!これが御庭番衆癋見の真の技よ!」
癋見「次はてめぇだ赤毛野郎」
癋見「ん?」
癋見「元はと言えば高荷恵!てめぇが俺の当番の日に逃げなけりゃあこんなことには…」
癋見「ブッ殺す!」
緋村剣心「(殺気!)」
緋村剣心「気をつけろ!まだ何者かが潜んでいる!」
緋村剣心「そこか!」
癋見「死ね!」
明神弥彦「危ねェ!」
神谷薫「弥彦!」
相楽左之助「まずい!毒!?」
癋見「ククク!出しゃばった報いだぜ!そのガキは後一時間ともたねェ!毒殺螺旋鏢!これが御庭番衆癋見の真の技よ!」
癋見「ん?」
緋村剣心「(出来る)」
般若「止そう。この場でこれ以上戦っても高荷恵奪回は無理と見た。自分としては倒れている二人を回収して一刻も早く御頭に報告したい」
緋村剣心「そちらから攻めて来たんだ。引き止めはせんよ。だが、小さい奴は弥彦の解毒のためおいていってもらう」
般若「敵方にそうまでする義理はない」
緋村剣心「ならば是が非でもおいていってもらう!」
般若「涼しげな顔の割にはなかなか激情家だな」
般若「焦らずとも高荷恵を匿う以上、いずれ戦うことになる。それまでに勝負はお預けだ」
緋村剣心「そちらから攻めて来たんだ。引き止めはせんよ。だが、小さい奴は弥彦の解毒のためおいていってもらう」
般若「敵方にそうまでする義理はない」
緋村剣心「ならば是が非でもおいていってもらう!」
般若「涼しげな顔の割にはなかなか激情家だな」
般若「焦らずとも高荷恵を匿う以上、いずれ戦うことになる。それまでに勝負はお預けだ」
緋村剣心「刀傷や骨折の処置なら経験はあるが、解毒となると…とにかくまず傷口から毒を吸い出して」
神谷薫「わかった」
高荷恵「お嬢ちゃん、ここ道場なんだからかかり付けの医者がいるわよね」
高荷恵「薬剤を書くからその人に持って来てもらって!」
高荷恵「剣さんは湯を沸かして!それと手拭いと置き薬を用意して」
高荷恵「君は氷屋へ行って氷をありったけ買ってきて!」
高荷恵「解毒は時間との勝負よ!急ぎなさい!」
「これでよし。あとは3、4日もすれば回復するじゃろ」
神谷薫「よかったね弥彦!」
相楽左之助「ありがとうよじじい!」
「礼を言うならこれを書いた人に言うんじゃな。大したもんだよ。解毒薬の材料から調合まで完璧に記してある」
「これを書いた人は間違いなく蘭学、明治風に言うなら西洋医学に長じておるな」
神谷薫「驚いた。ただの性悪女だとばかり思っていたのに…」
「女?もしや高荷恵!?」
相楽左之助「知ってんのか!?」
「高荷恵…三年前に殺されたある医者の助手をしていた娘じゃ」
緋村剣心「どこへ行くでござる?」
高荷恵「(この人、心臓に悪い)」
緋村剣心「治療ありがとうでござる。弥彦に代わって礼を言うでござるよ」
緋村剣心「どこへ行くでござる?」
高荷恵「(この人、心臓に悪い)」
緋村剣心「治療ありがとうでござる。弥彦に代わって礼を言うでござるよ」
高荷恵「礼なんていいわ」
緋村剣心「で、どこへ行くつもりでござる?」
高荷恵「とりあえず東京から出るわ。あまされ者は早々に消えるから安心して」
緋村剣心「で、どこへ行くつもりでござる?」
高荷恵「とりあえず東京から出るわ。あまされ者は早々に消えるから安心して」
緋村剣心「故郷の会津には帰りを待つ人はおらぬでござるか」
緋村剣心「あまされ者とは、会津の言葉で邪魔者というような意味でござろう。拙者は幕末、京都で幾度も会津武士と戦った事がある故ピンと来たでござるよ。そろそろ本当の事を聞かせてくれぬでござるか」
「会津藩の高荷と言えば、医者の間では有名な家系じゃったよ。高荷家は、女や子供も医学を学ぶ珍しい一族」
緋村剣心「あまされ者とは、会津の言葉で邪魔者というような意味でござろう。拙者は幕末、京都で幾度も会津武士と戦った事がある故ピンと来たでござるよ。そろそろ本当の事を聞かせてくれぬでござるか」
「会津藩の高荷と言えば、医者の間では有名な家系じゃったよ。高荷家は、女や子供も医学を学ぶ珍しい一族」
高荷恵「五年前は人を見る目がなくてねぇ…その医者が裏で観柳と組んでいたのよ。観柳が安く仕入れた阿片の原料をその医者が精製して再び観柳が売る」
高荷恵「それでうまくいってたらしいわ。医者がこれを作り出すまではね」
高荷恵「通称“蜘蛛の巣”。特別な精製法で従来の半分の原料で作れて依存性は二倍。つまり四倍のもうけが出る」
高荷恵「大量販売を目論む観柳は、その精製法を聞き出そうとしたけど医者は利益を独占しようとして口を割らなかった。やがてイザコザになり、観柳達は誤って医者を殺してしまった」
高荷恵「そして助手として唯一精製法を知る私が無理やりに作らされるはめになった」
高荷恵「生きて医学に携わっていれば、いつかどこかで離れ離れになった母や兄に再会できるかも知れない...そう思って…人を死に追いやる薬を三年間も…」
緋村剣心「恵殿が観柳に追われるのは、未だに精製法を知る者が他にいないからでござるな」
緋村剣心「蜘蛛の巣の生産を抑え、せめて犠牲者を最小にしようと、その罪悪を放り出さず敢えて自分一人で背負い込んでいたのでござろう」
緋村剣心「そうして三年間も苦しみ続けたのなら、そろそろ許されて自由になってもいい頃でござるな」
高荷恵「剣さん…」
緋村剣心「連中がそう易々と手を引く訳はござらん。もうしばらく道場にいた方がいいでござるよ」
高荷恵「でも…」
緋村剣心「いいでござるな?薫殿」
神谷薫「いいわよ。独りぼっちの辛さは私も知ってるし…」
神谷薫「剣心がいなかったら私もあなたと同じだものね」
神谷薫「けどね、剣心に手出したらダメだからね!その時は容赦なく放り出すからね!」
緋村剣心「いいでござるな?薫殿」
神谷薫「いいわよ。独りぼっちの辛さは私も知ってるし…」
神谷薫「剣心がいなかったら私もあなたと同じだものね」
神谷薫「けどね、剣心に手出したらダメだからね!その時は容赦なく放り出すからね!」
四乃森蒼紫「そうか…癋見とひょっとこはしばらく使い物にならないか」
般若「はい」
四乃森蒼紫「で、般若お前の怪我は大丈夫か」
般若「はい、かろうじて…御頭の言った通りあの男ただ者ではありません」
般若「まさか私の掌打を喰らいながら」
般若「その反動を利用して人体急所の肝臓を突いてくると…」
四乃森蒼紫「動けるか?」
四乃森蒼紫「で、般若お前の怪我は大丈夫か」
般若「はい、かろうじて…御頭の言った通りあの男ただ者ではありません」
般若「まさか私の掌打を喰らいながら」
般若「その反動を利用して人体急所の肝臓を突いてくると…」
四乃森蒼紫「動けるか?」
般若「戦闘は二・三日無理ですが諜報活動でしたら」
四乃森蒼紫「よし。三日であの男の過去を洗え」
般若「はっ」